アルナムの牙 獣族十二神徒伝説

【あるなむのきば じゅうぞくじゅうにしんとでんせつ】

注意:ここでは『アルナムの牙 獣族十二神徒伝説』の原作(PCE)版と、リメイク(PS)版の二つについて紹介しています。PCE版はクソゲー判定、PS版は微妙リメイク判定です。



原作(PCE)版

ジャンル RPG
※重大なバグあり、購入時要注意!
対応機種 PCエンジン スーパーCD-ROM2
発売元 ライトスタッフ
発売日 1994年12月22日
定価 8,800円
分類 クソゲー判定
ポイント バグだらけ
高いエンカウント率
セーブデータが一つしか作れない

概要

本作は『エメラルドドラゴン』や『アルシャーク』で人気を博したイラストレーターの木村明広が総監督を務めている。
木村氏の手がけたキャラクターや豪華声優陣の演技、綺麗なビジュアルシーンや人種差別をテーマにしたストーリー *1 の評価は高いのだが…。

問題点

バグ

  • SFCの摩訶摩訶もかくやと思わせるバグの温床。
  • 詰み確定のバグ
    • ある塔の頂上近くで、イベントが発生し3人目の仲間がパーティを抜けた直後に頂上へ向かわず下の階へ降りると、たった今降りたばかりの階段が登れなくなる。下へ降り続けても行き詰まり、仲間の気法「脱出」も効かないのでハマり確定。
    • 仲間のトエイ、タランダとパーティを組んでいる時に、2人のレベルを上げ過ぎた状態であるイベントを起こすとフリーズする。
    • ラストダンジョン最深部に、いるべき筈のラスボスの姿がない場合がある。もちろんクリア不能。
    • あるキャラとの話を終えて建物を出ようとするとき出口の左側から出ると、入り口に出ずにフィールドに出てしまう。しかもクリアに必須なアイテムが入手不可になる。
  • フリーズの嵐
    • 炎系の最強気法(魔法)「熱炎」を使用するとフリーズする。肉叢(魔物)が使ってきた場合もバグる。
      • プレイヤーが使用する場合、対象決定前に方向キーの左右で対象を変更すればフリーズせずに使えるものの、どの敵が対象になっているのか画面上で判別できない。更には、熱炎で敵を倒した次のターンに対象を変えず熱炎を使うと、死んだ敵を攻撃してまた倒せてしまう。
      • また、解毒などの補助気法を味方に使用した次のターンに対象を変えず熱炎を使うと、その味方に誤爆してしまう。
      • これらの特性?を逆手に取り、「熱炎で同じ敵を何度も倒しまくった後に誤爆で仲間と使用者自身を倒し、生き残った主人公に残りの敵を倒させて経験値を独占させる」という強引なレベルアップ手段として活用できない事もない。ただし一度の戦闘で得られる経験値は65535を上限にループしているので、適当なタイミングで切り上げないと骨折り損に終わるが。
    • ゲームの進行上入る必要が無いタイミングで入るとフリーズするダンジョンがある。
    • 奪われた装備を取り戻すため屋根裏から宝物庫に忍び込むイベントがあるが、宝物庫の棚を調べずに出入り口を調べると、キャラクターが勝手に棚に向かって動き、そのままフリーズする。
    • あるダンジョンからフィールドに出る際、入り口とは違う場所からフィールドに出てまたダンジョンに戻り、バグリまくった画面を一歩歩くとフリーズする。
      • ただし、ダンジョンに戻った直後に動かずオプション画面を開き、「脱出」を(バグッた画面から手探りで探して)使用すれば、そのダンジョン本来の入口まで戻れて、画面のバグもなくなり無事にやり直せる。
  • アルナムの牙関連のバグ
    • 最強の武器という設定の「アルナムの牙」はイベントで強制的に装備させられ、それまで装備していた武器は消滅する。しかも最強武器のはずが、運が悪いと敵に対してほとんどダメージを与えられない
      • そのイベントの少し前に、「通常攻撃からの追撃で、ゲーム中2番目に強力な全体攻撃気法を無条件に繰り出せる」という超強力な武器を入手してきている可能性があるので、それを失ってしまうと悶絶必至。
      • どうでもいい事だが、その武器の名前前半は「エメラルドドラゴン」と読めなくもない。
  • その他のバグ
    • あるイベントにおいて、顔グラフィックが別キャラの顔になってしまっている。綺麗なお姉さんキャラが、口調はそのままにハゲたおっさんの顔グラで話しかけてくるなど。
      • まれに名前も別キャラになることもある。
    • 突然キャラが消えたり出たり、設定上はいるはずなのに、画面には表示されてなかったりする。
    • ダンジョンやとある村に、話しかけることすら出来ないキャラがいる。
    • 何故か重要なイベントアイテムが2つも手に入ってしまう。
    • トエイが同じ気法を2つ覚えてしまう。肝心なときには使えない微妙なものである。
      • しかもその際、代わりに「結界」(しばらく敵が出なくなる気法)を忘れる。後述通りエンカウント率の高いこのゲームで、よりによって。
    • あるダンジョンで仲間が「テレポートでダンジョンを出よう」と提案するが、実際にやろうとしても出来ない。
    • 持ち物を確認したり物品屋で売ろうとした時に、持っていないはずのアイテムが表示される事があるが選択はできない。「蹴殺の金具」「滅殺針」「馬蹄鞭」といった、普通にゲームを進めていても出てこない品物の名が並ぶ事もある。
    • 仲間のランチョ・ギユウと別れた後、トバリ・タランダを仲間にして街を出るまでの間にメニューを表示してしまうと文字がバグって判読不能になる事がある。そうなると二度と直らないので、ランチョ達と別れる前のデータからやり直すしか対処法がない。一応そのまま進めるもののヒントがわからなくなるため実質詰み確定である。
    • その他にも多くのバグが存在する。

