GOD HAND
【ごっどはんど】
| ジャンル |
アクション(ゴッドアクション) |
|
| 対応機種 |
プレイステーション2 |
| 販売元 |
カプコン |
| 開発元 |
クローバースタジオ |
| 発売日 |
2006年9月14日 |
| 定価 |
7,140円 |
| 廉価版 |
PlayStation2 the Best 2007年6月28日発売/3,129円 |
ストーリー
遥か昔、魔王サタンによって支配されつつあった地上に一人の救世主が現れる。
彼は両腕に宿した神にも等しい力で魔王サタンを倒し、世に平和をもたらした。人々はその男を畏れ敬い、「ゴッドハンド」と称した。
それから長い年月の後、旅の青年ジーンは、ふと立ち寄った町でならず者に襲われていた娘オリヴィアを助ける。
オリヴィアを逃がすことには成功したが、ならず者の強さは人間のそれを遥かに超越していた。
ジーンは奮戦するも全く歯が立たず、なす術もなく「ゴッドハンド狩り」の名の下に右腕を切り落とされてしまう。
絶望と失意の中、オリヴィアから伝説のゴッドハンドを右腕に授かり、神の力を手にしようとする悪魔達との戦いに挑む。
概要
- ディレクターは『デビルメイクライ』や『バイオハザードシリーズ』を手がけた三上真司。
- クローバースタジオ名義の最後の作品。
- 素手による格闘戦を主体とした3Dアクションゲーム。
- 一見硬派な世界観だが、その実態はギャグ要素満載のバカゲーである。
- 開始直後のOPからして、主人公であるジーンの第一声が「み、水…」と某世紀末救世主を思わせる台詞。
他にも
緑のノッポと赤い女王様に青い脳筋
とどこかで見た連中や、覆面ゴリラ(背中にチャック)、
片言でしゃべる用心棒の侍など非常にカオスな奴らがプレイヤーを迎え撃つ。
- 難易度が異常なほど高い。
- 初回プレイではEASY・NORMALの2つの中から難易度を選べるが、
NORMAL ですらデビルメイクライにおける DANTE MUST DIE 並とされるほど。
EASY が他のゲームでの HARD にあたるようなものであり、1周クリア後に出現するHARDに至っては
NORMALの難易度をさらに超越しており、アクションゲーム屈指の凄まじい高難度と言われるまでになっている。- NORMALを2周ぐらいして結構余裕で進めるようになったプレイヤーでも、HARDに進むと
最初の雑魚2匹で死んだりする。
後述の仕様により技やステータスが引き継げないせいもあるが、この仕打ちでいきなり心を折られるプレイヤーも居る。
- その高難度ぶりのせいか、売り上げは芳しくなかった。
クローバースタジオ製のゲームの中では、大神やビューティフルジョーに比べて売り上げも知名度も低い。
- 敵のレベル(いわゆるゲームランク)という難易度調整の要素がある。Lv1、2、3、DIEの4段階が存在し、攻撃を食らわず上手く敵を倒していくと、レベルが上昇していき敵が手強くなる。
逆に攻撃を食らうとレベルは下がるので、慣れていない段階だと敵のレベルはそこまで上昇しない。
そのため、プレイヤーの腕前に応じてある程度ゲーム難易度が調整されるようにはなっている。
- 全体的に、どことなく同社製アクションゲームの名作ファイナルファイトを彷彿とさせる要素がある。以下代表例
- 車を破壊するボーナスステージの存在
- 敵の種類(チンピラ、デブ、女、大柄ノッポ、ナイフ投げなど)
- 落ちている角材や鉄パイプや刀などを拾って強力な武器として使用できる
- 某大手レビューサイトにおいても、「ファイナルファイトを近年のゲームシステム風にリメイクしたらこうなりました、という感じ」という感想を持った人が多く見られる。
- まあ、ファイナルファイト以外にも、対戦格闘ゲームやカンフー映画、特撮ヒーローものなど、多方面から小ネタを拝借しているのだが、同作のテイストが最も強いと言える。
ゴッドアクション(操作法)
- 基本技
- 100種類以上もの「基本技」から任意の技を各ボタンやコマンドにセットし、多彩な技を自由な順番で繰り出すことができる。
- 基本技はジャブ,フック,ローキック,サイドキックといった小技だけでなく、サマーソルト,とび後廻し蹴りなどの派手な技、正拳突き,タメ・アッパーなどの重い技、酔拳,発剄などの中国拳法まで様々。
