・牙琉兄による真宵強姦
・なるほどと真宵は、付き合ってはないけど、うっすら両想いな感じ
・2019年、成歩堂資格剥奪から1ヶ月後くらい
・真宵→家元・20歳になったあと
・強姦なので、もちろん救いはない
・ついでにオチもない



「もしもし、冥さん?…あたし、真宵です。綾里真宵。…うん、ちょっと聞きたい事があって。」

初夏と言っても、日が落ちてしまうとまだ少し肌寒い、倉院の夜。
屋敷の片隅で、声を潜めるように真宵は電話をしていた。
『マヨイ?珍しいわね。どうしたの?』
声の主は多忙なのだろう。
電話の向こうでペラペラと書類を捲る音が微かに聴こえる。
執務中の電話に申し訳なさを感じながら、
真宵は出来るだけ手短に用件を伝えようと、
予めシミュレーションしておいた通りに切り出した。
「牙琉検事って、どんな人なのかなと思って。冥さん、知ってる?」
『ガリュウ…?』
真宵から発せられた言葉を繰り返しながら、冥の脳裏に二人の人物の顔が過ぎった。

ハリネズミのように尖った頭の男、弁護士・成歩堂龍一。

そして、もう一人。
ジャラジャラした軽そうな男、牙琉響也。

── あれは、そう。
2月に葉桜院の事件で訪日した時に、資料整理の為に立ち寄った検事局で耳にした名だ。
春に入職する予定の新人検事の中で「サラブレッド」だと騒がれていた男。
オリエンテーションに来ていたらしい男と廊下ですれ違った際に、
妙に馴れ馴れしい笑みを浮かべて冥に会釈した姿を思い出し、
それこそが真宵の尋ね人だと記憶が蘇り、同時に苦々しさが胸に込み上げて来た。

成歩堂龍一の弁護士バッジを奪った男、牙琉響也。
今にして思えば、証拠捏造を問われた成歩堂が、誰かに罠に嵌められたのは明白だった。
冥や、同じく葉桜院の事件後に渡欧した御剣にその情報が入った時には、
既に成歩堂の弁護士資格は査問委員会により剥奪されたあとで、冥達には力を貸す事すら出来なかった。
ライバルと言えども、幾つもの法廷で争った戦友の失脚を、手を拱いて見ているしかなかった悔しさ。
牙琉は正当な任務を果たしただけとは言え、やはり冥が抱く彼の印象は良いものではなかった。

『サラブレッドだか何だか知らないけど、軽薄そうな男だったわ。』
冥は吐き捨てるように言う。
「…サラブレッド…。」
『そう騒がれてたわ。…でも私も直接は知らないから、こちらで調べてみるわ。また電話する。』
「うん。ありがと。」
真宵の声にはどこか元気がなかった。
理由は考えるまでもないだろう。
冥には真宵がどんな用件で電話をして来たのか、分かる気がしていた。
ライバルであった自分ですら、成歩堂の資格剥奪が齎した衝撃は大きかったのだから、
数年間を共にした真宵達が受けたショックは、察するに余りあった。

受話器を置いて書類に目を戻し走らせかけたペンをふと止めて、冥は顔を上げた。
「(…成歩堂龍一が動き出したのかしら。)」
捏造の濡れ衣を着せられたまま、成歩堂がこのまま黙っているとは思えなかった。
恐らく、あの男なら納得の行くまで真実を探すだろう。
そして、真宵も成歩堂のためなら助力を惜しまないであろう。
もちろん冥だってやぶさかではないし、御剣だってそうだろうが、
海外にあって協力出来る事は限られている。

遠い日本で真実を求めて動き始めた仲間達に思いを馳せ、冥はNYの空を見上げた。

『── マヨイ?』
冥から連絡があったのは、それから3日後の昼前だった。
異国の地で忙しい合間を縫って調査してくれた事を感謝しつつ、真宵は受話器の声に耳を傾ける。
緑色の葉を生い茂らせている庭の桜が風に揺れて、木漏れ日をチラつかせて眩しい。
『牙琉響也…兄がいるのね、弁護士の。』
「え…。弁護士?」
『そう。しかもね、例の事件の前任弁護士よ。』
「…!」
『この事、成歩堂も知ってるんでしょう?』
「────。」
『…マヨイ?』
「あ、ごめんなさい。」
『牙琉が関わってるのは間違いないでしょうね。でも、何が目的なのか…。』
「うん…。」
『十分気を付けなさい。成歩堂龍一にもそう言っといて。』
「ん。冥さん、忙しいのにありがとう。」

