【注意書き】
・色々頑張ってみたけれど、みつがロリコン
・エロスの限界にチャレンジしても、この程度なげろ甘エロ小説

この条件が飲み込めない人はスルー推奨。



最近の自分はどうかしてしまったに違いない。

*    *

「おはようございます。れいじさん」
「……うむ。おはよう、春美くん」
耳元で朝を告げる可憐な声を聞いて、御剣は目を覚ました。想像通り愛らしい少女の顔がこちらを覗き込んでいる。
こちらが目覚めたと知ると、少女は花のつぼみがほころんだように笑った。その笑みに、御剣はつい見とれてしまう。毎朝のことだというのに。
「朝ごはんの支度ができましたよ。着替えていらしてくださいね」
「……うむ」
覚醒しきっていない脳内は、目の前の愛らしい妻のことで占められてしまった。少女が自分の妻である幸せを噛みしめていると、
その妻がふいに口づけてきた。触れるだけの接触だったが、その甘い衝撃に、御剣は完全に覚醒した。
「!! ……春美くん……」
「ふふ、これでもう起きましたか?」
「……どうかな。もう一回くらい必要かもしれない」
「まあ! れいじさんったら」
頬を桃色に染める妻をやや強引に引き寄せて、御剣は春美に深く口づける。とても朝の挨拶とは言えない接触に、春美の息がどんどん上がっていく。
「んんっ……むぅ……! っは! れ、れいじさんっ……」
「む……。どうやら目が覚めたようだ。春美くんのおかげだな」
「もうっ! れいじさんったら!!」
眉をあげて叱られてしまったが、そんな仕草も可愛くて、御剣は朝からご満悦だ。だが、いつまでもそうやっているわけにもいかない。
何といっても、今日は平日なのだし。御剣は春美を部屋から出して、身なりを整える。いつものワインレッドのスーツを着込むと、
妻の待つリビングへ向かった。春美の用意してくれた和朝食を食べると、もう出勤時間だ。春美がカバンを持って玄関で見送ってくれる。
「いってらっしゃいませ、れいじさん!」
「ああ。春美くんも、戸締りをしっかりな」
そう言って、妻の桜色の唇に吸いついた。あまり深く口づけると名残惜しくなると思いつつも、また春美の唇を貪ってしまう。
さらにうっかり抱きしめてしまい、セーラー服越しの細い体を腕に感じて、よからぬ感情まで湧き上がってしまった。
いや、だめだ。もう時間がないのだから。
「ん……。では、行ってくる」
「はぁ、っ……は、はい……。お、お気をつけて……」
潤んだ瞳の妻に見送られて、御剣は後ろ髪を引かれる思いで出勤した。

*    *

このところ、毎朝がこんな調子だ。もちろん、朝からこんな状態なのだから、夜はもっと大変なことになる。
春美と睦みあうのが楽しみで楽しみで、仕事もできる限り早く切り上げて帰るようになったほどだ。
今の今まで、自分はけっこうその手のことには淡白な方だと思っていたのに……。それがどうだろう。毎晩なんて。
いくら妻といえども、彼女はまだ学生だ。こんな生活環境、絶対に良くはない。そうは思う。思うのだが……。

