かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄

【かまいたちのよる2 かんごくじまのわらべうた】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売元 チュンソフト
発売日 2002年7月18日
定価 6800円
分類 賛否両論判定
ポイント メインシナリオの構造が前作から大きく変化
エログロ描写注意
チュンソフトサウンドノベルシリーズリンク

概要

SFCで大ヒットしたサウンドノベル『かまいたちの夜』の、8年ぶりの新作。
ただし単なる続編でも全く別の世界でもなく、「前作を劇中劇(ゲーム中ゲーム)としたパラレルワールド」という、極めて特殊な位置付けの作品となっている。

評価点

  • ハードがPS2になったことで、SFCだった前作と比べて表現力が格段に向上した。
    • 登場人物がシルエットなのは前作同様だが、のっぺりとした「影」だった前作とは違いクリスタル状のポリゴンとなり、前作では限られたシーンでしか使われなかったキャラクターのアニメーションが随所で挿入されるようになった。それでいて、容姿はプレイヤーの想像する余地が残されている。
    • 人物とは逆に、背景はよりリアルな実写になった。中でも、打ち寄せる波や風に揺れる樹木といった動きのある背景ムービーは、ループの継ぎ目がわからないほど自然なものに。
  • ○○篇と分類されるシナリオの筋は全11本(内2本は短編)と、ボリュームが大幅に増した。
    • 本作では1本のシナリオのトゥルーエンド以外の結末を、その内容の良し悪しに関わらず「バッドエンド」と呼ぶ。それらを全て合わせたエンディングの数は100を超え、ボリューム増の一端を担っている。

前作との比較における問題点

  • 『1』の設定はあくまで「 『2』の登場人物達をモデルにして作られたゲーム 」の話とされたため、キャラや背景設定などは前作から大幅にいじられた(その場にはいなかった事にされたキャラまでいる)。この点は前作に愛着を持っていたファンに違和感を生じさせ、賛否が分かれた。
  • 本作の謳い文句と実際のゲーム内容にズレがある。
    +  ※ネタバレ 閲覧注意

大前提である設定からして前作の存在を否定しているようであったり、前作のような能動的なミステリーとは異なるゲーム内容であったりといった部分に、裏切られたと感じた人は多かった。
また、本作ではメインであるミステリーシナリオ以外にも、追加選択肢やサブシナリオが前作以上に大量に用意されているが、これも前作とは赴きの異なる内容だった。

  • 前作のサブシナリオはどちらかというと雰囲気や設定で恐怖感をあおるシナリオなどが多かったが、今作はグロに虫に電波にと、読み手に生理的嫌悪感・不快感を与えるスプラッタ系の表現を含むものが多い。
    • ネタバレを回避して、内容に触れると「飛び散る血飛沫、砕け散る肉、這いずり回る大量の蟲」と言ったところ。「怖い話ではなく嫌な話だ」という意見も少なくなかった。
    • また、トゥルーエンドに救いの無いものが多く、鬱要素も多分に含む。主人公・ヒロインとて例外ではない。
    • 恒例の「ピンクの栞」で解放される「ちょっとHなシナリオ」も、今回は映像面の描写が直接的で露骨。はっちゃけたコメディかつハッピーエンドの笑えるシナリオで、陰惨な内容が多い今作における息抜きのようなものだが、その露骨さは下品と受け取る人もいると思われる。
  • 大量に盛り込まれたバッドエンドは話のバリエーションを広げるものの、展開の前後に脈絡のない場合も多い。その大半はメインシナリオクリア後の追加選択肢によるお遊びなのだが、悪ノリが過ぎたと言うか、人によっては読後感の良くないものもある。
    • バリエーションの一環として、ヒロインが主人公を裏切るような行動に出る事がしばしばある。全体のボリュームがあるため割合はそう多くなくとも、悪い意味で印象に残りやすい。
    • 前作のバッドエンドはそれまでのシナリオの流れと矛盾しない形で描かれることが多かったが、今作のバッドエンドはシナリオの設定そのものが大きく変わってしまう事が多い(ほとんどが矛盾をはらむ超展開)。
      • 一例として、犯人を自分だと言った場合、前作では激昂した登場人物に殺されるというものだったが、本作では自白したことを褒められ、さらに外に待っていた警察に連行されるというそれまでの流れからはありえない展開になる。
  • サブシナリオの1つ「妄想篇」は、それまでのどのグロ・電波展開とも次元の異なる、本作随一の問題児シナリオ。主人公の行動も選択肢の内容も、プレイヤーを完全に置いてけぼりにする。
    • どの選択肢を選べばトゥルーエンドに至るのか全くわからない。それ以外の選択肢はほぼバッドエンド一直線、表現の過激さも一層増している。
      +  「妄想篇」のバッドエンド ※ネタバレ グロ・電波 閲覧注意
    • ただし、全てのバッドエンドを含んで一つのシナリオになっているなどその完成度は今作でも随一と言え、また、テキストの表示法、背景絵、音楽など、サウンドノベルとしての特性を非常に効果的に活かして本シナリオの狂気的な世界観を作り上げている。良い意味でも悪い意味でも他シナリオと違う前作との深い関わり方もあり、そこに起因する真相の鬱さや内容の電波さから嫌う人も多い半面、構成の巧みさや高い演出力を評価するファンは多い。

シナリオ上の問題点

+  主に「わらべ唄(ミステリー)篇」における各種設定、展開の強引な点・矛盾点

最後の隠し要素

全エンドを見るとサウンドノベルシリーズ恒例の「金の栞」が出現する。

  • これによって追加されるのは、隠しシナリオではない。プレイ中、特定箇所の画像が突然乱れ、気持ちの悪い選択肢が表示される、というもの。
    • 選択肢を選ぶと、意味深な電波文などなどが表示される不気味な演出が4パターン用意されている。
  • 出現演出を見ての通りバグを意識したものであり、全エンドを出して『2』のグロ・電波世界に浸りすぎたプレイヤーには非常に効果的なものだが、当然、前作のノリとはあまりにも毛色が違う。
  • ちなみに、その文の中で、某宗教の教祖を話題にしている。
+  参考動画:金の栞の追加選択肢

総括・余談

  • 本作のメインはグロ・電波もの、陰陽道や民間伝承を題材にした怪奇・伝奇ものであり前作における本編(ミステリー・犯人当て)はオマケ・前菜である。メインライターの変更・複数起用も含めて「同じことをやっても仕方ない」という考えからこうなったのだろうが、上記にある通り、前作ファンや「かまいたちの夜=ミステリー」と認識していた(前作の内容・本作の宣伝文句から考えて、当然であろう)プレイヤーからの反応は当然芳しくない。
  • 一方、怪奇ホラーノベルとして見た場合その出来は悪くないため(人を選ぶものであることに違いはないが)、今作からのファンやこのような内容が好きあるいは平気な人からの評価は決して低いものではない。
    • 前作と方向性が違う今作に「かまいたちの夜」の名を冠したことが賛否を分けた最大の理由と言え、「かまいたちの夜ではなくそういうホラー作品として出せばよかったのに」などという声も少なくない。
  • なお限定版には特典として、同年4月に放送されたTVドラマ版のDVDが附属しているのだが、これもアレな内容で突っ込まれていた(むしろ「2が電波な内容になりますよ」という予告だったのではないかとまで言われた)。
  • なお、次作の『かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』は、この『2』本編における設定を引き継いだ直接の続編になっている。

ラブテスター編が真かまいたちの夜の協力プレイで復活した。