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野望のはじまり……?」(2009/05/23 (土) 15:47:01) の最新版変更点

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**第4話 野望のはじまり……? 「ヒィッヒッヒッヒ……こいつぁ上等じゃねぇか……」 ノートンは、森の中、一人自分の幸運にほくそえんでいた。 彼が今、手にとっているのはいわゆる一つの銃。しかもフェイズガンだった。 フェイズガンは文明惑星で育った彼にとっては得物中の得物であり、事実彼はフェイズガンを用いて未開惑星の一集落の住民を脅して自らの支配下に置いていたこともあった。 ……ただし、その支配もとある青年達によって見事に打ち砕かれたわけだが。 「うるせぇよ! あれはたまたまだ! たまたまクラウストロなんていう馬鹿げた野郎が来たからで……」 誰に言うでもなくノートンは虚空に怒鳴る。 だが、すぐにその顔は歪んだ笑顔へと変わる。 「今回はヘマしねぇぜ。こいつでオレ様はこの島を支配してやる。あのルシファーっていけすかねぇ野郎だってこれさえあれば……」 そして、ノートンは立ち上がる。 「これさえあれば、今度こそオレ様によるオレ様のためのオレ様だけの王国を復活させられるぜ! ヒャーッハッハッハッハ!!!!」 その高笑いは島中に響くかのごとく勢いで、それは当然ながら、誰か第三者にも聞こえるわけで。 「ほぅ、お前はこのゲームに乗っているのか」 「ヒャーッハッハッ……は? ――!!」 突然背後から聞こえてきた声に、ノートンは慌てて振り返る。 すると、そこに立っていたのは長身の剣士――ディアス・フラックだった。 「だ、誰だテメェ!」 「お前に名乗る名前などない。それよりも……」 そう言うと、ディアスは独特の形状をした一対の短刀――護身刀“竜穿”を両手に持ち、構える。 「お前が誰かを傷つけようとするのなら、俺は黙って見過ごせん」 「ヒィッ!!」 そして、短刀をノートンに向かって振りかざすが、ノートンはそれを間一髪のところで避ける。 「あ、危ねぇ……。何しやがる!!」 「外したか……、次こそは――!」 「く、来るんじゃねぇよ!!」 迫り来るディアスに向かって、ノートンはフェイズガンを構えそして引き金を引く――が。 「あ、あぁ? 何だこいつ!? う、動かな――」 何度引き金を引いてもフェイズガンから光線が発せられることは無かった。 それもそのはずで、そのフェイズガンはいわゆる一つの失敗作、無稼動銃だったのだ。 だが、それに気づくのが遅かったようで―― 「ギャアア!!!」 ノートンはディアスの斬撃により、大量の血を噴き出し倒れた。 ……だが、運良くか悪くか即死は免れたようで、彼はよたよたと立ち上がる。 「ヒィ、ヒィ……お、オレ様の……オレ様による……オレ様だけの王国が…………」 「諦めろ。せめて苦しまないように逝かせてやる」 再度短刀を構えるディアス。 ――しかし、その時。 「ディアス? ディアスなの!?」 ノートンのものではない懐かしい声。 ディアスは茂みの向こうから聞こえてきたそんな声に反応して、そちらを向いてしまう。 すると、茂みから出てきたのは……。 「レナ……」 「やっぱり、ディアスだったのね! よかったぁ、無事で……」 幼馴染である少女レナ・ランフォード。 ディアスは彼女と生きて再開できたことについてひとまず安堵する。 だが、その安堵は同時に隙を作ってしまったわけで、彼はその場から走り去るノートンの足音に気づくのが遅れてしまった。 ふと振り返るとノートンは既にそこにおらず、その場には白い霧が残るばかり。 恐らく霧の向こうに逃げたのであろう。 ディアスは、僅かにその無表情な顔を悔しそうに歪めた。 「ディアス…………」 そして、状況が飲み込めないでいたレナはそこに立ち尽くすのみだった――。 