サクラ大戦 ~熱き血潮に~

【さくらたいせん あつきちしおに】

ジャンル ドラマチックアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売元 セガ
開発元 オーバーワークス
発売日 2003年2月27日
定価 【通常版】6,800円
【初回限定版】9,800円
分類 微妙リメイク判定
ポイント 紅蘭・織姫・レニファン涙目
ミニゲー削除
アニメ使いまわし
サクラ大戦シリーズリンク


概要

  • SS、DCで大ヒットを記録した恋愛・戦闘シミュレーションゲーム『サクラ大戦』(シリーズ一作目)のPS2初移植版。
  • 単なるベタ移植ではなく、新規シナリオの追加やグラフィックの改定など、制作者である広井王子らが『スーパーリメイク』とまで銘打って発売した作品だったが…。

問題点

  • この追加シナリオが曲者で、ヒロインの一人・李紅蘭のシナリオの評判がすこぶる悪い。 このソフトの最大の問題点であると言えよう。
    • もともとリメイク前では紅蘭のシナリオはなく(制作側のうっかりミス)、大きな見せ場は初登場時と終盤のみだった。
    • 具体的に書くと、発明が大好きな紅蘭は、例え失敗しても「発明は爆発!」と豪語するほど前向きな性格。また、機械は人間を幸せにするものだ、という考えのもとに機械を愛している。機械は使用する者によって善にも悪にもなる、だからこそ悪用されるのを憤るような少女である。
    • しかし追加シナリオの彼女は、敵メカを破壊する、されるたびに「壊されるために生まれたんじゃない」とヒステリックに叫んでしまうような性格。機械から市民を守るために戦う仲間を責めだしてひきこもるという、本当に彼女がメインのシナリオなのか? と疑いたくなる有様のシナリオなのである。その上、その紅蘭に対して仲間達もこの上なく無神経な対応をしてくる。まあ物語中盤で前触れもなく機械が可哀想とか言い出すのが理解不能な気持ちはわかるが…。
    • 「追加」シナリオのため、後は「いつもの紅蘭」に戻る。その為このシナリオにおける紅蘭だけが非常に浮いてしまっている。
  • おまけに追加要素である「欧州大戦における星組」のムービーが正に誰得状態であった(後述)。
  • グラフィックについても、イベントごとの一枚絵はレベルが低い上に、ほとんどのシナリオムービーは旧作の使い回しである。
    • 新録シナリオムービーとムービー中のCGのクォリティは高いが、その新録部分はオープニングと出撃シーンぐらい(と旧作ムービーの光武部分)である。
    • 立ち絵についての批判は、一枚絵のそれと比べるとほとんど無い。
  • 旧作にあったミニゲームが削除されてしまっている。
    • 代わりに選択肢のゲーム要素で遊ぶイベント、または連続してイベントを起こしていく連鎖イベントに置き換えられたが、連鎖イベント自体は2からあったため事実上の劣化移植といえる。
    • 削除されたミニゲームは、携帯サイト(iモード限定、登録有料)でのゲームとなった。
      • この作品以降、一部のシリーズ作品に携帯サイトとの連動要素(パスワードでの追加要素の開放など)が盛り込まれるようになった。ゲームだけで全要素を解放できなくなったことには、当然不満の声が上がった。
  • シナリオが『2』に続かない作りになっている。
    • ラストで2へ続く伏線を回収してしまっている上に、問題の「紅蘭シナリオ」での追加要素が邪魔をして「熱き血潮」だけで完結してしまう展開に。
    • 紅蘭が繰り返し見ていたという「欧州大戦における星組」のムービーには『2』から花組に参戦する二名 *1 が、はっきりくっきり顔出しで映っている。
    • これでは完全初対面であることにはならないし、紅蘭が二人に対して(一方的に)悪感情を持ったまま出会うことになってしまうのである。
    • 『1』では出番のない二人のファンへのサービスのつもりだったのだろうか。しかし街を蹂躙する星組を見てファンが喜ぶはずもなかった *2
  • これは噂だが、『3』の戦闘システムでは容量の都合でレニや織姫を含めた8体をまとめて動かす事が出来ないと言われている。つまり、2のリメイクが出来ない為に本作でこの二人を出したと言うことだ。

