HARAKIRI

【はらきり】

ジャンル シミュレーション
対応機種 PC-8801、PC-9801
発売元 ゲームアーツ
発売日 1990年
分類 バカゲー
ポイント 外人による誤った日本観(という設定)
国取りSLGとしては高難易度

概要

ゲームアーツが作った戦国SLG。PC88のハード最終作である。
『日本研究家のアメリカ人「J.S.スタインバーグ」によるデザイン』という前置きがある作品。

  • その実は誤った日本観に基づく出鱈目な戦国時代設定という代物。ご丁寧に日本文化にはまるあまり自分に日本名をつけたという設定まである。その名も「中村横田」。ただしこのスタインバーグ氏は架空の人物であり、製作に外国人スタッフは関わっていない。すなわちこのゲームに登場する間違った日本観は外国人の勘違いによる産物ではなく、あくまでバカゲーとしてわざと狙ったものである。突っ込んだら負けである。
  • 前後して同じように誤った日本観を基にした作品として『天外魔境シリーズ』が出ているが、ベクトル的には全く違う方向に吹き飛んでいる代物である。
    • そもそも天外魔境シリーズは「ジパングと言う名の日本に似た世界」であり、本作のような「勘違い(のフリ)した日本」とは違う。普通のファンタジーRPGだってアリアハンとかヴァナ・ディールとかが舞台であって西洋に実在する国ではない。

ストーリー

SAMURAIの統領であるSHOGUNは、毎年全国の有力DAIMYOを呼び集め、桜の鑑賞会HANAMIをおこなった。
HANAMIにくるDAIMYOは皆、NENGUという貢ぎ物を差し出さねばならなかった。
HANAMIは、勢力の拡大を行わせないためのSHOGUNの策略でもあった。
歴代のSHUGUNの中でも、特にYOSHIMUNEはHANAMIが好きで、DAIMYOたちに命じてサクラが千本も続く見事な並木通りを作らせた。
元禄十四年三月十四日の正午、日本で第二の実力者、ASONOはYEDOのKINKAKUJIに向かう途中、
BLACK-BELT-NINJAに襲われ、MIKADOから預かっていたCHA-NO-YUの道具を壊されてしまった。
ASONOは、自分の実力を妬むSHOGUNの陰謀であることを見破り、SHOGUNを糾弾しようとした。
しかし、ASONOの機先を制し、SHOGUNは、ASONOがCHA-NO-YUの道具を壊したことを責める。
「CHA-NO-YUの道具一つ預かることのできない田舎マイナーDAIMYOめっ!」と
全国から来たDAIMYOたちの前でののしられたASONOは、HAJIを感じる。
正しいSAMURAIの礼儀を知るASONOは、あまりのHAJIに堪えきれず、
その場でHARAKIRI(切腹)をして果てた。
第一の家来、KAROであるOH-ISHI以下、ASONOに使えた四十七人の家来は、
ARUJIであるASONOが理不尽な理由からHAJIを受けたことを知り、復讐に燃える。
四十七人のBUSHIは、BUSHIDOの精神に基づきARUJIの仇を打つことを天に誓った。
ASONOの死から一年が経ち、再びHANAMIが行われるシーズンがやってきた。
城門の外には、SOBAYAに変装したOH-ISHI以下四十七人がいる。
HANAMIを行うため、城を出てきたSHOGUNを襲い、見事に命を奪い、彼らはASONOの名誉回復に成功した。
元禄十五年十二月十四日、SHOGUN-YOSHIMUNEが「桜の廊下」で殺されたこの事件を「四十七人の変」という。
跡継ぎがいないうちにSHOGUNが死んだため、SHOGUNのポストは空いたままになった。
全国の有名なDAIMYOたちはSHOGUNのポストをねらって争いを始めた。
そして果てしない大乱の時代が幕を開けた。

突っ込みどころ一覧

+ ...

