矢張×マコ




「a shameless fortuneteller」

賑わう街中から一歩外れると、そこはアナタの知らない世界。
       …アナタの人生、相談承ります…


          「a shameless fortuneteller」
           ~須々木 マコの場合~




                 1

「…え~と…ここッスかね?」
「…ようこそ…」
「ひっ!?」
そこに現れたのは、頭巾を被った顎鬚の男。矢張政志である。
「いやーいらっしゃい!ようこそ矢張の何でも相談所へ!」
「…あ、あの」
「ところがどっこい!相談所とは名ばかりのここは、君のまだ見ぬ人生をも占っちまうトコなのさ…さあ…!君の運勢、バッチリ占っちまうぜ!」
親指を誇らしげに突き出す矢張。
「あ、あの…アンタがここの所長さん、ッスか?」
「おうよ!!」
「占い…をしてくれると聞いたッスが…本当ッスか?」
「おうよ!まあ、とりあえずそこに座ってくれって!」
促されるまま、マコは傍のいかにも妖しげなソファに座らされる。
椅子と言うよりはソファベッドのようで、相当のスペースが割かれていた。

「んで、お嬢ちゃんは何を占って欲しいってんだ?何でもOKだゼ!」
「はあ…そ、それじゃあその……」
もじもじと恥ずかしそうに視線を落とした後に、一気に矢張との距離を詰めた。
「スズキの幸福…もとい、れ、恋愛…運なんかを占って欲しいッス!!」
両の手に拳を握り、勢い良く身を乗り出しつつ彼女はそう告げる。
そんな彼女の様子とはうって変わって、今度は矢張の方が大人しくなってしまった。
「…」
思いつめた表情で、じっとマコを見つめる矢張。
「……?あの…じ、自分は今、変な事を言ったッスか?」
「…OK、OK。」
「そ、それじゃあ…お願い出来るッスね!?」
「そこまで言われちゃあなァ…こんなオレサマでよければいつでもお相手して…」
「?い、いやアンタじゃないッスよ!」
「君みたいなタイプは初めてだし…眼鏡で元気っ娘もなかなか」
「いやいや、そろそろ止まれッス」


                 2

「んじゃまァ、始めるか」
そういうとお香に火をつけて、照明を落としていく。
お香からは奇妙な香りが漂い、それなりに占いの雰囲気(?)を醸し出していたようであった。
「…あれ…」
…その香りを嗅いだ途端、マコは妙な違和感を感じるようになる。それこそがこの店の…矢張の狙いでもある。
「…どうしたの、マコちゃん。顔が赤いぜ?」
「…そ、そんなコト無いッスよ…」
その様子を見逃さない矢張は、ゆっくりとマコの後ろに回りこむと、後ろから手を回してきた。
「えっ!?ちょ、ちょっと」
「へへ…心配しなくてもいいぜ。あくまで占いだからな」
首筋にふうっと息を吹きかける。
「ひああああ……っ!」
ぷるぷると体を震わせ、肩をよじらせるマコ。
「マコちゃんはこういうのされた事あるかい?」
「な、無いッス実は……って何を言わせるッスか」
「そりゃいけねェな!いけねえいけねえ!…それじゃ俺が色々教えてあげようか」
「結構ッス!というか占いはどこにいったッスか!?」
「そう焦るなって!すぐにマコちゃんもわかるようになるさ!」
「も、もういいッス!かかか帰ります!」
顔を真っ赤にして立ち上がろうとするマコの腰を、矢張ががっちりと掴む。
「あっ」
「ダメだよマコちゃん…もう始まってるんだからさ」
体を引き寄せマコを膝の上に座らせると、彼女のパーカー越しに胸を揉んでいった。
「やっ…、ん………んうぅ……っ」
「可愛い声だねマコちゃん。気持ちいいのかな?」
「ゃ……める…ッ…!」
「ダメだぜマコちゃん。素直になんなきゃ、恋愛も成就しないぜ?」
「…か、関係無いッス!」
「どうかな。ホラ、言ってごらん。でなきゃ、もっといじわるしちゃおうかな~」
「!…そんな……」


                 3

矢張の暴走は止まらない。
「マコちゃんのおっぱい、柔らかいねえ…!可愛いよ」
「何を…言うッスか…」
赤らんだ顔で、きっ、と背後の矢張を睨みつけるマコ。
もみもみ…ぷに、ぷに…
「怒った顔も可愛い…じゃあこんな事しちゃおうかな」
「あッ!…ん……くう……、ッ…」
首筋に何度もキスをすると、マコの表情は一転して苦悶の色を表し始める。
大分矢張の攻撃に参ってきたようで、指で胸の突起を摘まれると相当の反応を見せた。
「ホラホラ、早く言わないとどんどん色んな事しちゃうよ?いいのかな?」
「ひどい…ッス……や、んぅ……」
「…ほら、感じてきた」
「ち、違ッ……」
「そう?じゃあ次は下の方に行くよ。いいの?」
「……っ」
矢張がそう言うと、マコはとうとう俯いてしまった。
そうしているうちにも、無言の了承による矢張の手は彼女の股間に伸びる。
(頭が……ぼーっとする…ッス…)
朦朧とする意識の中で、彼女の視線は矢張の指の動きを追っていた。
ジーンズ越しから、指の這う感触が伝わってくる。
「う…あ…」
さわさわと、彼女の最も恥ずかしい部分が丁寧に撫でられてゆく。
「マコちゃんやっぱり感じてるんだ。言ってごらん、気持ち良いって」
「…ひ…ひどい…ッス」
マコの瞳に涙が溢れ、表情は今にも泣きそうに歪んでいく。
胸と彼女のそこを優しく刺激され、暫くの後についにマコの口から呟きが漏れる。
「……ッス」
「…もっと聞こえるように言ってよ、マコちゃん。聞こえないよ?」
「気持ち…いいッス」


