餓狼伝説3 遥かなる闘い

【がろうでんせつすりー はるかなるたたかい】

注意:ここでは元であるアーケード版と、その移植である、NCD版、SS版についての本作を中心に紹介する。アーケード版はガッカリゲー判定、NCD版、SS版は劣化移植判定になっている。

餓狼伝説シリーズ/家庭用移植(クソゲーまとめwiki内限定)
餓狼伝説(SFC/MD)/餓狼伝説2(SFC)/餓狼伝説SPECIAL(SFC)/ 餓狼伝説3 遥かなる闘い(NCD/SS)

アーケード版

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 アーケード(MVS/業務用ネオジオ)
発売・開発元 SNK
稼働日 1995年
分類 ガッカリゲー判定
(現在判定留保中)
ポイント 過去作よりもゲーム性・操作性が悪化
あまりウケが良くないキャラ達
大味かつ微妙なゲームシステム
後の『リアルバウト餓狼伝説』シリーズのプロトタイプにあたる
餓狼伝説シリーズリンク

概要

  • 過去3本続けて大ヒットした『餓狼伝説』シリーズの通算4作目にあたる作品。『餓狼伝説2 新たなる闘い』の正統な時系列の続編である。

問題点

  • 本作は多くの新システムを搭載した意欲作である。中央、奥、手前の3ラインを使って戦う「オーバースウェーシステム」、特定のボタンを順番に入力することで連続攻撃ができる「コンビネーションアーツ」、超必殺技をも上回る強力な技「潜在能力」、「必殺技…と見せかけて実はフェイント」などは後のシリーズに引き継がれた代表的なシステムではあるが、本作の時点では作りが荒かった。
    • オーバースウェーシステムはメインライン側がオーバースウェー側に対抗するための操作が複雑で面倒くさい。そのため余程慣れていない限り、オーバースウェー側が強すぎる。それによる逃げ有利なバランス。
    • コンビネーションアーツはほとんどが初段をガードされると止まってしまう物ばかりで、使い勝手が悪い。
    • 出すのが難しすぎて実戦ではまず使えない潜在能力。
      • 通常は超必殺技を出した時に一定の確率で変化するというものなのだが、その確率は1/1024という変化しないも同然の低さ。裏技を使えば任意に出せるようになるが、体力低下時かつ1ラウンド1回しか出せない上に、キャラによっては挑発が必要だったりタイムが奇数の時しか出せなかったりと裏技を使ってもなお出すのが厳しい。
      • 特に秦崇秀の潜在能力にいたっては「キャラ同士の距離が一定の状態でコマンドを入力する」というものだが、発動する距離では技そのものが命中しない。相手が壁近くに位置取って、技を出した瞬間にバックステップしてもらい、キャラ間の距離を適切な位置まで調整するという、相手の協力が不可欠な技となっている。
  • 新システム以外にも様々な問題点がある。
    • 本作の評判を落とした最大の要因とも言える、テリーのしゃがみ強P>強クラックシュート>×nというお手軽永久コンボ。
    • 厳しいレバー認識。明らかに過去作よりも操作性が劣化している。
  • 相手に勝利すると、各ラウンド毎にプレイの腕前のファイティングレベル(S~Eランク)が表記されるのだが、この結果によりCPU戦にてエンディング、及びラスボスの登場数が変化するようになっている。ランクが条件規定値より低いと、正規のエンディングが見れないばかりか、真のラスボスである秦兄弟と戦えずにゲームが終了する事すらあり得る。
    • 本作のCPU戦の難易度は当時の格ゲーの中でも高い部類に入る。その為、初心者にはあまりにも高い壁であり、どう頑張っても正規エンディングまで行けないと不評であった。
  • 上記の事を自粛すると楽しめるという評価はあるが、やはりバランス面の問題は大きく、過去作程のヒットには至らなかった。
  • ストーリー面では「秦の秘伝書」がクローズアップされているのだが、「(ギースが絡むのは当然として)テリーら旧キャラ4人に関係ない」という部分が「『餓狼伝説(=主人公はテリー&アンディのボガード兄弟)』として相応しくない」と、マイナス要素になっている。
    • 分類するなら「巻き込まれ型」のストーリーの主人公。一応、「ギースが生きていた(サウスタウンに帰ってくる)」という点から、ボガード兄弟(と、縁の深いジョー東と不知火舞)が関わる余地はあるのだが、それ以上に新キャラの方(5名中の3名、ないしは4名)が必然性が高いので、旧キャラ4人に対する違和感が払拭できない。
      • ホンフゥは山崎竜二を追っており、フランコ・バッシュは山崎に息子を人質に取られている。望月双角は秦の秘伝書を追っており…と、この3名こそ主役的なポジションにある(ブルー・マリーはギース絡み)。その点、カポエラ使いのボブ・ウィルソンは「リチャード・マイヤーの後継者」以外に取り上げる部分がない(メインストーリーから見た場合に)。なお、フランコとホンフゥは、天獅子悦也氏の漫画でクローズアップされている。

