真型メダロット(カブト/クワガタ)
【しんがためだろっと(かぶと/くわがた)】
| ジャンル |
ロールプレイング |


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| 対応機種 |
ゲームボーイアドバンス |
| 発売元 |
イマジニア |
| 販売・開発元 |
ロケットカンパニー |
| 発売日 |
2004年12月16日 |
| 分類 |
微妙リメイク判定
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| ポイント |
キャラクターデザインの失敗 |
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メダロットシリーズリンク
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概要
『メダロット』は、ポケモンと同期に登場したRPGタイトル。
近未来的な世界観と魅力的なキャラクター、ストーリー性を重視した内容や音楽から、ポケモンとは異なる方向性を売りに高い人気を誇るシリーズである。
本作はその第1作『
メダロット
』(以下『1』と称する)を新たな形でリメイクしたものだが、その内容の見苦しさは多くのファンを激怒させた。
キャラクターデザインの問題点
- 今までの『メダロット』の世界観と比較するとあまりにもかけ離れているという点において酷い。
- 色も画風に合わせて原色多めのかなりポップな感じになり、
メダロットとしては致命的にミスマッチ
。
- 例えるなら、『ポップンミュージック』を髣髴とさせるアメリカカートゥーン的なデザイン。
- これまでのシリーズに馴染んだファンにはとても受け入れられるようなものではなく、古参を捨てて新規を取得に行くにしてもターゲット層がどこなのか不明なデザイン。
- 発売当時、雑誌等で「どこか懐かしさを感じるデザイン」と評された。が、あんまり懐かしさは感じられない。
- しいて言うならデザインがブリキでできたロボットのような感じのことを指しているのだろうか
(*1)
。
- 絵に合わせて世界観も大幅変更。『1』のリメイク作だが、登場キャラクターは全て新規。『1』の主人公ヒカルをはじめとする原作のキャラクターは登場しない。
- 特に人物に関してはオリジナルの原型が皆無なほど、改変されており、おそらく本作のキャラを見て、初見でこれがメダロットとわかった人はまずいなかったと思われる。
- それでありながら、『1』とほぼ同様のストーリーが展開されるのだから、違和感は拭えない。
- 本作のライバルキャラや第2のヒロイン候補などは『2』に近いデザインをしていたりする。
- そのあまりに変わり果てた姿にファンから「俺たちのメダロットを返せ!!」と大バッシングされた。
- 作中冒頭のゲーム中のキャラの台詞「メダロットがかわいそうでしょ!」がまんまプレイヤーの心中を言っているようで怒りと涙がこみ上げてくる。
- 当然ながらファンからは完全に黒歴史扱い。珍型メダロット、辛型メダロット、ダメイク、海賊版メダロットと罵られる始末。
- 本作が発売される前までは、直前の最新作がファンの間でも評判が良くない『BRAVE』、アニメ放映やコミックボンボンでのメディア展開も終わっており、メダロット自体の人気も下火になりつつあった時期であった。
- その後コミックボンボンは休刊、本作もファンに受け入れられることなく、2010年に『
メダロットDS
』が発売されるまで事実上のシリーズ終了的な扱いとなってしまう。続編展開としては非常に不本意な終わり方をしていたため、復活を願う声は絶えなかった。
- 結論としては販売・開発側が多くのメダロットファンが求めていた方向性とは全く異なる分野のデザイナーの起用をしたという致命的なミスに尽きる。
- しかもシリーズの存亡がかかっている時に、自社が過去に発売したシリーズの第一作を改変したのだから…。
ゲーム内容での問題点
シナリオ・イベント面
- 説明書にある簡単なストーリー解説からして、『1』の主人公の名前を本作のものに差し替えただけな手抜き流用。
- 大まかなストーリー・キャラクターの立ち位置は変わらないが、一部キャラクターの性格や台詞自体は変更されている。
- リメイク作品であるためストーリーの流れが同じなのはともかく、『1』であったプレイヤーにやや不親切なイベント進行もそのまま。改悪されている部分も。
- 改悪点の例として、序盤で登場する幾つかの宝箱が削除されている、2体目のティンペットがこの時点で運用するには難しい女型に変更など。
- 3体目以降のメダロット(ティンペット)の入手が遅い、イベントのフラグが分かり難いといった特徴は『1』とあまり変わらない。
