蒼穹紅蓮隊

【そうきゅうぐれんたい】

ジャンル 縦スクロールシューティング
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対応機種 アーケード(ST-V)
開発元 ライジング
販売元 エイティング
稼働開始日 1996年

概要

  • 残機制縦スクロールSTG。キャッチコピーは「死角無し」
    • 「愚連隊」ではなく「紅蓮隊」。海外版のタイトルは「Terra Diver」。
  • N.A.L.S.(No blindspot All range Laser System:全方位照準固定システム)と銘打たれた広範囲ロックオンシステムが最大の特徴。
  • レイフォース』(タイトー)の後継者とも言える作品で、システムや背景の手法に強い影響を受けつつ独自の進化を遂げている。
  • セガサターン互換のST-V基盤を使用。縦スクロールSTGとしては珍しく横長の画面をフルに使った構成になっており、さらに自機の位置に応じて画面が横にある程度スクロールする。そのためか縦への強制スクロール速度は全体的に遅めになっている。

ストーリー

西暦2056年、生態系を取り巻く環境の悪化に伴い、人類は新たな居住地を求めて宇宙へと足を踏み出していた。
宇宙開発によって巨万の富を得た「企業」の影響力はときに国家をも凌ぐほどになり、こと火星開発に於いては「尽星」グループと「八福星間開発公司」の間で、どちらが主導権を得るかという争いが表面化しつつあった。
プレイヤーは(株)尽星の私設自衛部隊、通称「蒼穹紅蓮隊」の一員となり、危険な任務を遂行することとなる。

ある日、所属不明の巨大な巡洋艦が、本社が置かれている東京府大田区の都市部へ向けて大気圏外から降下中であるとの情報が、高高度プラットフォーム「慶絡」より入った。
「慶絡」からは直ちに邀撃(ようげき)部隊が発進したが、降下速度の差からインターセプトは失敗、同部隊の本社到達は巡洋艦の6分後と算出された。
蒼穹紅蓮隊は本社ビルより緊急発進、敵と思しき巡洋艦迎撃に向かう。

特徴

  • 操作はショット・ボム・ウェブ切り替えの3ボタン。ショットはセミオート(一回で数発発射)で、長押しする事で機体前方または全域にワイヤーフレーム状のウェブを展開。範囲内に入った敵を自動ロックオンする。
    • ショットボタンを離す事でロックオンした敵に対して追尾攻撃を行なう。ロックオン攻撃はショットよりも強力な物、弱い物がある。
      • ロックオン数が多いほど高得点だが、少ないロックオン数だと得点がショット破壊時の数分の一に減らされてしまう。(ロック数が1と2で1/2倍 3で1倍 4で2倍・・・と増えていき最高倍率は8ロックオンの6倍だが機体により最大ロック数は異なる)
      • 高低差の概念があり、高空・低空の敵にはショットが当たらないが、立体的に展開するウェブの範囲内に収めることでロックオン攻撃が可能。
      • 同高度にいる小型の敵に接触するとミスになるが、中・大型の敵は押し戻されるだけでダメージを受けない。
    • ウェブ展開中にボムを使うと範囲は小さいが多数発射される広域ボムに切り替わる。ウェブ非展開中は前方にボムを発射する。
    • ウェブ切り替えボタンを押す事でウェブを 範囲が広いタイプ 範囲は狭まるが威力が高くなるタイプ に切り替える事ができる。
      • 更に、それに応じて広域ボムが二種類に変化し、計3種類のボムを使い分けることが可能。本作はどちらかと言えばボムを多用するゲームバランスとなっている。(注:Web展開時にロックオンしていなければ広域ボムが自機の左上と右下から時計回りに敵の位置に関係なく発射、ロックしているとその敵目掛けて広域ボムが誘導される、Web非展開時は効果時間が長く巨大な通常ボムを前方に発射。何れもボムで敵を破壊すると基本点の1/4になる)
  • 自機は3種類から選択できる(PS版オリジナルモードのみ4種類)。それぞれ移動速度やショット、ウェブ範囲が異なる。
    • S.O.Q-004「 屠竜 (トリュウ)」…バランス型。火力があり最も扱いやすい。ただし最大ロック数が6と最少で、後方への攻撃手段が無い。
      • 拡散型ウェブ:半自立荷電曳導弾(EI-DOU)…前方半球状に展開する追尾型レーザー。射程・威力・速射性ともに平均的な性能。
      • 集中型ウェブ:渦状磁界重粒子弾(PINPOINT)…自機の動きに合わせて前方円錐状に展開する拡散波動砲。捕捉範囲は狭いが射程と攻撃力に優れ、かなり強力。
    • S.O.Q-010「 紫電 (シデン)」…スピード型。最大ロック数は中間の7。スピードとウェブ範囲に優れる一方、攻撃力に難がある。
      • 拡散型ウェブ:全天熱光留照射機(ALLRANGE)…真球状に展開する直射型レーザー。後方や高空・低空の敵を捕捉しやすいが、連射性能や威力が低く殲滅力に欠ける。
      • 集中型ウェブ:自己索識膨粒子弾(BOU-RYU)…前方半球状に展開する追尾型レーザー。威力は低めだが扱いやすい。
    • S.O.Q-025「 鵬牙 (ホウガ)」…パワー型。スピードが遅い代わりに最大ロック数が8と最大。使いこなせれば面白いものの、非常に癖が強い機体。
      • 拡散型ウェブ:無死角偏重粒子弾(RANDOM)…自機の動きと逆方向に円錐状に展開する拡散波動砲。全方向に展開可能で高威力だが、とにかく制御が難しい。
      • 集中型ウェブ:索導粒荷無双砲弾(MU-SOU)…自機の動きに合わせて前方円錐状に展開する追尾型レーザー。威力は平凡。
    • S.O.Q-026「 黄武 (オウブ)」…PS版専用。全ての面が優れたバランス無視性能。最大ロック数は9。
      • 拡散型ウェブ:正式名称不明(HO-SEN)…真球状に展開する追尾型レーザー。火力の低さを克服したALLRANGEといったところ。
      • 集中型ウェブ:正式名称不明(OUKA)…前方半球状に展開する直射型レーザー。使い勝手が良い上に瞬間火力が異様に高い。