キャラ関連

  • 過去作から大半のキャラが入れ替わり、新キャラが増えた反面、リストラされたキャラも多かった。決して新キャラの魅力が薄かった訳ではないが、過去作に比べると人気が伸び悩んだ感は否めないところ。
    • 一応、この作品から後の人気キャラであるブルーマリーや山崎竜二が初登場するがその他の新キャラがぱっとせず、ラスボスもひねくれた双子(『ドラゴンボール』テイスト)はあまり受けなかったようで、この作品ではプレーヤーキャラだったギースが次作品でラスボスに返り咲いている。
    • ホンフゥはジャッキー・チェンを意識したキャラだが、武器(ヌンチャク)と炎がビリーの三節棍を、超必殺技(乱舞)がキムを連想させて、「どうせならビリー/キムを残留させた方が…」という気にさせた(さらに言うと、無敵対空が『ストリートファイターII』のリュウやケンを連想させる)。なお、両者は次作で復帰している。フランコ、望月は渋すぎ、ボブも「足技ならキム(ry」となっている。
    • ちなみに不評の秦兄弟だが、身長はテリーの胸の下程度、見た目はどうみても小学生程度にしか見えないが、設定身長が169㎝で、続編のリアルバウト餓狼伝説に至っては170㎝ある。この身長を基準にするならフランコ・バッシュは3m近くはあることになる。
    • また、不知火舞のおなじみのあのエロコスチュームを露出控えめにしてしまった事に関しては一部ファンからバッシングを受けている。ただし、「ファッションセンスが良くなった」「露骨なエロさが消えて爽やかさが増した」と評価する者もいる。特に女性ファンやコスプレイヤーからは「旧コスも良かったが、これはこれで可愛い」と受け入れられた模様。
      • このコスチュームで登場したのは次回作までで、そこからは再び旧コスチュームに戻っている。
    • 前作から引き続いて登場している5人のキャラクターの内、実に3人までが声優変更されている(例:アンディとジョーが、アニメ版の難波圭一氏、檜山 修之氏にそれぞれ変更。また、ギースはコング桑田氏に変更)。なお、ビリー・カーンはプレイヤーキャラクターではないが、難波氏の声で開始デモを喋っている。
      • また、新キャラのブルー・マリーには生駒治美氏が採用されており、「SNK格ゲー=生駒治美」の印象を植え付けた(『龍虎の拳』シリーズのキング(『1』はユリも。当時の『KOF』音声は再使用)、『サムライスピリッツ』シリーズ(ナコルル、シャルロット、他)。