「銃は動かねぇし、いきなり変な野郎に斬られるし……どこまでツイてねぇんだよ、オレ様は!!」 ノートンが斬られた腕を押さえながら、手負いとは思えない素早さで白い霧の中を走り抜ける。 確かに彼はツイていないだろう。 だが、そんな彼にも一つだけ幸運があった。――それが、マジックミストという支給品の存在。 この逃走補助アイテムがあったからこそ、彼は手負いながらもディアスから逃亡することが出来たのだ。 だが、今の彼にはそれを認識する余裕は無いらしく。 「くそっ!! オレ様は諦めねぇぞ! オレ様のオレ様によるオレ様だけの為の島をつくるっつう野望を達成するまではなぁ!!」 ノートンのそんな叫びは白い霧の中に響き渡った……。 【G-5/朝】 【ノートン】[MP残量:100%] [状態:右腕と胸部に深い裂傷] [装備:無稼動銃@SO3] [道具:マジックミスト・????←本人確認済 荷物一式] [行動方針:オレ様のオレ様によるオレ様だけの為の王国の樹立] [思考1:参加者の屈服] [思考2:上記が不可能な場合には殺害] [現在位置:G-5 南方へ逃走中] 【ディアス・フラック】[MP残量:100%] [状態:悔しい] [装備:護身刀“竜穿”@SO3] [道具:????・????←本人確認済み 荷物一式] [行動方針:ゲームに乗った参加者の始末] [思考1:レナを最優先に保護] [現在位置:G-5 林の中] 【レナ・ランフォード】[MP残量:100%] [状態:呆然] [装備:無し] [道具:????・????←本人未確認 荷物一式] [行動方針:死にたくない] [思考1:ディアスと一緒にいたい] [思考2:仲間と合流したい] [現在位置:G-5 林の中] 【残り60人】 ---- [[第3話>受難]]← [[戻る>本編SS目次]] →[[第5話>己の往く道]] |前へ|キャラ追跡表|次へ| |―|ノートン|[[第34話>見えない不幸]]| |―|ディアス|[[第59話>幸運と不幸は紙一重?]]| |―|レナ|[[第59話>幸運と不幸は紙一重?]]|
**第4話 野望のはじまり……? 「ヒィッヒッヒッヒ……こいつぁ上等じゃねぇか……」 ノートンは、森の中、一人自分の幸運にほくそえんでいた。 彼が今、手にとっているのはいわゆる一つの銃。しかもフェイズガンだった。 フェイズガンは文明惑星で育った彼にとっては得物中の得物であり、事実彼はフェイズガンを用いて未開惑星の一集落の住民を脅して自らの支配下に置いていたこともあった。 ……ただし、その支配もとある青年達によって見事に打ち砕かれたわけだが。 「うるせぇよ! あれはたまたまだ! たまたまクラウストロなんていう馬鹿げた野郎が来たからで……」 誰に言うでもなくノートンは虚空に怒鳴る。 だが、すぐにその顔は歪んだ笑顔へと変わる。 「今回はヘマしねぇぜ。こいつでオレ様はこの島を支配してやる。あのルシファーっていけすかねぇ野郎だってこれさえあれば……」 そして、ノートンは立ち上がる。 「これさえあれば、今度こそオレ様によるオレ様のためのオレ様だけの王国を復活させられるぜ! ヒャーッハッハッハッハ!!!!」 その高笑いは島中に響くかのごとく勢いで、それは当然ながら、誰か第三者にも聞こえるわけで。 「ほぅ、お前はこのゲームに乗っているのか」 「ヒャーッハッハッ……は? ――!!」 突然背後から聞こえてきた声に、ノートンは慌てて振り返る。 すると、そこに立っていたのは長身の剣士――ディアス・フラックだった。 「だ、誰だテメェ!」 「お前に名乗る名前などない。それよりも……」 そう言うと、ディアスは独特の形状をした一対の短刀――護身刀“竜穿”を両手に持ち、構える。 「お前が誰かを傷つけようとするのなら、俺は黙って見過ごせん」 「ヒィッ!!」 そして、短刀をノートンに向かって振りかざすが、ノートンはそれを間一髪のところで避ける。 「あ、危ねぇ……。何しやがる!!」 