長所

  • 難易度は比較的高めだが、ボムの使い分け方を把握してしまえば一気に世界が広がる。簡単にロックオンできて見た目も楽しいウェブ一辺倒でもそれなりに進められるため、初心者もゲームに入りやすい。
  • ウェブ操作とメインショットの使い分けを駆使する事でより戦略的な進め方が可能。
    • 広域の敵を同時に捕捉し、一掃できるウェブレーザーは非常に強力・爽快だが、連続展開に時間がかかる(ものによっては発射から着弾までにも時間がかかる)、ロックオンできない対象があるなど万能ではない。
    • 小さなザコや破壊可能敵ホーミングミサイルや遠くの敵などはメインショット、堅い敵や違う高度の敵などはウェブ、と使い分けると吉。
      特に素早いザコをウェブで落とし損ねると懐に入られピンチになりやすいので、ショットで隙間を埋めることも重要になる。
  • 重厚かつテンポの良い進行でゲームの空気に絶妙にマッチしたBGM・ポリゴンと2Dを融合させたハイセンスなグラフィック。
    • BGMは『タクティクスオウガ』、『ファイナルファンタジータクティクス』、『レイディアントシルバーガン』などで数々の名曲を手掛けている崎元仁、効果音はシューティングファンにはお馴染みの「さんたるる」こと並木学という豪華なタッグ。
    • グラフィックだけでなく演出面も光っており、特に「戦車部隊を追って超高度から降下していく」という3面は、雲海から次々と現れる戦闘機群、雲海の切れ目から地上を走るボスを見下ろす場面、雲海を抜け地上に降りると現れる戦車部隊との高速スクロールによる戦闘、そして場面とシンクロした重厚なBGMなど、本作の見所として特に人気が高い。
    • 「敵弾が見辛い」という3D描画の2Dシューにありがちな問題点がほとんど気にならないのもポイント。
  • 緻密な設定のもとに繰り広げられる魅力的なハードSF世界。
    • 近未来を舞台に日本の宇宙開発企業が私設部隊を以て業務を妨害するライバル企業やテロリストを実力排除する、という独自のストーリーを表現するため、様々な演出が光る。その演出の数々がとても濃い。
      • スコアが「賞与(単位はNY:New Yen)」表記、敵味方に詳細に設定された兵器名、SS版の取扱説明書が「入社案内書」、戦闘が新聞やニュースで報道される移植版の中間ムービー(事実はしっかり隠蔽済み)などなど、目に見える演出から裏設定まで、隅々に作品の雰囲気作りが徹底されている。
        +  一例:「入社案内」