賛否が分かれる点

  • 搭乗する霊子甲冑「光武」のデザインが大幅に変更。
    • 特にパワーアップ後はガンタンクのようなキャタピラ型になっていたり、スカートや袴がついたりとやりすぎとの声も。
    • OPムービーでなぜか宇宙戦が描写されるところも賛否が分かれるところである。
      • かなり高空で戦う場面はあるが、宇宙空間では戦わない
      • 3や4にもOPムービーだけで本編では存在しないシーンがあるので、サクラ大戦では定番と言ってもいいかも知れない。(大神舞台に立つ、怪人と生身での戦闘等)
    • 余談だが、漫画版ではアイリスとさくらが上記のデザインを紅蘭に提案するが、「メカの機能美を解っていない」として却下される一幕が存在する。
  • 合体攻撃が技ごとオリジナルから変更された。
    • 止め絵を動かして二人で技名を叫ぶだけだった旧作とは違い、ヒロインとの恋愛描写アニメムービーがそのまま攻撃になる *3
      • 2や3では、主人公とパートナーがシリアスなセリフと掛け合いで放つ『合体攻撃』と、主人公とエンディングが確定したパートナーがバカップルぶりを発揮しながら放つ『ヒロイン合体攻撃』の2種類が存在し、ファンにも好評の要素だったのだが、今作では後者しか収録されておらず「そこまで深い仲になったわけじゃないのにバカップル化してる」と旧作プレイヤーから批判された。
      • 必殺技がフルアニメムービーになった関係上、合体攻撃を各ヒロインキャラに2種類ずつ用意すると、容量と開発リソースが喰われるから1種類のみにしたのではないかと推測される。
      • ちなみに後に発売された5も同様に、合体攻撃はバカップル(?)っぽいノリのムービーのものがヒロインキャラ別に各1種ずつのみの収録であった。
  • こいこい大戦のシナリオモードの内容はギャグの番外編ではあるが、仙台出身のさくらが雛人形を仕舞う風習を知らない、キャラ性格崩壊、時代設定無視など突っ込みどころが多い。
    • ただし、キャラ崩壊や設定の矛盾は『花組コラムス』など過去のシリーズでも起こっており、本作に限った話ではない。

評価点

  • ヒロインに新イベントが大量追加。旧作で不自然だった点もすべて消えた。なお、新イベントに合わせて結構な量のボイスが新録されている。
  • フリー移動でのイベント大量追加。かつ、旧作で存在したイベントもリメイクし全て収録している。
  • ファンの強い要望があった三人娘とのデートイベントやエンディング、あやめさんや米田のエンディングなどが追加された。
    • 厳密には「エンディング」という表現は正確ではない。各サブキャラの好感度が一定以上の時に、エンディング直前にある自由行動パートで各サブキャラに会うと、会話イベントの内容が一枚絵付きのちょっとイイ感じのものに変化するというもの(3や5にも同じ要素がある)。ちゃんとしたエンディングを迎えられるのは、やはりヒロインキャラの6名のみである。
  • キャラが固まったことにより、旧作で不自然だったセリフが変更されている(直りきっていないところも存在するが)。
    • たとえばヒロインの一人・アイリスは初登場時に「お兄ちゃん、さくらさんの恋人?」と聞いてきたが、アイリスはさくらのことを呼び捨てにするため、新作では「さくらの恋人?」に変更された。
  • ミニゲームで唯一残った花札は、敵キャラなど対戦できるキャラが大幅に増加、また思考ルーチンもキャラごとに違う作り込みに。
    • さらにシナリオモードが追加された上に、コンティニュー無限になっている。
  • 戦闘が「ヘックス戦闘」から3以降の「ARMS戦闘」に変更されている。初心者でもプレイしやすく、見目もよく戦略性も高いシステムで好評であった。
    • さらにそれぞれのキャラクターに沿った特殊効果が付加された。
  • システム周りがかなり親切(1のベタ移植だとかなり不便である)。バグらしいバグもない。
    • 例えば、1~2まではどこでイベントが起るか分からなかったが、3や4のようにイベント発生場所が表示されるようになった。
  • BGM全体がこれまでのSS、DCの圧縮された音源ではなく、PS2の性能を最大限に生かした高音質音源となっている。
    • またヒロイン固有BGMがいかにもゲーム音源と言った感じのアレンジ版から、歌なしのカラオケ版に変更されている。

総評

  • それなりに売れた(20万本)が、利益が出たのかは微妙。
    • しかし既に過去の遺物と化したSS、生産中止のDCがプラットフォームのサクラ大戦をPS2に移植し、新規のシリーズファンを開拓した実績は素直に認めるべきであろう。
  • 改善された部分もあるが、それ以上に変わってない部分・改悪ともとれる部分が多く、かつての勢いを取り戻すことはできなかった。
    • これ以降、『サクラ大戦』シリーズは『ミステリアス巴里』『サクラ大戦V』と微妙な作品を生み出し迷走していく。
  • その後、PSPにて『サクラ大戦1&2』がリリースされた。そちらはサターン版を基にしたカップリングリメイクであり、旧来のファンからも概ね好意的に受け入れられたようだ。