第56話 掴んだ1つの希望と2つの絶望?


部屋に立ち込めていた白い煙が徐々に晴れてきた。
オペラは自らの命運をかけた目の前の箱の底を見つめていた。
この箱の仕組みはよくわかっていない。箱の底は何故か見えず奈落の底まで続いているかのような深さだ。
そこに手を伸ばすと一つまた一つと中に入っているアイテムが取り出せる仕組みになっている。
オペラは期待と不安の入り混じる奇妙な感覚に襲われていた。
いやほとんど希望なんて抱いていないのかも知れない。
前回出てきた物が物だっただけに当然である。
それでも今の彼女がすがる事のできる唯一つの光明だ。
扉の外からはこじ開けようとする大きな音が部屋中に響き渡っている。
この音は例えるならオペラに迫る死神の足音に他ならない。
意を決しオペラはもう一度今まで存在を信じたことなかった神に祈りを捧げ箱の底に手を入れた。彼女の手が箱の中にあるものを掴む。
その手触りはかつてこの箱に手を入れた時のそれと同じものだった。

▼▼▼

事の発端はかさばっていたアイテムを整理していた時のことだった。
余っていて使われることなく長らく放置されていたマジカルクレイを何気なくいじっていたら偶然にも玉手箱が完成していた。
たまたまそこを通りかかったプリシスが私の手の中にある箱を見つけて大きな緑の色の瞳を輝かせながら話しかけてきた。
「わぁ!オペラ面白そうなの持ってるジャン。あっ待って、みんな呼んでくるからその時開けようよ!」
普段どおりの元気な口調で言いたいことを言い言い終えると、先程宣言したとおりみんなを呼びに行った。

しばらくして宿泊しているホテルの一室にメンバーが集められこの箱を開ける事となった。
「僕なんだかワクワクしてきましたよ」
いつもの様にほのぼのとした独特のテンポでノエルが声を発した。
その手にはどこで拾ってきたのか猫が抱えられていて、ごろごろと気持ちよさそうな声を上げている。
「何が出てくるんでしょうね?」
その横に座っているアシュトンも、レオンがいつも引きずって歩いているせいで裾の破けた白衣を繕いながら言った。
その手際は最早職人レベルで彼は玉手箱を見つめながらその手を動かしていた。
「何を始めるのかと思ったらこんなくだらない事か。」
そう言い放つとディアスは腰を掛けていたソファーから立ち上がり部屋を出ようとした。
そんな彼の姿を見て慌てて彼の幼馴染のレナがなだめる。
「まぁまぁ、こういう何気ないこともこの旅の思い出になるんだし、折角だから皆そろってやりましょう。ね?」
「…わかった」
大体いつもこのパターンで結局ディアスも付き合わされる。よく見慣れた光景だった。
「それじゃあオペラさんお願いします。」
その光景の一部始終を少しうらやましそうに眺めていたクロードが促してきた。
「え?私が空けるの?」
こういうのはお子様なプリシスやレオンが率先してやっていたのでまさか自分が空けるとは思ってもいなかった。
「当然だろオペラ。お前が作ったんだから最後まで責任取らないとな」
私の正面のイスに座っているエルネストが言った。
それならばと箱を開け手を入れて中の物を取り出した。

「あーっ、あれこの前僕が道具整理をしてた時に出てきた本だ。
あの時はセリーヌお姉ちゃんに取り上げられて中身見れなかったんだよね。ねぇオペラお姉ちゃん見せて見せて」
そう言うとレオンは好奇心に満ちた目をキラキラさせながらこちらに取りに来た。
言われたとおり手渡そうとしたがセリーヌの手が伸びてきて奪われてしまった。
「だ、だからこんなの子供が見ては駄目ですわ!」
彼女は私の手から奪った本をレオンが届かないように頭上に掲げる。
「ええー?いいじゃん見せてよー。」
レオンは一生懸命ジャンプし届きもしないのにセリーヌの手中にある本を取り返そうとしている。
「どれどれ、どんな内容なんだ?」
後ろからエルネストがその本をセリーヌから取り上げるとパラパラとページをめくる。
「こりゃひでえな」
内容に呆れた様子の彼は本をボーマンに手渡した。
「どれどれ…。確かにこれはどう見ても18禁です本当に(ryな代物だな。お子様の目には毒過ぎる」
内容を確認した彼はパーティーの未成年組であるレナ、プリシス、レオンの顔を見ながら言った。
「「だから子供扱いしないでよ!」」
プリシスとレオンは二人揃って不満の声を上げる。
「ふふっ」
その様子を見ていたレナは微笑んだ。
「レナ、どうやらお前もそのお子様とやらに含まれている用だぞ」
彼女の傍に立っていたディアスが珍しく口を開いた。
「ええっ?私も?」
驚いた様子でレナが聞き返す。
「き、気を取り直して次いきましょう」
相変わらず二人のやり取りをうらやましそうに見ていたクロードが再度促してきた。
「そっ、そうね」
自分の創作物からそのような代物が出てきて少し気恥ずかしかった私は(今度こそ!)と再びその箱の中に手を入れた。

