というわけで、とりあえず作品投下。注意書きよく読めやろうども。

【注意書き】
・はみみつ
・バレンタインデーネタ
・季節がらのネタなので大したオチはない
・だいぶ前に書いたので、もしかしたら前回投下分よりエロくないかもしれない

・以上に興味を持てないひとはスルー


では投下!!



「春美くん。これをきみに……」
仕事から帰ってきた夫は、手に大きな花束を抱えていた。赤いバラを基調とした豪華な花束を受け取って、春美は目を丸くする。
「まあ! すてきな花束ですね。どうかされたのですか?」
問うと、夫である御剣がすこし恥ずかしそうに目を伏せた。春美はついつい、そんな姿が愛らしい、などと思ってしまう。
一回り以上も年が違うのに、生意気でしょうか、という思いが浮かんで消えた。
「うむ。今日はバレンタインだからな。私から妻であるきみへのプレゼントだ」
「ばれんたいん? 何なのですか、それは」
大きな目を丸くする妻を見て、御剣はやっぱり知らなかったか、と小さくつぶやいた。
「愛する人へ贈り物をする日、とでも言えばいいのか……。日本では恋人同士で行う行事のようだが、アメリカやヨーロッパでは、
親しい間柄の者たちで、カードやプレゼントを交換する風習がある。普段言えない、感謝の気持ちを伝える日、と言ったところか」
「まあ。母の日、のようなものですか?」
「……少し違う」
春美は違いがよくわからなかったが、どちらにしても御剣の気持ちがこの花束なのだと知って、顔を綻ばせた。とても、嬉しい。
「ふふ、ありがとうございます。れいじさん」
「……きみがよろこんでくれたのなら、それでいい」
御剣も表情を和らげて微笑んだ。その笑みに春美はうっとりと見とれたが、次の瞬間にこの世の終わりを知ったような絶望的な表情を浮かべる。
「あ! でもわたくし、れいじさんに差し上げるもの、何も用意していません!!」
「ああ、別にかまわない」
「でも……わたくしも、れいじさんにお世話になっている気持ちをお伝えしたいです!」
「……お世話になっている?」
御剣の眉間のしわが深くなった。春美は、何かおかしなことを言っただろうか、と戸惑う。
「え、ええ……。だって、今住んでいるこの部屋だって、れいじさんのお家ですし……それに、わたくしの学費も、
今は里からではなくてれいじさんが支払ってくださっていると聞きました。わたくし、いつ返せるか、全然わかりません……」
春美がそう言うと、御剣は大きなため息を吐いた。眉間には、深いヒビ。
「春美くん……。きみは、私の妻だ。一緒に住むのは当然だし、妻の学費を払えないほど、収入は少なくない」
「で、でも……」
「頼むから、“世話になっている”などと他人行儀なことを言うのはやめてくれ。……とてもさみしい」
御剣のその言葉に、春美は胸を打たれた。とても、悲しい顔をさせてしまった。
「ごめんなさい。れいじさん……違うんです。お世話になってるのも、ありますけれど。
でも、やっぱりわたくし、れいじさんが好きなんです……。その気持ちを、少しでも伝えたいです」
今にも泣き出しそうな春美の顔を見て、御剣は妻の細い身体を抱きしめた。
「……なら、私が欲しいものを、ひとつもらおうか」
「! 何ですか? わたくしが用意できるものでしたら、何でもします!!」
ころりと表情を変えて、勢いよく御剣を見上げる春美。そんな春美を見て頬を緩ませた御剣は、愛らしい妻の唇をさっと奪った。
「今夜のきみを、もらえれば」
それだけで、私は満足だよ。
耳元で囁かれて、春美は顔を真っ赤にした。
「そ、それでは、いつもと同じではありませんか……」
「ああ。私は毎晩欲しいものを、愛する妻からもらえる幸せな男だな」
「もう、れいじさんったら……ん……」
可愛い抗議を唇で塞いで、御剣は妻を寝室へと運んだ。

