戦場のヴァルキュリア

【せんじょうのう"ぁるきゅりあ】

ジャンル シミュレーションRPG

対応機種 プレイステーション3
メディア BD-ROM 1枚
発売・開発元 セガ
発売日 2008年4月24日
定価 通常版:7,980円
限定版:9,980円
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
コンテンツアイコン 恋愛、暴力、犯罪、言葉、その他
備考 PlayStation3 the Best:2009年3月5日発売/3,990円


ストーリー

征暦1935年。専制国・東ヨーロッパ帝国連合(通称「帝国」)と共和制連邦国家・大西洋連邦機構(通称「連邦」)の間で始まった第二次ヨーロッパ戦争は、両国に挟まれた緩衝国である小国・ガリア公国へ飛び火した。帝国は燃料や兵器、治療目的で使われる鉱物資源・ラグナイトを大量に手に入れ、それによって連邦との戦争を優位に進めることを目的とし、ラグナイトを豊富に産出するガリア公国への侵攻を開始したのである。

ガリア公国に住む大学生ウェルキン・ギュンターは、故郷ブルールに帰郷した際、自警団をしている町娘アリシア・メルキオットと出会う。そして彼らは、偶発的に起きたブルールでの戦闘に参加したことをきっかけに、自らも戦争へ参加することになる。ウェルキンは義勇軍第3中隊第7小隊長として、亡父が遺した戦車・エーデルワイス号を駆り、祖国を守る戦いへと臨んでいく。(Wikipedia参照)


概要

サクラ大戦で有名な制作スタッフ陣が送る全く新機軸のシミュレーションRPG。
アニメと水彩画を融合させた様な独自のグラフィックと、SRPGにアクションゲームの要素を取り入れた「BLiTZ」システムが最大の特徴。
既存の枠組みに収まらない新しいゲームシステムによって国内外で高い評価を受けている。


特徴

非常に斬新な「CANVAS」システムによる美しいグラフィック

  • アニメと水彩画を融合させたようなグラフィックはとても美しい。
    • アニメーションを題材にしたゲームに良く使われている、トゥーンレンダリングと似ているとも言えない訳ではないが、水彩画を取り入れる事によって全く違う映像表現を実現しているといってよい。
    • 郭線から色がはみ出たり、遠くにあるものは線がかすんだりと歪んだりと独特な映像処理がなされている。その画面はまるで本物の水彩画のよう。
    • ゲームの内容があまり好きになれなかった人でもグラフィックに文句を言う人は滅多に居ない。それだけ本作のグラフィックは素晴らしいといえる。

魅力的なキャラクター

  • 全部で50人程のキャラクターが登場する。キャラクター重視の人でも納得の質と量である。
    • 特に女性キャラはかわいいのでそっち目的の人でも十分に楽しめるのではないだろうか?
    • あるキャラクターは、その人気からDLC(ベスト版には収録されている)でスピンオフが作られてしまうほど。
  • エターナルアルカディアから参戦しているキャラもいる。

BLiTZシステム

  • 「コマンドモード」でマップ全体を把握して、キャラクターを選択する事によって「アクションモード」に移行する。この際に「CP」を使用する事になるのだが、「CP」がある限りは同一ターン上で、同じキャラクターを何回でも動かすことが出来る。
  • 「アクションモード」では「AP」を消費することによって行動が可能である。「AP」が無くなるまでは自由に行動可能だが、無くなった時点でそのキャラクターのターンは終了する。敵に接近したり、遮蔽物に隠れたり、敵を狙う事自体もプレイヤーが直接操作出来るので従来のSRPGとは違い自由度が高い。
  • SRPGにアクション要素を足すと柔軟な行動は可能でも戦略性という部分でどうしても大味なゲームりそうな物だが、非常に上手く料理されていてバランスも悪くない。

そこそこハードな難易度

  • 序盤こそ簡単だが中盤以降の難易度は比較的難しいレベルに入る。フリーバトルで経験値と資金を稼がないでクリアするのは相当に難しいと思われる。
    • 今作は大体の敗北条件に一定ターン経過での敗北が含まれている。これは「敵本隊が来る前に早く倒さないといけない」という戦争での決まりとしてやいわゆる「待ちゲー」で敵を一体一体ずつ慎重に倒していくチキンプレイ防止の策として非常に良く出来ている。
    • 逆に言えばフリーバトルで経験値と資金を貯めれば誰でもクリア可能なので調節はご自由に。
    • また、シチュエーションも様々で、極めて早いターン数での速攻制圧や一見勝ち目の無い巨大戦車と戦わされたりなど、やはり厳しい条件が多いがどれも良質でプレイヤーを飽きさせない。ボリュームも十分すぎるほどある。
    • あまりゲームをやらない人が絵に惹かれて購入したが難しくて投げ出したという声もある。
    • 追加DLCであるHARD-EXモードは笑える程に難しい。