「で、結局出てきたのが『どーじん』と『どーじん?』と『どーじん!』か。
もし新種アイテム発見の瞬間に立ち会えたら明日の新聞の一面の見出しは決定だったのに。くぅー、残念だわ。」
チサトは一通り本に目を通すと肩を落とし残念そうに言った。
「こんなの記事にしてもネーデを、いや全銀河を救おうとしている勇者様一行の趣味は同人誌製作?
なぁんてどっかの週刊誌が食いつきそうなネタにしかならないわね」
言い終え本を閉じた彼女はその3冊を揃えて私に手渡してきた。
「なんだ?オペラこんな趣味があったのか?」
エルネストはからかう様な口調で聞いてきた。
「ちっ、違うわよ。わっ、私はあなたがそばにいてくれるのならそれだけでいいのよ」
余りにも恥ずかしい思いをしたせいで思考が止まっていた私は思わずそんなことを口走ってしまった。
部屋にいるメンバーは皆私を見つめ思い思いのリアクションを取った。
「はい、はいわかった、わかった。ほらもう遅いぞお前ら。明日も早いんだ。部屋戻って寝るぞ」
とややしてボーマンが呆れた様子で言い放ちその場はお開きとなった。

▼▼▼

そうこの手触りはあの時のものとそっくりだ。取り出した物を見たらやっぱりそれはどーじんだった。
しかも今回のは丁寧にハードカバーまでされておりずっしりとした重量感を感じさせる超大作だった。
(またこんな物なの?まったく勘弁してほしいわね)
憎々しげに取り出した本を睨みつける。部屋の扉からは尚も大きな音を立て続けている。
蝶番のねじは扉を叩く衝撃で緩くなってきている。

(とにかく次頼むわよ)
より一層強くなった不安を胸に箱の中身を掴む。
手触りは先程の物と多少異なっていたものの、紙製品独特の感触をしていた。
嫌な感じだが考えていても仕方が無いので一気に取り出す。
(そんなっ)
取り出した物を確認したオペラは呆然とした。
その手に掴んでいたものは表紙のイラストから察するに腐女子向けの同人誌だった。
(こんな物どうしろって言うのよ!)
過去5回すべてがこんな本だった事に怒りを覚え床に叩きつけた。
ガキッ
今まで部屋にこだましていた音とは違った音が扉の方から聞こえた。
目をやると緩くなった蝶番によって生じた隙間から剣を叩きつけていた。
もう一刻の猶予もない、すぐにでも扉は破られてしまうだろう。
(今度こそ!)
強く念じ最後の希望を掴みにいこうとしたその時、今の姿とかつてこの箱を使った時の自分の姿が重なった。
伸ばした手を入り口ぎりぎりのところで止める。
(そうよ。勝負も賭け事も熱くなった方の負けよ)
熱くなりすぎた頭を冷やすべく一度深呼吸をした。
とうとう上部の蝶番は外れ隙間から僅かだが男の姿が見える。
(焦らなくていい。こんなの何も考えずさくっと取り出しちゃえばいいのよ)
そう自らに言い聞かせると心を無にし箱に手を突っ込んだ。