766 :はみみつ その3[sage] :2009/05/11(月) 23:26:15 ID:1XZB0GoO
「どうにも、あの笑顔が可愛くていかん」
あの笑顔に釣られて、ついうっかり抱きしめてしまう。すると、恥ずかしそうに視線を外すのだが、その仕草がまた色っぽい。
結果、もっともっとと彼女と触れ合っているうちに、コトに及んでしまっているのだ。
自分の知られざる性癖に大きく溜息をつくと、隣でビールを飲んでいた矢張が、
「それってさー、ハマってんだろ? ただ単に」
と、どうでもよさそうにそう言った。
「ハマる?」
「春美ちゃんとのセックスにハマってんだろ、って言ってんの」
あけすけに言う古い友人のモラルのなさに眉をしかめる。
「まあ、いいんじゃないか? 仲がいいってことなんだし」
ニット帽をかぶった成歩堂も、苦笑しながら酒をちびりと口にふくむ。
「そりゃ、ハマるよなー。あーんなかわいい、美少女女子高生が幼妻で、毎日『おかえりなさいませ』とか言ってくれるんだもんよー。
そりゃ毎晩あーんなことやこーんなこととか、具体的に言うと制服プレイとか裸エプロンとか、和服プレイもあり……」
発言の途中だったが、有無を言わさず殴りつけた。本気で人を殴ったのは何年振りだろうか。
「ったいな!! なにすんだ!!」
「キサマが不埒な妄想を垂れ流すからだろう。いいや、妄想するな。想像するな。考えるな!」
「なんだよ!! お前は毎日拝んでるかもしんねーけどな! おれは!! 想像するくらいしか許されてねーんだよ!! いいだろ!」
「だめに決まっているだろう!」
「お客さん、喧嘩はよそ行ってやっとくれ」
やたぶき屋の主人がチャーシュー用の肉切り包丁を片手にすごんだので、矢張も御剣も黙り込んだ。
「ま、そんなに悩むことないんじゃないか? ほら、ぼくたちはおっさんになりつつあるけど、男なんだし。そういうときだってあるよ」
「キサマはあるのか」
すかさず問うと、成歩堂はうっと言葉を詰まらせた。
「そりゃーまー、ないわけじゃないけど……」
何せ、一緒に住んでるわけでもないしなー、などと愚痴るニット帽。
「オレだってあるぜ。マナちゃんとはこの前一日中一緒にいたし。いやー、ほんと、ああゆうのはいいね! 部屋にずっと閉じこもっていちゃいちゃすんのな」
「お前……そのこ、この前フラれたとか言ってなかったか?」
「うおおおおおお!! そういうことを思い出させるなぁあああ!! オレは! 今! 美しい思い出に浸ってたいんだよ!!」
まったく美しくない。しかも卑猥だ。ただの猥談だ。
「まあ、春美ちゃんが嫌がってないんなら、僕たちがどうこう言う問題じゃないね。いくら僕が父親代わりだって言っても、ほら、夫婦のことなんだし」
「ム……、まぁ、そうなのだが」
「そんなこと言って、ナルホド。みぬきちゃんをオレの嫁にくれって言ったら、マジギレしたくせに」
「春美ちゃんは“父親代わり”だけど、みぬきは僕のほんとの“娘”だからね。お前みたいな男は断固反対!!」
矢張はもちろんだろうが、まず他の男にやる気がないんだろう、と御剣は思ったが、あえて口には出さなかった。
「ま、まだまだ新婚なんだし、今のうちに楽しんどけばいいよ。そのうち春美ちゃんが嫌がる可能性もあるんだし」
「ああ、倦怠期ってやつな」
「……恐ろしいことを言うな」
幼馴染たちの呪いの言葉に一瞬背筋が凍りつき、御剣はそそくさと自宅へと足を向けた。