*    *

妻の身体をベッドへ座らせて、御剣は己の胸に抱きよせた。彼女の身体からは、いつもの陽だまりの匂いがする。
その香りにしばし酔いしれて、御剣は柔らかな髪に口づけを落とした。すると、いつも決まってくすぐったそうに身をよじるのが、春美のくせだった。
「ふふ、くすぐったい」
「なら、やめようか」
御剣が微笑みながらそう言うと、春美はちょっと膨れて男を見上げた。
「もう、れいじさんったら、意地悪です」
その妻の仕草がかわいらしくて、御剣はみっともなく相好を崩す。きっと、部下が見たら卒倒してしまうに違いない。
そんな顔も、彼女が好きだと言ってくれるから、別に問題はないのだが。
「意地悪だろうか。……きみには、特別優しくしているつもりなんだが、な」
額をくっつけて、春美の顔を覗き込む。長いまつ毛と大きな瞳が、恥ずかしそうに震えていた。
「れ、れいじさんは、優しい、です……」
そう言ったあと、春美は御剣にちゅっと、軽く音を立てて口づける。不意打ちだったために、御剣が頬を赤くした。
「でも、もっと、優しくしてください……。れいじさん……?」
春美も頬を赤くしながら、そんなかわいらしいことを言う。
ああ。本当に、私の妻は可憐だ。
すっかり妻の愛らしさに参ってしまった御剣は、たまらず、桜色の唇に食らいついた。
「ん、ふっ、う」
「む、はぁ……春美、くん……」
唇を重ね合わせ、舌を丁寧に絡ませ合う。もうすっかり慣れた様子で応える春美の感触が心地よくて、
御剣はなかなか口づけを終わらせることができないでいた。
「んん、き、きもち、いい、です……れいじさん……」
「私も、とても気持ちいい……」
春美の瞳は、酸欠と御剣の舌技ですっかりとろりと虚ろになっている。御剣は着物の合わせ目を崩し、
手を差し入れて柔らかなふくらみに触れる。両手を使ってふくらみをもみしだくと、春美はぶるりと身体を震わせて、熱い吐息を漏らした。
それに気を良くした御剣は、立ちあがり始めた乳頭を舌で撫で上げる。
「ぁあ、ん、れいじ、さん……」
上ずった声で名前を呼ばれて、御剣はさらに高ぶる。御剣が数度頂きを舐めあげると、春美のそれは完全に固く立ち上がった。
そのしこりを口に含んで、ちゅうと音を出してきつく吸い上げる。
「ふ、あぁ……! れいじ、さんっ」
「……なんだろうか?」
快楽に身体をよじる仕草が、たまらなく色っぽい。そんな興奮を押し殺して、御剣は妻に応えた。
胸まで桃色に染め上げて息を荒くする妻は、涙目になりながら御剣を見つめる。
「そ、その……む、胸、だけでは……」
「……足りないか?」

妻の喉につっかえた言葉を引き取ると、彼女の顔は羞恥に赤く染まる。
その様子が、また愛らしい。
御剣は誘われるままに、性急に帯をほどいて着物を脱がせる。春美はあっという間に生まれたままの姿にされ、
薄暗い光の中でシーツの海に横たわった。白く、柔らかそうな肌が室内の明かりで照らされて、
まるでそれ自体が光を放っているようだ。御剣は吸いつくような肌の感触を楽しみながら、太ももを撫でる。
春美は身体をぴくりと敏感に反応させ、身体を緊張させた。これからの快楽の予感に、目をぎゅっと瞑る。
御剣はそんな春美の仕草を見ながら、太ももから蜜壺へと手を滑らせた。すでにそこは、十分なほど潤んでいる。
その潤みへ、性急に指を突き入れる御剣。春美の細い身体が、大きく跳ねた。
「ふあ! あ、んっ……! そんな、急に入れては、だめですぅ……」
「ん? そうか。だが、中は随分ぬるぬるしている。本当は、感じているのではないか?」
夫の煽る言葉に、春美は顔を真っ赤にして視線をそらした。2本の指でぐちゅぐちゅとかき回すと、さらに蜜があふれて御剣の手を濡らす。
「あ、あ! だめ、っ!」
こんなにされては、もっと、あ、あふれてしまいますっ!
男の指を容易に受け入れ、さらに貪欲に“欲しい”とねだる自分の身体の浅ましさに、春美は羞恥を感じた。
それは、結婚して数か月経った今も変わらない。
「恥ずかしいっ……! だめ、っ」
「恥ずかしい? なぜ」
「だって、こんな、すぐ……。もの欲し気にするなんて、はしたないです……」
春美らしい考え方に、御剣は笑みを深くする。
「私が、そうした」
「え?」
「きみがそういう身体になるように、私がしたんだ。だから、春美くんは気にしなくてもいい」
春美は、夫の言うところがいまいちよくわからない。しかし、彼が自分を安心させようとしている気持ちは伝わってきた。
「わたくしは、このままで大丈夫なのですか?」
「ああ。不満などない」
「……なら、いいです」
そう言って、春美は御剣の唇にちゅっと口づけた。
「もっと、たくさんしてください……」
「……うむ」
しとやかな妻の不意打ちに、御剣の鼓動は高鳴った。一度指を抜き、春美の足を大きく開かせる。
愛液を滴らせた秘所は、ひくついて興奮しきっていた。桃色に染まって立ち上がる豆粒を、ゆっくりと舌で嬲る。
「ん、あんっ……はぁ……」
快感に小さく跳ねる妻の身体を押さえつけながら、御剣は執拗にそこを味わった。
室内には、ぴちゃりぴちゃりと卑猥な水音と可憐な嬌声が満ちる。
「あ!? れいじさん、舌っ……!」
春美が大袈裟なほど身体を震わせる。御剣の舌が、春美の秘所へと侵入したからだった。
舌で内壁を探ると、春美の息は一層熱を帯びる。
「んぁあ……! はぁっ……、れいじさぁんっ! わたくし、もうっ……気持良すぎてっ……!」