                 4

「およ、よく言えたねマコちゃん」
「スズキ…こんなのは初めてッス…もう正直に言うッス」
観念したかのように、マコは溜息まじりにそう呟いた。
「そうそう、正直が一番ってな!」
(予想通り、スゲエ効果だな…あのお香)
矢張はにやりと不気味に笑うと、マコに歩み寄る。
「それじゃあマコちゃん、最後にとっておきのテクニックを伝授しよう!」
「…え?まだ…何かあるッスか…?」
マコは不安そうに矢張を見上げる。
「勿論だぜ。男を喜ばせるには手っ取り早い方法があるんだよ」
言うなり、矢張はズボンを下ろすと、昂りを曝け出す。
「ちょ、ちょっと何をしてるッスか!」
「口を使って、これを舐めるんだよ。さ、やってみよう」
「……口、で…」
マコの喉がごくりと鳴る。目の前の矢張のそれをしばらく凝視したまま、固まっていた。
「まずはゆっくり、歯をたてないようにしてな」
やがて決心がついたのか、おそるおそるそれを手に取ると、少しずつ口に含む。
「うっ……」
「そのまま、舐めるんだよ」
マコの舌がちろちろと這わされる。
「そうそう、全体的にな。時に吸ってみるのもグッドだぜ」
言われるまま、矢張のそれを刺激していくと、徐々に陰茎は硬度を増してゆく。
「むッ……ん…ぐ……」
「おほっ!それじゃあ次はゆっくり、前後してごらん」
「……ほう、ッフか…?」
「うおお……いいねマコちゃん、その調子で…」
「むぐ、…、ん……ん……」
最初はおっかなびっくりだったマコの動きは、段々と硬さが取れてスムーズに、より大胆になっていく。
時には裏筋を、鈴口をと舌を這わせると、矢張の興奮は次第に頂点へと達する。


                 5

「うおおおお……!いいぞ、いいぞマコちゃん!」
「むっ、んむっ、ん、ん……!」
「そろそろ……俺限界……出しちゃっても良い……っ?」
「!?むうっ、んぐーっ!」
何をされるか大体想像のついたマコは、必死に顔を離そうとする。が、いつのまにか添えられた矢張の手によってかなわない。
マコの顔は、みるみる恐怖に染まっていった。

「マコちゃん、後は頼んだ……!」
「……!!(何を頼むッスか!)…」
…恍惚とした矢張の顔は、死地に赴く戦士のように潔い。勇敢な笑顔の瞳が光輝いて見える。
彼は今、己の命を賭して戦友(とも)達を放出すべく、親指を上に立てると捨て身の突撃を試みていた。

「んーっ!!んむううぅぅ!!」
やがて、絶頂を迎えたとは思えない悲鳴をあげて矢張は力尽きた。
「ぐうわあああああ!!!」
「むう~~~っ!!?」
矢張の欲望はマコの喉元に飛散し、次々と溢れ出す。
「……~~!ぷはあっ!」
手が離れたその隙にマコは何とか口を開放したものの、矢張の欲望の残滓はいまだおさまらずに
彼女の顔を、髪を、眼鏡を白く汚していった。
「うっ!?…わぷっ…」
「ゼエゼエ……口の中のは全部…飲むんだよ」
口の中の液体に咽ながらも、彼女は少しずつ、飲み干してゆく。
「けほっ…」
やがて起き上がった矢張がタオルを片手に汗を拭いながら、満面の笑みで
「…ふう…これで一応俺からのレクチャーは終わりだ。どうよ良かったろ?マコちゃん!?」
「ちょっと待つッス。アンタいつか逮捕ッス」


                 6

「まあ、今回オレサマが占った結果としては…」
「占ってないッス」
「当たって砕けろ!!……これよ!」
「…砕けたのはアンタの方ッスよ」
「ま、まあ…とりあえずは思い切って大胆になってみたらどうよ、って話さ。さっきのアレ、何かの役に立つだろ?」
「…まあ…何か胡散臭いッスけど……わかったッス」
「そうだ、自信を持つんだマコちゃん!ファイトだぜ!」
「了解ッス!!」
「んじゃあな!頑張れよ!」




賑わう街中から一歩外れると、そこはアナタの知らない世界。
      次のお客様は、果たして誰になる事やら。

      …またの来店、心よりお待ちしております…



                                       終了
最終更新:2006年12月12日 20:25