*    *

「おかえりなさいませ、れいじさん」
「……ウム。ただいま」
玄関先で妻の白磁の頬に口づけて、御剣は春美に荷物を預けた。クローゼットのある寝室まで、二人並んで向かう。
「今日はなるほどくんとマシス様とご一緒だったのでしょう? お二人ともお元気でしたか」
「ああ。相変わらずだったよ」
「ふふ。そうですか、よかった。また家にも遊びにいらして下さればいいのに……」
春美の少しさみしそうな横顔に、一瞬どきりとする。自分が春美と二人きりになりたいばかりに、しばらく家に遊びに来るなときつく言ってあるのだ。
それでも成歩堂などは真宵が来たのを口実に、ちょくちょくこの家へやってくる。
クローゼットの前でスーツを脱ぎ、春美に手渡しながら、御剣はしどろもどろと言い訳した。
「ああー……、まあ、ヤツらも暇ではないだろうから、そのうちにまた真宵くんと来るだろう」
「そうですね! 皆さまお忙しいのですから、わがままを言ってはいけませんね!」
それに、と小さく春美がつぶやくので、御剣は春美を見た。何でもないと口をふさぐ春美だったが、視線だけで続きを促す。
「え、ええと……その。あの、わたくしには、れいじさんがいらっしゃるのですから、ちっとも寂しくありませんし……。二人きりも、大好きですから……」
顔を赤くしてそう言う妻が、もうたまらなく可愛い。春美の細い体を抱き上げて、ベッドの上に倒れ込んだ。
「れ、れいじさん! ご、ご飯まだです!!」
「あとできちんといただくよ」
「お、お風呂もっ……!」
「あとで入る。……今は春美くんが欲しい」
そう言って深く口づけて、春美の抗議を塞いだ。くちゅっ、くちゅっと舌が絡み合う音が部屋中に響いて、御剣は胸を高鳴らせた。
「ん、ぅふ……れ、れいじさ……! んんっ!!」
「本当に嫌なら止めるが……どうする?」
耳元で囁くように言うと、春美は本心から困った顔をして、ぎゅっとこちらに抱きついてきた。
「……嫌ではないから、困るのです……」
しばらく倦怠期なんて無縁だ、と胸のうちだけで呟いて、御剣は再び妻に深く口づけた。



「今日は、まだこの時間まで制服なのだな」
「え、ええ……。委員会に出席していたので、帰りが遅くなってしまって……」
口づけで息を上げる妻は、白い夏用のセーラー服をやや乱していて非常に扇情的だ。
裾から見える白い太ももや胸元が、いかにも“青い果実”的な危険な色気を醸し出している。
自分にはそのようなシュミはない。これは妻だからこその感情だと胸の内で何度もつぶやいて、御剣はやや強引に制服をはぎ取っていく。
「あっ……そんなに乱暴にしては、制服がしわになってしまいます……」
「今はそんなことを気にしなくていい」
御剣は下着姿になった妻を見て、ようやくほっとした気持ちで口づけた。彼女の制服姿は苦手だ。
歳の差を思い知らされて、なんだが少し傷つく。
ほっとしたためか、今まで抑えていたものがあふれだしたのか、御剣のキスはいよいよ深くなる。
少女の柔らかな口腔を舌でまさぐり、舌をからめ合い、歯茎をちろちろと舐めあげて、きつく唇を吸った。
息もできないほどの激しさに、春美は涙を流す。
「っふ、ん、ぅふっ……は、れいじ、さぁんっ……」
唇を離すと、妻はとろりと潤んだ瞳で自分を見上げてくる。もの欲し気な視線に満足し、
御剣は春美の髪かざりを優しくはずしてやった。さらりとした長い髪は、御剣のお気に入りだ。
細くしなやかなそれに顔を埋めて、甘い香りを堪能する。ゆっくりと流れる至福の時間を満喫していた御剣だったが、
しかし、妻が背中を引っ掻く刺激で現実へと立ち返った。
「どうしたのだ、春美くん?」
「れ、れいじさんっ……! い、いじわる、しないでくださいっ……!」
「? 何のことだろうか」
訳がわからないといった御剣の表情に、春美は顔を真っ赤にした。それでも、夫に身体を密着させ、消え入りそうな声で告げる。
「……わ、わたくし、もうっ……そ、そんなに我慢できませんっ……」

