恐ろしき野望・・・ (前編)


ココナと戦い、また一つ強くなったアイナ。
人間とはこのように強くなっていくものである。
さて。パルトタウンを過ぎ、イスカシティへとたどり着いたアイナ一行。
今回はどんなことが待っているのか、そのころのアイナたちが知る術はない・・・

「あ、ホクト。久しぶり」
「おぅ。あ、父さんを紹介するよ。」
そう言われ興味本意でついてきたが・・・たどり着いたのはマジカルテント。ここにお父さんがいるとでもいうのだろうか。
・・・出てきたのは大柄だが、優しい笑顔を見せる男性。髪は青黒く、瞳はどこかホクトに似ている。
「君がアイナちゃんかい?」
「あ、はい。そうですけど・・・」
「俺の父さん、イスカシティのマジカルリーダー。カヌイさ。」
・・・そうだったのか。だからホクトと同じく、瞳に好奇心の炎が燃えていたのか。
「じゃあ話は早いわ。バトルを申し込みます!」
「お、おいっ。お前、なんか勘違いして・・・」
・・・ホクトは何言ってるのだろう。次に戦うマジカルリーダーが目の前にいるのだ。 少しでも早く挑戦したいと思うのは普通ではないか?

「ははは。元気な子だね。では、4つ目のテントに挑戦する証。3つのジュエルを見せてもらおうかな。」
────3つのジュエル。。。
・・・そうか。ここは4つ目のテントの町なのか。
ん?だが、地図には・・・
「えーっと、地図ではここが2つ目のテントだって書いてありますよ?」

「あ、それか。案内屋がルーポタシティとイスカシティを間違えたらしい。」
そうゆうことか。では、ここまでの旅の意味は・・・
「ま、レベル上げできていいんじゃん?」
はぁ。本当にホクトはお気楽でいいものだ。こんなに歩き回ってたら、誰だって疲れるって。

  ガガガガガ・・・
おや?何か機械音が。あっちは花畑のある方向だが・・・
「! まさか・・・」
ホクトが走り出した。私も慌てて後を追う。

゜。゜。゜。゜。゜。゜イスカの花畑゜。゜。゜。゜。゜。゜

「こ、これは・・・!」 「そんな・・・ひどい!」

ホクトを追いかけ花畑に来てみると、アルス団の大型機械が花畑をめちゃめちゃにしていた。
「世界の絶景ベスト10!」の花畑の花々も、車輪に踏み潰され、アームで握りつぶされ・・・どんどん消えていく!
大型機械の頭上にいるのは・・・幹部らしき男性。
見るからに偉そうで、したっぱたちをこき使っているようだ。

「なんだい君たちは。我々のすばらしい作業の見学者かい?」
「すばらしい・・・だと!?こんなに花畑を荒らしてすばらしいわけがないだろう!」
「レード様。ポムン様がお着きになりました。」
ホクトはあのレードとかいうやつを凄い形相で睨みつけている。
この花畑に、何か大切な思い出があるとでもいうのだろうか・・・
「キャー、すごーい!花畑がめちゃくちゃね。私、こうゆうの大好きー」
「あ、厚化粧。」
・・・服装は変わっていない。相変わらず全身がショッキングピンクで包まれており、髪まで・・・淡いピンクに染めたようだ。メイクも凄い。

「あー!あの時の田舎女ね~。今日こそ叩きのめしてやるんだからっ!!」
「いいわよ、厚化粧!」
なんというか・・・決まり文句?になっている。

「レディーを一人で戦わせるなんて。ポムン、我も手伝いますぞ。」
何が『レディー』だ。ここにも一人いるんだが!?
「じゃあ俺は、アイナに味方するぜ!」
心配度レベル:4/5・・・。

             ☆★バトルスタート★☆
 「クウォ~~」
ポムンはミロカロスを繰り出した。・・・HPが高い強敵である。
「ブラッキー!我らの美しさを見せて・・・」

  シュウゥゥ・・・パァン!
 「ロコ~!」
私はコンを繰り出す。もちろん、レードの話など耳には入っちゃいない。・・・ホクトも同じようだ。
 「ピジョーッ!」  「ジェット、やっちまえ!!」
ジェット・・・ピジョットだ。大きな翼に、頭の鶏冠。(?) どこか、凛々しい面影がある。
「おい!人の話は最後まで・・・」

「かえんほうしゃ!」  「ボオォォ~!」
「かぜおこしだ!」  「ビュウゥ~~」
・・・やはり耳に入っていない。
 炎が風に乗り、二匹に当たったと見えたが・・・

「ミラーコートで防ぐのよ!」
     キィーン
当たるどころか、攻撃が跳ね返ってきた。
ミラーコートで威力はが2倍になっている。

  ド──ン!
まともにくらってしまった。大丈夫だろうか・・・?
「ロ、ロコォ・・・」  「ピジョ・・・」
  バタンッ。
倒れたのは・・・ジェットだ。コンは、フラフラだが何とか持ちこたえている。

「ジェット・・・ ラィ、お前の出番だ!」
「プワワァ~」
フワライドである。あの×の口がちょっとかわいい。
こんなポケモン、どこで捕まえてくるのだろうか・・・

「コン、おにびよ!」  「あやしいかぜだ!」
・・・まただ。怪しい色の風が、これまた怪しい光をまとった炎を相手全体に飛ばした。

「ウォーターウォールよ!」
・・・ん!? 聞いたことのない技がきた。技リストに載っていただろうか?
「waterwall=水の壁。
これは、ほのお技による攻撃のダメージを防いでくれる、アルス団特製技マシンよ!」

「・・・じゃあ、先制攻撃すればいいのよ。厚化粧~ コン、しんそく!」  「シュシュッ!」

 クリティカルヒット!(急所に当たった!)

  ドシ~ン・・・
ミロカロスは倒れた。レベルの差が鍵となっとようだ。
「さっきから無視し続けて~。ブラッキー、あくのはど・・・」
「コン、フルパワーでだいもんじ!」
「ラィ。たつまきだ!」
「ボオォォォ~!!」   「ビュウゥゥ~~!」
! 「大」の字の炎が竜巻で、羊のような小さくて丸い姿に変わってゆく・・・
「ナ、ナミ!? よし。そのまま行け──!!」
ナミ・・・とはなんだろう。『波』か?それとも『並』か??
・・・炎はホクトの声に反応するように巨大化し、ブラッキーを襲った!

   ドオォォン!!

「ブララ・・・」 バタッ。 ブラッキーを倒した!
・・・レードの表情は変わっていない。 悔しく(悲しく)ないのか?

「炎の姿が変わるなんて。あなた、エスパーなのっ!?」
「あれ・・・? あの炎はシェイミ、シェイミだったぞ!?」

シェイミ・・・聞いたことがあるような。確か、花と命を共にし、その小さな体からは考えられないようなものすごい再生能力を持っているという。
頭の花が枯れたら、その命も尽きてしまうそうだ。

「でも、なぜシェイミの姿が? 実物はこんなに探しても見つからないのに。」
「・・・なぜそこまでして、シェイミを探すんだ?」
「ふふふ。それはね・・・」
最終更新:2006年12月08日 17:01