御剣×冥①(未完)

「こ…こんな事をしておいて…ただじゃすまないわよ…ッ」
薄暗い部屋の中、気の強そうな少女の声が響く。
声の主――狩魔 冥は目の前の青年をきつく睨み付けた。

少女の姿はある意味異常なものであった。まず第一にしっかりと着込まれた上半身に対し
下半身は薄布ひとつ身につけていない丸裸状態。そして第二に両手首の戒めと足枷。それ
ぞれ右手首と右足首、左手首と左足首がお互いを繋ぎ合っていた。

無論、冥は立ち上がる事も逃げる事も叶わず、ただぺたりと座り込んだまま自分を見下ろ
す青年に怒りと侮蔑の眼差しを向ける事しか出来ずにいた。

「許さない…!許さない許さないッ!――御剣 怜侍!」
殺気すら帯びる視線に戸惑う事もなく…むしろそれを楽しむかのように御剣はふん、と笑
うなり形の良い冥の鼻先をギュッと捻り上げる。
「うム、面白い。最近の犬は喋るのだな」
「い、嫌っ!痛いッ…」
突然の侮辱行為に冥の声が掠れた。それを気にする風でもなく、御剣は尚も指先に力を加
え、きゅうきゅうと鼻を摘み上げる。
「や、止めなさい!御剣!!」
「痛いからか?それとも恥ずかしいからか?生憎君の異議など聞く気はないのでね」
「嫌…ァ!痛…痛いッ!!」
「私が受けた苦しみに比べればこんな物、まだまだ手緩い。…そうだろう?メイ」
そう吐き捨てるように名を呼んだ青年の瞳には深く、闇の色が広がっていた。

漸く痛みから解放された冥の視線に異様な物体が写る。
「君の為にあつらえたものだ。受け取りたまえ」
声を上げる間も無く頭を押さえ付けられ、口の中に異物をねじ込まれる。そして顔に押し
付けられる酷く冷たい感触。フェイス・ギアタイプのギャグ(猿ぐつわ)であった。
「ううーっ!ん…んう…!」
まるで穴のあいた筒をそのままくわえさせたようなぽっかりと空いた冥の口内からやがて
だらしなく唾液が流れ出す。唾液を咀嚼する事も、ましてや口を閉じる事も出来ず、ただ
見られている事への屈辱に冥は耐えるしか無かった。
「ふム…だいぶ犬らしくなってきたな。うなり声を上げながらダラダラと涎を垂れ流す」
「………ッ!!!」
その言葉に、冥の頬が一気に赤く染まる。

生まれてこのかた、狩魔の娘として…威厳と誇りに満ちた生き方をしてきた。
それはこれからも変わらない。
それが今…たった一人の青年によってプライドも何もかも地に落とされ、そして汚されて
いる。こんな…こんなバカな事があってたまるものか。

「犬には躾(しつけ)が必要だな」
言うなり御剣は立ち上がり、既に固さを帯びた己自身を晒し、冥の鼻先に突付ける。
「………」
初めて見る男性器にしばし目を奪われていた冥であったが、これから自分が受けるであろ
う行為に戦慄を覚えた。
(い…いや……そんな事……)
「察しがいいな。流石は狩魔 豪の愛娘。自分の身に降りかかる災いへの嗅覚はたいした物だ」
言うなり御剣は冥の頭部を押さえ付け、口内へと己自身を進入させる。
「………ッ!!………ぅ!」
恐怖と生理的嫌悪で喉の奥から吐き気が込み上げてくる。しかし怒張した御剣のそれは満
足に息をする事すら許してくれない。何度も何度も首を振り抵抗を試みるが、それは御剣
を煽るだけのささやかな行為に過ぎなかった。
ぐちゅぐちゅと音を立て、御剣は冥の口内を犯す。
「涎が口から溢れている…良い眺めだ」
(やめて…そんな目で見ないで…)
「ククッ…柔らかい舌の感触が堪らないな」
(苦しい……こんな事、嫌……!!)

分かっている。こんな三文芝居。
煽る為に。辱める為に。汚す為に。
バカがバカなりにバカみたいなバカバカしい台詞を吐きバカげた行為に没頭している。
だったら冷静に流せばいい。論理は分かっているのだから…。

「随分と余裕だな。分かっているのか?今君の口の中に入っているモノが一体何なのか」
「!!」
「クックック…そういう事だ」
言うが早いか、熱い肉塊が冥の喉の奥の奥まで進入し、物凄い勢いで突いてくる。
「うぅーッ!!ンッ……!んんー!!」
じゅぶじゅぶと唾液がいやらしい音をたてる。その度に涎が顎を伝い、床にひとつ、また
ひとつと小さな染みを作る。
(嫌…嫌ッ!!)
やがて御剣自身がびくりと跳ね、冥の喉の奥に己の欲望を勢いよく吐き出す。
「!!!」
どろりとした精液が喉に、舌に絡み付く。飲み込む事も吐き出す事も出来ず、冥はもはや
半泣き状態だった。
「苦しいか?」
黙って頷く冥の様子に御剣はしばし目を細めて見入っていた。
最終更新:2006年12月13日 08:26