宇宙刑事魂

【うちゅうけいじだましい】

ジャンル 魂アクション
対応機種 プレイステーション2
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 デジフロイド、キャトルコール
発売日 2006年5月25日
定価 7140円
分類 クソゲー判定
ポイント ハンターキラー万歳
シャリバン・シャイダーおまけ
曽我さんに謝れ
備考 関連作品リンク
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧


概要

06年クソゲーオブザイヤーノミネート作品の1つ。

  • 80年代の特撮ヒーロー番組の金字塔・宇宙刑事3部作を原作としたゲームソフト。数年前から発売する発売すると言ってはいたのだが、06年にようやく詳細が発表された。
    • 声のキャストはほぼ原作通りだが、アニーとミミーは代役。またシャイダーとサイダブラー(&サイミンダブラー)は故人なので、やはり代役。
    • 宇宙刑事シリーズはその人気とは裏腹に、バンプレオリキャラ宣伝ソフト「スーパーヒーロー作戦」で客寄せパンダにされたり、「同・ダイダルの野望」では脇役扱いだったり、スーパー特撮大戦2001」は単純にクソゲーだったりと、ゲーム界では不遇な扱いを受けていた。それがようやく単独でゲーム化されると話題になった。雑誌「ハイパーホビー」は、わざわざ特集の別冊付録を付けた程である。
    • 更にオリジナルシナリオのボス「暗黒銀河女王」を、「電子戦隊デンジマン」や「恐竜戦隊ジュウレンジャー」で敵ボスを演じた特撮界の人気女優・曽我町子が担当した *1 。しかも発売直前に急逝した為、「曽我さんの為にも必ず買う」と、多くのファンに決意をさせた。
    • 製作元のデジフロイドとは、仮面ライダーの格闘ゲームを02年から毎年開発している会社。どれもゲーム的には大味だが、細かいセリフなどのネタ面は秀逸であり、あくまで番組のファンディスクとしては重宝されていた。
      • 製作元が発表された時は、ファンに一抹の不安を感じさせたものの、ライダーゲーとは対象年齢が違うのだし、それほど問題視はされていなかった。

…と、この様に特撮ファンは期待を煽られて行ったという経緯がある。さてその出来はというと…各モードごとに見てみよう。

モード解説(というか問題点)

