ゲームカタログに既存記事(バカゲー)があります。良作判定を付与して記事の編集しても構いませんが、、希望する人は意見箱の併用をお願いします。
【ほくとのけん せいきまつきゅうせいしゅでんせつ】
ジャンル | アクション | |
対応機種 | プレイステーション | |
発売元 | バンダイ | |
開発元 | ナツメ | |
発売日 | 2000年10月26日 | |
価格 | 5,800円(税抜) | |
分類 | 良作 | |
北斗の拳シリーズリンク |
もはや多くを語るまでもない人気漫画『北斗の拳』。ゲーム化はファミコン時代から東映動画(現:東映アニメーション)他により行われてきたものの…
ゲームを始めると、なんとアニメの主題歌「愛をとりもどせ!!」が、ムービー付きで流れる。
そのムービーというのも、キャラが全部3Dのポリゴンで動き回るという代物。(*1)現在から見ると流石に荒いものの、初代PSとしてはなかなかの出来である。
しかもアニメのオープニングをほぼ完璧に再現したものになっている。
もうこれだけでファンは感涙モノ(上記の事情があるだけに)。
「この作品なら、『北斗ゲー=クソゲー伝説』を破るかもしれん!」
舞台はラオウ昇天まで。原作再現のムービーの中に、雑魚や強敵(とも)と戦うアクションパートが挟み込まれている、いわゆるムービーゲーである。
しかし、そのムービーが凄いのである。
しかし、アクションパートはそれに反してあまり出来の良いものではない。
視点が固定位置で自由に動かせず、操作性もあまり良くない。簡単に言えば「爽快感が無い無双」である。
だがそこは世紀末。そんな不満を吹き飛ばす、すばらしいシステムが存在する。
その名も秘孔&リアルタイムあべしシステム。何それ、と思った貴方は正常。
時々、普通の雑魚にまぎれて赤い雑魚が出現する。そいつが光っている時(攻撃中など)に一撃当てると、QTE「秘孔システム」に突入。
雑魚が「これが北斗神拳かよぉ~?」等と口上を垂れている間に、画面に表示されたボタン(上下左右)を秘孔に見立てて突く。
成功すると「あべしデモ」が始まり、雑魚は断末魔を吐きながらボンッ!する。すると衝撃波が発生し、触れた雑魚をまとめてあべし!させ、さらに体力も若干回復する。
しかもこの断末魔、口上のタイミングによって異なり、総数はなんと約200種類。
原作にもある「あべし」「たわば」は勿論のこと、「おらんだ!」とか「さまんさ!」とか「やめてとめてやめてとめぴゅー」等、もはや遊んでるとしか思えない断末魔が多数存在。
また、赤くない雑魚が光っている時に攻撃すると即死になり、敵が光っているときに攻撃すると秘孔システムに突入、成功させれば大ダメージになる。決着をつけるときにも秘孔を突く必要がある。
…すべて事実である。
ちなみに、牙大王編・ユダ編ではレイを操作できるが、なぜか彼も秘孔を突いて敵を倒す。
本編は8章構成になっていて、1章あたり20~40分。セーブは章の終了時にしか出来ないため、注意。
本編は原作愛(方向を問わず)に充ち溢れたものだった。
しかし、おまけモードはさらに世紀末(褒め言葉)であった。
そう、これこそがかの有名な「本編の台詞を入れ替えられるモード」である。
本編で見たシーンの台詞を使って、MADのようなものを作れる。
ボイスの量は非常に多く、組み合わせは無限に等しい。それこそ発想次第で何でもできるだろう。
動画サイト(主にニコニコ動画)でも、本編を差し置いて世紀末シアターの方が有名である。
一応、格ゲーっぽくなっている対戦モード。強敵(とも)と戦うアクションパートがベースなので、本格的とは言い難くあくまで「おまけ」である。地味に使用可能キャラクターが多い(具体的にはAC北斗+シュウ、フドウ、アミバ様、ウイグル)。
しかし、キャラ専用の台詞がある。トキVSアミバ様でアミバ様が「おまえを倒し、オレがトキとして生きていく」と言う等。また前述のQTE成功時の効果がキャラによって違う(トキだと回復、シュウだと気絶)など、ちゃんと差別化が図られていて、単なるおまけでは済ましていない。
「ザ・あべし」と読む。Q.「ジ・あべし」じゃないの?A.うるせー馬鹿
本編をノーコンティニューでクリアすると音もなく出現する。本編で出てこなかったカーネルを思わせる。
中身は時間内に赤雑魚を何人あべしさせられるかというタイムアタック。ここの赤雑魚は攻撃を当てるだけで「秘孔&リアルタイムあべしシステム」に突入する。思う存分断末魔を味わっていただきたい。
今更モード名が何かとか、突っ込んだら負けである。
アクションゲームとしては、優れた出来とは言い難い。これを名作たらしめているのは「(原作)愛」である。「愛」を根底とする『北斗の拳』に相応しいキャラゲーであるといえよう。
「この作品に出会って、(東映による原作レイプに)飢えて乾いた俺(原作ファン)の心は、再び安らぎを取り戻せた…。」
*1 しかもプリレンダリングではなく、リアルタイムレンダリングでのムービーである。