- 火力重視、繋がり易さ重視など、好みに合わせてカスタマイズできる。
- 敵の攻撃を回避
- 本作を攻略する上での肝。
右スティックでスウェー/ダッキング(上段回避)、サイドステップ(縦斬り系回避)、バック転(無敵時間長め)の3種類を使い分ける。
- 攻撃後のモーションキャンセルにも使用する。
- ガード崩し技
- 敵は連続して攻撃を受けるとガード状態に入る。ここから更に攻撃を加えると、対戦格闘ゲームでいう「はじき」により反撃を食らいやすくなる。
- ガードに入ってから「こちらの攻撃を何回ガードするとはじくか」は、ゲーム中の難易度によって異なる。
- そこで敵のガード中に「ガード崩し技」を当てると、敵は一定時間無防備になり、こちらの攻撃によりピヨリ易くなる。
- ゴッドハンド解放
- 「テンションゲージ」が一定量貯まると、ゴッドハンド解放が使用可能となる。
解放は任意のタイミングで使用でき、
一定時間無敵&攻撃速度上昇&全ての攻撃が必中
となる恐るべき性能を誇る。
全体的に難易度が高い本作において、強敵を倒す生命線であると共に、強敵にボコボコにされて貯まっていく
プレイヤーのフラストレーションを解放してくれる、違った意味での生命線でもある。
- テンションゲージは敵を攻撃したり、敵を挑発したり、敵の攻撃をスウェーなどで回避することで増加する。
- ゴッドリール技
- いわゆるシューティングゲームにおけるボム的な必殺技。ストックアイテムを消費して発動させる。
- ゴッドリール技にも様々な種類がある。
ドラゴンキックに1インチパンチといったカンフー映画さながらの技やカッコイイ乱打技、ゴッドの力で出現したバットによるゴッド本塁打で敵を吹っ飛ばす技、直接攻撃の他にも体力を回復するゴッド瞑想、
敵に土下座して攻撃の手を緩めてもらうゴッド☆土下座
など。
- スロットのようなリールから技を選択する形式になっており、中にはスカ(ハズレ)も混ざっている。
選ぶとタライが降ってきて、微量のダメージとどこからともなく笑い声が飛んでくる。
- 敵に特定の技などを当てると、敵を画面奥に吹っ飛ばすことができる。
- 吹っ飛ばしの効果音やエフェクトが派手で気持ちいい。
- 一定条件により、○ボタンを押すことでその場の状況に応じた特殊アクションが行えるという、
近年の3Dアクションではありがちな要素が存在する。- このゲームでは長々としたムービーチックなアクションはあまりなく、比較的テンポが良く爽快感の高いものが多い。
長所
- デビルメイクライやベヨネッタとはまた方向性の違う、斬新で爽快なアクションが味わえる。
- ある程度慣れてくるとタイマンではそうそう死ななくなり、敵をボコボコにする快感が得られるようになる。
- 笑える要素が満載。
- BGMに関しても結構評価が高い。
- ただし、サントラが発売されていないため、曲をじっくり聴きたければゲーム内のおまけ要素を解禁するか初回生産特典つきのソフトを購入するしかない。
- 初回生産同梱CDには、ED曲をはじめ収録されていない曲がある。
問題点
- 近年のデビルメイクライなどとは違い、ステージセレクト機能が無いため苦手なステージが気軽に練習できない。
- 闘技場により、本編に登場した敵と自由に何度でも戦うことは可能。なおこの闘技場の各ステージは勝利すると賞金が入る(最初の1回のみ)ため、ステージセレクトによる金稼ぎが無いことへの救済措置も兼ねている。
- 操作性に若干の難あり。
- 敵へのロックが自動であり、対象の変更ができない。タイマンでは余裕なプレイヤーでも、複数の敵と対峙すると半ばハメられて死亡ということも。
- 強制的に対多数戦となる箇所が多く、その度に解放やゴッドリール技を使うと初心者は容易に詰んでしまうだろう。
- おバカなアクションが売りだが、だいたいのおバカなアクションはゴッドリール技である。
- 難易度が高いため、性能の低いおバカな技を見るためだけにストックを回すことができない。
- 珍しくバカ要素と高性能を兼ね備えた「社長パンチ!」と「ぴよハント」は本当に高性能。後者はゴッドリールだが。
- 大抵のプレイヤーは『ぴよハント>社長パンチ!×2>ボコる』にお世話になった事があるだろう。
賛否両論
- 難易度が非常に高い。
