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**明後日の方向 シンは怒っていた。 この憤怒に身を任せ、自分を襲った奴を殺すため追い縋ろうとするが、 翼を破られ地を歩くことしかできなくなった状態では追い着くことは難しい。 奴らにつけられた傷とて、放って置けるほどの軽症というわけでも無さそうだ。 仕方なく、地図を見直してどこか休めそうな拠点を捜す事にする。 (北のほうに一つ、それと東にも大きな建物があるようですね  潜伏するにせよ治療をするにせよ大きな建物の方が都合がよいのですが、  今の状態で他の参加者と接触するのは望ましくありません。  先程の女程度ならどうとでもできるでしょうが、そこそこの使い手がいると危ないですし  何より、先程の相手がそこに向かわないとも限りません) その大きな建物で先程自分の邪魔をした参加者を待ち伏せする、という考えも相当に魅力的に思えたが、 今の自分の体のことを思い出し、怪我の処置と休息をとることが先決と判断する。 そしてシンは黙々と北にある建物へと歩き出した。 右手の凍傷が痛む。 体の所々が火傷で痛む。 羽ばたく事ができず地面に引き摺るしかない翼が痛む。 (許しませんよぉ、この私が人間如きにこれほどの屈辱を与えられるとは………  この借りは後ほどきっちりと返させて貰いますからねぇ) シンは女を襲ったときに突然出てきた弓男に負けたつもりは無い。 奴らは逃げてしまったが、あのまま続けていれば勝っていたのは自分だろうし、 何より自分はまだ生きている。生きている限りそれは敗北では無い。 だから翼が破られ地べたを這いつくばろうとも、 この憎しみを忘れずにいつか相応の復讐をする事を誓う。 それらの憎しみで心を滾らせながら歩き続け、ふと、顔を上げればそこには一つの小屋が建っている。 (意外と、早くつきましたか) 木製の、それ程広くないボロ小屋だったが文句は言えない。 シンはそのまま中に入り、まず怪我の治療をする。 体や翼にできた火傷痕を水で冷やし、 凍傷の部分は暖めた後ほぐして血行を良くし、 翼の破れた部分も何とか繕う。 そして、シンは薄暗い小屋の中でじっと息を潜めて回復に努めることにした。 どれほどの間、この小屋の片隅で蹲っていたでしょうか、 いえ時間にすればそれほど経っていなかったのかもしれません。 私は小屋に近づいてくる獲物の気配を敏感に感じ取ります。 見ずとも分かるその圧倒的な威圧感。 正に、相当の手練なのでしょう。 私のような見た目通りの魔物では何も聞き入れられず殺されることでしょう。 しかし、そのような強者といえど不意を撃たれれば案外弱いもの だが今の私の体では最初の一撃で決められなければ逃げることすらできません。 一瞬で仕留めるため、 飛び掛りやすい位置に動き、 この体を緊張に震わせ 来るべき勝利を待ち受ける!  ギィ、ギィィィィ 小屋の扉が、音を立ててゆっくりと開こうとしています!  今です! 私は必殺の一撃を持って小屋へと入ってくる人物へと飛び掛り……飛び掛り………飛び掛り………… 私は気がつけば土下座をしていたのです。 な、何を言っているのか分からないと思いますが 私も何をされたのか分かりません。 頭がどうにかなってしまいそうです。 あれは圧倒的な威圧感だとか、超スピードだとかいったチャチなものzy……げふんげふん、 ともかく私はその男を前に震える事しかできず、 なお土下座をしながらも、 聞かれたことには正直に答え、 物欲しげにバッグを見られれば全て差し出し、 ついてくるか? と聞かれたときには 卒倒しながらも怪我を理由に断らせてもらう始末。 そして男は 「我は鎌石村へゆく、汝も死なぬ様せいぜい気をつけるがよい」 そう言って扉を開け小屋から出ていきました。 男が段々と小屋から離れていくのを確かめて、私はようやく生きた心地がします。 そして生まれて初めて、真の敗北とはどういうものかを知ったのです。 「陽射しが強くなってきたな、少々急ぐとしよう」 そう言って先程出会った参加者のことを思い浮かべる。 「それにしても、中々できたやつであった。  