携帯電話の終話ボタンを押すと、真宵は分厚い電話帳を自室に持ち込みペラペラと捲り始めた。
「(法律事務所…ガリュウ…。ガ…ガ…。あ…。)」
目的の項目を見つけると、電話番号と住所を手帳に書き写してそのままスケジュールのページを開く。

家元を襲名したばかりの真宵は、冥に負けず劣らず多忙だ。
たった数ヶ月の間に全く様変わりしてしまった、
自らを取り巻く環境を恨めしく思いながら、書き込まれたスケジュールを睨む。
覚悟の上での襲名とはいえ、以前とは格段に違う制約の多さ。
あの裁判の日だって、それまでと同様に自分がいれば、或いは最悪の事態は防げたかもしれない。
傲慢だろうが、それでも真宵はそう思えば思うほど自分を責める他なかった。
そして、その思いは成歩堂を嵌めた犯人への憤りとなり、真宵を突き動かす原動力となる。

「(── 許さない…!)」
テレビであの事件を知って、取る物もとりあえず事務所へ駆けつけた、あの日。
電気も点いていない薄暗がりの中で見た、成歩堂の疲れきった顔──。
それは彼と共に過ごした三年という月日の中で、初めて見るものだった。
傷ついている成歩堂の姿にまた傷ついた真宵は、
成歩堂にそんな顔をさせた犯人、そして自分が許せない。

笑顔の似合う童顔は、瞳に険しさを浮かべて遠くの何かを見つめていた。

******

数日後。
真宵は都心のオフィスビル前の広場で、よく晴れた空を睨んでいた。

20階立てのビルの15階に居を構える牙琉法律事務所。
洗練されたインテリアに囲まれたオフィスは、その繁盛振りをよく表しているようだった。
通された応接室でソファに腰掛けて待っていると、
目的の人物は穏やかな笑みを浮かべて真宵の向かいに腰掛けた。
如何にもインテリ、といった雰囲気で眼鏡を光らせているその笑顔に、
真宵は底知れぬ不気味さと胡散臭さを本能的に感じ、思わず身構える。
「弁護士の牙琉です。」
「倉院流霊媒道宗家、綾里真宵と申します。」

家元襲名からこの数週間ですっかり板についた挨拶。
元気に膝小僧を出した見習い霊媒師の装束は卒業し、
丈の長い、かつて母親が着た家元用の衣装を纏う真宵。
その衣装にはちょんまげは似合わなくて、ここ最近は長い黒髪を綺麗に結い上げていた。

「今日はどういったご用件でしょう…?」
真宵は微かに俯いて躊躇うような仕草を見せたが、それでもしっかりと顔を上げて牙琉を見据えた。
「率直に言います。…あたし、成歩堂法律事務所で、なるほどくん…、いえ、成歩堂弁護士の助手をしていました。」
「成歩堂元弁護士の…?」
わざわざ「元」を付ける辺りに、微妙な不快感を感じ、真宵は眉を顰めた。
「牙琉さんは、或真敷事件でなるほどくんの前任だったと聞きました。」
しっかり目を捉えて離さない真宵の視線を、牙琉はほんの僅かに顎を挙げて受け止める。
「確かに、私が前任でした。それが何か…?」
「…お話を聞かせて下さい。」
「話、とは…?」
反射する蛍光灯が映り込む眼鏡が遮る向こうで、
牙琉の瞳がどんな表情を湛えているのか、真宵には窺い知れなかった。
だが、牙琉が自分を試しているような気がして、
負けてなるものかと、真宵は心の中で自身を鼓舞し、ふわりと笑った。
「あの公判の担当検事、牙琉さんの弟さんだったそうですね…?」
「…分かりました。それでは資料をお見せしましょう。」
そういうと、牙琉は自分のオフィスへと入っていった。