        参考:蒼穹紅蓮隊 用語辞典(公式HP)

  • 異様に凝った登場時の演出があったり、よく分からないがともかくスゴそうな肩書きと識別名を持っていたり、ボスの存在感がいちいち他の作品と桁違いに大きい。
    • 登場順に全翼型爆装機「 黒瞥 (コクベツ)」、対宙対地上攻撃衛星「 深閃 (シンセン)」、大型戦術格闘攻撃機「 呑竜 (ドンリュウ)」、汎用戦術戦闘宇宙機「 秋嵩 (アキタカ)」、極地戦略輸送攻撃機「 海鳳 (カイホウ)」、高高度中継滞空攻撃機「 爆懺 (バクザン)」、全翼型戦闘爆装機「 黒瞥 (コクベツ)・改」、(PS版限定)光帯照射砲装備模擬戦艦「 霧葬 (ムソウ)」。ちなみに全て制式名ではなく、主人公側が付けたコードネームという設定。即興ってレベルじゃねーぞ!
    • 特に4面ボスの秋嵩はその親しみやすい(?)識別名やフォルムから妙に人気があり、「アキタカ君」「ノイエジール」などと呼ばれる。専用BGM名も「突撃秋嵩君」だったり。

短所

  • 「パワーアップレベルが低い程、アイテムが出現する周期が大幅に縮まる」という、整合性に欠けた仕様。
    • わざと初期状態で進行すると、道中だろうがボス戦だろうがかなりのペースでアイテムキャリアー(撃つと必ずアイテムを落とす雑魚)が出現し続ける。一定確率で出るボムをきっちり貯めていけば、ボスも比較的簡単にゴリ押しできてしまう。
      • パワーアップで強化されるのはショットのみで、主力のウェブやボムには影響がない。ショットの使用目的やスコア稼ぎ、ランク調整を考えると、パワーアップする利点があまり見当たらない。
      • ある意味ライジングシューのお約束だが、少々味気ない。初期装備で十分なためミスからの復帰が容易という利点もあるのだが(ちなみに本作はミスしてもパワーレベルは1段階下がるのみという点を見ても、復帰に関しては十分に配慮されている)。
  • ボムの最大ストック数は7個で、それ以上重ね取りすると8個目が1000点、9個目が4000点、10個目が16000点…とスコアボーナスが入っていく。ここまでなら良いのだが、11個目以降は唐突に65万5371点という桁を1つ間違えたとしか思えないとんでもない高得点になる(法則通り×4なら64000点となり妥当な線。ちなみにステージ全敵破壊ボーナスですら50万点)。
    • ボムを使ったりミスするとリセットされるため、ボム多用を前提としたバランスのこのゲームでは、稼ぎを突き詰めると悪い意味で神経をすり減らすようなプレイになってしまう。
    • さらにアイテムキャリアーの中身は完全にランダムなため、ボムがどれだけ出るかは運次第。つまり「スコアを競う」というシューティングの遊び方の中でも大きな部分のひとつが運ゲーと化してしまう。運良く65万がポンポン入ったときの脳汁は凄まじいが…。
      • なお、ボムの得点はPS版では修正されている模様。しかしSS版ではAC同様65万点が入る。
  • 追尾型のレーザーは、敵の動きによっては発射から着弾までに大幅な時間差が生じる場合がある。このため、倒したと思ったザコにぶつかる凡ミスを犯しやすい。
    • ただし予測が可能な範囲ではあるので、慣れれば特に問題はなくなる。
  • 自機の性能差がやや目立つ。具体的には屠竜が使いやすい上に高火力で最もクリアしやすいと言われている。逆に紫電は火力不足と射程の短さが目立ち、機動力の高さがあまり活きないゲーム性ということもあって厳しい。
    鵬牙はスペックは高いものの、とかく拡散ウェブが暴走しやすいクセモノ。PS版追加機の黄武に至っては完全に初心者救済用。

