イース

【いーす】

イースII

【いーすつー】

ジャンル アクションRPG

対応機種 PC-8801(mkIISR以降)
発売・開発元 日本ファルコム
発売日 I:1987年6月21日
II:1988年4月22日
定価 I/II共通:7,800円
イースシリーズリンク

ここでは、初出となるPC88版を基準に説明します。


発売リスト

(国内のみ、()内は日本ファルコム以外の発売元)

国産パソコン
PC-8801 mkIISR以降、PC-9801 VM/UV以降、X1<Iのみ>、X1Turbo<IIのみ>、FM-7/77<Iのみ>、FM77AV、MSX2(Iはソニーより発売)、X68000(電波新聞社)<Iのみ>
Windows
エターナル、エターナルVE(デジキューブ)<Iのみ>、完全版 *1 、I VE(メディアカイト)、I&IIクロニクルズ *2
家庭用(単体)
ファミリーコンピュータ(ビクター音楽産業)、セガ・マークIII/マスターシステム(セガ・エンタープライゼス)<Iのみ>、セガサターン(日本ビクター) *3 、ニンテンドーDS(インターチャネル・ホロン)
家庭用(I・IIカップリング)
PCエンジン CD-ROM2(ハドソン)、プレイステーション2(デジキューブ)、プレイステーション・ポータブル
配信
VC…PCE、PCEA…PCE、ProjectEGG…イース大全集 *4 ・PC88・PC98・MSX2・FM77AV、その他各種携帯アプリ

概要

今でも系譜が途切れない、国産ARPGの金字塔的作品。
赤毛の冒険家、アドル・クリスティンの最初の冒険を描いたもの。
キャッチコピーはIが「今、RPGは優しさの時代へ。」、IIが「優しさから、感動へ。」

  • この点について解説すると、当時のパソコン向けRPGは「難しければ難しいほどよい」「プレイ時間が長いゲームほど良いゲーム」という風潮があり、これに風穴を開けたのが『イース』である。
    • もっとも当のファルコムも前年まで『ロマンシア』や『ザナドゥ シナリオ2』といった最凶難度のゲームを出しており「お前が言うな」との声も少なからずあった。

特徴

  • 「優しい」、しかし「易しい」訳ではない、誰でもクリアに到達できる絶妙なゲームバランス。 *5
    • 「体当たりで敵を攻撃」「半キャラずらし」等の単純で覚えやすい操作感覚。
    • この時代、ファルコムの作品も含めRPGは「プレイヤーへの挑戦状」とでも言えるような相当な高難易度のものが主流であった。そこに「優しさ」の概念を持ち込んだのがイースであり、万人がクリア出来る難易度は当時新鮮であった。
  • 筋の通ったストーリー。
    • 実質的にI/IIの2つで一つの物語を成している。Iから張り巡らされた伏線をひもといていく『II』のエンディングは今でも語り継がれる名シーンであり、キャッチコピーに恥じないものとなっている。
  • 良質なサウンド・ビジュアル。
    • 当時のPC界にゲーム音楽の地位を成立させた古代祐三氏によるハイクオリティなBGMの数々は今でも数々のアレンジが発表される程完成度が高い。また、IIのオープニングでヒロイン「リリア」が振り向くシーンは話題となり、その後のメディアミックスと合わせて「ギャルゲーの元祖」とも言われることがある。 *6
    • 『イースII』のOPデモの凄さは現在でも色褪せることはない。OPテーマ曲の「TO MAKE THE END OF BATTLE」は現在でもファンの多い名曲である。

問題点(?)

  • 強いて言えば移植がとにかく多い。
    • 特にWinにはエターナル→完全版(セット)→同バラ売り→同Vista対応版→PSP版逆移植…と何種類に渡って発売された。
  • エターナル版から *7 優しさを振り払い高難易度路線を模索している。 *8
  • 正面からしか住人に話し掛けられない。
    • 話し掛けようとすると突然方向転換したりするのでゲーム的には不便。だが現実であれば「身も知らない他人に背後から話し掛けるのは失礼」なのでリアル感はある。
    • 「イースII」では改善している。
  • I単体ではボリューム不足に感じられる。
    • もっとも、当時はゲームのボリュームを難易度の高さで補っていた点 *9 があり、同時期の作品に比べ極端にボリュームが無いわけではない。 *10
  • Iではレベルが中盤で上がりきってしまうため、以降はほぼアクションゲームと化してしまう。
    • アクションが苦手な人でもレベルさえ上げればクリアできる、というものではない。
    • 一方、IIでは最高レベルでないとラスボスに勝つのが非常に困難 *11 なため、経験値稼ぎを怠ると終盤に作業としての経験値稼ぎを強いられることになる。 *12
      • 雑魚敵に楽勝になる終盤近くはストーリーにグイグイ引き込まれ、レベルによって取得経験値が減少するシステム *13 は軽視され経験値稼ぎを怠り易い。

総評

あらゆる要素がその後のゲーム業界に変革をもたらし、PC用あるいは家庭用を問わず様々なハードに移植され、今日に至るまで愛され続けている。特にストーリーについては、昨今のストーリー重視系RPGの先駆けになったことを特筆すべきであろう。
国産RPGとしては、最も多くのハードで発売されている作品であることは間違いない。
なお、今プレイするなら、今なお「イース移植の最高傑作」と評されるPCエンジン版をVC(Wii)もしくはPCEA(PS3/PSP)でダウンロードするか、ファルコム自社移植で追加要素も豊富なPSP版をおすすめしたい。


*1 セット版の後に単体版を発売。

*2 PSP逆移植版。

*3 『ファルコムクラシックス』『同II』にI・IIそれぞれ収録。

*4 PC88版のI・II・IIIとスーパーファミコンのIV・Vオリジナル版を収録。元々はWin『イースVI』の初回特典。

*5 この定義には様々な見解があるが、当時のRPG作品は非常に難解だった事が背景にあり、必ずしもRPG初心者や未経験者へ向けた言葉ではない。

*6 それ以前にも「ヴァリス」の優子や「ザース」のミリカ、「セイバー」のオフェーリアなど話題になったPCゲームヒロインは先例に事欠かない。

*7 正確にはSFC版イースV エキスパートから。

*8 エターナル版は後にVEと称した難易度の引き下げを施した商品も発売されたほど。現在ではレベル設定が追加され難易度が選べるようになっている。

*9 テープ媒体からフロッピーへ移行が終わった時期でもあり媒体容量との関連性もある。

*10 フロッピーのデータ枚数を考慮するなら、まだ1枚でゲームが収まっていた他のゲームと違い2枚使用していることからボリュームは大きい方である。また、蛇足となるがセーブ用も含めるなら更に1枚必要。

*11 勝てることは勝てるがプレイヤーによっては運が絡む。

*12 ある場所なら、アイテムを併用してキーを何かで押さえた状態を維持すれば席を立ってもMAXまで稼げるのでさほど苦ではない。

*13 I・IIの共通するシステム。