「(ふぅ…。緊張するなあ。)」
考えてみれば、元々関係の深かった成歩堂や星影以外の弁護士の所へ、単身で乗り込む事など初めての事で、
それに加えて倉院流の家元として、恥ずかしい振る舞いがないようにと意識することは、
真宵にはちょっとした努力が必要だった。
詰めていた息をふうっと吐き出した所に、牙琉が戻ってきて、真宵は緩めかけた背筋を、再びピンと伸ばした。

「申し訳ありません。どうやら自宅へ置いてきたらしい。ここから10分くらいなのですが…。」
そういうと、牙琉はチラリと腕時計に目をやった。
「もう今日はアポイントもありません。
宜しければ一度マンションに寄らせて頂いて、その後どこかのカフェででもお話しましょうか。」
「………。」
(家に入らなければ、大丈夫…だよね。)
ここで怖気づいたら女じゃない。
「── 分かりました。」
真宵は静かに頷いた。

******

都内でも一等地と名高い場所にある、高層マンション。
その一室が牙琉の自宅だという。
オートロックで厳重に管理されたその建物の前で、真宵は思わず立ち止まった。
「…凄いですね。なるほどくんなんて、アパート住まいなのに。」
牙琉はその言葉には答えず、にっこりと笑みを浮かべている。
やっぱり胡散臭い笑顔だな、と真宵は思う。
穏やかな笑みではあるものの、どこか冷酷な印象を受けるのはどうしてだろう?
その時の真宵にはその正体が分からないでいた。

29階にある牙琉宅の玄関の前で、真宵は待った。
5分、10分と時間が過ぎ、中の様子が気になり始めた頃、
おもむろに玄関の扉が開き、中からひょっこりと牙琉が顔を出した。
「──お待たせしてすみません。今、成歩堂くんと電話しているのですが、あなたに替わって欲しいそうですよ。」
「え、なるほどくんですか?」
牙琉が柔らかく微笑む。
「あ…すみません。」
「── 親機で話してるんです。どうぞ。」

牙琉に案内されるままに、真宵は室内へ足を踏み入れる。
成歩堂の名前を出されて、真宵は完全に油断していた。

あの日。
成歩堂が酷く傷ついていたあの日から、真宵は成歩堂と連絡を取っていなかった。
彼に余計な心配を掛けたくなくて、真宵は黙って一人で行動に移したのだった。
だから、成歩堂が現在どういう状況にあるのかを真宵は知らなかったし、
成歩堂もまた、真宵が何をしようとしているのか知る由もなかった。

「あの、電話は…?」
真宵が振り向こうとしたその時、肩に何かがぶつかり真宵のその身体がよろめいた。

「……!」

“何か”が牙琉の手であり、それは当たったのでなく押されたのだという事を理解するまでの僅かな間に、
真宵は牙琉に組み敷かれていた。
「キャ…ッ!」
悲鳴を上げようと開いた口に、間髪無くハンカチを詰め込まれる。
「ぐ…ぅ…ッ!!」
手足をバタつかせて必死に抵抗を試みる真宵だが、小柄な真宵の抵抗を牙琉は物ともせず、
難なく覆い被さって耳元に口をつけた。
「…何をしてるんですか。」
「……!」
「成歩堂の差し金でしょう?」
「……。(ち、ちが…!)」
真宵はぶんぶんと首を振る。
「…例の疑惑については存じ上げないが、協力してあげても良いですよ…?」
「……!」
「ただし…条件がありますが。」
そう言うと、牙琉の手が真宵の乳房を鷲掴みにした。

「!」

「場合によっては弁護士復帰だって…。」
(── う、嘘だ…。弁護士会の決定事項がそんなに簡単に覆るわけがない…!)
「私、こう見えてそっちの方に顔が利くんですよ…。」
「── ……。」
(“関係ない”なんて言ってるけど、絶対嘘だ…!)
(この人、何か知ってる…。だからそんな都合の良い事をチラつかせてるんだ…。)
「成歩堂の為になりたいんでしょう?」
(これが本当になるほどくんのためになる…?そんな訳ない…!)