芸術的な演出

  • 今作のBGMはFFTで有名な崎元仁氏が担当しており、「戦場」という雰囲気と見事にマッチした曲の数々はいずれも高い評価を得ている。
  • この重厚なBGMと上記の「CANVAS」システムによる美しいグラフィックで展開される人間ドラマは内容の良さもあいまってプレイヤーに見たら忘れられないインパクトと感動を与えた。
  • ムービーも挿入されるが、そのムービー部分も「CANVAS」システムが働いており従来のような写実的な美しさのムービーとは違いまるで水彩画で描かれたアニメーションを見ているかのような感覚が体験できる。

問題点

ストーリー

  • ストーリーは王道な作りで人種差別問題を取り入れたりと評価する点もあるが、メインストーリーに関しては王道を通り越して陳腐、戦争なのにノリが軽すぎるという意見も多い。SLGはストーリーが複雑になりがちでプレイヤーを選ぶ面があるが、最初に張られた伏線の時点で、戦記物や歴史物をかじったことのあるプレイヤーならその後の展開をぴたりと言い当てることも可能なのは果たしていかがなものか。

わかりにくい当たり判定

  • 画面上では遮蔽物に隠れているのに敵の攻撃がヒットしたりと当たり判定は少し難がある。
    • とはいえ、これに関しては独特の映像処理のこともあるので仕方が無い部分ではある。

面白いからこそ目立つ粗

  • 今作はSRPGに新風を巻き起こした斬新なBLiTZシステムと徹底したマップ構成が織り成すあまりの面白さゆえにこれでもかと遊び続ける人が続出。しかしそれゆえに遊び続けると「本編ではなんとも思わなかったのにこれって実はバランスブレイカーじゃね?」と思えるようなものが出てきてしまう。
    • 以下、主な代表例を挙げる
+  代表的なバランスブレイカー
  • だが今作の場合は言うまでもなく1作目であり、数々の実験的要素が投入されている以上バランスブレイカーが出るのは一種の宿命でありしょうがない事である。それだけのハンデがあるにもかかわらずそれで生じる弊害をこれだけで留めていることはむしろ評価すべきである。「PS3史上最高のSRPG」の称号は伊達ではないのだ。

総評

2008年4月、相変わらず話題の中心はMGS4ばかりのPS3界隈であまり注目を受けずにひっそりと発売された本作。
後に口コミで評判が広がりジワジワと売れて現在ではPS3の定番名作ソフトの評価を受けている。
その優しい絵柄からライトなゲームと判断する人も多いが、実際はオールドゲーマーなら「流石セガ」と言いたくなる様なハードな作りである。
全体的な作りも高水準で、BLiTZシステムも一作目とは思えないほど良く出来ており、アクション要素を取り入れた事によって最近のマニアックな作りのSRPGを敬遠してる人、SRPGを遊んだ事が無い人にも十分にオススメ出来る作品となっている。


追記

海外での評価

  • IGN - Playstation 3 Strategy Game of 2008
  • Gamespot - Best Artistic Graphics of 2008
  • GameSpy - Best Original Soundtrack2008・Strategy Game of the Year2008
  • VG Chartz - Best Japanese Role-Playing Game2008・Strategy Game of the Year 2008・Best Game No One Played 2008
  • ギネス協会から「PS3史上最高のシミュレーションRPG」として認定されている
  • 2009年に、続編である『戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校』がPSPで発売されている。題名から察せるように学園ものになってしまったり(というかガンパレ)、好評だったグラフィックの仕様変更(こちらはハードの性能差による問題)や、やや荒いゲームバランスなど前作ファンには所々不満な点もあるが、ゲームの出来としてはほとんど問題なく、こちらも高い評価を得ている。また、続編とはいっても、前作を知っていればより面白い程度なので、「PS3は持ってないけど、PSPなら……」という人は買って損はない。
  • 映画監督、押井守氏も本作のファンである。