  • 「ギャバンモード」…ギャバンの原作に沿ったストーリーモードなのだが、7面しかない。
    • 1面と2面は怪人から子供を逃がさなくてはならないのだが、この子供がバカで、わざわざ敵の方に走って行ったり、ただウロウロしていたりする。
    • 5面は''怪人を操作して寿司の取り合いをするという謎のミニゲームだけで片付けられている' *2
    • 敵の戦闘機が飛んでくると、ただ逃げ回るしかなくなる。サポートメカを呼んで対処するなどということはできない。サイバリアンと電子星獣ドルはデモにちょっと出てくるだけ。
  • このギャバンモードをクリアすると、ゲームオリジナルの「魂モード」が出現する。このモードは本ソフト最大の売りとされており、雑誌でも詳しく紹介されていたが、実はその紹介記事の内容がほぼ全てであり、非常にペラい出来であった。
    • 「シャリバンが洗脳されて敵に!」…1面で確かに敵として登場するが、あっさり正気に戻って仲間に。
    • 「銀河警察最大の危機!シャイダーやコム長官が人質に…」…シャイダーは2面で勝手に脱出している。コムも3面をクリアすればあっさり助かる。
      • 更に「変身したら人質を殺すぞ!」と脅されているのに、あっさり変身して助けてしまうシャイダー。脳みそを使わず脚本を書いてるとしか思えない。
    • 「プレイヤーの選択で結末が変わる!」…4面で2つのルートに分岐するだけ。エンディングもたった2種類。いまどきその程度で売りになると思っていたのだろうか?
    • 「禁断のコンバットスーツ・バリオゼクター出現!」…4面で突然出てきて、倒したらあっさり死ぬ。デザインはかっこいいのにもったいない。
    • 「3大刑事が倒した組織のボスが復活!」…復活が不完全だったと言い訳しながら3体揃って生首だけで登場する。他の2体はともかくサイコまで首だけである。しかも3体とも動きは全く同じ。例によって1面で倒されてあっさり全滅。
    • 登場する敵キャラは、基本的にギャバンモードからの使いまわし。色を変えただけの「暗黒ダブラー」なんてのも申し訳程度に2匹いるが。
  • …とまあこの様に、ネタ自体はおいしいのに1面だけで片付けられてそれっきりという例ばっかである。
  • ボスの暗黒銀河女王も、曽我の怪演により活き活きしたキャラになってはいるものの、性格は「只の悪い奴」であり、かつて彼女が演じたバンドーラやヘドリアンの様な魅力的な悪役とは言いがたい。むしろ勝手にキャノンを撃とうとしたからと部下を殺害する、ケツの穴の小さい奴である *3
  • そして何よりもわからないのは、ハンターキラーというキャラが異様に持ち上げられているということである。こいつは原作では救いようの無い悪人だったのだが、本作では終盤で唐突に善い奴になり、「もう1人の宇宙刑事」「ハンターキラーの犠牲によって平和が訪れる」などと称えられるのだ。
    • 会社の上部にファンでもいたか、よりにもよって資料の参考用にスーパーヒーロー作戦を参考にされてしまった可能性も否定できない。…宇宙刑事ファンにとっては苦い作品である代物だというのに。
  • ストーリーモードはこの2種類だけで、シャリバンとシャイダーのモードは無い。敵キャラも前述のボスの生首以外は、戦闘員が魂モードにちょっと出てくるだけ。更に変身ナレーションまで無い。完全にギャバンのオマケである。
    • この2モードには、面ごとに倒した戦闘員数が発表されるリザルト機能があり、新記録を出すと知らせてくれるのだが、記録の一覧表を見ることはできないのでこれまでの記録を確かめる術は無い。
  • 3人の宇宙刑事は、全員性能が全く同じ。
    • 光線技は撃つのに時間がかかり、大体モーション中に阻止されるので使い道は無い。
    • 必殺技は任意で出せず、ボスに止めを刺すとデモで勝手に出る。
    • 飛び蹴り技は、物理法則を無視しておかしな方向に飛んでいくことがある。命中率も低いので、やはり使い道に乏しい。
    • 通常攻撃は一応敵をある程度追尾する仕様なのだが、たまに見当違いの方向を延々殴り続けたりする。
  • アニーも使用できるが、まったく魅力が無い。
    • 変身できないのは原作通りだから仕方ないが、ダッシュもできず、ロボットの様にテコテコ歩く。
    • 回転キックのモーションがやけにノロい。
    • 壊れた機械の様に「負けないわよ!」というセリフばかり連発する。
  • かなりプレイしないと出現しない「アニーとミミーの大冒険」という隠しモードがあるが、これも脱力モノ。
    • ミミーは「私達も戦いましょう」とやはり壊れた機械の様に言いながら付いて来るだけで、何の役にも立たない。
    • しかもミミーの夢オチだったというふざけたエンディング。
  • 中ボスの殆どは透明化できるのだが、その能力に任せて攻めて来る奴ばかり。透明化できないサンドルバが実質最弱のボスである。原作じゃ一応幹部なのに。
  • フリー対戦モードもあるが、プレイヤーは怪人キャラは使用できず、更に2人プレイもできない。クリアしても特典などはない。そのくせ本ソフトの隠し要素の殆どは「このモードで使えるキャラの出現」である。使えるようになったってそもそもモード自体をプレイする気にならない。
  • サバイバルモードは、唯一遊べるモードとして評価された *4
    • 「NPCと共に敵を倒せばライフが回復する」というイベントが起きるが、何体倒せばいいのかはまったく表示されない。
    • 更に、本モードでは前述のハンターキラーまで仲間扱いで出現する。
    • 更にもう一人、「制限時間敵から逃げる」といったイベントで使う事になる一切戦闘能力を持たない人物まで仲間扱いで出現する、石を投げて牽制しかできない *5 ため正直役立たずである。

その他

  • 予約特典として「宇宙刑事手帳」というものが貰えた。放送当時に児童誌「テレビマガジン」に載った記事を採録した物なのだが、文字が小さすぎて読みにくい。またシャイダーの漫画版も1話再録されているが、単行本に載っている話である *6
  • 以上の様に、ネタ・ゲーム性共に非常に薄味であった。その事自体はキャラゲーでは珍しいことでもないのだが、曽我の遺作であったことが災いして「遺作を汚した!」とファンの怒りを買ってしまい、相乗効果で叩きまくられた作品である。
    • 今でもファンの多くから、「曽我の遺作は魔法戦隊マジレンジャー」と呼ばれており、本作は原作もろとも黒歴史とされている。
  • しかしこの半年後、同じデジフロイドが出した仮面ライダーカブトのゲームはネタ・ゲーム性共に非常に評価が高く、更に本作の数少ない良点であったサバイバルモードやゲージシステムもフィードバックされており、「デジフロイドの奇跡」と呼ばれる程完成度の高い作品となっていた。もしかしたら本作は、「カブト」を良作にする上での捨て石…だったのかもしれない。