(そうだ、お姉ちゃん…!)
咄嗟に千尋を霊媒しようとして、我に返った。
女性である千尋を霊媒した所で危険に変わりはないのだ。
(誰か、男の人…男の人…!)
焦りと恐怖に脅かされ、真宵は黄泉の国にいる男性を思い出せないでいた。
頭をフル回転してなんとか逃れようと考え焦る真宵に、牙琉は最終通告をつきつけた。

「…それとも成歩堂に危害を加えられても良いんですか…?」
「!!」
「…まあ、どちらにしても。こういう状況である以上、このまま帰すわけには行きませんが…。」
「……!」

真宵は恐怖に竦む身体を強張らせた。
冷たい光を湛えた牙琉の視線を避けるように固く瞳を閉じ、深く眉を顰めた。

******

真宵の柔らかな耳から白い首筋、そして華奢な鎖骨と、牙琉は唇と舌を滑らせる。
牙琉の通った道筋から背中に悪寒が走り、嫌悪感から鳥肌が立った。

牙琉の手が、装束の上から乳房を包み込むように揉みしだき、爪でその先端を掻くように刺激する。
真宵の意思とは裏腹に、その先端はぷくりと屹立を始めていて、
装束の布越しにもその存在を可愛らしく主張していた。
牙琉は装束の胸元から遠慮なく手を差し入れると、グッと合わせを開き、二の腕を半ばまで露出させた。
小振りだが形の良い真宵の乳房を、牙琉の手が弄ぶ。
自在に形を変えるそれに、牙琉は舌を這わせ、敏感な先端を避けるように情交の証を付けていく。

ふと牙琉は顔をあげた。
真宵は無表情のまま、顔を背けている。
全ての感情を殺して屈辱を受け入れる真宵。
そんな真宵の健気さが、牙琉の嗜虐心に火を点けた。

口に詰め込んでいたハンカチを抜き取ると、牙琉は真宵の唇を奪った。
「──ッ!」
真宵は眉を顰めて微かに抵抗する。
唇は硬く閉じられていて、牙琉の侵入を拒んでいる。
だが、牙琉はそんな事は意に介さなかった。

真宵の身体に電流が走った。
牙琉の骨ばった指が、真宵の両の乳房の敏感な先端を爪弾いたのだった。
その衝撃で思わず緩んだ一瞬を逃すまいと、牙琉の舌が真宵の口内へと忍び込む。
歯列や上顎をなぞられ、舌を絡めとられた真宵は、
生温かいその感触に吐き気が込みあがってくるのをひたすら耐えていた。
その内呼吸が苦しくなり、酸素を求めて喘ぐように口を離すが、それを追うように再び口内を貪られる。
(── 気持ち悪い。気持ち悪いよお…。)
真宵の瞳に涙が溜まる。

「── 成歩堂はどんなキスをするのですか?」
「!?」
真宵は驚き、悲愴な色を浮かべた瞳を大きく見開いた。
「──…おや、その様子ではまだ何もしていないらしいですね。」

牙琉はこれまで、何度か成歩堂の法廷を見てきた。
例の事件の発端となるポーカーゲーム以前の事だったので、
それは純粋に裁判の一例として参考にする為の見学だった。
そんな時に、この少女が成歩堂と共に弁護人席にいるところだったり、
時には裁判所帰りのじゃれ合う姿を見掛ける事もあった。

そこから受けた印象では、この少女は成歩堂が大切にしている女…。
つまり、恋人だと思っていたのだが。

職業柄、人間の心理を見抜くのを得意とする牙琉には、
成歩堂の、この少女を見つめる眼差しには特別なものを感じたし、
少女もまた、笑みの中に成歩堂を慕う気持ちがよく表れていた。
だがそれは思い違いだったらしい。
── いや。
決して予想は外れてはいないはずだ。
ただ、そこまで関係が進んでいなかった、というだけの話で。

野蛮な方法で無罪をもぎ取るあの男。
自他共に認める我が国No.1の弁護士であるこの私に、屈辱を味わわせたあの男。
成歩堂が最も大切にしているものを、先に汚してやる。
あの男にとって、これほど屈辱的なことがあるだろうか…?