ただの一目で我の不死者王としての高貴さと、圧倒的な実力とを見抜くとはな………  このゲームが終わりまだ生きているようであれば我が配下に加えてやっても良いかも知れぬな」 高貴なる不死者王はゆく、 脅威的な実力を持ち、 圧倒的な威圧感を隠そうともせず 頭に老年男性の禿げ鬘を着け 片手には浣腸を握り締める ブラムスはゆく。 無限の恐怖を振りまいて。 【C-06/昼】 【不死王ブラムス】[MP残量:100%] [状態:正常。本人は大真面目に支給品を着用] [装備:波平のヅラ@現実世界、トライエンプレム@SO] [道具:バブルローション入りイチジク浣腸@現実世界+SO2、???←本人確認済み、荷物一式×2] [行動方針:ひとまず情報を収集し今後の方針を決定する(特に夜間は積極的に行動)] [思考1:鎌石村に向かい、他の参加者との接触を試みる] [思考2:敵対的な参加者は容赦なく殺す] [思考3:可能であればレナスと接触する] [思考4:直射日光下での戦闘は出来れば避ける] [現在位置:観音堂周辺] 【シン】[MP残量:100%] [状態:右手にケガ+重度の凍傷(処置済)、翼と体に火傷(処置済)、     翼膜に穴(処置済 飛べないことは無いですがすぐに落ちるでしょう)] [装備:なし] [道具:なし] [行動方針:人生について些か迷っているようです] [思考1:いつか必ず自分に屈辱を与えた人間(ルーファス)を殺す?] [思考2:怪我が癒えるまで観音堂の中で参加者を待ち伏せ?] [思考3:ガブリエルとミカエルとの戦闘は避ける] [現在位置:観音堂内部] 【残り55人】 ---- [[第37話>フィリア]]← [[戻る>本編SS目次]] →[[第39話>ホテルの跡の眠り姫、王子はきっとやってくる]] |前へ|キャラ追跡表|次へ| |[[第30話>終着点の違う二人]]|シン|[[第65話>使い捨て]]| |[[第27話>その男、変質者につき――]]|ブラムス|[[第69話>美女と野獣と変態と]]|
**第38話 明後日の方向 シンは怒っていた。 この憤怒に身を任せ、自分を襲った奴を殺すため追い縋ろうとするが、 翼を破られ地を歩くことしかできなくなった状態では追い着くことは難しい。 奴らにつけられた傷とて、放って置けるほどの軽症というわけでも無さそうだ。 仕方なく、地図を見直してどこか休めそうな拠点を捜す事にする。 (北のほうに一つ、それと東にも大きな建物があるようですね  潜伏するにせよ治療をするにせよ大きな建物の方が都合がよいのですが、  今の状態で他の参加者と接触するのは望ましくありません。  先程の女程度ならどうとでもできるでしょうが、そこそこの使い手がいると危ないですし  何より、先程の相手がそこに向かわないとも限りません) その大きな建物で先程自分の邪魔をした参加者を待ち伏せする、という考えも相当に魅力的に思えたが、 今の自分の体のことを思い出し、怪我の処置と休息をとることが先決と判断する。 そしてシンは黙々と北にある建物へと歩き出した。 右手の凍傷が痛む。 体の所々が火傷で痛む。 羽ばたく事ができず地面に引き摺るしかない翼が痛む。 (許しませんよぉ、この私が人間如きにこれほどの屈辱を与えられるとは………  この借りは後ほどきっちりと返させて貰いますからねぇ) シンは女を襲ったときに突然出てきた弓男に負けたつもりは無い。 奴らは逃げてしまったが、あのまま続けていれば勝っていたのは自分だろうし、 何より自分はまだ生きている。生きている限りそれは敗北では無い。 だから翼が破られ地べたを這いつくばろうとも、 この憎しみを忘れずにいつか相応の復讐をする事を誓う。 それらの憎しみで心を滾らせながら歩き続け、ふと、顔を上げればそこには一つの小屋が建っている。 (意外と、早くつきましたか) 木製の、それ程広くないボロ小屋だったが文句は言えない。 シンはそのまま中に入り、まず怪我の治療をする。 体や翼にできた火傷痕を水で冷やし、 凍傷の部分は暖めた後ほぐして血行を良くし、 翼の破れた部分も何とか繕う。 