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本編21」(2006/12/08 (金) 17:07:29) の最新版変更点

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*嵐の先に…… 二個目のジュエルをGETしたアイナ一行。次の目標はもちろんウェンタタウン。ルーポタシティで一夜を過ごし、次の朝早く宿を出た。暗く、沈んだシティには太陽の光さえも届かない。。 小走りでシティをぬけると、雨が降り始めた。 …どうやら嵐がきたらしい。 本などで「ザーザー」という音の例えがあるが、今の大雨でこそ相応しい。 空の雨雲はブラッキーの瞳のように黒く、周りに咲く花々はエーフィの瞳に似た、透き通った色であった。 「あ、家だ…。」 周りには他に家などは無い。草原の真ん中にポツンと一軒だけ建っているのだ。 「あの家で休ませてもらおう…」 だが、あの悪夢のような出来事が頭を過ぎった……貞○が…。 空は雲で蔽われているので地上は真っ暗。おまけに周囲には誰もいない。幽霊が出てきてもいい状況である。。 『…クシュン。』 突然声が──と思ったら、声の主はナギだった。 …宝玉の所持者の体に異常が起きると、宝玉から異常が伝わりナギを苦しめてしまうらしい。  ──つまり、私とナギは一心同体なのだ── ナギのためにも、家に入ることを決意した。   ガチャッ。 胸に響くこの音。アイナは慎重にドアを開ける… …中にはルリリとピンプク、ナエトルが居た。三匹ともとても愛嬌のある顔つきで、楽しそうにおしゃべり?している。その時─ 「マイ、ライ、エド。。 遅くなってごめん…」 …入ってきたのはおとぎ話に出てくるような、赤い頭巾をした女の子でだった。目は茶色。エプロンをしていて、手から提げているかごにはきのみがいっぱい入っている。 彼女は少し不安気、そして警戒しているようだ。目が、そう言っている。 「貴方は…だれ?」 「わ、私はアイナ。…勝手に入ってすみませんでしたっ!」 と言って出て行こうとするが、彼女は私の手を掴み 「待って。外は凄い雨だから、今日はここで休んでいって。悪い人じゃなさそうだし。」 …優しい人で助かった。これがアルス団なら、ポケモンだけ奪い取って私は外に放り出されていただろう。 ……良い匂いがしてきた。これはシチューの匂いだ。その匂いに誘われてマイとライ、エドも寄ってきた。 『いただきま~す』 アイナは寒い中を走ってきたのでとてもお腹が空いていた。女の子とは思えぬ顔つきでシチューに飛びつく。そして、それをニコニコしながら見つめる彼女… 「貴方、名前はなんていうの?」 こんなに優しくしてくれた人だ。せめて名前は覚えておかなくては。 「あたしはフィア。フォレスタウンで生まれたの。今はここで暮らしているけどね。」 なぜこんな何も無い場所に…。アイナにはどうしても分からなかった。 …フィアなりの考えがあるのだろう。それについては聞かないことにした。。 「今日はもう寝ましょう。…明日は晴れるといいね。」 「うん。おやすみ…」 そう言って、二人はベッドにもぐりこんだ。やはり、疲れていたのだろう。五分も経たぬうちに小さないびきが聞こえてきた。  ───アイナは不思議な夢を見た─── 蒼く、大きいポケモンが大地から歩み寄る紅いポケモンと戦っていた。それを見下ろす緑色の竜のようなポケモン。。 三匹の攻撃が激突した瞬間、夢が覚めた。この夢も宝玉の力なのだろうか……? フィアはもう起きていて、マイたちにエサをあげている。 外は澄み切った青空。昨日の空とは比べ物にならないほどだ。鳥ポケモンたちの声がよく聞こえる──。 昨日見た花々は赤や黄色、橙に変わっていた。暗かったので見間違えたのか、それとも花の色が一夜で変わったのか。。 「私…そろそろ行くね。」 「そっか。暇なときは遊びに来てね!」 アイナは大きく頷いた。とびっきりの笑顔を見せるフィア。……後ろ髪を引かれるように、フィアの家を出た。 『友情は永遠だよ。また会うときはライバルになってるかもね。』 そんな私を気づかってか、ナギが優しく話しかける。 そう。ナギの言う通り、友情の絆は永遠に結ばれている──── アイナは歩き出す。友との再会、そして一秒でも時を無駄にはできないから………

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