はっきりと言われて、思わず御剣は顔を赤らめる。そっと春美の足の間に手を滑り込ませ、下着を避けて秘密の花園へと指を差し込むと、
そこはすでにしとどに濡れていた。なるほど、これでお預けは、まだ性に幼い彼女には酷だろう。
下着をするすると下ろし、足を左右に開かせて、濡れた茂みを確認する。肉真珠がつんと立ち、
蜜をたたえながらひくついている様子に、御剣はこくりと喉を鳴らした。
「キスだけで、こんなになるのか?」
「だ、だって……! れいじさん、とってもお上手でっ……わ、わたくし、その……」
「うん?」
真っ赤だった顔を、また赤くして、春美はぎゅっと目をつむった。
「……もっともっと、れいじさんが好きになってしまうんです……」
御剣の身体がよろめいたことに、春美は気づかない。そのまま一大決心して告白を続ける。
「で、ですからっ……キスだけですごく気持ち良くなってしまうんですっ……こ、こんなはしたない女、嫌いになりましたか……?」
今にも泣きそうな妻の表情を見て、御剣は理性がぶちぶちと音を立てて切れていくのを聞いた。妻の身体を抱きよせて、唇をぺろりと舐める。
身体が熱くてたまらない。
「……すごく、うれしい」
「ほ、ほんとに、ですか……?」
じゃあ、もっとキモチヨクしてください?
耳元でそんな春美の誘惑を聞き、御剣はさっそくとばかりに蜜の流れる秘所へと指を這わせた。つんと立ち上がった豆粒を指先ではじくと、
それだけで春美の唇から切ない息が漏れた。非常に色っぽい。それに気を良くして、くりくりと指でしごき、妻の弱い部分を執拗に攻めた。
「はぁあんっ! そこ、っ……そこはぁっ……!」
「いいのだろう?」
「……あ、は……いっ……! 気持ち、いいですっ……」
素直な妻の言葉に、御剣は笑みを浮かべる。刺激でぷっくりと膨れた豆粒を、舌先でもいじってみる。
「ああぁー! あんっ……そ、そんな、だめぇ……!」
きつい快楽に舌足らずな声になっていく妻の媚態で、いよいよ御剣の興奮は高まった。
舌を蜜壺へとそっと差し入れ、入口の浅い場所をほじくり返す。濃い蜜がさらに溢れ、御剣の口元を汚した。
「凄く良さそうな表情をしている。本当にダメだったのだろうか」
「あ、ん……む、胸も、触って……?」
妻の淫らな懇願に、御剣は破顔した。すぐさま春美のブラをたくしあげ、白く柔らかなまろみを揉みしだく。
すでにぴんと張り詰めた頂きをこね、つまみ、爪ではじくと、それだけで春美はもだえるように反応した。
「ふぁっ……!! ああんっ、れいじさぁんっ! はぁぅ……!」
上半身の刺激にさらに切なさを増したのか、春美は下半身を御剣の腰へと密着させる。
下半身に熱がこもるのを感じながらも胸を揉み、さらに口づけると、普段は可憐な少女が餓えた動物のごとく舌をねじこんできた。
互いに舌を絡ませ合い、唾液を交換する激しい口づけを交わす。その感覚にとろけ切った脳の片隅で、御剣は思う。

どうも私も、彼女のキスですごく気持ちが良くなってしまうようだ。

柔らかな口腔を探り合うと、一層愛しさが沸いてくる。彼女が言っていたように、もっともっと相手のことが好きになる。早く、早く一つになりたい……。
春美のキスや腰の動き、息使い……妻のすべての仕草に御剣は耐え切れなくなっていった。
ベルトを緩めて、すっかり膨張して固くなった己を取り出す。先端を潤んだ蜜壺の入り口で遊ばせると、それだけで春美はいやらしく腰をくねらせた。

