ポケモンショーは大騒ぎ!【2】


まほうかい唯一の港がある街、ウェンタタウン。
今、行われているのは水を操るアクアピエロたちのショーである。
今回は特別ゲストとしてマジカルリーダーのライムも駆けつけ、ショーは大盛り上がり。ステージの周りは、観客たちの楽しそうな笑い声であふれかえっている。
その中央に居るのがホクトとライム。ホクトの目は“早くバトルしようぜ!”と訴えているようにも見える。だが、冷静沈着なライムはその目線を無視して(気づいていない?)おどおどしているピエロに
「普通のバトルじゃつまらないです。ショーを取り入れたバトルをしましょう」
と言うとピエロは姿勢を整え、手元のボタンを押した。
すると、ステージが二つに割れて小さな湖が現れた。
「では~ 水上バトルに変更しま~す。ルールは簡単!お互いにポケモンを二体出して、水上ステージでバトルしてもらいます。周りからは…」
「よっしゃぁ~! ロネ、エル頼んだぞ!!」  シュウゥゥ…パァン!
…ピエロの話を聞いちゃいない。さすがのピエロも困り顔、ライムは苦笑いしている。
ロネ、とは先ほどのオムナイトである。化石から復元したのか?
エルは…ホクトのパートナー、マニューラ。結構Lvが高い。50Lvほどだろうか。
一方、ライムのポケモンはニョロトノとキルリアだ。
ニョロトノは相変わらずピョンピョンと跳ね回っている。
…キルリアは、きりっとした目つきで精神統一?をしているようだ。ニョロトノとは正反対。
「では、私から。ニョロトノ、バブルこうせん。 キルリアはサイコキネシスよ」
ニョロトノが放った無数の泡はホクトの方ではなく…上空へと舞い上がった。その泡をキルリアが操っている。見事な連係プレイだ。
その無数の泡の中にニョロトノが飛び込んだ。
すると、愉快な行進曲がながれだしピエロのウパーやルリリ、ケイコウオやトサキントが続々と集まってきた。
そして、空中に浮かぶ泡に吸い込まれるように入っていく。その不思議な光景を見て、ホクトも開いた口が閉まらない。
最後に審判のピエロが出したミロカロスはとても美しく、思わず見とれてしまうほどであった。
ホクトは気をとり直し
「ロネ、お前も泡に入ってニョロトノを追ってくれ。エルはキルリアにれいとうパンチだ!」
ロネは泡へ飛び込み、エルはキルリアに向かっていった…しかし
「キルリア。あの泡の操術をはずして、オムナイトを落とすのよ。」  「キィールゥー。」
キルリアが少し力を弱めると、オムナイトの入っていた泡が消え、
中のオムナイトだけが落ちてきた。
 バシャ~ン。
運が良く、水の上に落ちたのでダメージは減ったが・・・いや、安心している暇はなかった。
「キルリア、敵の動きを封じて。」  キイィィン……
すると、エルとロネは固まってしまいピクリとも動かない。いや、動けないのである。 その時──

  ドオォォォ~ン!!!

ニョロトノから凄まじい威力の水の光線が発射された。…ハイドロカノンだ。
もちろん、エルとロネは動けない…
  ザバァ~ン!
まともにくらってしまった…ホクトはとても悔しそうな表情を見せている。誰だって、手も足も出ない状況なら悔しくなるであろう。自分の無力さに。
 バタンッ。  ロネは倒れてしまった。エルはフラフラしているが何とか持ちこたえている。
その時、観客の波?の中から黄緑色で透き通るような綺麗な石が転がってきた。キルリアがその石に触れた瞬間!

 ピカ─────ッ!!

キルリアがまぶしい光を放った。進化だ! 観客たちの視線の元、キルリアは光の中で姿を変えていった…
そして…現れたのはエルレイド。見た目だけでも強そうである。エルは勝てるのか………??
最終更新:2006年12月08日 17:08