元祖西遊記スーパーモンキー大冒険
【がんそさいゆうきすーぱーもんきーだいぼうけん】
概要
日本テレビ系列のレコード会社及びビジュアルソフトメーカーである株式会社バップによる、ファミコン参入ゲーム第1弾。
自称「究極のロールプレイングアドベンチャー」だが、実際はスケールだけが壮大で他がどうしようもなくスカスカな代物。
他にも「歴史的ソフト…ってなわけだ」とか「パノラミックな大冒険だゾ!」といった宣伝文句が躍っていたが、何処がやねんと言わずにおれない有様であった。
問題点
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ゲームを始めるなり青い背景に「なか゛いたひ゛か゛はし゛まる‥」と白文字で表示される。
ごく普通の序文なのだが、これが本当に長く、そして異常に退屈なゲームだから困りものだ。
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約700画面と大陸の縮尺を再現したんじゃないかと思うほどの広大なマップを、1秒間に1マスの速度でひたすら歩く。
このゲームでやることはほぼそれだけである。
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ゲームシステムに関する重要なことの大半がゲーム中では説明されない。
説明書なしの中古で買ってしまった場合、目的や操作方法を調べるところから始めなければならない。
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歩いているだけでも水と食糧を消費するという、『DQMキャラバンハート』の元祖のような仕様。
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水と食料が全てなくなると餓死してゲームオーバー。
ゲームオーバー時の「ああ しんし゛ゃった!」というメッセージがものすごく腹立つ。
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別の土地へ移るにはワープポイントに行く必要があるのだが、ワープポイントは画面上に表示されず、広大なマップをしらみつぶしに探さなければならない。
しかも、やっと見つけたワープポイントが進行に無関係な偽ワープだったりする。
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ストーリー(?)を進めると猪八戒・沙悟浄などのおなじみの仲間になるイベントが発生。
下記のわけのわからない戦闘をわけのわからないうちにクリアし、「おともします!」の一言で仲間に加わる。
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何の合図もなく突然現れる戦闘モード。横スクロール画面になり、わらわら湧き出る敵をすべて倒さなければならない。
戦略性は皆無で、とりあえず連射していれば死なない。
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戦闘中は仲間があらわれてサポートしようとするのだが、敵と一緒に周りを全くうろちょろするだけで全く役に立たず、勝手にHPを減らして勝手に死んでいく。
猪八戒・沙悟浄・龍馬太子が死ぬと三蔵までもが戦闘に参加、そして犬死に。
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全員死ぬとゲームオーバー。「ああ しんし゛ゃった!」
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死んだ仲間を復活させるには「不死鳥鳳凰」というキャラクターに会わなければならないが、ゲームの進行とはまるで反対の方向にいるうえに目印がなく、自力で見つけるのはほぼ不可能。
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都を訪れたときやボスを倒したときなどに「A」とか「AB」といった文字列が表示される。
コンティニューコマンドなのだが、入力数が少ないことから分かるように進行状況以外は保存されないと見え、仲間は全員揃っていて水や食料もMAXという状態でその場から再開できる。
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「A」は「タイトル画面でAボタンを押す」という意味だが、「AB」はAボタンとBボタンの同時押しではなく、「Bボタンを押しながらAボタンを押す」という意味。
分かるかそんなもん。
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数々の苦行を乗り越えた先に待つのは、青い背景につまらない(しかも歴史的に間違っている)文が数行出るだけの味気ないエンディング。
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文面を知りたい方はこちらまたは下のTAS動画(!)から。
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ちなみに、ラスボスはなぜか混世魔王。原作の『西遊記』では孫悟空が三蔵の弟子になる前に出て来たやられ役だったのだが。
評価点
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クソゲーの法則どおり音楽はよい。特にフィールドBGMは悠々としていて普通に名曲。
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「サル」繋がりだからなのか、「クソゲーオブザイヤー2008」の動画では『プロゴルファー猿』パートにおいて本作のフィールドBGMが使用されている。
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当時のRPGの中では珍しく斜め移動ができる。
同じく斜め移動が可能なMOTHERより3年先取りしている上本作はDQに対抗して作られたらしいが、その点だけはDQに一歩先んじていた(DQで初めて斜め移動が登場したのは『VII』)。
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無駄にキャンペーンに力を注いでいた。
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テレカプレゼントのキャンペーンが存在したのだが、応募条件は「このソフトの感想を送ること」。果たしてどんな感想が届いたのやら…。
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系列会社の利点(?)を生かし、当時の日本テレビ系人気歌番組「歌のトップテン」の入場券を2000名にプレゼントするというキャンペーンもあった。
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「天竺親子ファミコンゲーム駅伝大会」と銘打った全国大会も開催されていた。
当時の参加者の証言によれば、地区大会を勝ち抜いた出場者は東京ヒルトンインターナショナルのディナーに招待され、主催者が呼んだアイドルが歌うなどなかなか豪華な物だったようだ。
大会の模様は当時のゲーム雑誌に写真が掲載された。
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さらには本作の劇画を募集するという訳の解らないキャンペーンまであった。
総評
世にクソゲーと評されるソフトは数あれど、最も重要な要素にして最も高いハードルである「つまらない」をクリアしているものは意外と少ない。
本作はその意味で、紛れもないクソゲーである。
アクション風でありながら結局は連打がものをいう拙い戦闘もさることながら、水と食料の残量に気を配りつつ、特に華もなく広いばかりのフィールドを1マスずつつぶして見えないワープゾーンを探すデバッグさながらのゲーム進行は、仕事とでも割り切らないとやってられないレベルの、文字通りの「作業」。
もちろん、そんじょそこらの「作業ゲー」の持つつまらなさを凌駕している。
いつ・誰が・どうやっても・常に変わらずつまらない。本作はそんな絶対の安定感に定評のある、「筋金入りのクソゲー」である。
余談
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本作のロムを解析すると、デザイナー・なかじまかおる氏が残したゲームとは無関係な下品な文章が出てくる。詳しくはこちらから。
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健在なら氏は中年の域である。
若気の至り(?)で残した隠しメッセージを今はどう思っているのか、そこに残した願望は叶ったのか、余計なお世話ながら心配される。
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どこぞのスレの情報によると今もゲーム業界現役らしい。
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「開発者の(アレな)隠しメッセージ」という点で『えりかとさとるの夢冒険』とともによく引き合いに出される。
あちらの方がはるかにどす黒いレベルにいっちゃってるが。
最低具合ではある意味こちらのが上である。比較したところで何の意味も無いが。
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「ゲームセンターCX」第3シーズンでよゐこの有野晋哉がプレイを敢行。
「有野の!もしもし大作戦」というミニコーナーで視聴者に電話をかけて情報をもらいながらながらみごと攻略した。
ゲームの内容よりも視聴者とのやり取りの方がメインであった。
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「RPG大辞典スレ」でも本作は紹介されたが、「こんな物を世に出すことを誰も疑問に思わなかったのか?」と呆れられた。
本作の記事はこちらを参照。