○緊急災害対策のお知らせ

  今回のクーリンガン事件に鑑み、共和国帝國を問わず大勢の被害者が出ました。FVB国内も大きな被害を受けています。
  FVBでは病院を建設しておりますが、帝國の医療技術は共和国に比べ、まだ十分ではなく、施設が本来の能力を発揮できていません。

  そこで今回、FVBではISSの援助を受け、医師の派遣をしていただくことになりました。

  FVB国内の医療施設は、一時的にISSの派遣を受け入れ、協力して治療にあたります。
今回の派遣に際して、ISSの医師からの指揮、アドバイスを受け、協力して問題解決を図ります。
  人命救助のため、各種医療機関はISSの医師の方を受け入れ、連携していただけるようお願いいたします。

  どうかご協力をよろしくお願いします。

FVB藩王 さくらつかさ
法官 曲直瀬りま

 

 



10/25 重傷者発生、お医者さんの派遣をおねがいします。

FVB藩王 さくらつかさ

 

ゾンビ騒ぎが一段落し、国内が復興し始めたFVB。
復興するにつれ、徐々に足りないものが判明。
そしてそれらを整備している途中で起こる。



不変空沙子ヨリ打電

不変空小春重傷、至急医者ノ派遣ヲ求ム
 


現状、整備ができているのは、施設としては療養所、市民病院、医療品工場と並以上に揃えることができている。
が、肝心要のところ、【医者】がいない。そして、育成するにも時間が必要なのは間違いない。
緊急事態ということで関係各所へ相談した結果、ISSへ派遣の依頼をすることになった。

 

 FVBの政策とISSとクーリンガン

  帝國は医療水準でかなり遅れていた。
  戦争好きみたいなところがあるので、その延長で医療水準もあがるかと思いきや、世間様はそれ以上に上がっていたのである。特に、FVBなんてのは宇宙国家。宇宙空間で戦闘になったら、結果は死人か生者の二択になることがほとんどで、その間はサイボーグ手術で対応……などという荒っぽい治療が横行していると技術革新はなかなか進まないのである。
  しかし、それで良いとみんな思っているわけではない。
  死にかけた人がいて、助けられる手段があるのに、手の届くところにないから助けられない……そんな状況をなんとかしようと、あぶく銭を手に入れたFVBが真っ先に手を付けたのが医療制度改革であった。
 「シカやサルじゃあるまいし、人間さまが温泉につかってるだけですべての怪我や病気を治せないわよ」
  藩王さくらつかさはそう言って、アッパレ扇子を振って着工を命じた。できるだけのことはしておこーねと。

  まず「療養所」を建設した。どんなものになったか、まだデータが出てきていないのでなんともいえないけれど、きっと立派な施設に違いないとナースエンジェルは確信している。
  それからFVBは「空前の栄華」によって蔵から金銀財宝があふれ出したと知るや、まっさきに「市民病院」を建設。勢いに任せて「医療品工場」も建設することにした。お金が余っているから……というのではなく、取れるときに必要なものを確保しておかないとチャンスは2度ないのである。

  さて、ハードはできた。
  しかし、ソフトは整っていない。

  最初はのんびり自力で医師や看護師を養成する予定だったが、またまたクーリンガンのせいでそんな余裕はなくなってしまった。
 「仕方がない。借りてきましょう。まずはISSで、それから広く世界的に大募集よ」
 「御意」
  それからが公安当局……FVBではより優雅にお庭番と呼んでいるけれど、お庭番大忙しとなるのである。
  誰でも医者や看護師ならOKとか言っていると、この前みたいにクーリンガンみたいなのが潜入して親切めかしてゾンビ量産というはめに陥ってしまうからだ。さすがに二の舞は避けたい。それくらい学習しなくちゃお莫迦さんなのである。
  幸いに、駅やステーション等にはゾンビ警戒用のスキャナーも完備されていたから、それと合わせて人の目、犬士の嗅覚を使って怪しい者は何者であろうと国民に近づけまいと警戒を続けているのである。
  がんばれ!

 

 


 

 ○願い                   不変空沙子

 

大規模戦闘があったらしい。
不変空沙子は真っ先に小春の安否を考えた。
小春は大事な人だったから。


誰にでも大事な人の一人や二人いるだろう、と沙子は勝手に思っている。
なんでそれが小春なんだと思わなくもない。


小春は戦場に行ったんだろうな。
行って誰かを助けたんだろうな。


ぼーっとそんなことを考えながら、小春が危険な目にあっている
かもしれない、ということを考えないようにしていた。
すぐそこには小春がいるかもしれない病院がある。
そこに行けば、結果はすぐにわかる。
もし、死んでいたら…。
そう考えると、今日はさっさと寝てしまうのがいいのかも知れないと考えていた。



突然思考が切り替わった。
早ければ早いほど、悪い結果だったら、手の打ちようがあるかもしれない。



沙子は急いで確認に行った。
いつもいつも、自分にとって重要なことを確認することは怖い。
きもちがわるくなる。



「こんばんは。確認したいことがあるのですが・・・」
結果は最悪ではなかった。小春は生きていた。
重傷だった。


FVBには大きな病院ができたが、医師アイドレスがない。
小春を治すには医師を連れてこないといけない。


ここで泣けたらどんなに楽だろう。
というか。彼よりも深刻な状況に陥っている人もいるはずだろうな。


まずはおうさまに頼みに行った。
病院に医師を呼んでください、と。


次は猫野和錆さんに連絡をとった。
小春を治して下さい、と。


ちなみにどちらにも状況を説明せずにお願いしますだけを
最初に言っている。おちつけ(つっこみ)。
二人とも沙子に的確な質問をして状況を理解すると同時に行動を開始した。



状況が変わりだした


小春に近づけるぎりぎりのところにいるときのこと。
時雨さんが心配して話しかけてきた。
「今聞いてきたんですけど」
「うす!どんまい!」
「いやいや!」
「動いてくれている人がいます」
沙子はたぶん大丈夫です、という言葉を飲み込んだ




以下個人的な願い事

小春を治せるかた、よろしければ小春を治して下さい。
わたしは小春を治せません。
今、私が小春を生き残せる最大の方法は、医師を呼ぶことです。
私は第7世界人ですが、小春は違います。
私は小春がいい人だと思います。小春はNWの平和のために戦っていました。

 

最終更新:2008年10月26日 01:19