すると今までとは明らかに違う手触りの物を掴んだ。
球形をしているが所々ゴツゴツとしていて金属に触れた時特有の冷たさを感じた。
それを一気に引き抜き自分の目で確かめた。
(これは確か)
ガゴォッ
手にした物の効果思い出そうとしたその時、とうとう扉を支えていた下部の蝶番が破壊され扉が引き剥がされた。
男は机のバリケードに身を乗り上げ部屋に侵入してきた。
すぐにでもこの爆弾を投げつけてやりたかったが起爆弁が見当たらなかった。
とにかく時間を稼ぎたかったオペラは先程床に叩きつけた同人誌を手に取り男に投げ付けた。
バサバサと音を立てながら狭い隙間を通り抜けようとしていた男の顔面にページが開かれた状態で当たった。
男は顔から同人誌を剥がすと描かれていた内容が気になったらしく、彼の目はそのページの中身を見ていた。
はじめは内容が理解できていない様子だったが内容を把握し始めたのか、その表情は不快感を表すかのように歪んでいった。
「ア゛ーーーーーー!!なっ、なんなんだこれはっ!!」
男は臨海まで達した不快感を爆発させ叫びを上げた。
この一連の動きはオペラに起爆弁を引き抜き投げつけるまでの時間を十分に与える事となった。
ハーフデッドボムは男の肩に当たるとその衝撃ですさまじい爆発を起こし周囲の物もまとめて診察室まで吹き飛ばした。
このボムの効果を知らない人間ならこの爆発で仕留めたと思ったであろうが、彼女はこのアイテムの効果を知っていた。
まだ晴れない爆煙の中駆け出し爆発の拍子に落とした剣を拾い上げ男に止めを刺すべく診察室に飛び出した。

男はゆらりと傷だらけの体で立ち上がった。
男はこちらを見たあと数歩先に落ちているオペラの斬撃を受け止めた水晶玉のような物を見つめそれをダイビングキャッチしにいった。
「させない!」
オペラはハードカバーの同人誌を水晶玉にぶつけて転がし男が掴むのを阻んだ。
もう一度飛ぼうと男は両手を地につけ屈んでいた。
「やああああぁぁぁっ!」
だがすでに間合いの中にあった男の顔めがけて剣を振り下ろした。
これで勝負が決まるはずだった。
だがなぜか今の今まで鋭い切れ味を誇っていたこの剣では目の前の男を斬ることが出来なかった。
この剣によって斬り捨てられた神々が残した呪いかどうか定かではないが、この剣の切れ味は一定ではない。
時には名刀のそれをも凌駕し、時には手入れを怠った刃こぼれだらけの剣の切れ味にも劣る事もある代物だった。
(何故?どうして!?)
そんな思いが頭を巡り答えを求めようと考えを巡らせた。
それにより生じてしまった僅かな隙は男の反撃を許す事となってしまった。
傷ついた体を起こした男はオペラの首を掴むと軽々と片手で持ち上げた。
「ふん!とんだナマクラじゃないか。散々てこずらせおって。楽に殺したりなどするものか!
このままジワリジワリと力を込めていきこの首をへし折ってくれよう!せいぜい残された時間で死への恐怖を味わうがいい!!」



「ア゛ーーーーーー!!なっ、なんなんだこれはっ!!」
そこには貴族のケツ顎男性と茶色の長髪を後ろに束ねた男性とが裸で絡み合い
最後にはケツ顎男の自慢の『タエーー!!』が茶髪の男の『ブルァァァァァァ!!』に
『ボイドエクストリーム』し『ギルティブレイク』な事をしている絵が描かれていた。
(こんな不愉快な物を投げつけてくるとは)
本から目を離し投げつけてきた女を睨む。
すると目の前に何かが迫ってきていた。
飛んできた物は彼に当たるとすさまじい威力の爆発を起こし、ヴォックスは周囲の物と一緒に診察室まで吹き飛ばされた。
あまりの衝撃に握っていた剣とエーテル・フローズンを落としてしまった。
朦朧とする意識の中立ち上がると奥の部屋から剣を握りしめた女が飛び出してきた。
(まずい!)
視界の端にあるエーテル・フローズンを見据えると拾い上げるべく飛びついた。
「させない!」
女は手に持っていた厚手の本をエーテル・フローズンに投げ当てた。
エーテル・フローズンはヴォックスの手をすり抜け転がっていってしまった。
「やああああぁぁぁっ!」
彼の頭めがけて剣が振り下ろされる。
(しまった!)
死を覚悟した彼だったが、剣で殴られた痛みこそあれど、どこも斬られてはいなかった。
見上げた女の表情も何が起きたのかわからないと言いたげな表情だった。
そんな彼女の隙を見逃すヴォックスではなかった。
爆弾で受けた傷で悲鳴を上げる体を無理やり立ち上がらせ彼女の首を掴む。
「ふん!とんだナマクラじゃないか。散々てこずらせおって。楽に殺したりなどするものか!
このままジワリジワリと力を込めてその首をへし折ってくれよう!せいぜい残された時間で死への恐怖を味わうがいい!!」
そう言い放つと首を絞める手に力を込めていった。

