FVBにおける行政機能の中枢は、勘定奉行(かんじょうぶぎょう)、町奉行(まちぶぎょう)、宙奉行(そらぶぎょう)の三奉行職にある。
そのうち、宇宙船舶の航路管制から宇宙港管理、果ては宇宙艦隊の建造計画までを所掌とする部署が宙奉行であり、宙奉行が管轄する行政府を「宙奉行所」と称する。
宙奉行と一口に言うが、その所掌とする業務は幅広い。
宇宙国家であるFVBにとっては、宇宙分野=基幹交通網&全戦力を意味してしまう(歩兵部隊や航空部隊も宇宙軍歩兵、宇宙軍航空隊とみなして宇宙軍管轄となる。ただし私掠船については藩王直属)。
さすがに軍の指揮は軍令部が掌握しているが、建艦整備の決定権は宙奉行所にある。
いわば「藩国宇宙行政のすべて」なのだ。
これまではFVBとISSの関係はあまり密接ではなかった。
正直に言えば、ISSの努力に対して、FVBはおんぶにだっこの地位に甘んじていたのである。
しかし、クーリンガンとの戦いにより、上層部においても現状に甘んじていてはいけないとやっと認識したのであった。予算が投入され、国内各所に警察署や交番が配置され、宙港与力や定町廻り同心が治安を維持するため巡回するようになった。
さらには宙港関連施設や中央駅の各施設に、サーモグラフ(熱感知センサー)その他の探査機器が取り付けられ、不死人の潜入に備えるようになったのである。
宙奉行職には、エステル・ヴァラ・夜明けの艦氏族・夜明けの船・ヤガミが任命されている。