デスクリムゾン  

【ですくりむぞん】  

ジャンル ガンシューティング
対応機種 セガサターン
発売元 エコールソフトウェア
発売日 1996年8月9日
定価 5,800円
レーティング セガ審査:全年齢推奨
分類 クソゲー・バカゲー判定
※一覧ではその他機種のクソゲーに指定
ポイント クソゲー超魔王「デス様」
問題点以外見当たらない
空前絶後の低評価
「せっかくだから、俺はこのクソゲーを選ぶぜ」
香ばし過ぎて話題沸騰・クソすぎて伝説へ
ゲームの出来に反比例してメーカー側の対応は良心的
史上最も愛されたクソゲー
デスクリムゾンシリーズ
デスクリムゾン /デスクリムゾン2 メラニートの祭壇/デスクリムゾンOX
10年に一度のクソゲー
たけしの挑戦状/ デスクリムゾン /四八(仮)
セガサターン/クソゲー四天王
大冒険 セントエルモスの奇跡/ デスクリムゾン /プラネットジョーカー/スタンバイSay You!


プロローグ

それは十年前の事であった・・・

傭兵・越前康介(コードネーム:コンバット越前)は戦場を脱出するため、戦友のダニーやグレッグと共に激戦区を彷徨っていた。
その時、3人は偶然にも三つの扉を持つ奇妙な遺跡を発見する。
せっかくだから3人が扉の奥を調査すると、それぞれ宝石・古文書、そして謎の銃(クリムゾン)が見つかった。
3人は手に入れた力と知恵と資金で辛くも帰国へと成功する。

十年後の現在。
ヨーロッパを謎の伝染病「KOT症候群」が覆う。
傭兵を引退し医師となっていた越前であったが、過去の記憶に突き動かされ、解決のために「クリムゾン」を手に取る。
しかし今、デスビスノスの放ったモンスターがクリムゾンを取り返すべく越前に襲いかかるのであった。


概要

  • 『バーチャコップ』に続くバーチャガン対応ゲームの第2作。『たけしの挑戦状』の跡目を襲った10年に一度のクソゲー。
  • 通称「デス様」「超魔王」「帝王」など。
    • 「最下位」「クソゲー」をつけたり、いくつかを組み合わせて呼ばれることも(例:「最下位帝王デス様」「クソゲー超魔王」)。
  • 2008年KOTYの総評では、ファミ通クロスレビューで同じ点数が付いた『大奥記』の世界観に合わせて「クソゲー界の征夷大将軍」と呼ばれた。
  • 2010年、公式にWindows移植版がフリーウェアとして配布されることが決定した。オリジナル版にあった各種不具合は全て搭載するとのこと。
    • しかし、セガサターンは一般的な三角形のポリゴンではなく、ねじれた四角形の変形スプライトを使う独自の3D描画方式なので再現できるかは…

特徴(というか問題点)

