キノウツン藩国 @ ウィキ

ミフネ

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ミフネ

  • 着用アイドレス:高位西国人+猫妖精2+ミフネ+猫柔術家

L:ミフネ = {
 t:名称 = ミフネ(職業)
 t:要点 = 静謐な雰囲気,目をつぶった,刀
 t:周辺環境 = 陣
 t:評価 = 体格4,筋力3,耐久力3,外見2,敏捷3,器用1,感覚2,知識1,幸運2
 t:特殊 = {
  *ミフネの職業カテゴリ = 派生職業アイドレスとして扱う。
  *ミフネは射撃を受けた場合の装甲判定に必ず成功する。
  *ミフネは白兵戦闘行為が出来、この時、攻撃、防御、移動判定は評価+4され、燃料は必ず-2万tされる。
  *ミフネは同調判定に+2の修正を得る。
 }
 t:→次のアイドレス = イアイド(職業),シャキーン(職業),ムラマサ(職業),鵬翼陣(陣形)


設定文


ミフネ-それは遥か東の国にいたとされる猛き武士(もののふ)の名である。
西で争いあれば弱きものに知恵を貸し、東で争いあれば刀を抜いて斬りこむ。
それは仁と義に優れた武士の名であり、彼が没した後もその勇名はいつしか職業として語り継がれることとなった。

キノウツンは西国である。
砂漠故に、水の少ないこの土地で海以外で唯一水を湛えた場所。それはオアシスである。
中でも最も大きなのは整備工場近くにあるツン湖と呼ばれるオアシスであったが、他にも小さなオアシスが各地に点在していた。

その中の一つ、緑化計画がまだ進んでいない場所に小さなオアシスがあった。

空に青い月が昇っている。
街灯もない夜のオアシスには湖面に天上の星と月がはっきりと映し出され、さながら天と地と二つの宇宙が広がっているようであった。
その畔に一人、まだ幼さの残る少女が佇んでいた。
少女は履物を無造作に片足ずつ脱ぎ捨てると、水の中へと一歩一歩足を進めていく。
水面に映る月の前に立つと、腰に差した刀を白木の鞘から引き抜き、鞘はそのまま畔に投げ打つ。
刀身は一尺八寸ほどであろうか。刀というよりは小太刀に近い長さであった。
もっとも五尺にも満たない少女の身体にはちょうどいい具合らしい。二度三度素振りをすると一つ、息をついた。
刃を水面に沈め、刀を自らの左側に落とす。いわゆる地摺りの構えを取るとその眼を閉じる。






かすかに聞こえていた風の音が消えていく。風に動かされていた砂の音が消えていく。
やがて辺りを静寂が包んだ。静謐な雰囲気を湛える世界には少女と一振りの刀と、浮かぶ月のみが残る。
ゆらりゆらりと月が揺らぐ。神経を集中させるとやがて揺らぎはだんだんと小さくなっていき、ついに円月となる。
その一瞬、眼が開かれると刃が弧を描いて伸び上がった。
ばしゃ、という音と共に水面の月から刀が飛び出すと水面が揺れた。ゆがんだ月はやがて元の通りに戻る。

むー、と顔をしかめる少女-キノウ・ツンは再び刀を水の下に沈めると水面の月へと向ける。
2度、3度と繰り返しただろうか。肩で息をするその表情は、誰がどう見ても先ほどと
違って腹立たしいと判る表情であった。
むきゃー、と必死に刀を振り回す。
当然の事ながら短い刀といえど、それなりに重量があるわけで-
ほどなくずる、どぼーんという音が響く。星空に素足が、突き出された。

『臨兵闘者皆陣列在前』
兵(つわもの)に闘いを臨む者は皆陣列の前に在れ-昨日読んだ兵法書にはそう訳されていたと思った。
というかそこまでで読むのを断念したのである。だって漢字読めないからそこまで訳したところで眠くなって-

「ねえ、今更なんだけどさ」
「はい?」
毛布に包まったツンはポットからココアを注ぐ摂政の浅田に歯の根を震わせながら言葉をかける。
「その変な兵法書に書いてあることをやってれば本当にミフネとか言う侍になれるの?」
「さあ、どうなんでしょう?何でも猫雲斎先生の流派に代々伝わる古いものだとか」
「待って!?確かあの猫爺、前は代々続く柔術だとか言ってたじゃない!ガセなの!?
こんな寒い真夜中の砂漠で刀まで振り回してきたのに!」
「…なんでこの本読めないのにそんなことやってきたんですか」
「だってサムライの修行でしょ!修行だったら水辺でやるのが当たり前じゃない!」
そうよ、だいたいなんであたしだけやってるのよ。明日からは全員一列に並んで夜中に素振り1万回よ!とココアを飲みつつ叫ぶツンを見て、浅田はため息をつきつつ連絡網を手に取るのであった

翌日の日中
砂漠ではキノウツンの男性陣が碁盤の目のように陣形を組まされて素振りを続けている。
3分・百回ごとに、次々とマスゲームの如く場所を入れ替えることで、陣の形が変わっていく様が空からなら見えたであろう。
「次ー、鶴翼の陣」
「うーい。…しかし何で昼間からこんなことやらされるんだ」
「オチがないからだろ」
「えー」

そんな砂漠の昼間であった。

(文章:高原鋼一郎 イラスト:VZA)

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