「外したか……、次こそは――!」 「く、来るんじゃねぇよ!!」 迫り来るディアスに向かって、ノートンはフェイズガンを構えそして引き金を引く――が。 「あ、あぁ? 何だこいつ!? う、動かな――」 何度引き金を引いてもフェイズガンから光線が発せられることは無かった。 それもそのはずで、そのフェイズガンはいわゆる一つの失敗作、無稼動銃だったのだ。 だが、それに気づくのが遅かったようで―― 「ギャアア!!!」 ノートンはディアスの斬撃により、大量の血を噴き出し倒れた。 ……だが、運良くか悪くか即死は免れたようで、彼はよたよたと立ち上がる。 「ヒィ、ヒィ……お、オレ様の……オレ様による……オレ様だけの王国が…………」 「諦めろ。せめて苦しまないように逝かせてやる」 再度短刀を構えるディアス。 ――しかし、その時。 「ディアス? ディアスなの!?」 ノートンのものではない懐かしい声。 ディアスは茂みの向こうから聞こえてきたそんな声に反応して、そちらを向いてしまう。 すると、茂みから出てきたのは……。 「レナ……」 「やっぱり、ディアスだったのね! よかったぁ、無事で……」 幼馴染である少女レナ・ランフォード。 ディアスは彼女と生きて再開できたことについてひとまず安堵する。 だが、その安堵は同時に隙を作ってしまったわけで、彼はその場から走り去るノートンの足音に気づくのが遅れてしまった。 ふと振り返るとノートンは既にそこにおらず、その場には白い霧が残るばかり。 恐らく霧の向こうに逃げたのであろう。 ディアスは、僅かにその無表情な顔を悔しそうに歪めた。 「ディアス…………」 そして、状況が飲み込めないでいたレナはそこに立ち尽くすのみだった――。 「銃は動かねぇし、いきなり変な野郎に斬られるし……どこまでツイてねぇんだよ、オレ様は!!」 ノートンが斬られた腕を押さえながら、手負いとは思えない素早さで白い霧の中を走り抜ける。 確かに彼はツイていないだろう。 だが、そんな彼にも一つだけ幸運があった。――それが、マジックミストという支給品の存在。 この逃走補助アイテムがあったからこそ、彼は手負いながらもディアスから逃亡することが出来たのだ。 だが、今の彼にはそれを認識する余裕は無いらしく。 「くそっ!! オレ様は諦めねぇぞ! オレ様のオレ様によるオレ様だけの為の島をつくるっつう野望を達成するまではなぁ!!」 ノートンのそんな叫びは白い霧の中に響き渡った……。 【G-5/朝】 【ノートン】[MP残量:100%] [状態:右腕と胸部に深い裂傷] [装備:無稼動銃@SO3] [道具:マジックミスト・????←本人確認済 荷物一式] [行動方針:オレ様のオレ様によるオレ様だけの為の王国の樹立] [思考1:参加者の屈服] [思考2:上記が不可能な場合には殺害] [現在位置:G-5 南方へ逃走中] 【ディアス・フラック】[MP残量:100%] [状態:悔しい] [装備:護身刀“竜穿”@SO3] [道具:????・????←本人確認済み 荷物一式] [行動方針:ゲームに乗った参加者の始末] [思考1:レナを最優先に保護] [現在位置:G-5 林の中] 【レナ・ランフォード】[MP残量:100%] [状態:呆然] [装備:無し] [道具:????・????←本人未確認 荷物一式] [行動方針:死にたくない] [思考1:ディアスと一緒にいたい] [思考2:仲間と合流したい] [現在位置:G-5 林の中] 【残り60人】 ---- [[第3話>受難]]← [[戻る>本編SS目次]] →[[第5話>己の往く道]] |前へ|キャラ追跡表|次へ| |―|ノートン|[[第34話>見えない不幸]]| |―|ディアス|[[第59話>幸運と不幸は紙一重? ]]| |―|レナ|[[第59話>幸運と不幸は紙一重? ]]|

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