- アクションゲーム初心者には難易度EASYでも辛いものがある。初めての1周クリアにコンテニュー3桁行ったプレイヤーはザラにいる。
- 一応敵の攻撃力や体力が下方修正、テンションゲージが溜まりやすい、ゴッドリールのストックが最大6とかなり難易度が下がっているが元が高いので焼け石に水。
- また、ただでさえ高い難易度をさらに高くするような縛りプレイ
(*1)
を行うこともでき、『ドM育成ゲーム』とも言われる。
- ゲームの難易度を大幅に下げるような高性能の基本技や、いくつかのハメ技が存在する。
- ゲームの爽快感やテンポ向上に一役買っているハメ技もあり、また初心者救済の措置と捉えることもできる。
- アイテムの出現に関して運の要素が強い。
- 運が良ければ回復アイテムや様々な有用なアイテムが手に入るが、運が悪いとなかなかアイテムが得られない。
特にゴッドリール技の使用ストック数を増やすアイテムは希少であり、これをどれだけ入手できるかによってゲームバランスがかなり変わってくる。
- 決められた場所に固定アイテムが設置されている箇所もいくつかある。
- クリア後の引継ぎ要素が無く、次の周回でもまた一から金を集めて主人公を強化したり技を買ったりしなければならない。
- 2周目以降のプレイでも一定の歯応えのあるゲーム性を強制させている。
多くのゲームに周回引き継ぎの要素がある昨今では、比較的ストイックな設計。
- 一応その難易度の2周目以降では、「金を拾った時の入手額が2倍に増える」 「最初からほとんどの技や能力強化アイテムを購入可能」 という特典はあるが、それでも技やアイテムを十分に買い揃えるにはかなりの金額と時間が必要。
- このゲームでは無限に金を稼ぐことは困難であり、金を稼ごうとすれば基本的にはゲームを先に進めるか、運要素のあるミニゲームを延々繰り返す作業をしなければならない。
- そしてせっかく金を稼いでも、次の周回ではまた初期状態から仕切り直しになる。
- そして激闘の末、高威力の隠し技を購入すると人によっては今度は
雑魚が簡単に死にすぎて物足りない
となったりする。
- エンディング
- 本作のノリと難易度を楽しめた人は思わず苦笑いするであろうED曲。
逆に「買ったからにはクリアしたが、苦しめられた思いしかない」という人は、軽い怒りを覚えるかもしれない。
総評
- 隠れた名作、知る人ぞ知る神ゲーならぬゴッドゲー。
- このご時世にこんな難易度のゲームをリリースすれば普通は「調整不足のクソゲー」と評されかねないのだが、それを補って有り余る爽快感がある。
- 本作には
「ドM仕様」「バカバカしい」という褒め言葉
が良く似合う。
- 初代魔界村あたりをやり込んだファミコン世代には是非プレイしてもらいたい。ただし難易度ハードに至っては、出てくる敵は全てレッドアリーマだと思ってほしい。そいつらの攻撃をスウェー回避→カウンターで吹っ飛ばすようになる頃には、比類なき爽快感の虜になっているはず。
- 引き継ぎ要素が無く、好きな技・好きなステージで自由に暴れられないなど、痒い所に手が届いていないのが惜しい。
参考動画
余談
- 本作の開発に携わったスタッフの多くがプラチナゲームズに移籍し、ベヨネッタを開発した。
- ベヨネッタには、本作と共通する要素もいくつか見られる。
- 本作で見られるジーンvsアゼルのオラ無駄ラッシュ合戦がvsジャンヌ戦にほぼそのまま引き継がれている。
- カプコンの格闘ゲーム 『VS. シリーズ』 には、近年ではクローバースタジオ製のゲームから
「ビューティフルジョー」や、大神の「アマテラス」が参戦しているが、GOD HAND からの参戦は現在のところ無い。
- ちなみにファミ通には『ガードができない』というなんだか良く分からない理由で微妙ゲー扱いされていた。
- ガードができないのは、開発陣の「(ガードは)かっこ悪い」という考えから。デビルメイクライやベヨネッタ、ビューティフルジョーも同じ理由でガードは存在しない。(ただし弾き・ブロッキング・直前ガードといった類のものは導入されており、好評である。)
- 本作は「大神」ヒット後の作品として世に出た訳だが、そのあまりに対極的な難易度により呆然としたユーザーがネット上に散見された。それほど「大神」はクローバースタジオを有名にしたという証であろう。