そこまで考えが及ぶと、牙琉は楽しいオモチャを見つけたとでも言わんばかりにククッと笑った。

******

真宵の左の乳房に鎮座する桃色の突起を捉えた牙琉の舌が、可愛らしい屹立を促すように転がし始めた。
より硬度を増したそれを、甘噛みしたり吸い上げたりと執拗に刺激を加え続ける。
もう片方の乳首にも、摘んだり、爪で掻いたり手のひらで転がしたりと、愛撫を続ける。

そっと視線を上げると、真宵は相変わらず顔を背け、眉を顰めて目を閉じていた。
舌での愛撫を右の乳房に移して突起に唾液を塗しながら、牙琉は右手で真宵の着物の裾を探った。
以前見かけた時は、膝丈の装束を着ていたと記憶しているが、
今、自分の下で上半身を露にしている真宵は、足首までしっかりと隠れる長さの装束を着ている。
乱れた裾から覗く白い肢体が艶めかしい。

荒々しく真宵の左の大腿を捉えると、抱え上げるように脚を割り開き、
腰骨に沿って手を滑らせて、露になった下着の中心部分を親指でスッと撫で上げた。
その瞬間、真宵の身体が強張った。
筋に沿って指を這わせ、可憐な真珠があるであろう場所に親指を押し付ける。
爽やかなサックスブルーの下着の中心が微かに湿り気を帯びていた。
牙琉は下着を摘み上げると、わざと食い込ませるように布を持ち上げ左右に揺らす。
秘所に食い込む下着に眉根を寄せる真宵の頬は僅かに上気し、薄っすらと桜色に染まっていた。
それでも強固な意志を崩すまいと言わんばかりに、大きな瞳は固く閉じられている。
そんな真宵の表情を楽しむように眺めながら、牙琉は真宵の下着の中に手を差し入れた。

── くちゅっ

小さな音だった。
だが確実にそこは潤んでいて、牙琉は嘲るような笑みを浮かべて真宵を見た。
敏感な真珠を揺さぶり、時には捏ねるように弄ぶ。
真宵はギュッと目を瞑り、唇を噛み締めて耐えているが、呼吸の度に肩と胸が大きく波打っている。

そんな真宵を見下ろしながら、牙琉はフッと鼻で笑った。
「随分強情ですね…。でも、いつまで我慢出来るかな…?」
硬く屹立し、ぷっくりと顔を出した真珠の皮を剥き、
中から溢れる蜜を指に掬い取りそれを塗りつけるように真珠を摩ると、
爪先はくるりと丸まり、開かれた下肢はガクガクと震えた。
真宵の瞳から涙が溢れ出し、目尻から耳へと伝ったそれは、乱れた黒髪に吸われていく。
(なるほどくん…なるほどくん…!)
秘所から湧き上がり、次第に全身を蝕んでいく感覚と戦いながら、
真宵は心の中で成歩堂の名前を叫んでいた。

牙琉は胸の頂きにキスすると、するすると顔を下ろしていき、
もう片方の大腿も抱え込んで秘所を大きく露出させ、そのままそこに顔を埋めた。
ピチャ…ピチャ…
真宵のソコを、淫らな音を立てながら蹂躙する。
尖りきった真珠を舌で転がし、誰も踏み入った事のないであろう内部へ指を差し込んだ。
キュウっと締め付けて来るそこは、予想以上に狭い。
蜜を掻き出す様に指を抽送して掻き回すと、中からトロリと更に蜜が溢れ出して来た。
真宵の白い大腿は細かく痙攣し、申し訳程度に纏っている装束を、手が白くなる程強く握り締めている。
本人の意思とは無関係なのだろう。
時々ピクッと腰が浮き上がる。
その度に真宵の中を犯す指は締め付けられ、入り口がひくつくのを感じる。
手首まで真宵の蜜を滴らせた牙琉は、内部の前壁を探るように二本の指を往復させた。

