ミツメイ酒ネタ

 酔っ払い成歩堂の杯に、桜の花びらが一枚舞い落ちた。
「うーん、桜酒なんて風流だなぁ~。」
 成歩堂はそう言いながら、彼の膝枕で眠っている春美の頭を撫でる。
「オレはわかめ酒飲んでみてーな!」
花見弁当の海老争奪戦で真宵に勝った矢張が、嬉しそうに言った。
 満面の笑みで海老に食らいつく。
「う~ん、それも良いなあ~。」
「ううう・・・なるほどくんとヤッパリさん、オヤジだ・・・。」
真宵がジト目で成歩堂と矢張を見てつぶやく。

一方、成歩堂達の隣で花見をしている御剣と冥。
「・・・レイジ、ワカメザケって何?」
ぶふふぉぉおおっっ!!
 冥の問いかけに、思わず飲んでいたワインを吹き出した御剣。
「もう、汚いじゃないの!」「ゴホッ、す、済まない。・・それは、だな・・、今度教えてやろう・・・。」
滝汗をかき赤面した御剣は、口元をナプキンで拭う。
「ズリーぞ、御剣!オレも冥ちゃんのわかめ酒飲みたい!」
「あはははは~、もし御剣がやるんだったらマツタケ酒だね~。」
ビシィィィィ!!
「「ぎゃあああああ!!」」
矢張と成歩堂が御剣に鞭打たれ、悲鳴をあげた。
「レイジ、私の鞭を勝手に使わないでよ!」
「この勘違いした酔っ払い共を打たずにはいられなかったのだ!!」
「ナイスです!御剣検事!」 鞭を持って怒り狂った御剣に、真宵が拍手を送った。

 後日。
 ある暑い日の成歩堂法律事務所。
 主人の成歩堂は不機嫌な顔をしていた。
なんで、この暑い中(クーラーはついているが)、男三人揃ってムサ苦しい空間を作り出さなければならないのか。

「・・・ここを溜り場にするなよ。」
 成歩堂は客用のソファに座った御剣と矢張に向かって、溜め息混じりに言った。
「ここには皆、集まりやすい。暇そうだからな。」
 ちろり、と渋顔の成歩堂を見やり御剣が言う。
「・・・悪かったな、暇そうで。」
 しまりのないニヤケ顔で、脚を組んでソファにだらしなく座った矢張が話しかける。
「そーそー!お茶もタダだし、クーラーはあるし、可愛い女の子はいるし!・・・て真宵ちゃんは?」
「里に帰ってるよ。」
「ちぇーっ、残念!」
口を尖らせる矢張。
「ぼくは安心してるけどね。」
「何でだよ!死ぬぞ、オレ!」
「ハァー・・・ドーゾ、ご自由に。」
「その方がかえって平和になるがな。私らも、女性達も。」
「二人ともひっでーな・・。」
ふと、矢張はいいことを思いついたとばかりに表情を明るくする。
「あ、そういや、あの後教えてやったのかよぅ?御剣ィ?」
「「あの後?」」
 成歩堂と御剣は揃って“?”な顔をする。
「ほら、花見ん時のさぁ・・・」
 矢張が立ち上がって、成歩堂に近付き耳打ちする。

「ああ!」
「・・・何をコソコソと話しているのだ?」
 二人はニヤニヤ笑って御剣を見つめる。
「矢張、成歩堂、そのイヤラシイ笑いはやめろ。一体何のことなのだ?」
「「わかめ酒!」」
「グッ・・・!ば、馬鹿なことを言うな!」
「あの狩魔冥にそんなことやったら鞭くらいまくるよなぁ~」
「貴方達、何の話をしているの?」
ぎくぅ!!
 後ろからの声にビクつく三人の男達。

 声の主は冥だった。
「いきなり入ってくるなよ、狩魔冥!無用心じゃないか!」
「いきなりも何も。成歩堂龍一、貴方がドアを開けっぱなしにしてたじゃないの?」
「ぼくは開けてないよ!・・・矢張、お前入るときにドア閉めなかったな?」
「まぁ、いーじゃん。ドロボーが入ったわけでなし。ところでよ、冥ちゃん、わかめ酒教えてもらったかよ?」
「なッッ!矢張!」
 御剣がそれを聞いて取り乱す。
「ああ、それね。日本ってめずらしいお酒が結構あるのね。この間、レイジがわかめ酒やマツタケ酒とか色々飲ませてくれたの。」
「・・・へ~、良かったな冥ちゃん。」
「・・・御剣、出来なかったんだな?」
「うるさい!そんなことで冷ややかに見るな!!」
「バカ達のバカらしいからかいに、バカ丸出しで構わずに帰るわよ、レイジ。」
「ム・・・」
冥は何時もよりもしかめ面の御剣の袖を掴み、成歩堂法律事務所を出た。

バタン!

