シャドウゲイト

【しゃどうげいと】

ジャンル アドベンチャー

「しんのゆうしゃ」の冒険が始まる。
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ケムコ(コトブキシステム)
原語版開発元 ICOM Simulations
発売日 1989年3月31日
定価 6,200円
分類 バカゲー・クソゲー判定(海外では高評価)
※一覧では「バカゲー」として扱う
ポイント ざんねん!! わたしの(ry


概要

アメリカでPCソフトとして発売されたアドベンチャーゲームを移植したもの。
「しんのゆうしゃ」を名乗る主人公が魔王を倒すべく、その城「シャドウゲイト(ゲーム中では『シャドウゲト』と表記)」に乗り込む…
と、ストーリー自体は王道なのだが。

バカゲー要素

本作は一言で言うと「即死ゲー」である。
かの『スペランカー』や『GUNDAM0079 The War For Earth』、J・H・ブレナンのゲームブック並みに死にやすいのだが、その死に方があまりにもバカバカしいものばかり。

  • 松明(たいまつ)を使い果たす *1 と、真っ暗な中で転んで、頭を打って死亡。
  • 井戸のロープを使おうとするとロープが解け、慌てた拍子に井戸に落ちて死亡。
  • 窓に向かって移動すると窓から飛び降りて死亡。
  • 鏡を壊すとなぜか宇宙へ吸い出されて死亡。
  • 「セルフ」というコマンドがあるのだが、「使う→武器→セルフ」と入力すると「武器を主人公自身に使う」と解釈され、その武器を自分の心臓に突き刺して死亡
    英語としては正しいが、装備コマンドのないゲームでこれは… *2 *3

また、死亡時の主人公の台詞も無駄に味わい深い言い回しになっている。

  • わたしは さけびごえを あげ ほのおの なかへホップ ステップ ジャンプ…かーるいす!! *4 」。
  • わたしは なにを ちまよったか いきなり ようがんの なかへ とびこんだ!!(中略)どうして こんなことを させるんだ!!
  • わたしは はなを つまみ あぶらのなかへとびこんだ。あづーっ!!
  • よみの くにへの きっぷを てにしてしまった
  • さいごに わたしが みたものは あんこくの なかで あやしく ひかりを なげかける ほしの またたきだった。

ゲームオーバー時にはやけに生々しい死神の顔がアップになり、「ざんねん!! わたしの ぼうけんは これで おわってしまった!!」と表示される。
この場面はAAになるぐらい有名。

ある意味死ぬことが最大の醍醐味なので、1度もゲームオーバーにならずクリアできた人は最大の強運の持ち主であり不幸者でもあるかもしれない。
その死にっぷりは動画にするとなおさら趣深く感じる(参考動画「シャドウゲイト 自称勇者の生き様と辞世の句」*5

問題点

  • セーブは可能だがハマリルートがあるので場所によってはクリア不可能となる。
    話自体は短めなのでやり直しになってもあまり困らないのが幸いか。
  • ノーヒント *6 の謎解きが多い。
    ただ、本作の謎解きは基本的にファンタジー系のゲームではお約束のものが多い *7 ので、ある程度は自力でもなんとかなる。
    もちろん、そうでもないものもあるのだが。

クソゲー?

以上の点から、複雑な謎解きやゲームシステムに付いて来られなかった人間にとってはクソゲーと言える。
だが、死にっぷりをジョークとして笑える人にとっては良い意味でのバカゲーと言えるだろう。

評価点

  • 89年というファミコン後期だけあって全体的な画面デザインが綺麗である。
  • とかくよく死ぬゲームだが、主人公の自由自在な死に様は行動の自由度が高いからだとも言える。
    日本人にとっては(テキスト訳のセンスも手伝って)バカゲーとして見られがちだが、海外では高い評価を得ている。
  • 死んでも1つ前からコンティニューできる上に、セーブがどこでも可能なのも有難い。ただ、前述のように一部ハマリがある。
  • 死亡時を含めテキストが非常に面白い。次はどんな台詞だろうと楽しみになって、いつの間にか死ぬ方法を探すゲームになっている。
  • BGMは耳に残るものが多く、不気味な雰囲気作りに大きく貢献している。特にスタート直後から流れる曲(「メインテーマ」と呼ばれる)は有名である。
    次作『悪魔の招待状』では洋館内で蓄音機を調べるとこの曲が流れるという小ネタもある。
  • 今作でフルートを吹いた時の曲は前作「ディジャブ」のBGMの出だしである。

余談

  • 本作はケムコがローカライズしたICOM社製アドベンチャーの第2作目にあたり、第1作の『ディジャブ』、第3作の『悪魔の招待状』が同じくケムコから出されている。
    これらも即死ゲーだが、本作に比べるとインパクトは薄い。
    • しかし、「なーんちゃって! こんなことでへこたれるぼくじゃないヨ! コンテニューでもういちどチャレンジしよう!」「(プレイヤーへ向けて)きみのせいでぼくはしぬんだ」など、
      毛色こそ違うが独特な和訳のテイストや死にパターンの多さは『悪魔の招待状』でも健在である。
    • そして、文体はシリアスだがやはり死にパターンが多い『ディジャブ』。
      死ぬと「あなたのはんだんはまちがっていたのだ!」と宣告されてしまう。
  • その後、N64で本作の続編『シャドウゲイト64』が発売された。
    ハーフリング族 *8 の主人公となって、シャドウゲイトの謎を解く。
    こちらも死にゲーだが、残念ながら(?)割と普通の作品に仕上がっている。




*1 行動回数によって松明は徐々に火が小さくなり最後には消えてしまう。新しい松明を城内で補充しながら進んでいく必要があるが、謎解きに詰まって先に進めないと、ストック切れになることも。

*2 ちなみに、たいまつを「セルフ」で使うと、1回目には軽い火傷を負い、2回目には激しい火傷を負い、3回使用すると全身に火が回って焼け死ぬ。

*3 なぜかマントは普通に装備してくれる。

*4 おそらく「カール・ルイス」(アメリカの元陸上競技選手)の誤植か語呂を良くしたものか。「はやいっす うまいっす かーるいっす」という説もある。

*5 死に際ばかりがクローズアップされるが、主人公の普段の行動も間抜けなところが多い。「しんのゆうしゃ」を名乗っているくせに幽霊が「怖くて近づけない」(幽霊自体は何もしてこない)と発言したり、モンスターと出くわすと「ひぃっ!」と怯えたり、魔物を目の前にして「あれこれ考えているうちに」身体を食いちぎられてしまったり。

*6 「スリング(投石紐)」を「パチンコ」と誤訳していたりするので、原文ではヒントになるような表現がどこかにあったのかもしれない。

*7 目立つ場所に重要そうなアイテム=手前に罠、腐臭がする=この先危険、行き止まりに動くが取れないアイテム=隠しスイッチ、カーペット=下に何か隠されている…等。

*8 『指輪物語』で言うところの「ホビット族」と同じ種族。