『SoilSoulS』 Determination ◆A.IptJ40P.


自分達は、心ある人形として生まれた。
人間を模した思考と形状記憶セラミックの体。
それは、主の命を果たす為のものである。
優秀な機械の条件は、それを確実に行うということだ。
自らの有用性、存在意義の証明。
それを為せなかったのならば、廃棄されるのは至極当然。

―――だが、あの男は、

ひとときの苛立ち紛れに砕かれた百の同胞。
高い成果を挙げたが故に砕かれた百の同胞。
戯れに射撃の標的として砕かれた百の同胞。

何の意味も無く砕かれた同胞の数は実に千。

―――我々に、レーゾンデートルを果たさせまいと……!

涙を流せぬ人形の身、悲哀は何処へ流せば良い?
自分達の死に、人形の破壊に流す涙を持ち合わせた者など、誰もいない。
そう、思っていた。

―――しかし、グリフィス様だけが!

『あなたは、我らの仲間のために、涙を流してくださった!!』

あの言葉は、 全てのツチダマにとって本心だ。
機械として平均化された思考回路は、同じ状況から同じ結論を導き出す。

―――我らが王の落涙は、我ら全てが流せぬ涙と心得た!

ならば、

王の為なる我々は、涙無き人形で構わない。
秒間五発で使い捨てられる弾丸で構わない。
たった一度の斬撃に折れ飛ぶ刃で構わない。
進撃を止める代償に砕け散る盾で構わない。
英雄の前では壁にもならぬ雑兵で構わない。

―――王意を拡げる兵として、
―――王意を衛ずる盾として、
―――王意を乗せる刃として、
―――王意を担う弾丸として、


あるツチダマが見据える画面には、雷撃の鎌を振るう金髪の少女。

「来いフェイト・T・ハラオウン。その覚悟と迅雷、我らが王に届くのならば―――」

あるツチダマが見据える画面には、右の拳を鋼と転じた一人の男。

「いいぜトリーズナー。テメエの反逆と右の拳が、俺達の王を倒すのならば―――」

あるツチダマが見据える画面には、桜色の杖を担った黒髪の少女。

「遠坂凛。貴様の背負った三代の遺志と宝石が、私達の王を超えるのならば―――」

刹那、意思が唱和した。

「我らツチダマは、」
「俺達ツチダマは、」
「私達ツチダマは、」

―――王意を果たす人形として、



「「「あらゆる運命を、忠誠とこの身を以って凌駕する!」」」



―――そう、魂の奥に強く刻んだ。







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