女はまだ諦めていないらしく足をばたつかせ首を絞めてる手から逃れようとしていた。
「無駄だ!本気を出した私を貴様のような小娘が倒す事などできん!いい加減観念したらどうだ?」
その言葉を聞いた彼女は目を見開くとこちらを睨みつけてきた。
その瞳には今まで異常に強い意志が宿されており、彼女の心がまだ折れてはいない事を告げていた。
女は剣を逆手に持ち替えその手を振り上げた。
「そんなナマクラでは私の腕を斬り落とす事など」
言い終える前に振り下ろされた剣は、彼女を掴んでいた右腕の肘から先を切断した。
「ぐおおぉぉぉっ!」
斬られた腕を見つめるヴォックス。
その切断面からはおびただしい量の血が流れ出ていた。
「げほ、げほっ!」
女は膝をつき開放された首を押さえながら咳き込んでいる。
「ぬおおおぉぉぉっ!」
そんな女の顔面めがけて蹴りをいれる。
「ああっ!」
女を蹴り飛ばし部屋の隅にある棚に激突させる。
並の人間ならその衝撃で気を失っている程の強力な一撃だった。
しかしこの女は剣を杖代わりにボロボロの体を支えながら立ち上がってきた。
「何故だ?何故立ち上がる!?」
彼女は彼の問いに答えることなく剣を構え突っ込んできた。
振り下ろしてきた剣を拾っておいたエーテル・フローズン受け止める。
「何故まだ抵抗する!?」



「何故まだ抵抗する!?」
男は声を荒げる。
「私はまだ死ねない!」
打ち込んだ剣に力を込め男の腕を払う。
(エルがこの地獄で最後まで生き残る為にはもっと、もっと私が殺さないと!)
さらに力を込めた斬撃を叩き込む。
何とか受け止めた男ではあったがその衝撃で体勢を崩した。
(だからっ!)
振り下ろした剣の刃を返す。
「おおおぉぉぉぉっ!」
それに対して男は体勢を整え水晶玉を持つ腕を大きく振りかぶった。
「私は死なない!」
そう叫びを上げた彼女は横薙ぎに剣を振りぬいた。



場所は変わりここはE-1地点の北部の道
平瀬村からミカエルを出し抜き逃走に成功した俺とクラースは手頃な木陰を見つけ、
先程助けた青年フェイトからルシファーの事について一通り話を聞いた。
エターナルスフィアだの、FD空間だの、奴はこの世界の創造主だっただの俄かには信じられない話だった。
しかし彼はまじめな顔で話していたのできっと真実なのだろう。
話を聞きながら彼の足の応急処置を済ませたが、予想以上にひどい火傷でまともな処置はほとんど出来なかった。
うまくいけば医療品の類があるかもしれないと考えた俺たちは鎌石村目指し歩いていた。
道中ルシファーによる放送があり戦友であるノエルの死を知らされた。
他のみんなの無事は確認できたのだがとても手放しで喜ぶ気にはなれなかった。
それは他の二人も同じで、取り乱したりする事はなかったがそれぞれ二人とも複雑な表情をしていた。


「っとすまないクラースちょっと待ってくれ」
少し先を歩く仲間に呼びかける。
「どうしたエルネスト。何かあったのか?」
呼び止められた彼は周囲の警戒を強めながら聞いてきた。
「いや、たいした事じゃないんだがブーツの紐が切れてしまった。少し時間をくれ」
背負っていたフェイトをゆっくりおろし、切れた所にあわせてブーツの紐を結びなおした。
「それにしてもなんか不吉ですね。地球にある古い迷信なんですが、
突然靴紐が切れたりコーヒーカップの取っ手が取れたりするのは悪い事の起きる前触れだとか」
「信心深いんだなお前は。創造主なんて存在に挑んでおいてそれはないだろ?」
地図を広げ現在位置を確認していたクラースは意外そうに言った。
「それに不吉な事ってこれ以上悲惨な目に遭うなんて想像できないな」
そう続けると地図をたたみデイパックにしまう。
(不吉な事か…。これがただの杞憂であってくれればいいが…)