「くちゅっ……ん、イきたいのなら、イくといい……」
御剣はさらに舌を奥へとねじ込み、一層激しく内壁を舌で刺激した。春美の弱い部分もきつくさすられ、春美はとうとう限界を迎えた。
「ふ、あああっ!」
ひと際高い声を上げ、春美の身体はすぐに弛緩した。舌を抜き、身体を震わせる妻の様子を、目を細めて見つめる御剣。
「春美くん、大丈夫だろうか」
「う……ふぁい……らい、じょうぶ……れす」
「そうか。よかった」
そう言った瞬間、大股を開いている春美の中央へ、御剣が自らの剛直を突き入れた。突然の圧迫感に、春美は声を失う。
「……!! れ、れいじさ……!」
「私はまだ、何もされていないから……。早く、入れたかった」
声は穏やかなのに、腰の動きは激しい。達したばかりで敏感になった春美の中は、早くも御剣をぎゅうぎゅうと締め上げている。
「あ、あついっ……れいじさ、いつもよりっ……あついぃ」
「きみも……っ、随分と狭いっ」
夫の動きに飲み込まれ、再び快楽で頭が真っ白になろうとしてる春美だったが、突如その快楽に終わりが来る。
御剣が動くのを止め、春美の身体を持ち上げて自分へと跨らせた。
つながったままの移動に感じながらも、春美は戸惑いの視線を夫へ向ける。
「あ、あの……れいじさん……?」
「今日は、きみからキスしかしてもらっていないから……それでは、私がさみしいだろう?」
だから、きみが動いてくれ。
そう言われて、春美は顔を真っ赤にしながら途方に暮れた。そんなの、したことがない。
「う、うごくって……その、どうすれば……ああんっ!!」
「ほら、ここがきみの好きな場所だろう? 自分でこすりつけるんだ」
下から見事に自分の弱い場所を突き上げられて、春美は荒い息を吐き出す。
いつも、彼がしてくれていることを、自分でする……。それは何だか、とても恥ずかしいような気がした。
いいえ、春美はひるみません!! れいじさんを悦ばせるためですもの!
そう覚悟を決めた春美は、ゆっくりとだが腰を上下させ、抜き差しし始めた。
その刺激は、ひどく御剣を焦らしたが、妻の初々しい所作を眺めるために何も口を挟まなかった。
「んん……っ! こ、こうで、だいじょうぶですか……?」
「……もっと、激しい方が春美くんの好みではないか?」
「いや……そんなこと、おっしゃらないでください……」
全身を興奮と羞恥で真っ赤にする妻の愛らしさに、御剣に悪戯心が沸いてきた。
自分の胸板に添えられた手を掴み、春美の身体の後へと持っていく。
次いで春美の膝を立てるように足を引っ張ってやった。そうすることで、春美の赤く染まった身体が
一望できるようになる。繋がった部分まではっきりと見ることができて、その卑猥な光景に、御剣はひそかに生唾を飲み込んだ。
そんな姿にされていると今ひとつ自覚のない春美は、その経験のない体位に首をかしげた。
「あ……? れいじさん、これは?」
「こうした方が、よくなれる」
「そ、そうなのですか? れいじさんはものしりですね」
こういうのは物知りとは言わないだろうと思いながらも、春美に動くように急かす。春美は、やはりゆっくりと腰を上下させ始めた。
「ん……! あ、あ!! やぁ……ちから、はいりませんっ……」
今まで前傾姿勢で抜き差しと自分の体位をコントロールしていたのに、その支えが無くなっただけで、
うまくコントロールできなくなってしまった。自分の意志とは裏腹に、どんどんと奥まで入っていってしまう。
その奥まで入り込んだ刺激に耐えられなくなりそうで、春美は慌てて腰を引くのだが、それも上手くいかずに御剣の上で
厭らしく腰をくねらせるだけとなっていた。ぐちゃぐちゃと、妻とつながっている部分から醜悪なものが出し入れされているのを見て、
御剣は快楽でおかしくなりそうだった。