それ以外の問題点

  • ゲームバランスも悪い。
    • 僅か数歩歩けば戦闘になるほどエンカウント率が高い。
      • レベルアップしていくとエンカウント率が下がるようだが、上げすぎると前述した詰み確定のバグに遭遇するため結局エンカウント率が高いままの状況を余儀なくされる。
    • 戦士系と魔法系に分かれているのだが、後者の方が圧倒的に強くバランス調整がなっていない。
      • しかもパーティーキャラ入れ替えは強制(もちろん控えのキャラはなし)なので戦士系ばかりの時は厳しい難易度になっている。
      • 出番にも偏りがあり、プレイヤーが初めて戦闘で動かすのがラスボス戦のキャラもいる。
    • その戦士系が装備する武器のバランスも悪い。攻撃気法の追撃効果がある「雷神の小太刀」「火炎剣」などが強力過ぎて、それらをダンジョンで入手したキャラはもう武器を買い換える必要が無くなる。
    • 「合体攻撃」があるが二人の「気力」 *2 を大量に消費するので効率はよくない。
    • 普通に遊んでいると主人公が仲間のレベルに追いつけずにまったく戦力にならなくなってしまう。
    • 激しい戦闘でボロボロになった仲間が最後の力を振り絞り必殺の一撃を狙うシチュエーションがあるが、ステータス的には体力気力ともMAXの元気一杯状態であり悲壮感が漂ってこない。
  • セーブデータが一つしか作れないため詰み確定のバグに遭遇すると最悪ゲームを最初からやり直すしかない
  • 終盤でとある武具が手に入るが、パーティ内で誰も装備できず、しかもその時点で既に最終メンバーなので他の仲間に渡すことも出来ない。何の為に存在するのかわからない死にアイテムとなっている。

総評

  • とにかくバグが酷い。バグさえなければ…という意見も多い。
  • キャラクターデザインがPCEにも移植された名作『エメラルドドラゴン』の人と一緒だったため、続編と勘違いした人やエメドラのような出来を想像して購入する人が続出、被害を増やすことになった。

余談

  • SFCへの移植も検討されていたが、カセットでは無理があったのか中止になった。
    • …が後述するPS版のようにADVにしていればSFCでも何とかリメイクできたのではないだろうか?
  • キャラクターデザインの木村明広曰く「某工場の焼ミスで致命的なバグが発生してしまった」らしい。
    • しかし、もし本当に焼ミスでバグが発生しているならバグのないものもあるはずなのだがバグのないものはない。つまり嘘である。

リメイク(PS)版

ジャンル アドベンチャー
対応機種 プレイステーション
発売元 ライトスタッフ
発売日 1996年2月02日
定価 3,980円
分類 微妙な移植ならぬジャンル替え作品
ポイント まさかのジャンル変更
バグ関係は消滅し、とりあえずは普通に遊べる
辻褄が合わないセリフあり
  • PCEのクソゲーの移植…と思いきやRPGからADVへとジャンルを変えた実質別作品。
    • バグを期待して買うとある意味ガッカリする。
  • なのにPCE版の声とビジュアルとセリフをそのまま流用するという安上がりぶり。
    • たとえばエンカウント戦闘がないのに「防人としての報酬は肉叢を倒した出来高払い」、宿屋なんてないのにもかかわらず「宿屋に泊れ」など。
    • せめてADV向けにセリフを書き換えて欲しかった。
  • 一応PCE版で没になった動画が見れるのは評価できる。

その後のシリーズ

  • 正式な続編であるPSソフト『アルナムの翼 焼塵の空の彼方へ』ではPCE版の汚点の反省点を活かし多少の粗はあるものの普通に遊べる出来となっており、地雷の多いマイナーRPGの中では比較的出来がよい。
  • 『アルナム弁当~牙も翼もてんこもり~』も発売予定だったが会社が解散して中止になった。