「──ッ!」

ザラザラしたソコを刺激した瞬間、真宵の腰が跳ね上がった。
やっと見つけた、とでも言いたげな笑みを浮かべると、牙琉はそこを攻め始めた。
なんとか逃げようと、身を捩って悶える真宵。
だが小柄な真宵には、牙琉を跳ね除けるほどの力は無いばかりか、
身体に力が入らず、今の状態では立ち上がる事も困難に思えた。
呼吸は荒く乱れ、瞳には涙が滲む。
牙琉の指と舌が執拗に刺激する場所。
そこから沸き起こる経験した事のない熱さと疼きが、真宵を支配していく。

「…る…ほどくん…なるほどくん…!」

初めて真宵が声を発した。
牙琉が目をやると、頬を紅潮させた真宵は閉じた瞳から涙を溢れさせ、呟くように成歩堂の名前を口にしていた。

そろそろ頃合かと、牙琉は指の抽送を一気に速めた。
真宵の腰はすっかり浮き上がり、フローリングの床にまで蜜を滴らせている。
「く…っ!」
自身の意思とは無関係に、牙琉の指を包むそこがヒクヒクと痙攣しているのを真宵も感じていた。
甘く、それでいて熱く鋭い感覚は、真宵をどんどん高みに追い詰める。
頭の先から爪先まで、真宵の全てがその感覚に支配されそうになった瞬間、牙琉が抽送を止めた。
「……!」
あと少しで絶頂を得るところだった真宵の秘所は、
腰を揺らめかせたまま、物欲しげにパクパクと口を開いている。

「どうです?疼いて仕方ないでしょう?」

そう言うと、牙琉はスラックスのベルトを外してそそり立った物を取り出して秘所に押し付けた。
今までと違う感覚に気付いた真宵は、ハッと目を開ける。
その瞳には、ありありと絶望の色が浮かんでいた。
「…目を閉じたまま、成歩堂が相手だと思っていれば良いですよ…。」
耳元でそう囁くと、一気に真宵を貫いた。

「うあ…っ!」

今までに経験した事のない、身体の中心を引き裂かれるような痛みと、
下から内臓を突き上げられる圧迫感に、真宵は思わず呻く。
だが牙琉はそんな事はお構い無しに、容赦なく真宵を突き上げた。
肉体と肉体がぶつかり合う“パンパン”という乾いた音が、広いリビングに響く。
激しく出入りする牙琉が、真宵の狭い処女穴を抉じ開ける。
痛みと不快感を必死に堪えながら、
真宵は目の前にある牙琉の冷笑を見るまいと、顔を背けていた。

牙琉は自らの抽送に合わせて揺れる真宵の乳房を鷲掴みにし、親指でしこった突起を摩った。
「…っ!」
真宵は顔を顰めて、口に手を当てる。
そんな真宵の大腿を抱え上げ、膝を牙琉自らの肩に掛けさせた。
そうした事で、抽送がより奥まで届くようになる。
「く…あっ…あ…!」
真宵は子宮を突かれる何とも言えない不快感に苦悶していた。
深い部分を突かれた時に堪えきれずに漏れてしまう声が恨めしい。
それは快感から発せられる喘ぎではなく、
内臓を圧迫される事で否応なしに漏れてしまう類のものなのだが、
男の牙琉にはこの感覚は分からないだろうと真宵は思う。

だが真宵のそんな心中を嘲り笑うかのように、牙琉は言った。
「そろそろ痛みが落ち着いて来たんでしょう?強姦されて感じるとは驚きましたよ。」
「そんなこと…!」
牙琉は目を見開いて必死に否定する真宵を鼻で笑った。
「…弁護士には証拠が全てなんですよ。…ほら。」
先ほどから真宵の中を行き来する牙琉自身に纏わりつくように、蜜が溢れて来ていた。
乾いた音の中に、グチュグチュと水音が混ざる。
牙琉はわざとその水音を立てるように、大きく腰をグラインドさせた。
「ああ…ッ!」
「聞きなさい、この音を。…私は誰かさんと違って証拠の捏造なんてしませんよ。」