評価点

  • グラフィック、背景、BGMの評価は非常に高い。ライン飛ばしKOの演出やストーリーが凝っており、その辺の作りはしっかりしていた。
    • ライン飛ばしKOの演出…手前ラインに吹き飛ばされると、プレイヤー側に向かって敗者が飛んでくる。逆に、奥ラインに飛ばされた場合は、障害物(背景)に敗者が激突し、それが再現される(例:舞ステージで背景に激突すると、水族館のガラスにヒビが入る。ジョーステージで奥ラインに飛ばされると、サンドバックに当たる場合、ちゃんとこれに当たる、など)。
    • ラインではないが、マリーステージの場合、上方に敗者が飛ぶと、シャンデリアに当たり、それが落ちてくる場合がある。
    • 他のグラフィックについては、キャラの個性を立たせる部分は、マップでのアイコンにまで配慮されている。通常のキャラは必殺技など(例:テリーならバーンナックル、アンディなら残影拳)での移動が表示されるが、ギースは高級車に乗っている、というものである。
    • また、パーフェクト勝ち専用のグラフィック(演出)は、餓狼シリーズでは本作で初めて採用された。
    • 演出の例としては、テリーで勝ち進むと、アンディ戦の前に「舞がアンディに泣きついている」という演出がある(このステージ順は固定)。また、当然ながら(?)テリーらがボブと戦う際にはリチャードも登場し、対戦メッセージを送ってくる。さらに、ボブはギースの事を聞き知っており、ギースに険しい表情で挑戦の意思を露にする、など。ギース関連では、テリーらの場合、ビリーが棒(三節棍?)を持って立ちはだかる、など、細かく設定されている。
  • 後に問題点の多かった新システムは大幅な改善がなされ、続編の『リアルバウト餓狼伝説』以降のシリーズにて好評を得る事になる。
    • 「必殺技…と見せかけて実はフェイント」と言う存在もある。これは、「必殺技のコマンドで、別に割り振られたボタンを押す」と、その必殺技の出がかりだけ出る、と言うもの。これで(隙を見せて)相手を誘い込み、迎撃すると言う戦法も有効。
    • 旧キャラは必殺技が1つ追加されたが、反面、持ち技を1つ削られている。テリーの場合、コマンド技(対空?)のパワーダンクが加わったが、無敵対空(下溜め)のライジングタックルが削除され、防御に不安がある(ただし、これにより攻めキャラとして能動的に活動できる面もある)。ジョーの場合は爆烈拳が削除され、黄金のカカトが加わったが…ソレナン・テクラッ・クシュート?
  • キャラクター面(ストーリー面)においては、「ギース生存」が正史に組み込まれた事が大きい(前回の『餓狼伝説スペシャル』は、時系列は無視された、お祭りイベントだった為、「ギースは『1』で死んでいる」が公式設定だった)。
  • ボスのひとりである山崎竜二は、特異なキャラクター性が人気を博し、KOFシリーズやCAPCOM vs SNKシリーズなどにも登場している。
  • また『餓狼伝説SPECIAL』に続いて、隠しキャラが使用できる仕様である事も特筆に価する。『餓狼SP』と『龍虎の拳』では対戦のみ条件付きで使用可能、その他の多く(『餓狼伝説』『餓狼伝説2』『龍虎の拳2』『サムライスピリッツ』『真サムライスピリッツ』)では使用不可能、と言う点から大幅にグレードアップされ、プレイヤーの楽しみが増えている(キャラクター選択画面も、「並んだ四角いアイコン」では無く、『餓狼伝説2』のような「全身絵のキャラが並んでいる」という、各キャラの個性を表すもの)。使えるのは家庭用のみでアーケードでは使用不可であり、極端な強キャラがゲーセンで理不尽な暴力を振るう事もなかった。

総評

  • 本作自体はガッカリな結果に終わってしまったが、その後のシリーズの土台を築き上げた功績は大きい。まさに「失敗は成功の母」というべきだろう。

ネオジオCD、セガサターン版

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 ネオジオCD、セガサターン
発売・開発元【NCD】
発売元【SS】
SNK
開発元【SS】 シムス
発売日 【NCD】1995年4月28日
【SS】1996年6月28日
価格 5,800円
分類 両機種共に劣化移植
ポイント 例によってロードが長い(両機種)
バトル開始直後に謎の画面暗転(NCD版)

問題点など

  • ネオジオCD版は、ハード独特の超絶長いロード時間にて大きな時間を待たされ、挙句の果てにバトルが始まる直前に一瞬画面が暗転するという不具合がある。
    • 特にNCD版は、あまりにもソフトを大量に作りすぎた所為で値崩れを起こし、ゲームショップでは一時期100円かそこらでワゴンに投売りされていた。
  • セガサターン版は、他のSNK作品が拡張RAMカートリッジを使用し良好な移植なのに対し、本作品はRAM発売以前の作品でありCD単体なのでロード時間はサターンとは思えない程長く、キャラのアニメーションパターンが大幅に削られている。
  • 両機種ともBGMはアレンジ版となっており、本作で初めてSNKの他機種移植で共通のアレンジが採用された。
    • またED曲はボーカルアレンジ(歌:生駒治美)されており、本作以降CD版のボーカルアレンジ楽曲は『RBSP』まで収録されている。

他の移植など

  • ネオジオCD版の前にネオジオROM版が登場しているが、こちらは当然ながらほぼアーケードからの完全移植である。
  • その他は、ウインドウズ版、PS2版「餓狼伝説 バトルアーカイブズ1」にも移植された。また、Wiiのバーチャルコンソールでネオジオ版が配信されている。
    • 本来、本作はリアルバウトのプロトタイプにあたるのだが、ナンバリングタイトルなのか無印からSPまでの初期タイトル群のアーカイブズ1に収録されている。