勇者30

【ゆうしゃさんじゅう】
ジャンル RPG(モードによって異なる)
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 マーベラスエンターテイメント
開発元 オーパス・スタジオ
発売日 2009年5月28日
定価 4410円

概要

  • 元は「三十秒勇者」というフリーゲームだったものを、PSP用に移植したもの。メインとなる「勇者30」以外にも、隠しモードを含めて六つのモードが搭載されている。
  • 「三十秒で世界を救え」がキャッチコピーとなっているように、メインとなる「勇者30」モードでは普通のRPGでプレイヤーが行う「旅立ち→仲間集め→金稼ぎ・経験値稼ぎ→村や町の住人とのイベント→魔王討伐」という流れを、わずか三十秒でこなさなければならない。その方法については特徴の項目で記述する。
  • また、搭載されているモードによってジャンルが異なる。基本的なモードは四つ、「勇者30」「王女30」「魔王30」「騎士30」であるが、勇者30はオーソドックスなRPG、王女30は弾幕系シューティング、魔王30はリアルタイムシミュレーション、騎士30はアクションゲームと、それぞれ毛色が異なる。すべてのモードはそれぞれ時系列がつながっており、それらをすべてクリアする事で勇者30のシステムで行う最終モード「勇者300」が開放される。またこれをクリアすると、隠しモードで遊ぶ事も出来る。
  • 三十秒という制限時間が設けられているが実際にはその三十秒をマメに引き延ばしながら進める事になる。

特徴

  • 基本的にすべてのモードは、ステージひとつ辺り実時間の30秒でクリアしなければならない。理由はきちんと設定されている。
    • 「勇者30」は、悪の魔法使いが各地の魔王達に世界を消滅させる呪文を教えてしまい、その詠唱時間である朝から夜までに魔王を止める必要がある為。
    • 「王女30」は、王女が箱入り過ぎる為、門限が30秒に制限されている為。
    • 「魔王30」は、日差しに弱い魔王が、夜が明けるまでしか活動できない為。(その活動時間が、実時間の30秒)
    • 「騎士30」は、騎士の守る賢者の、魔物を全滅させる呪文の詠唱時間が30秒である為。
  • 少々無理のある(特に王女)設定もあるが、それなりに納得できる設定である。
  • ちなみに、この世界の一日は60秒である。すなわち、30秒=半日。
  • 当然ながらすべてのステージが30秒以内にクリアできる訳では無い。その時にプレイヤーが頼る事になるのが、時の女神である。
    • モードによって異なるが、基本的に町やフィールドにある女神像に一定以上の献金(おいのり)をする事で時をプレイ開始時まで戻す事が出来る。当然経験値や手に入れたアイテムなどはそのままだが、女神像への献金額は「おいのり」する度に倍増していく。当然金が尽きれば時を巻き戻してもらえない為(装備をひとつ手放すという救済措置はあるが、リスクが多い)、どのタイミングで装備品を買うか、など金銭に関してもプレイヤーのコントロールが求められる。

良いところ

  • 「勇者30」パートにおいて原則30秒という事と、小さなステージという縛りがありながら、ストーリーの分岐や村人とのお使いクエスト、装備品の組み合わせによる戦略など、普通のRPGに備わっているべきものを全て落とし込んだ手腕は賞賛に値する。また、全モード通して王道とも呼べるストーリー、ギャグやパロティなども交えつつも、抑えるべきところはきっちり仕事した物語性も、評価すべき点であろう。
    • とくに「勇者30」モードの終盤のとあるシナリオは30秒で感動するほどのできである。
      • またこのシナリオの前にこのシナリオに関する罠が存在し、初見で驚愕したプレイヤーが多い。
    • 全パート攻略後に出現する最終モード「勇者300」は勇者のほか、魔王、王女、騎士といった各モードの主人公が共に黒幕に立ち向かうという胸熱な展開である。
      • ラスボス最終形態戦に至っては後述のオープニングテーマがBGMとして流れ、演出とシチュエーションも相まって、非常に熱いラストバトルとなっている *1
  • 高見沢俊彦氏による、ドット絵には不釣合いなまでのオープニングテーマ、そして古代祐三、桜庭統、日比野則彦などそうそうたる顔ぶれのBGM陣など、音楽的な評価も高い。
    • 後にオープニングテーマは、高見沢俊彦氏のシングルにアレンジや歌詞を加えた状態で収録されている。
  • シナリオ自体は短いが、「勇者30」を初期装備でクリア、「王女30」でタイムアタックなど、やりこもうとすればやりこめる間口の広さもあり、また手軽に取り出して遊べることなどから、それなりに末永く遊べるゲームであろう。
  • 登場人物が個性的で愛らしく、たとえ悪役でもコミカルで憎めないキャラクターだったりする。

不満点

  • 上記で書いたがシナリオは短い。全てのモードを一通りクリアして、およそ十時間といったところだろう。(プレイそのものが短縮を求められるゲームではあるが)縛りプレイ、タイムアタックなどやりこみ要素もあるが、コアなゲーマー以外には少々物足りない感じは否めない。
    • メインモードの勇者30には各ステージにプレイ内容によって得られる称号があり、そのコンプリートを目指すやりこみもあるにはあるが、得られる称号は各2つしかなかったり、クリア後でも装備品が獲得したステージ以降でしか使えなかったり半端。
  • 隠しモードの難易度が素晴らしく凶悪。制限時間が何と3秒しかなく針の穴を通すかのようなプレイが要求されるため大抵序盤で投げてしまうプレイヤーが多数。せめて5秒あれば・・・
  • あえて旧世代機のような荒いドットで描かれたキャラクターと、クリア時等に挿入されるデモの少女マンガチックな華麗な絵柄にギャップがある。また、複数のクリエイターがデザインを担当しているが、妙にシリアスなモンスターの絵が多く、ギャグ風味のシナリオとマッチしていない。
  • 女神が極悪。結局女神がお金に執着しなければ話は簡単に解決する。本当に味方なのか。まあ、そういうゲームなので仕方がないが…

その後の展開

  • 2011年8月4日には本作の正当な続編『勇者30 SECOND』が発売された。ゲームモードはRPGに一本化され、ボリュームが増している。「超速ドラマチックRPG」と銘打っている通り、本作のノリを継承しつつ、ドラマチックに洗練されたストーリーが好評を博した。
    • 続編も相も変わらず豪華過ぎる製作陣である。
      • しかも作曲で言えば伊藤賢治や光田康典、なるけみちこ等といったゲーム音楽の巨匠が軒並み参加している。
    • 感動系シナリオも健在。霜月はるかが歌うボーカル曲をバックに戦うと言う演出とその秀逸な内容で、またしても多くのプレイヤーが涙を流した。
    • 主人公の勇者を始め、今作のキャラが多数登場するなどファンサービスも忘れていない *2
    • 他にもシステムの改良点が多数と、今作に不足していたやり込み要素の強化、更にはオリジナルのステージを作成する機能も備わっている。