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第7話 あなたならどちらを選ぶ?


「厄介なことに巻き込まれましたね…」
鎌石村にある民家の中でミラージュは今回の件について思案していた。

倒したはずのルシファーが生きていたことには確かに驚いた。
が、それ以上に驚いたのはルシファー側の世界…、
FD空間が未だに自分達の世界に干渉することが出来るという事だった。
つまりそれは自分達の世界がまだルシファーの作ったプログラム、エターナルスフィアの中にあるという証明でもある。
ミラージュは自分の首にはめられた物体に手を触れる。
「この殺し合いから脱出するには首輪の解除が必要ですね」
しかし、ここがまだエターナルスフィアの中ならそれは限りなく不可能に近い。
ルシファーは恐らくFD空間からこちらの動きを監視している。
首輪を外そうとすれば確実に殺されるだろう。
だが、たとえそうだとしてもルシファーの殺し合いに乗るわけにはいかない。
ここにはフェイトやクリフ達も連れてこられている。
彼等を殺してまで生きようとは思わない。
そもそも最後の一人をルシファーが生きて帰すわけがない。
ならば選ぶ道は唯一つだ。
首輪の解除方法を探してこの空間を脱出し、再びルシファーを倒す。
「…グズグズしている暇はありませんね」
こうしている間にも仲間達は危険な目にあっているかもしれない。
そう思うと足が自然と戸口に向かう。
しかし――
「支給品の確認…、忘れていましたね」
進みかけた足を止め、ミラージュはデイパックの中身を確認し始める。

彼女は本来、物事を冷静に判断できる人間だ。
急がなければ後悔することになるかもしれない。
だからといって慌てて行動した結果、自分が死んでしまったらそれこそどうしようもない。
だからこそ万全を期すべきなのだ。
この勝負に勝つために。

デイパックの中には三つの道具が入っていた。

一つ目は一本の立派な槍だった。
グーングニル3という名前の槍だと説明書には書いてある。
しかし素手での戦闘を得意とするミラージュは、自分には必要ないと判断し鞄にしまう。

二つ目は何の変哲も無いただの空き瓶だった。
説明書には殴って使うと書いてある。確かにこれで殴れば痛そうだが…。
しかし素手での戦闘を得意とするミラージュは、自分には必要ないと判断し鞄にしまう。

三つ目はごく普通のデッキブラシだった。
まあ殴れば痛いんだろう。説明を見るまでもない。
しかし素手での戦闘を得意とするミ(ry

「これで全部ですか…」
他に出てきたのは食料や島の地図、参加者名簿にコンパスなどの普通の支給品だった。
結局デイパックから出した支給品の数々は再びデイパックの中に戻される。
「そろそろ行った方がいいですね、まずはこの村にクリフ達がいないか確かめなくては」
家の窓から外の様子を確認する。
近くに人の気配はしない。
そっと扉を開き民家の外に出る。
外はしんとしていて、人の姿は全く見えない。
この島で殺し合いが行われているとはとても思えない程の静けさ。
いや、そもそも殺し合いをしろと言われてそれに従う人間がいるとは思えない。
ミラージュは僅かに安堵する。
が、しかしそれは思い違いであるとすぐに気が付かされる。
「あれは…煙?」

遠くに煙が立ち昇るのが見える。
「すでに戦いが始まっている…?確かあの方向は平瀬村があるはず」
向こうで戦いが始まっている可能性は高い。
そこにいるのが仲間の誰かなら助けに行かなければ。
だが、この村にも仲間がいるかもしれないのに直ぐに離れるわけにもいかない。
調べもせずに離れてしまって、擦れ違いにでもなれば笑い事じゃすまされない。
どのみちあの距離では、向かったとしても着く頃には全て終わっている。
「あそこの様子は気になりますがここの村を調べるのが先ですね」
まずは急いでこの村を調べ、その後あの煙が出ている場所に向かう。

ガサガサ

ミラージュが行動方針を決めたその時、突然近くの茂みが音をたてる。
咄嗟に戦う構えをとり、茂みに向かって声をかける。
「そこにいる人、今すぐ出てきてください」
ミラージュがやや語尾を強めにそう言うと一瞬間が空いた後、一人の男が茂みの中から出てきた。
ふっくらとした体型の男は緊張しているのか、ギクシャクと機械みたいな動きで出てきた。
「あなたの名前は?この殺し合いに乗っていますか?」
ミラージュが男に質問すると、男は緊張した様子で答え始めた。
「わ、私の名前はガ、ガンツ・ロートシルトです。こ、こんな殺し合いなんて私は…!」
「いえ、もういいですよ。すいません」
明らかに動揺しまくっているこの人は、とても殺し合いをする様な人には見えなかったので、
ひとまずミラージュはガンツの答えを遮る。
「あ、こ、こちらこそすいませ…危ない!!」
何故か謝り返してきたガンツが突然叫び声をあげる。

バチン!!

何が起こったか気が付いた時には既に遅かった。
体中に強烈な電撃が走り、体が崩れ落ちる。

これは――スタンガン?油断しまし…た
地面に倒れながらミラージュはゆっくりと気を失った。


ガンツは目の前で起こった出来事に呆然としていた。
自分と話をしていた女性が、突然物陰から出てきた男に倒されてしまった。
しかも飛び出てきた男は、人とは思えない容姿をしていた。
人の形をしているがその顔は青白く、どこか鮫に似ている気がする。
その男、ビウィグは倒れたミラージュの背中を踏みつけ、首に剣を突きつけながら言った。
「おい、そこの人間。女を助けたかったら貴様の荷物をこちらに渡せ」
突然声を掛けられガンツは我に返る。
「こ、この荷物を渡せばその女性を助けてくれるんですね?」
「…ああ、勿論だ」
ガンツは手に持ったデイパックに目をやる。
目の前の男はこれを渡せばあの女性を助けると言っている。
本当にそうだろうか?
相手は武器を持っている、荷物を渡せばこちらは完全に無防備だ。
そこを襲われたら一溜りもない。
自分の支給品には武器が入っている。
あれを使えばこの男を倒せるかもしれない。
だがそんなことをすればあの女性は…。
「どうした、女が死んでもいいのか?」
サメ男が再び聞き返してくる。
危険だが荷物を渡して女性を助けてもらう方に賭けるか。
二人とも殺される危険を避け、女性を見捨てて男を倒すか。
ガンツは決断を迫られていた。



【C-4/朝】
【ミラージュ・コースト】[MP残量:100%]
[状態:気絶]
[装備:無し]
[道具:グーングニル3@TOP・空き瓶@RS・デッキブラシ@TOP]
[行動方針:このゲームから脱出してルシファーを倒す]
[思考1:???]
[思考2:鎌石村で仲間を探す]
[思考3:煙の発生場所(G-3平瀬村分校跡)に行く]
[現在位置:C-4 鎌石村民家前]

【ガンツ・ロートシルト】[MP残量:100%]
[状態:激しく悩んでいる]
[装備:無し]
[道具:ストライクアクス@TOP・???←本人確認済み]
[行動方針:殺し合いには乗らない]
[思考:一体どうすれば…]
[現在位置:C-4 鎌石村民家前]

【ビウィグ】[MP残量:100%]
[状態:正常]
[装備:ファルシオン@VP2]
[道具:スタンガン]
[行動方針:生き残る]
[思考:目の前の男から荷物を奪う]
[現在位置:C-4 鎌石村民家前]

【残り59人】




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ガンツ 第44話
ビウィグ 第44話
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