内容

  • オープニングでアソノの介錯シーンを作品上の文化施設や風情を交えながら映す。これだけのためにわざわざフロッピー1枚分使っており、無駄にクオリティが高い。
  • 基本システム的にはオーソドックスな戦略シミュレーション。ただし難易度は高め。
    • 難易度が高くなる要因に大兵力を率いて日本侵攻をしてくる元寇や黒船がいるせいだが。
      • この手の突然発生の勢力としては一向一揆もあるがこちらは前述の2勢力ほどの脅威ではない。
  • 登場人物がめちゃくちゃ。
    • まずプレイヤーは自分の分身となる大名を選択するが、そのラインナップは…
      + ...
    • 登場する武将は一応戦国シミュレーションとして押さえておくべき面子が一通り揃ってはいる *4 。が、それらに混じって千利休一休禅師浦島太郎杉田玄白銭形平次平賀源内琵琶法師 *5松尾芭蕉ザビエル三浦安針夢窓疎石子連れ侍など色々おかしな名前が混じっている。特に江戸期の著名人で構成された井伊家は「何でこんな奴らを戦に送り込むんだ?」と突っ込みたくなるような人物のオンパレード *6
    • 普通に登場する戦国武将も説明書ではでたらめな説明がなされていたりして一筋縄ではいかない。
      • ただし、後のコーエー作品でも「英雄集結」などifシナリオという形で、時代設定無視のオールスターで遊べるものを作っていたりする。「早すぎた名作」「英雄集結はHARAKIRIのパクリ」と言えないだろうか。
  • 「恥」と言う唯一無二?の概念。
    • 「恥」とは自身の恥辱を表すステータスのことで、戦争に勝てば恥は下がり、負ければ上がる。また忍者による工作でも恥を上げることが出来る。そして恥の数値が高くなると、その武将は切腹してしまう。
    • このゲームでは大名以外のキャラは病死しない。そのため死因は切腹のみ。「意味ないじゃん」と思う方も多いだろうが、実は『武将雇用数には限界があるが、武将を解雇するコマンドがない』ため、無能な武将は故意に切腹に追い込む必要がある。
    • 恥の初期値が高すぎてゲームを始めていきなり切腹になる武将もちらほら。例えば平手政秀。一応史実どおりではある…と言うより、そのために出したキャラのような。
    • 在野の武将を雇うこともできるが、その中にも恥の初期値が即切腹になるほど高い者がいる。腹を切るためにわざわざ人の家の庭を借りに来たようなものである。
    • 元軍や黒船の武将は恥の概念が乏しい外国人であるためか全員恥の初期値は0。ただし工作によって恥を上げれば彼らでもハラキリをしてしまう。
      • 切腹シーンにはグラフィックが表示される。やけにリアルに描写され、無駄にクオリティが高い。
      • これをゲームの主題に持ってきたのがバカゲー扱いされる所以であるが、戦国時代当時のシミュレートという観点で「失敗すると恥をかき、高まりすぎると自発的に切腹する」「他家の謀略によって家中に居たたまれなくなるほどの恥をかかされ、切腹する」という事態は不自然ではない。こちらもコーエー戦国シミュレーションに取り入れられたとしても何の不思議もない。切腹以外に武将を処分する方法がないとか、他国の有能な武士を謀略によって切腹させるばかりか自国の無能な武将を効率的に自発的切腹に追い込む事が重要な戦略のひとつという点がおかしいだけである。
      • 他のゲームで例えるならSTGなどで自ら死んでランクを下げる、RPGでポーションがもったいないので死にかけの仲間を放置、と考えてもらいたい。
  • 金が重要な作りになっており、お金さえあればなんでも出来ると言っていい。ただし序盤は金策に苦しむが。
  • ランダムで発生するイベントの中には「ミカドが全国の大名に貢物を求める」というものがある。いわゆる入札方式で、最も貢物の額が高い大名の願い事をかなえてくれるのだが、そのラインナップは「冠位を授ける(大名の魅力が上昇)」「神風を起こす(指定する国の兵力を激減させる)」「地震を起こす(指定する国の城レベルを激減させる)」。金次第で国土に厄災を起こすミカド…。怖い。いろいろな意味で。どこかの団体に訴えられなかったのだろうか…。
  • 武将の兵科は旗本・足軽・侍・相撲レスラー・鉄砲・騎兵・忍者・浪人・農民・南蛮兵・南蛮鉄砲兵・元兵・元騎馬兵がある。武将の兵科によって運用する部隊を構成する兵種が決まる。
    • 能力は低いが価格が安いため序盤から数をそろえやすい足軽、能力は高いが価格が高すぎるため最初はお荷物になる騎兵、間接攻撃が可能な鉄砲、数倍の兵力差でも互角以上に戦えるほどの圧倒的な強さを有すが鉄砲には無力な相撲レスラー、逆に機動性以外は並だが鉄砲には圧倒的に強い忍者などバリエーションは豊富。おかしな兵科が混じっているような気もするが細かい突っ込みはきりがないので避けておく。
    • 合戦の際にはまず「一騎打ち」を行うかどうかを選択する。一騎打ちは双方から代表者を出し、負けた側は全兵力の3割程が減少するペナルティが付く(申し込まれた側が断ると全兵力を一割失う)。ここまではシステム的なものとして容認できるが、その一騎打ちで行われるのは兵科に関係なく相撲。ペリーだろうとスモウレスリングで勝負。
  • 戦略画面でのBGM変更機能がある。BGMは「大河ドラマ風」「日本風」「中国風」の三種類。バカゲー要素ではなく、単調になりがちな戦略級シミュレーションにおいて気分転換まで配慮されているゲームは特筆に値する。フロッピーディスクにゲームを収めなければならなかったこの時代、余計な容量はとことん切りつめられるのが当たり前だった。
    • ちなみに本作はかなりの名曲揃いである。特に野戦BGMは熱い。
  • 戦略画面での文字切り替え機能がある。これはバカゲー要素で、たとえば「武力91知力37魅力76」と書いてあるところが「武力九一知力三七魅力七六」と書かれているようなもので、異様に読みづらい。この文章はまだ一行だけだからそれほどでもないが、武将一覧を表示してみると理解できる。後述動画でも紹介されている(7:50ごろ)ので、気になる人は見てみよう。

余談

  • J.S.スタインバーグはHARAKIRI2を計画中としていたが、その後全く製作されているという話は聞かない。
  • 付属の冊子である忍者本もネタ純度の高い一品である。
  • ちなみにこのゲームのパロディをバイオハザードの生みの親「三上真司」氏が公式サイトのミニゲームとして、任天堂機のバイオ失敗公約を守る為、HARAKIRIを製作した。
    • ゲームの内容は三上氏が腹を切り、プレイヤーが三上氏の首を切る(刎ねる)という衝撃の内容となっている。
  • 登場人物の一部が「肖像権上等」なことで移植・配信が絶望的…と思ったらプロジェクトEGGで配信されている。要ソフト価格735円+EGG利用料月額525円。どういうことなの…。
  • なお、後にゲームアーツがメガCDで発売した戦国SLG『天下布武 ~英雄たちの咆哮~』には本作のノウハウが継承されている。

動画

ニコニコ大百科の記述もなかなか充実。
しかし、残念ながら紹介動画はどれも途中で投稿者失踪。