- 数少ない追加要素であるミニゲームの内容がまったくメダロットと関係ない上に矢鱈と難易度が高い。
- このミニゲームの1つをクリアすると、「ミニハンドル」と呼ばれる、マップでの移動速度を上げるアイテムを入手できる。
- 本作をクリアする上で絶対必要というアイテムではないが、ゲームを快適に進めるためには是非とも入手しておきたいものではある。
- しかし本作ではそれがミニゲームを高得点クリアしないと入手できない。難度の高さもあってプレイヤーを非常にイラつかせる。『1』を始め歴代シリーズではシナリオ進行で普通に入手できるため、追加要素だがむしろ改悪となっている。
- ただし『1』ではミニハンドル利用時でも通常エンカウントが発生する。本作は2以降の「ミニハンドル利用時はエンカウントしない」仕様になっているため、普通に渡せば改善点になっていたのに、なぜこのような手間のかかる入手方法にしたのか疑問が残る。
- なぜかランダムでアイテム入手だった福引が野球のバッティングミニゲームに変更。
- こちらも評判は良くない。このミニゲームで満点を取るとメダルを入手できるので、コンプリートには避けて通れない。
- 機体・メダルデータは『
メダロット弐CORE
』(以下『弐CORE』と称する)のものを一部変更・微調整・機体数削減したうえで流用。
- 削られた機体の多くは高性能人気機種であるため、突出した機体がいなくなってかえってゲームバランスが良くなった一面もある。
- しかし「同系統だが機体性能がまったく異なる機体」の後期型(『弐CORE』に登場)に初期型(『弐CORE』未登場)の行動だけを上書きした結果、パーツ能力の配分が不自然な機体が一部存在する。
- また、『弐CORE』と比較した場合、登場機体数減少によりNPCの使用メダロットのバリエーションも乏しくなってしまっている。
- 登場数自体は全60体と『1』と変わらない。だがリメイク作品とはいえ、過去作と比較するとボリュームが少ないことは否めない。
- ラスボスのパーツが1周だけでは揃わない(過去の多くの作品では揃えられるようになっている)。
- ただし、基となった『1』もラスボスのパーツが対峙前に普通に店頭で売られていたため、逆に手軽すぎて非難の対象になっている。
その他不満点
- 音楽は今までのシリーズ同様、上田絹代氏が担当しているが、上記のような内容に合わせてか過去シリーズと比べてもかなり雰囲気が異なっており全体的な評価は低い(OP曲など、一部評価されている楽曲もある)。
- 登場キャラ名やパーツ名も、「過去シリーズと比べてセンスが悪い」「適当に付けた感じがする」と評価は悪い。なお、本作の機体名・パーツ名はスペイン語やフランス語などが使われている。
- 新たに追加された「せつめい」機能があまり生かされていない。
- 特定のキャラクターと会話することで、ゲームプレイにおける有益な情報を入手してメニュー画面から確認できる機能だが…。
- 数が少なく全部で12項目しか存在しない。おまけに一部項目は入手タイミングが限られているものがあるため、逃すと空欄ができてしまう。
- 解説する内容自体はどれも初歩的なものであるが悪くはない。ある意味メダロットDSのヘルプ機能の走りともいえる。
- ただ、説明書に書いてあるようなレベルのものを載せていたり、テストモード
(*2)
の開き方を掲載するなど、項目の選び方には疑問が残る。
リメイク元と比較したその他変更点
- システム・インターフェイスは『弐CORE』をベースにしているため、幾つかのシステムは『1』と比較して大きく異なる。
- ロボトルシステムに「メダスナイプ」が導入。
- GB版メダロット1には存在しなかったメダルの必殺技「メダフォース」を使うことができる。
- パーツ・メダルの能力体系は『弐CORE』準拠。
- 2以降のシリーズ作品と同様に、特定イベントで一枚絵が入る。
- マップ移動時にRボタンでダッシュ移動が可能になっている。
- 『1』に存在した「特定パーツの交換によるパーツ変化」や「真剣ロボトルでのメダルのやり取り・メダル変化」の要素は削除。
- このため、いくつかのメダルは入手方法自体が『1』から変更されている。
- メダルデータも『弐CORE』準拠のため、オオカミメダルの枠がネズミメダルに変更されている
(*3)
。
- ただし、『弐CORE』の?メダルがオオカミメダルとして流用され、本作には?メダルが存在しないため、メダルの数自体は『1』と同じ。
- メニュー項目が『弐CORE』に存在した「のりもの」項目
(*4)
が削除され、「せつめい」項目に変更されている。
- のりもの関係のアイテムは『弐CORE』ではなく、『1』の仕様に準拠しており、特定のメダロットを組み立てていなくても使用できる。
