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第49話 かくれんぼ


道路から外れた所にある木の幹に体を隠し、洵は僅かに顔を出して今しがた歩いてきた道の先を窺う。
その視線の先には二人の男女が見える。
一人は青い色をもつ長髪の女、もう一人は男で髪はそれ程長く無いが輝くような金色をしている。
洵が平瀬村へ向かうべく歩いてきたところ彼らが道路の遥か前方にある茂みから出てきたのだ。
それに気がつき慌てて木の陰へと身を隠したのだが、
幸いなことに洵の存在が相手に気づかれることはなかったようだ。
おそらくは手を組んだのだろう彼らは洵に背を向けたまま歩き始めた。
見失っていないかどうか確かめるために、もう一度木陰から顔を覗かせる。
意外なことに、どうやら女の方が主導権を握っているようだ、
早足に歩いていく女に、男が半歩ほど遅れてついていっているように見える。
「可能性があるとすれば………ロウファぐらいか」
前方をあるいてゆく二人組みの特徴に、洵は名簿に書かれていた人物の中で心当たりがないか確かめる。
金髪という特徴が一致しているだけで知り合いと断定することはできないが、
名簿に書かれている人数を信じるなら金髪の男がロウファである可能性はけして少なくないだろう
前を歩いているのは短い間とはいえ共に戦った者なのかもしれない、
洵の胸の内に一瞬ではあるが神界での戦いの日々が思い起こされる。
彼自身、他人と積極的に交わるほうではなかったがエインフェリア同士ということもあってか、
アリューゼやルシオ、ロウファ達とは幾度か話す機会があった。
もしも、いま前方を歩く人物がそんな知り合いの内の誰かであったならば、
「好都合なんだがな」
手の内を知った相手と戦うことがどれほど有利な事か
先制が取れる可能性の高さもあわせて考えれば
こちらの手の内が知られていることを差し引いてもどちらに分があるかは明白だ。
そこまで考えて洵は頭を振って脳裏によぎった予想を追い払う。
かつては鬼とまで成り果てたこの身、今更くだらない駆け引きなど必要ではない。
大事なのは今殺すか後で殺すか、そのたった二つのみ
ならば先程の男女は今殺せるだろうか、洵は自問する。
距離が離れているせいでよく見えなかったが、彼らは何かしらの武器を持っているようであった。
「厄介だな」
さすがの洵といえども、得物を持った二人組みを相手にして易々と勝利を奪えるとは思えず
しばらくは気づかれぬよう密かに後をつけていくことにする。
「いずれ、別々に行動した時にでも狙うとするか」





「ところでマリアさん、僕達は仲間を捜すために平瀬村に向かうって先程決めましたよね?」
「そうよ、それがどうかしたの?」
「家は一軒しかありませんが、ここが平瀬村なんですか?」
目の前には入口を模したような大きな真紅の柱が立っており、左右にある石造りの置物は何やら恐ろしげだ。
「何言ってるのここは菅原神社よ、一応ここにも人がいる可能性はあるし、
 民家には無いようなものが得られる可能性があるからよることにしたんだけど、言ってなかったかしら?」
「聞いてません」
「そうだったかしら、ともかく役に立ちそうなものを捜すわよ」
うなだれて足を止めるクレスなど気にもとめずにマリアは真紅の柱をくぐり歩いていってしまう。
「ちょ、ちょっと待ってください」
置いていかれてはたまらない、クレスはそのままマリアに続こうとするが、
両脇においてある、いかめしい表情をした石像と目が合ってしまう。
その睨みつけてくる二対の視線にクレスは妙な居心地の悪さを感じ、
横周りに大きく迂回して神社へ入ってゆくマリアを追っていった。


クレスやマリアはここまで歩いてきた道路では周囲への警戒にそこまで気をつかってはいなかった、
何故なら道路では視界は開けており何処から敵が来るにしても不意打ちというのはまずありえない
念の為にたまに後ろを振り返る程度ですませていた。
だが屋内となると話は別だ、軒の下に柱の影、押入れの奥や箪笥の中、
そこかしこに死角となる場所があり、武器を持った者が突如躍り出てくるかもしれない、
まさに一瞬の油断が命取りになるといえる。
「ふぅ、どうやら内部に人はいないようね」
「どうやら、そうみたいですね」
とうとう最後の部屋を調べ終え、マリア達は大きく息をつくとそれぞれ構えた得物をおろす。
マリアは緊張のためか僅かではあるが額に滲んでいた汗を袖で拭う。
「それじゃクレス君、私は向こうの部屋をもう一度探してみるから君にはこっちの部屋をお願いするわ
 今度は主に武器や食料、傷の治療に使えそうなもの、その他役に立ちそうなものを探すこと、いいわね?」
マリアは疑問系でこそあるものの反論を許さない口調でクレスが意見を述べるまもなく行ってしまう。
「せめて、いつ出発するかくらいはいってくださいよ………」
その場に一人、取り残されたクレスはマリアの強引さを半ば諦めながらも小さな呟きをこぼして
これから調べる部屋の中を改めて見渡す。
八畳ほどの大きさのその部屋は、広いとはいえないが物置として使われていたようで何かと物が多い、
それらを一つ一つ調べていくのは、なかなかに骨の折れる作業になりそうだ。
「それと、放送が流されたら平瀬村へ向かうわよ」
後ろからかけられた声にクレスが驚き振り向くと
既に向こうの部屋へと行ったはずのマリアが口の端を持ち上げ
今度はちゃんと言ったわよ、といわんばかりの笑みを残してクレスの前から去っていった。



【E-2/昼】
【洵】
[状態]:正常
[装備]:ダマスクスソード@TOP、スペツナズナイフ×1
[道具]:支給品一式
[行動方針]:自殺をする気は起きないので、優勝を狙うことにする。
[思考1:出会った者は殺すが、積極的に得物を探したりはしない。
[思考2:マリア達を各個撃破
[現在地:マリア達からそう遠くないところ



【E-2/昼】
【クレス・アルベイン】[MP残量:100%]
[状態:正常]
[装備:木刀、ポイズンチェック]
[道具:荷物一式]
[行動方針:ルシファーをゆルシファー(許しは)しない]
[思考1:マリアに協力する]
[思考2:仲間を探す]
[思考3:マリアに言われたとおり役に立ちそうなものを探索
[現在地:菅原神社内

【マリア・トレイター】[MP残量:100%]
[状態:正常]
[装備:サイキックガン@SO2]
[道具:???(0~1個、ある場合は確認済み)、コミュニケーター@SO3×2、荷物一式]
[行動方針:ルシファーを倒してゲームを終了させる]
[思考1:クレスと協力してゲームを止める]
[思考2:他の仲間達と合流]
[思考3:神社にて役に立ちそうなものを探索、放送後に平瀬村へむかう
[現在地:菅原神社内

【残り52人】




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