全てを曝け出した妻の卑猥な踊りと、自らに絡みついてくる刺激に、御剣は眉根を寄せ、荒い息を繰り返した。
「はぁ、いい……春美……。とても、上手だ……」
「あんっ……! ほ、ほんとに……? ああぁんっ!」
妻の舌足らずの嬌声と、すっかり溶けた瞳で、二度目の絶頂にほど近くなっていることを悟る。
そんな妻の快楽をさらに促すように、充血して愛液にまみれる突起を指でいじった。
「ひゃあああ!! だ、だめですぅ……! それは、ほんとにだめぇ……!!」
「っう! すごく、ナカが締め付けてきたぞ……」
「んああ! れいじさんも、すっごくおおきくて、かたくてぇ……っ! わたくしっ……」
「……そろそろ、一緒にいこうか……春美……」
そう言うや否や、御剣は春美の身体を押し倒し、硬直した雄を春美の最奥へと突き立てた。
経った数度の抜き差しで、春美はあっという間に頂点まで上り詰める。
「ん、あ、あ、ああああああああ!!!」
「くぅ……!!」
春美が達した収縮で、御剣も絶頂にたどりつく。たっぷりと精を放つ快楽を味わって、気を失った春美を抱きしめた。

*     *

「ばれんたいんとは、とても大変なのですね」
後始末を終えてから、意識を取り戻した春美が、まだ恥ずかしそうに身を小さくしてつぶやいた。
「私はとても楽しかったのだが……」
ベッドの上で逃げようとする春美の身体を追いかけて、腕の中に閉じ込める御剣。
「あれは毎年しなくてはならないのですか?」
「ム……嫌だろうか?」
「そ、そうではないのですが……」
「なら良かった。実は来月、ホワイトデーという、バレンタインのお返しの日があるのだ。
これは日本だけの風習だが……。今日は春美くんがとても頑張ってくれたから、私も来月は“お返し”をしようと思っていた」
「!!!」
「受け取ってくれるだろうか……?」
夫に真剣な瞳で見つめられ、春美はううと声を漏らす。
あんなの、そんなにたくさんできません……。でもでも、れいじさんがしてくれるのはうれしいです……。
結局春美は、小さくこくりと頷いた。その仕草を見て、御剣は満足そうに笑う。
「そうか、よかった」
「あの……れいじさん?」
「なんだろうか」
「ばれんたいんとは、日本では恋人同士が行う行事なのですよね?」
「そうだ。愛を確かめ合ったり、告白したり……まあ、色々あるようだが」
「では、わたくし、とっても大切なことを言っていません」
春美の言葉に、不思議そうな表情をする御剣。春美は真剣に御剣を見つめて、
まるで初めて告白してきた時のように頬を赤らめる。
「あの、わたくし、結婚してからもずっとれいじさんが大好きです。
れいじさんは……わたくしのこと、好きでいてくれますか……?」
唐突な愛の言葉に、御剣は驚きと嬉しさを同時に感じて、一瞬固まってしまった。
そして、次にはみっともないほど相好を崩し、この世で一番可愛いと信じて疑わない妻を抱きしめた。
「ああ。……もちろんだとも、春美……」
腕の中で、妻が微笑んだ気配がした。


おわる

最終更新:2020年06月09日 17:35