御剣のマンション。玄関のドアを乱暴に閉める冥。
「もう・・・!日本の夏ってどうしてバカみたいに暑いのよ!」
「・・・うム。」
「汗でシャツがベタついて気持ち悪い・・・。シャワー、浴びてくるわ。」
「・・・うム。」
 むし暑い中、家に帰ってきた冥がシャワーを浴びる。
 その間、成歩堂らにからかわれて不貞腐れている御剣は酒を飲むことにした。

 部屋には冥のために取り寄せた、日本全国の様々な酒があった。その中の一本を開け、ロックアイスの入ったグラスに酒を注ぐ。ソファに深々と座り、黙々と酒を飲む御剣。

あいつら・・・人をトコトンバカにして・・・。
わかめ酒くらい・・・できる!

 だんだん酔いが回ってくると短絡的な思考になってきた。
 御剣の中でふつふつと怒りが込みあがってくる。
 酒と氷の入ったグラスを持ち、彼はすっくと立ち上がった。
 ゆらりゆらりと向かったその先は・・・

シャアアアアア・・・

冥のいるシャワー室へ。

 シャワー室のドアを勢い良く開く。
「きゃっ!いきなり入ってこないでよ、レイジ!」
 冥は慌てて振り向き、自らの手で体をとっさに隠そうとする。
「恥ずかしがらなくてもいいだろう?初めてででもあるまいに。」
 冥はキッと睨み付ける。「だからって! 「以前、わかめ酒の話をしたろう?」 」
 目の据わった御剣が、間髪なしに冥に問いかける。
 水を滴らせ、訝しむ表情の冥。
「・・・それが、何?」
「冥。本当のわかめ酒を教えてやろう・・・。」
 御剣が、濡れた体の冥を冷たいタイルの上に無理矢理座らせる。
「何をするのよ!?」
「しっかりと股を閉じているのだぞ。」
「きゃ!」
 そう言いながら剣呑な笑みを浮かべた御剣は、冥の閉じられた股間に酒をとぽとぽと注いだ。
 なみなみと注がれた酒の中で、ユラユラ冥の陰毛が揺れる。

 御剣はその三角地帯に満たされたわかめ酒に口付け、ゴクゴクと飲み干す。
 こぼれた酒が、冥の秘めやかな亀裂を流れ伝う。
 その感触が彼女にはこそばゆく、股を擦りあわせた。
「ぅ・・・」
 一方、御剣は酒を全て啜り込んだ後も、惜しそうに舌で舐め回す。
 だんだん舌は、冥の蜜の溢れる割れ目に辿り着き、ピチャピチャと上下にねめ上げてしゃぶったり、舌先を尖らせて突き入れる。
 舌の動きと共に、冥の体はしなり、足がピクピクと痙攣しはじめた。
「っはっ・・・、レイジ・・・やめて、あつ、い・・・。」
 それを聞いた御剣は冥の秘所から口を離した。


14
 傍らに置いたグラスから、氷を口の中に含み、御剣はガリガリ噛み砕く。
 そして冥の足を開き、蜜つぼの中に砕けた氷を口移した。
「ひっ・・・つめたぁ・・・!」
蜜つぼから粘ついた愛液と御剣の冷たい唾液が交じり合って流れ出す。
「どうだ?これで少しは冷えただろう?・・・私のも冷やしてもらおうか。」
 そう言うと御剣は自らの猛りきった一物を冥の中に抉り込んだ。
「ひ、あああ・・・」
 ぐっちゃぐっちゃと浴室に淫らな音が響く。

「フ、こんなに涎を垂らして・・・おしおきだ、冥。」
ぱしん!ぱしん!
 御剣がストロークを繰り返しながら、冥の尻を叩いて膣を締めさせる。
「あっ、あっ、あっ、あぁっ、いやぁあ!」
「フフ・・・いいぞ、冥っ。」
 冥の頭の中は尻を叩かれる屈辱的な思いと、小股から来る切ない気持ち良さがない混ぜになり、だんだん真っ白になる。
「は、あ、あ、あぁあん!」
「クッ・・・!」
 冥が達すると同時に、熱く甘い締め付けに御剣はどろどろの欲望を冥の中に吐き出した。

 

 二人は浴室の壁にもたれ、ずるずる崩れる様にしゃがみ込んだ。
「はあ、はあ、レイジッ、重いわよ!」
 御剣に覆いかぶされ、動けない冥が声を荒げた。
「・・・くかー・・・」
 御剣は気持ち良さそうに眠っていた。
 冥は怒りで体を震わせる。

 

 後日、成歩堂法律事務所。
 鬼気迫る勢いで冥がドアを開け、入ってくる。
「綾里真宵、成歩堂龍一は居るかしら?」
「か、狩魔検事、いらっしゃい。もーすぐ戻って来ますけど・・・?」
 真宵は背筋に冷たいモノを感じながら、冥の問いに答える。
 すると、ちょうどのん気な声が冥の後ろからした。「ただいま~真宵ちゃん・・・って狩魔冥、何の用?」
「お礼に言いにきたのよ・・・わかめ酒のね!」
びしびしびしびしびしびし!
「ぎゃああああ!何でぼくだけ!?」
「すでにレイジもフラチな貴方の友人もお仕置きしたわよ!」
びっしびっしびっし・・
「うわぁあああ・・・真宵ちゃあーん、助けて・・・!」

「・・・あ~あ、しーらないっと。」
 真宵は冥の鞭に巻き込まれないように、コッソリ奥へ引っ込んだ。

おしまい。

最終更新:2020年06月09日 17:52