士官と一般兵を区別する境界は、エステル伝習所(航空宇宙軍幹部候補生学校)を卒業しているか否かである。
乗員募集に応募しただけの船乗りや海賊(あがりの者)など伝習所を卒業していない者は準士官止まりであるが、昇進の意欲と能力があると認められれば艦長推薦によってあらためてエステル伝習所に送り込まれることになる。
■水兵・宙兵(Sailor)
FVB海軍・宙軍を支える者たちである。
一般の船乗りばかりでなく、私掠船から降りた海賊の第2の活躍の場としても機能している。厳格な監督の下で勤務する彼らの操艦技能はきわめて優秀ではあるが、士官教育を受けていないため、そのままで士官になることはない。
■下士官(Petty officer)
経験を積んだ水兵・宙兵が航海士・操舵手・機関士などに選抜・任命されたもの。機関士については、宇宙軍機関学校において一般研修がおこなわれる。
■准士官(Warrant officer)
士官教育を受けていない水兵・宙兵の出世の到達点である(そもそも責任ばかり増える出世を喜ぶ者は多くないが……)。
■士官候補生(Midshipman)
エステル伝習所にて基礎戦技コースを学んだ生徒は、適正によって術科コース(砲術科水雷科、通信科、航海科)と「宇宙軍機関学校」での士官コース(造船科、機関科、兵器開発科)に別れる。そして、その修了後には実習のために士官候補生として艦に配属されて船乗りとしての第一歩を踏み出す。もちろん、候補生であっても正規の命令系統に組み込まれ、義務と責任が付与されることになる。
■士官(Officer)