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少女と猛者」(2007/01/27 (土) 14:27:28) の最新版変更点

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**第6話 少女と猛者 「ハァックション!」 「ん?風邪でも引いたの?」 「いや・・・誰かが俺の噂でもしてるんじゃねぇか?」 源五郎池付近で話をしているのは、アリューゼとプリシス・F・ノイマンの二人である。 二人はスタート直後に、池の周辺ですぐに出会った。 プリシスは最初、得体の知れない強面のアリューゼに対して少し警戒していたが、 当のアリューゼは女で、しかも子供のプリシスに攻撃を仕掛けるつもりは毛頭無かった。 アリューゼは「とりあえずは自衛の為に一緒に行動しないか」と持ちかけ、その旨を聞いたプリシスは 半信半疑ながらも警戒を解いて、アリューゼの案を飲むことにしたのだ。 (あいつ、さっきから何やってるんだ・・・?) プリシスのデイパックの中にあった鉄パイプのグリップ感を確かめながら、アリューゼはプリシスのしている作業を見ていた。 彼がそう思うのも無理はない。 互いの荷物を確認している最中、自分のデイパックの中の腕のような物体を見た瞬間にそれを取り出し、 今までずっとその物体に対して、プリシス本人のデイパックから取り出した道具で何かを施しているのである。 正直、アリューゼにはプリシスが何をやっているのかさっぱり理解できない。 ただ一つ分かるのは、プリシスが意気揚々と作業をしているということだけだ。 「え~と、そこのマイナスドライバー取ってくれるかな?」 鉄製の腕のような物体を平面に近い岩の上でいじりながら、プリシスが自分の荷物を指差す。 やれやれ、と思いながらアリューゼはプリシスの持っていたデイパックの前にしゃがみこみ、中を漁り始めた。 「まいなすどらいばあ?・・・どれだ?」 「今、あたしが持ってるやつの先端が一の字になってるやつ」 あぁこれか、とデイパックの底にあったマイナスドライバーを掴む。 「ほらよっ」 投げられたマイナスドライバーを左手で受け取るプリシス。 「さ~んきゅ♪」 礼を言いながらもプリシスの作業する手は止まらない。 そんなプリシスを見ながらふと、頭にとある王女――ジェラードの顔が思い浮かぶ。 (あいつは無事なのか・・・?後先考えず突っ走る奴だからな) このプリシスという少女も、ジェラードと同じ位の年齢だろうか。 見た感じ、あまり戦闘は得意そうではないようだ。 容姿や服装は全く違うが、なんとなく放っておくとジェラードと同じで危なっかしい事をやらかすような・・・そんな気がする。 「後はここを閉めて、もうちょっとで・・・・・・よぅし、修理完了!」 額にかいた汗を拭って、プリシスはその修理した物体――マグナムパンチを右手に装着した。 「おい、それって武器か?」 「そうだよ、すっごく強いんだからっ」 ただの鉄の義手じゃねえか、含み笑いをしながらアリューゼは思った。 それなりに腕力がある人間が使うのならばともかく、プリシスの様な華奢な人間が使ったところで威力はたかが知れている。 少なくともプリシスの言う「すっごく強い」武器には間違いなく見えない。 「何で笑うのよ・・・あ~!信じてないでしょ!くっそ~、こうなったら見てろよ~!」 そう言うとプリシスは、先ほどまでマグナムパンチを修理していた岩に振り返る。 その場違いな天真爛漫さを、アリューゼは微笑ましく感じた。 これからこの島は間違いなく恐怖と殺戮と疑心暗鬼が支配する戦場になるだろう。 綺麗事を並べていては足元を掬われるのは目に見えている。 だが、可能な限りこの少女に人は殺させたくないし、死んでも欲しくない。 もう目の前で後味の悪い死に方をされるのは御免だ。 そう、あの時のジェラードのように・・・ (お姫様のお守りはこれで二度目か・・・まあ、それも悪くな・・・) バギャァァァン!! 「うおぉ!」 あまりの衝撃音に、アリューゼは思わずたじろぐ。 そして音の鳴った方向を見てみると、目の前に存在した筈の岩が消え、代わりに無数の破片が散乱していた。 予想外の出来事に空いた口が塞がらない、という感じのアリューゼに対して、プリシスは満面の笑みで言った。 「どうだ!これですっごく強いって分かった?」 ・・・どうやら、今回のお姫様は暴れん坊どころの騒ぎではないようだ。 彼女に振り回される光景を想像するだけで、アリューゼは頭痛に悩まされそうだった。 【H-6/朝】 【プリシス・F・ノイマン】[MP残量:100%] [状態:正常] [装備:マグナムパンチ@SO2] [道具:ドレメラ工具セット@SO3・????←本人&アリューゼ確認済 荷物一式] [行動方針:現在は自衛だが、具体的な行動は決めていない] [思考1:アリューゼと行動を共にする] [思考2:殺し合いをあまり自覚していない] [現在位置:H-6 源五郎池付近] 【アリューゼ】 [状態:先行きに対する不安] [装備:鉄パイプ@SO3] [道具:????←本人&プリシス確認済 荷物一式] [行動方針:現在は自衛だが、具体的な行動は決めていない] [思考1:プリシスを守る] [思考2:必要とあらば殺人は厭わない] [思考3:可能ならばジェラードの安否の確認] [現在位置:H-6 源五郎池付近] ※岩を叩き割った時の音は、周辺が静かであれば隣のエリアまで聞こえたと思ってください 【残り59人】 ---- [[第5話>己の往く道]]← [[戻る>本編SS目次]] →[[第7話>あなたならどちらを選ぶ?]] |前へ|キャラ追跡表|次へ| |―|プリシス|―| |―|アリューゼ|―|