その他

  • 本作は悲劇の名作と呼ぶべきである。敵機体や明朝体によるテロップ等が当時人気であった『新世紀エヴァンゲリオン』に酷似しているとして、パクリ扱いされ散々な評価を受けていた。
    • 今見てみると後者はともかく前者は似ても似つかない。ボスのフォルムやギミックはむしろ『ストライカーズ1945』などの彩京シューを彷彿させる。
    • そもそも開発時期を考えるとパクリは無理がある(本作のロケテストの段階ではエヴァはまだ未公開)。フォントも双方『映画金田一シリーズ』を元ネタとしているので、パクリも何もあった物では無い。
  • 同年発売だった『レイストーム』とはよく比較の対象にされた。
    • ともにレイフォースの系譜にして3D描写を大胆に取り入れたという共通点がありながら、演出表現やゲーム性が全く別の方向に進んでいるのは興味深い。特に追尾レーザーの表現においてはレイストームが「瞬間的に収束する」のに対し、本作は「時間差で分散する」形を取っており、使用感にかなりの違いがある。
  • 登場人物というかパイロットの設定がバツ1女性、その同僚の左遷された女性、会長の隠し子とクセが強い(PS版追加パイロットも角刈りのゴツいおっさん)。
    • この頃のSTGプレイ層は会社帰りの社会人も多かったため、そこをターゲットにしたのではないかと思われる。
  • 全ての業務妨害を仕向けていたライバル企業の名は「八福星間開発公司」と、モロにあの国な設定。時代が時代ならリアル企業問題に発展していたかもしれない。まあ、主人公サイドの「尽星」も相当に黒い企業なのだが。
  • 主人公機「屠龍」は「シューティングゲームヒストリカ」第三弾でフィギュア化された。
  • セガサターンマガジン誌で小説が連載されていた。ゲームの世界観を忠実に再現しながらも、小説オリジナルのキャラクター(主人公の同僚やライバル会社の社員など)や機体が登場する独自の展開も。

総評

  • STGとして抑えるべき点は全て抑えてあり、キャッチコピーの「死角無し」の通り、死角の埋め方やボムの使い方を学ぶ事で一気にその世界に浸る事ができる。
  • 第一作なこともあってやや詰めが甘い部分は見受けられるが全体的な完成度は高く、とっつきやすさや洗練された演出など随所に光る点が見られる。ただエヴァやレイストームと時期が重なってしまったがために正当な評価を受けられず、続編も出せなかったことが非常に悔やまれる。
    • ※RAIZING名義では第4弾(1:魔法大作戦 2:疾風魔法大作戦 3:バトルガレッガ 4:蒼穹紅蓮隊)

移殖

対応機種 セガサターン
プレイステーション
発売日 SS:1997年2月7日
PS:1997年12月25日
定価 各5,800円
  • SS版は元が互換性のあるST-Vなだけあって良移植と評判。累計スコアや起動時間に応じて様々な追加オプションが解禁されるようになっており、同社の『魔法大作戦』『疾風魔法大作戦』『バトルガレッガ』の全BGMを聴けるというファンには嬉しい特典も収録されている。
    • パッケージにでかでかと『御徳用』と書かれた廉価版がエレクトロニック・アーツ・スクウェアから出ている。こちらは『バトルガレッガ』の体験版も付属。
    • 余り知られていないが、サターン版は難易度をランク5(AC標準難度)以外に変更すると、OPBGMがCD音源から内蔵音源へ切り替わる。
  • PS版は『黄武出撃』と題され、自機とステージの追加・オペレータボイス挿入と大幅なリニューアルが施された。しかし処理落ちが目立つ、追加機体「黄武」の性能がチート寸前、サターン版にあったBGM特典がないなど、賛否が分かれている。追加ステージ(最終ステージ)もいきなりトンデモ兵器が登場する超展開な上に手抜きなため批判を受けやすい。
    • オペレータのCVはエヴァンゲリオンの伊吹マヤと同じ長沢美樹。開き直ったのだろうか。
      • ただし移植を担当したのはデータイーストで、オリジナルのスタッフがどこまで関わったのかは不明。こちらの廉価版は株式会社ハムスターより発売の『Major Wave シリーズ アーケードヒッツ 蒼穹紅蓮隊』。



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