  • 電源を入れると、「精神汚染」と呼ばれるほど怖い会社のロゴマークが表示される。どのボタンを押しても絶対に飛ばせない
    • 制作元エコール・ソフトウェアの真鍋社長によると「モナ・リザみたいな物を…と頼んだら、製作スタッフがデスマスク *1 みたいな物を作ってしまった」とのこと。
    • 被ダメージ時に無敵時間がないため、慣れないうちはすぐGAMEOVERになり、頻繁にこの会社ロゴに飛ばされる(後述)。
    • 制作元エコール・ソフトウェアのロゴマーク・ECOLEの最初のEだけがなぜか縦回転し、それ以外は横回転する。
  • ロゴマーク表示後、画面が切り替わり、奇妙な鳴き声を発する銀色の怪物が現れる。これがラスボスのデスビスノス。3DCGの造形はかなり貧弱で、頭が紙のように薄っぺらい。
    • 続いて、「それは10年前の出来事だった」というナレーションが入り、主人公・越前康介のプロフィールが表示される。タイプライターの印字音をバックにプロフィールが数文字ずつ表示されるが、音と文字表示のタイミングがまるで合っていない。
    • 越前の姿も明らかになるが、やはり造形が貧弱。髪型は坊ちゃん刈りにしか見えず、左右の足の長さが微妙に違う
  • 主人公・越前康介(コードネーム「コンバット越前」)のあまりにも特異なキャラクターは、多数のゲーマーから(ある種の)絶大な支持を得た。
    • Wikipediaに個別記事がある。通常、ゲームのキャラクターはマリオシリーズやFFVIIなど多くの作品に出ていない限り個別記事どころか一覧でさえなかなか記事は作られない。
    • 「コンバット越前」というネーミングセンスもさることながら、コードネームの存在意義を崩壊させる本名を明らかにした堂々たるコードネームは多くのプレイヤーの息の根を止めた。
    • おまけに作中では味方などには「越前」と、本名の部分で呼ばれている。もはやわけがわからない。
  • 越前の回想を描いたオープニングムービーは、今や伝説となっている。
    • ムービーの前半部分は実写。回想シーンということもあり色調はセピア色で、画質も粗い。ちなみにロケ地は和歌山県和歌山市加太の友ヶ島に残る由良要塞跡であり、先述の真鍋社長が一人で島へ渡って撮影したという。
    • このシーンでの越前は傭兵という設定であるが、声を当てているのは傭兵のイメージとはかけ離れた甲高い声質の声優。オープニングナレーターは低めの声質なので、そのギャップは凄まじい。
      • 本作で越前の声(ほかシステムボイス等も)を担当したのは、関西在住のタレント「せいじろう」。CMナレーションを務めたこともあるプロの声優である。にも関わらず、「エコール社員が片手間で演じたもの」だと誤解するプレーヤーが続出した。
      • ちなみにせいじろう氏は、後に『ザ・キング・オブ・ファイターズ2003』でビリー・カーンの声を担当し、越前の件もあって一部で話題になった。
    • 銃声が飛び交うなか、越前が「ダニー! グレッグ! 生きてるか!?」と高い声で叫び、ダニーorグレッグが「ああ、なんとかな!」とやはり高い声で応える。少し聞いただけでも同じ声優が声を変えているのは明らかであり、独り言のようにも聞こえる。そしてもう一人は返事をしていない。
    • 上から来るぞ! 気をつけろぉ!」と言いながら階段を駆け上がる越前。上から来るのだから階段を駆け上がるのは危険、しかし上にいく必要があるので「気をつけろ」なのだろう、とでも解釈するしかない。
    • 何だこの階段はぁ?」と言いながら、一瞬たりとも躊躇せず階段を降りる越前。どう見ても普通の階段ではあるが。
    • 階段を降りたところで実写パートは終了。謎の扉を前にしたゲーム画面に変わり、ゲーム史に刻まれた迷言「せっかくだから、俺はこの 赤の扉 を選ぶぜ!」が放たれる。何が「せっかく」なのかは永遠の謎であり、選ぶも何も扉は一つしかなく、そして赤くない
      • 「扉の上についている宝石が赤いからだ」と言う説があるが、薄暗くてかなり見づらく赤い気がする程度。
      • なぜか、このシーンのBGMはへっぽこで心和む味わいのものとなっている。
    • このムービーは、10年前に傭兵だった越前がクリムゾンを手に入れた経緯を描いている筈なのだが、内容が断片的過ぎて全く説明になっていない。
    • 参考動画
      クソゲーハンターを自負するなら一度は目を通しておかねばならない。特に扉のセリフは試験に出る。余裕があるならOPのセリフは暗記しておくこと。
  • 「ステレオ/モノラル切り替え」 しかない 充実したオプション。後にこれは『大奥記』や『ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!』でリスペクトされる。