**第6話 少女と猛者 「ハァックション!」 「ん?風邪でも引いたの?」 「いや・・・誰かが俺の噂でもしてるんじゃねぇか?」 源五郎池付近で話をしているのは、アリューゼとプリシス・F・ノイマンの二人である。 二人はスタート直後に、池の周辺ですぐに出会った。 プリシスは最初、得体の知れない強面のアリューゼに対して少し警戒していたが、 当のアリューゼは女で、しかも子供のプリシスに攻撃を仕掛けるつもりは毛頭無かった。 アリューゼは「とりあえずは自衛の為に一緒に行動しないか」と持ちかけ、その旨を聞いたプリシスは 半信半疑ながらも警戒を解いて、アリューゼの案を飲むことにしたのだ。 (あいつ、さっきから何やってるんだ・・・?) プリシスのデイパックの中にあった鉄パイプのグリップ感を確かめながら、アリューゼはプリシスのしている作業を見ていた。 彼がそう思うのも無理はない。 互いの荷物を確認している最中、自分のデイパックの中の腕のような物体を見た瞬間にそれを取り出し、 今までずっとその物体に対して、プリシス本人のデイパックから取り出した道具で何かを施しているのである。 正直、アリューゼにはプリシスが何をやっているのかさっぱり理解できない。 ただ一つ分かるのは、プリシスが意気揚々と作業をしているということだけだ。 「え~と、そこのマイナスドライバー取ってくれるかな?」 鉄製の腕のような物体を平面に近い岩の上でいじりながら、プリシスが自分の荷物を指差す。 やれやれ、と思いながらアリューゼはプリシスの持っていたデイパックの前にしゃがみこみ、中を漁り始めた。 「まいなすどらいばあ?・・・どれだ?」 「今、あたしが持ってるやつの先端が一の字になってるやつ」 あぁこれか、とデイパックの底にあったマイナスドライバーを掴む。 「ほらよっ」 投げられたマイナスドライバーを左手で受け取るプリシス。 「さ~んきゅ♪」 礼を言いながらもプリシスの作業する手は止まらない。 そんなプリシスを見ながらふと、頭にとある王女――ジェラードの顔が思い浮かぶ。 (あいつは無事なのか・・・?後先考えず突っ走る奴だからな) このプリシスという少女も、ジェラードと同じ位の年齢だろうか。 見た感じ、あまり戦闘は得意そうではないようだ。 容姿や服装は全く違うが、なんとなく放っておくとジェラードと同じで危なっかしい事をやらかすような・・・そんな気がする。 「後はここを閉めて、もうちょっとで・・・・・・よぅし、修理完了!」 額にかいた汗を拭って、プリシスはその修理した物体――マグナムパンチを右手に装着した。 「おい、それって武器か?」 「そうだよ、すっごく強いんだからっ」 ただの鉄の義手じゃねえか、含み笑いをしながらアリューゼは思った。 それなりに腕力がある人間が使うのならばともかく、プリシスの様な華奢な人間が使ったところで威力はたかが知れている。 少なくともプリシスの言う「すっごく強い」武器には間違いなく見えない。 「何で笑うのよ・・・あ~!信じてないでしょ!くっそ~、こうなったら見てろよ~!」 そう言うとプリシスは、先ほどまでマグナムパンチを修理していた岩に振り返る。 その場違いな天真爛漫さを、アリューゼは微笑ましく感じた。 これからこの島は間違いなく恐怖と殺戮と疑心暗鬼が支配する戦場になるだろう。 綺麗事を並べていては足元を掬われるのは目に見えている。 だが、可能な限りこの少女に人は殺させたくないし、死んでも欲しくない。 もう目の前で後味の悪い死に方をされるのは御免だ。 そう、あの時のジェラードのように・・・ (お姫様のお守りはこれで二度目か・・・まあ、それも悪くな・・・) バギャァァァン!! 「うおぉ!」 あまりの衝撃音に、アリューゼは思わずたじろぐ。 そして音の鳴った方向を見てみると、目の前に存在した筈の岩が消え、代わりに無数の破片が散乱していた。 予想外の出来事に空いた口が塞がらない、という感じのアリューゼに対して、プリシスは満面の笑みで言った。 「どうだ!これですっごく強いって分かった?」 ・・・どうやら、今回のお姫様は暴れん坊どころの騒ぎではないようだ。 彼女に振り回される光景を想像するだけで、アリューゼは頭痛に悩まされそうだった。 【H-6/朝】 【プリシス・F・ノイマン】[MP残量:100%] [状態:正常] [装備:マグナムパンチ@SO2] [道具:ドレメラ工具セット@SO3・????←本人&アリューゼ確認済 荷物一式] [行動方針:現在は自衛だが、具体的な行動は決めていない] [思考1:アリューゼと行動を共にする] [思考2:殺し合いをあまり自覚していない] [現在位置:H-6 源五郎池付近] 【アリューゼ】 [状態:先行きに対する不安] [装備:鉄パイプ@SO3] [道具:????←本人&プリシス確認済 荷物一式] [行動方針:現在は自衛だが、具体的な行動は決めていない] [思考1:プリシスを守る] [思考2:必要とあらば殺人は厭わない] [思考3:可能ならばジェラードの安否の確認] [現在位置:H-6 源五郎池付近] ※岩を叩き割った時の音は、周辺が静かであれば隣のエリアまで聞こえたと思ってください 【残り59人】 ---- [[第5話>己の往く道]]← [[戻る>本編SS目次]] →[[第7話>あなたならどちらを選ぶ?]] |前へ|キャラ追跡表|次へ| |―|プリシス|[[第34話>見えない不幸]]| |―|アリューゼ|[[第34話>見えない不幸]]|

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