(なるほどくん…!)
破瓜の痛みにも耐えたのに、牙琉に齎された屈辱によって真宵の白磁の頬に涙が一筋流れる。

しかし、真宵自身もその変化を感じていた。
牙琉に寸前で止められたあの感覚に、再び火が点いたような…。
その波に呑まれないように、我れを見失わないように真宵は唇を噛む。
牙琉はそんな真宵に更なる屈辱を与えようと、自身が抜けないように真宵をうつ伏せにし、
細腰を抱えて激しく抽送を始めた。

華奢な背中から腰のラインと、成熟しかけた白くて柔らかい少女の尻。
その中心に牙琉自身が突き立っている様は、酷く淫猥な光景だった。
体勢を変えられた事で、膣の中で牙琉を感じる場所も変わり、
ちょうど指で刺激された敏感な部分に当たっていた。
牙琉は勿論計算づくだった。
ザラザラしたあの部分が、真宵を深い絶頂に導く性感帯なのは一目瞭然である。

自分のプライドを傷付けた男、成歩堂から大切なものを奪う。
ただ抱くだけでは意味がないのだ。
成歩堂が大切にしている真宵を女として目覚めさせてこそ、
成歩堂のプライドをズタズタに傷付けられるのだから。

牙琉は真宵の中の敏感な部分に、自身の先端を擦り付けるように抽送を続けながら、
真宵を部屋に連れ込む前に準備したモノを、
すぐそばのチェストの一番上の引き出しから取り出した。
四つんばいで抽送を受け入れている真宵の真珠にそれを押し当て、スイッチのダイヤルを回す。
すると、ブーンという羽音のような音と同時に、真宵の嬌声が響いた。
「やあああ…っ!」
背中を弓なりに撓らせる真宵。

「──…おやおや。素晴らしく感度が良いですね。」
「や…!何ソレ…!?いやあ…っ!」
「これはローターというものです。」
だが、そんな牙琉の言葉も今の真宵の耳には届いてはいなかった。

真宵の膣がキュウと、抜き差しする牙琉自身を締め付け、
まるで牙琉を引き止めては奥へと欲するように、ヒクヒクと入り口が痙攣する。
それは真宵の意思とは無関係の反応で、自分ではどうにもならないものだった。
止めたいのに、そこは言う事を聞いてくれない。
真宵はその反応が、牙琉の悦楽に繋がるものだとは知らずに、何度も止めようと力を入れた。
不随意な収縮と随意的な締め付けに、牙琉は思わず溜め息を漏らす。
「あなたのココ、凄く良いですよ…?」
「ああ…あ…あ、あっ…あ…!」
「初めてでこれだけよがるなんて、きっとあなたは生まれつき淫乱なんでしょうね。」
「やぁ…ッ!あっ…あんっあんッ!」
牙琉の言葉を切欠に、ずっと堪えていた声が堰を切ったように、真宵の赤く濡れた唇から漏れ出した。
可愛らしいよがり声を溢す真宵の口元は、既に力を失ってだらしなく開き、
声を堪えようとする努力も見られなくなっていた。
うっすらと桜色に染まった真宵の身体が淫らに揺れる。
「んっあっあ、あっ…あぅ…なる…ほ…どく…ああっ…!」

艶めいたその声が、冷たいフローリングの部屋に木霊する。
すすり泣くような声に混ざって、途切れ途切れに成歩堂を呼ぶ真宵を、牙琉は容赦なく攻め立てて行く。
繋がった部分から溢れる液体が、グチュグチュと卑猥な音を立てながら白く泡立ち、牙琉に絡み付いていた。
真宵は、機械的な振動を与えられている可憐な真珠と、
自身の中で蠢く牙琉が伝える刺激に完全に捕らえられ、急速に昇り詰めていった。

「あ、あ…ダメ、なるほ…ど…く…、なるほどくん…っ…あああ…ッ!」

甲高い悲鳴を上げて成歩堂を求めながら、真宵は陥落した。
そして、細かく痙攣するソコに搾り取られるように、牙琉は真宵の子宮口に白濁を叩き付けた。

続き

最終更新:2020年05月23日 17:51