  • 越前が持つ魔性の銃「クリムゾン」は、照準を合わせようとすると自動的に照準がずれるステキ機能搭載 *2
    • そのためにバーチャガンの照準設定があるはずだが、1発撃つと前画面に戻される。よって照準確認はできない
    • 画面にバーチャガンを密着させても、必ず左にズレる。さらにそのズレ具合にもブレがあるのが厄介。
  • 射撃などで頻繁に画面がフラッシュする。長時間のプレイには強靭なタフネスが要求される。
  • 敵が何もないところから不意に現れるなど、出現が唐突すぎる。挙動もおかしい。
  • 突如現れる白服の男(「佐藤」という通称がある)や白いムササビを撃つと「おーのー(Oh no)」という妙に気の抜ける断末魔を上げ、民間人ショットペナルティを喰らう。この仕様に関する説明はない
    • 出現も敵同様に唐突。しかも空中に浮かんでいるなど、行動が常軌を逸している。
    • 一応、「KOT症候群(作中で蔓延しているという設定の疫病)の特効薬がムササビの血清である」という設定が開発側にはあるらしいのだが、ユーザーには一切説明がない。
  • 被ダメージ後の無敵時間が無いため、敵が3体も出ている状態で一斉攻撃を受けると即死。
    • そもそもいつ攻撃して来たのかわからない敵も多い。
    • 攻撃を喰らうと「くっそぉ~」「このやろぉ」「やりやがったな」 などの台詞を吐く。もちろん、甲高い声で。
  • 越前の視点でゲームが進むが、時折生身で空を飛んでいるとしか思えない行動がある。ラストステージでは転げ回るなど、理解に苦しむ行動が散見される。
  • 同じところを行ったり来たりというシーンが幾度もあるため、全体的にテンポが悪い。ゲームオーバーになると会社ロゴ(スキップ不可)まで戻されてしまうこともそれに拍車をかけている。
  • 建物などは何もかもが歪んでいる。雑誌のレビュアーがバグと勘違いしたほど
  • 連続で効果音が鳴ると、BGMが一瞬ストップする。
  • 1UPのはずなのに5UPする。ワナップ!
  • ステージ1と2のボス戦直前でクレジットが10減る
  • 敵を倒すにつれて銃が進化し性能が強化されるが、シーンクリア毎に元に戻ってしまうためあまり活かせていない。
  • R+Z+STARTでクリア扱いとなり次の面に進める。その方法でエンディングに到達できるため、知った日には今までの苦労が全て無駄に。
    • 下記のバグや難度の高さから考慮して、救済措置と見ればエコールの最後の良心かもしれない。余談だが、MDの非公認STG『ディバインシーリング』にも似たような本編スキップコマンドがある。
  • ラスボスのデスピスノスが無敵になるバグがある。
  • ため撃ちの弾丸に「BS」の文字。ボムショットの意味だが、英語では「Bullshit」の省略形。
    • 直訳では「牛の糞」だが、「でたらめ」「たわごと」などの意。口語では「ふざけるな」といった罵言として使う。
  • ストーリーで扱われている奇病「KOT症候群」に対する説明がゲーム中にまったくない。
    • ちなみに「KOT」とはドイツ語で「糞」の意味。糞関連のアピールに抜かりがない。
  • ゲームばかりか、取扱説明書もとうてい素通りを許さない。
    • 「一般人やムササビを撃ってはいけない」などといった重要な説明がどこにもない
    • ボスの説明やゲームについての情報は極めて少ない。
    • 文章に統一性がない。ページの題名からして、コントロールパッドでの操作を説明しているP.3は「コントロールパッド」、バーチャガンでの操作を説明しているP.4は「操作説明」とばらばらである。ボタンと操作の対象もP.3では「Aボタン……弾を撃つ」、P.4では「弾を撃つ……トリガーを引く」と順序が逆転している。
    • 以下、主人公越前のプロフィール引用
      抑えてはいるが、冒険心旺盛な一匹狼。正義感・勇気とも平均以上だが、カッとしやすいところもあり、計画的人生よりより行き当たりばったりの人生を選んでしまうタイプ。女性の扱いは苦手」。好物は「焼きビーフン」
  • ……など、もはや列挙不可能。「St e ge1」(=Stage1)や「St u ff」(=Staff)といった誤字などは、あまりにも些細なことである。
    • 「Stuff」には「物、代物、物事、事柄、資質」といった意味のほかに「価値のないもの、がらくた」という意味もある。「BS」「KOT」などと並べてみると、実に味わい深い。確信犯の匂いもしないではない。
  • 本作のエンディングBGMがクソゲーオブザイヤー2007動画の『四八(仮)』パートで使用された。次なる十年来級のクソゲーへのバトンタッチと言ったところか。2008動画の前座でも、OPムービーが一部改変の上で使用されている。
  • 続編に『デスクリムゾン2 メラニートの祭壇』がある。