- そもそも、機体削減・モチーフ変更の関係で乗り物をモチーフにしたメダロットが1体のみという事情もあるが。
- 一部イベント内容の変更。
評価点
- システム全般は『弐CORE』ほぼそのままであるため、目立ったバグや問題が少なく、ゲームとしての『メダロット』としてはきちんと成立している。
- デザインはともかく、グラフィックレベルも『弐CORE』準拠なだけあって、かなり高く戦闘は歴代の中でもかなり動く方。
- キャラクターデザイナーがそのまま背景等のグラフィックに関わっているため、単体の世界観として見るときちんと統一されている。
- 上記にあるように、パーツ能力の調整と登場メダロットの大幅な削減により、戦闘面でのバランスは良好とされている。
- ただ、同系統の性能が大きく異なりちぐはぐな性能になったパーツなどもあるため、一概に評価するべきポイントではないのでは、という意見もある。
- 女型メダロットが他のシリーズ作品に比べ強く、戦力として利用できる。
- パーツ性能の変更は性別にまでも行われ、いくつかの男型機体が女型機体として生まれ変わったため。
- これにより下手な男型よりも女型の方が高火力という逆転現象がみられる。
- 全体数も多く男型31体に対し女型29体と半々
(*5)
。
- 『1』での女型メダロットは所謂「レアアイテム」扱いで実戦での運用にはほとんど向いていなかったことを考えれば、システム・パーツ能力の変更によって性別差の格差は大きく縮まったといえる。
- 全体的な難易度はシリーズの中でもわりと高めなので、古参プレイヤーの中にはこの点を「やりごたえがある」とする意見がなくもない。
総評
- キャラクターデザインを改悪してファンを完全に憤死と共に、激怒させた。
- この一点に尽きる。もしキャラデザが、ファンが望んでいたような今まで通りのものであれば、ここまで酷評されることはなかったであろう。それほどまでに、本作のキャラデザにおいて植えつけられたファンへのトラウマは凄まじいものがある。
- 『弐CORE』の流用部分に注目すると機体数の削減等ボリュームが削られた印象が強く、『1』のリメイクという点を見ても改善された点が部分的にあるとはいえ、殆どが『弐CORE』由来のものであり本質的にクオリティが上がったというわけではない。
- つまりキャラデザ抜きで見ても、リメイク作品として見ると中途半端な出来になっている。
- ただし作品内容で言えばそこまで酷いわけではない。極端な話「
キャラデザが全てをダメにした
」とも言える作品でもある。『
モンスターファーム
』と近いものがある。
余談
- どういうわけか、本作のスタッフロールを見ると殆どが本名ではなくペンネーム。
- 本来メダロットシリーズの開発はナツメだが、本作は過去にメダロットシリーズの発売を担当したイマジニア、その子会社ロケットカンパニー(以下ロケカン)が開発している。
- 『DS』が発売するまで、人気の高さからメダロットシリーズは中古市場に出回っておらず、価格も一定値以上を維持していたため、多くの作品の入手が困難だったが、本作とメダロットRとメダロット カードロボトルだけはどこに行っても安価で売られていた。
- 同じロケカン製で、メダロットと同じような境遇にあった作品に、低年齢向け女神転生である『
デビルチルドレン
』がある。
- こちらも当時ボンボン誌においてメディアミックス展開され、漫画版、アニメ版とも評価が高く、かつ本来の開発元とは異なるロケカン製の最終作は打ち切り後の発売で原作レイプという共通点がある。『デビルチルドレン』の本来の開発元はマルチメディアインテリジェンストランスファーである。
- このロケカン版デビチルもまた、ゲーム自体はせいぜい凡ゲーレベルだが、キャラデザインや世界観の大幅変更がファンに受け入れられなかった作品である。
- ただし、この「真・女神転生デビルチルドレン メシアライザー」は一度アトラスが発売中止したものを、発売元をロケットカンパニーに変更したという経緯があるため、一概にロケットカンパニーが悪いとも言えない。
- メダロットとデビチルはどちらも90年代後半~00年代の当時のコミックボンボンを代表する人気作である。
- 本作の酷評から、ロケカンは「
原作レイプで続編展開を潰した会社
」というイメージが浸透しており、その評価・好感度は凄まじく低い。
- 本作の発売から5年後、ロケットカンパニーは『
メダロットDS
』を発売した。
- こちらはキャラクターデザインに旧作品と同じほるまりん氏を採用し、ファンを喜ばせた。
- ストーリー面の粗さや対戦バランスの問題等こそあるものの、グラフィックの向上やシステムの変更など評価点もあり、本作のような扱いは受けていない。