「ぁあんっ……、は、早くぅ……!」
「うん……。わかっている」
御剣は妻の花園の入口に己をあてがい、ゆっくりと挿入していった。とろけた春美のそこは、容易に夫の雄を受け入れ、ぎゅっと締めつける。
「はあああっ……れいじさん、あついぃ……!」
「は、春美くん、もっ……とても、熱くて、きついっ……」
全てを妻の膣内に収めると、腰を使って抜き差しを始める。互いに脳髄を痺れされる快感に、身体を震わせた。
奥まで差し込んでは、入口まで引き戻す。そんな単純な行為が、たまらない快楽を呼んだ。
二人の動きにふるふると揺れる妻の豊かな乳房をこねまわすと、妻の唇から切ない声が漏れるのを聞いた。
「あ、あ、あ! はあっ!! はああんっ!」
「はる、みっ……、気持ちいい、だろうか……?」
「んっ、は、はいっ……! れいじさんの、とっても気持ちいいですっ! あ、もっと、もっとくださいっ」
淫らな妻はそんなことを懇願し、ふとももで夫の腰を固定する。恥ずかしさに耐えながらも、それでも自ら腰を動かして更なる快楽を手に入れようと
もがいている様に、愛おしさがこみ上げてくる。実際に妻から与えられる刺激にも促され、御剣はこれ以上我慢することができなくなっていった。
少女のほそ腰を固定し、獣のように腰を動かす。ぐちゅぐちゅになった秘所は、動きも滑らかに男の強烈な刺激を受け止めていく。
春美は、今にも快楽へと上り詰めそうな放蕩とした表情だ。扇情的で、一層動きに熱が加わる。
「あん、あん、あんっ! だ、だめ、れいじさんっ……も、もう、イってしまいますっ……!!」
「あ、ああ……私も、もうっ……」
「ん、じゃ、じゃあっ……いっしょ、にっ……!!」
身体をぴたりと密着させてくる春美のいじらしい願いに、御剣は心まで昇天するかと思った。もう、彼女はなぜこんなにいつでも可愛いのか。
その愛しさのまま、御剣は妻の身体を一層激しく刺し貫く。
「っ……いっしょ、だ、はるみ……」
「あ、あ、ああーっ!!」
ひと際奥へ剛直を突き入れると、春美はぴんと背筋をそらせて達してしまった。そのひくつく膣内へ、御剣もあふれんばかりの精を吐き出したのだった。


*     *

疲れて眠りこんでしまった妻の寝顔を眺めながら、御剣はその細い身体を抱きしめた。できることなら、ずっとこうしていたいと思うほど、
御剣は春美を抱きしめることが好きだった。良い匂いのする髪に顔をうずめ、やわらかな身体を手のひらに感じながらやすらかな寝顔を見つめることが、
たまらなく幸せだと感じる。
だからといって、彼女と毎日のように交わるのは、やっぱりいかがなものか。
いつの間にか、彼女も、その……とてもいやらしいことを口にするようになっているし。
かといって、腕にあるこの幸せを手放すことなど、簡単にはできそうもない。なぜこのようなことになってしまうのか。
ぐるぐると思考を巡らせていると、いつの間にか目覚めた妻と目が合った。微笑む春美。
「れいじさん。ご飯、召し上がりますか?」
「ん、ああ……そうだな」
そうは答えながらも、やっぱり少女を手放すことができずに、さらに抱きしめてしまう。
すると、腕の中で少し苦しそうな息を出しながらも笑う妻の気配を感じた。
「ふふ……。わたくし、れいじさんにこうやってぎゅってされるのも、すごく好きです」
また、御剣の胸がぎゅっと締めつけられる。くらくらするような高揚感が身体を巡った。
「そ、その……私も、きみを抱きしめるのが、とても好きなのだが……」
「まあ! ではお揃いですね! うれしいです」
いまいち的外れなことを口にしながら、春美は御剣の胸に頬を寄せる。
「わたくし、れいじさんが大好きなので、だからぎゅってされるのも、キスされるのも好きなんです。
れいじさんも、わたくしのことが好きだから、ぎゅってするのが好きなのだと、もっとうれしいです」
幼い妻の言葉に、御剣は降参した。
そうか。彼女を手放せない理由なんて、ひとつしかない。自分が、どうしようもなく彼女を好きなせいだ。
この歳で「恋をしている」、なんて表現はそぐわないような気もするけれど、そんな表現が一番しっくりくるような感情。
御剣は笑った。妻を抱きよせて、頬に口づける。嬉しそうな悲鳴をあげて春美が笑う様子に、胸が締め付けられた。
笑顔が、たまらなく愛おしい。
「……春美くん」
「はい、れいじさん?」

「大好きだ」


終わる

最終更新:2020年06月09日 17:43