ゲーム雑誌での反応

  • 『セガサターンマガジン』の読者投票ランキングにおいて、初登場ぶっちぎり最下位(1~10の評価中、平均1.0909)をマークし「最下位帝王」と呼ばれた *3 。同時に、編集部より「 超魔王 」の称号を献上される。その後、幾度か新参に王座を掠め取られることはありながらも、長きにわたって最下位に君臨し、帝王の威厳を放ち続けた。
  • ファミ通レビューとサタマガレビューでは、レビュアーをして「ゲームに点数をつけるという行為に限界を感じた1本」「これマジで出すんですか?」「バーチャガン置いて家に帰りました」など、とても商業誌とは思えないコメントを吐かしめた。
  • ファミ通レビューでは、4人レビューで各3.3.4.3。KOTYWikiにもあるが、ファミ通レビューでは2点はまず出ない。3点は事実上の最低点である。詳しくはリンク先を参照。

特記事項  ~デス様ご降臨の経緯~

  • 興味深いことに、本作はほとんど類を見ないレベルの度外れたクソゲーであるにもかかわらず、作品や製作会社に対して真剣に憤ったユーザーはさほど見受けられなかった。機種がプレステでなくサターンであったこと、マイナーな会社の作品であったため発売当時の知名度が非常に低かったこと、さらに雑誌のレビュー記事などによって前評判が定着していたおかげで、実際の「被害者」が非常に少なかった(居ないわけではなかったが)ことなどが、大きな理由として挙げられるだろう。
  • またそれ以外にも、製作側が「黒歴史」として存在を葬ってしまうことも少なくないクソゲーでありながら、本作は製作側がプレイヤーの反応をしっかりと受け止め、好意的な声にまで昇華させた稀有な例でもある。本作の「完成度」が話題を呼んだ際、初めは困惑していた製作側もやがてインタビューに応じるなど積極的な姿勢を見せ、再販時には社長自らが新幹線で全国を回りファンに手売りする「デストレイン」なるイベント、コンバット越前を演じたせいじろう氏を招いてのファンイベントを開催するなどして、自社製品が巻き起こした(製作者には苦痛でもあろう)ブームに見事応えてみせた。そのゲームの出来以外は真摯な態度が、本作の名を「クソゲー」から「伝説のクソゲー」にまで高め、最終的にはサブカルチャー的な人気を不動のものとするに至った。
  • 私見だが、お座なりのキャラゲー等とは違い、製作物に対する責任感や愛情という点では特に見るべき部分があろうかと思われる。ゲームそのものは最低だが。
  • サターンの蓋に強力瞬間接着剤を塗り、二度とソフトを交換できないようにした本作専用機「デスサターン」を製作するプレイヤーも現れた。
  • 福岡県の『不思議博物館』には、巨大な怪物のオブジェに上記「デスサターン」をセットした立体作品『巨大クリムゾン』が所蔵されている。ゲームもプレイできる。
  • ソフトの出荷率と香ばしさから、中古市場では3000円台をキープする場所も存在している。一時は8000円台で販売されていた。
  • 書籍『超クソゲー2』では真鍋社長へのロングインタビューが行われ、一部だが設定や迷セリフの謎などが明かされた。
    • 本来のテーマは「人の生きる精神(越前)と狂気(クリムゾン)とのせめぎ合い」。クリムゾンは人の意思を蝕み進化する銃である、とのこと。
    • かの迷言「せっかくだから」は本作及びエコールの前向き(むしろ前のめり)精神の表れであり、「好物焼きビーフン」もまたチャレンジ精神かららしい。
    • 後発の作品においても「微妙な場所を攻める好きな食べ物」は健在。『デス2』の主人公、八並康の好物はダチョウのステーキで、ヒロインのリリーの好物はマンゴスティン。