そして、シンは薄暗い小屋の中でじっと息を潜めて回復に努めることにした。 どれほどの間、この小屋の片隅で蹲っていたでしょうか、 いえ時間にすればそれほど経っていなかったのかもしれません。 私は小屋に近づいてくる獲物の気配を敏感に感じ取ります。 見ずとも分かるその圧倒的な威圧感。 正に、相当の手練なのでしょう。 私のような見た目通りの魔物では何も聞き入れられず殺されることでしょう。 しかし、そのような強者といえど不意を撃たれれば案外弱いもの だが今の私の体では最初の一撃で決められなければ逃げることすらできません。 一瞬で仕留めるため、 飛び掛りやすい位置に動き、 この体を緊張に震わせ 来るべき勝利を待ち受ける!  ギィ、ギィィィィ 小屋の扉が、音を立ててゆっくりと開こうとしています!  今です! 私は必殺の一撃を持って小屋へと入ってくる人物へと飛び掛り……飛び掛り………飛び掛り………… 私は気がつけば土下座をしていたのです。 な、何を言っているのか分からないと思いますが 私も何をされたのか分かりません。 頭がどうにかなってしまいそうです。 あれは圧倒的な威圧感だとか、超スピードだとかいったチャチなものzy……げふんげふん、 ともかく私はその男を前に震える事しかできず、 なお土下座をしながらも、 聞かれたことには正直に答え、 物欲しげにバッグを見られれば全て差し出し、 ついてくるか? と聞かれたときには 卒倒しながらも怪我を理由に断らせてもらう始末。 そして男は 「我は鎌石村へゆく、汝も死なぬ様せいぜい気をつけるがよい」 そう言って扉を開け小屋から出ていきました。 男が段々と小屋から離れていくのを確かめて、私はようやく生きた心地がします。 そして生まれて初めて、真の敗北とはどういうものかを知ったのです。 「陽射しが強くなってきたな、少々急ぐとしよう」 そう言って先程出会った参加者のことを思い浮かべる。 「それにしても、中々できたやつであった。  ただの一目で我の不死者王としての高貴さと、圧倒的な実力とを見抜くとはな………  このゲームが終わりまだ生きているようであれば我が配下に加えてやっても良いかも知れぬな」 高貴なる不死者王はゆく、 脅威的な実力を持ち、 圧倒的な威圧感を隠そうともせず 頭に老年男性の禿げ鬘を着け 片手には浣腸を握り締める ブラムスはゆく。 無限の恐怖を振りまいて。 【C-06/昼】 【不死王ブラムス】[MP残量:100%] [状態:正常。本人は大真面目に支給品を着用] [装備:波平のヅラ@現実世界、トライエンプレム@SO] [道具:バブルローション入りイチジク浣腸@現実世界+SO2、???←本人確認済み、荷物一式×2] [行動方針:ひとまず情報を収集し今後の方針を決定する(特に夜間は積極的に行動)] [思考1:鎌石村に向かい、他の参加者との接触を試みる] [思考2:敵対的な参加者は容赦なく殺す] [思考3:可能であればレナスと接触する] [思考4:直射日光下での戦闘は出来れば避ける] [現在位置:観音堂周辺] 【シン】[MP残量:100%] [状態:右手にケガ+重度の凍傷(処置済)、翼と体に火傷(処置済)、     翼膜に穴(処置済 飛べないことは無いですがすぐに落ちるでしょう)] [装備:なし] [道具:なし] [行動方針:人生について些か迷っているようです] [思考1:いつか必ず自分に屈辱を与えた人間(ルーファス)を殺す?] [思考2:怪我が癒えるまで観音堂の中で参加者を待ち伏せ?] [思考3:ガブリエルとミカエルとの戦闘は避ける] [現在位置:観音堂内部] 【残り55人】 ---- [[第37話>フィリア]]← [[戻る>本編SS目次]] →[[第39話>ホテルの跡の眠り姫、王子はきっとやってくる]] |前へ|キャラ追跡表|次へ| |[[第30話>終着点の違う二人]]|シン|[[第65話>使い捨て]]| |[[第27話>その男、変質者につき――]]|ブラムス|[[第69話>美女と野獣と変態と]]|

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