「オペラ…」
言い知れぬ不安が頭をよぎり思わず最愛の女性の名前をつぶやいてしまった。
「まだかエルネスト。大丈夫だと思うがさっきの男が追跡してこないとも限らない。急ごう」
少し急かすようにクラースが言ってきた。
「あっ、ああ。すまん、よしそれじゃあ行くとしよう。フェイト」
「だっ、大丈夫です。何とか歩けますから」
彼は遠慮してきた。
「今のお前が歩くよりも俺がお前を背負って歩いたほうが速い。年長者の言う事は聞くもんだ」
と彼を説き伏せ再び背負う。
(あいつならきっと大丈夫だ。どんな危険な遺跡にもその身とライフル一丁だけで必ず俺の後についてくる程だからな。
こんなわけのわからんところで命を落としたりはしないさ)



【E-1/真昼】
【エルネスト・レヴィード】[MP残量:100%]
[状態:両腕に軽い火傷(戦闘に支障無し、治療済み)、フェイトを背負っている]
[装備:無し]
[道具:スケベほん@TOP、荷物一式]
[行動方針:打倒主催者]
[思考1:クラース、フェイトと共に行動]
[思考2:仲間と合流]
[思考3:炎のモンスターを警戒]
[思考4:鎌石村で医療品捜索]
[現在位置:E-1北部 鎌石村目指し道沿いに移動中]

【クラース・F・レスター】[MP残量:90%]
[状態:正常]
[装備:シウススペシャル@SO1]
[道具:薬草エキスDX@RS、荷物一式]
[行動方針:生き残る(手段は選ばない)]
[思考1:エルネスト、フェイトと共に行動]
[思考2:ゲームから脱出する方法を探す]
[思考3:脱出が無理ならゲームに勝つ]
[思考4:フェイトを何処かで切り捨てる?]
[思考5:鎌石村で医療品捜索]
[現在位置:E-1北部 鎌石村目指し道沿いに移動中]

【フェイト・ラインゴッド】[MP残量:100%]
[状態:左足火傷(歩行、戦闘に支障有りだが応急手当済み)、エルネストに背負われている]
[装備:鉄パイプ-R1@SO3]
[道具:荷物一式]
[行動方針:仲間と合流]
[思考:クラース、エルネストと共に行動]
[現在位置:E-1北部 鎌石村目指し道沿いに移動中]





場所は戻りここは沖木島診療所。

少し前まで争う音が聞こえていたが、今は1時間ほど前の静けさを取り戻している。
「ハァ、ハァ、勝った」
診察室には勝者の声だけが響いていた。
勝利の余韻に浸りながら先程の光景を思い出す。

▼▼▼

「私は死なない!」
咆哮を上げる彼女の斬撃は、ヴォックスが彼女の顔めがけて放とうとした拳ごと彼の首を刎ねた。
その時見せたその剣の切れ味はこの世のすべてを切り裂く事が出来るのではないかと思えるほどであった。
何度も見離されかけてきたが最後の最後で彼女に神様が味方してくれた様だ。

▼▼▼

オペラはこの戦いで受けた傷に応急処置を施すと戦利品を回収すべく立ち上がった。
男の持っていたデイパックを拾い中を検める。
中から彼の支給された物の説明書を取り出し何を持っていたか確認する。
デイパックの底にあったビンに入ったミトラの聖水を取り出す。
説明書は見当たらなかったが剣撃を何度も受け止めた水晶玉も特殊な物に違いないのでいただく事にした。
そして最後にあまり気は進まなかったが、刎ねた首を拾い上げると男が耳につけていたピアスをはずした。
血がベットリついていたので洗い流し試しに付けてみる。
(なるほど、この広がった感覚があの時の不意打ちを阻んだわけね。これはなかなかいいものを手に入れたわ)
死体と同じ部屋にいる気にはなれなかったので待合室で地図を広げ次の目的地を検討した。
(今のでわかったけどやっぱり銃がほしいわ。たしか氷川村で逃げた赤毛の女が持っていたわね。他の仲間を探している様だったけど)
地図を確認してあの女の行きそうなところを予測する。
(誰かを探しているのなら集落に行こうとするのが妥当よね。さすがに氷川村に戻ってくる事はしないでしょうから少し遠いけど平瀬村に行くはず。
もうクタクタだしちょっと休んでから向かおうかしら。)
そう考えをまとめると入り口近くの待合室では寝込みを襲われる危険性が高いので、備品室に診察室のベッドを移動させ眠りについた。



【I-07 沖木島診療所 備品室内/真昼】
【オペラ・べクトラ】[MP残量:100%]
[状態:右肋骨骨折:右わき腹打撲←処置済み:顔にあざと擦り傷←処置済み:仮眠中]
[装備:咎人の剣“神を斬獲せし者”@VP+魔眼のピアス@ラジアータストーリーズ]
[道具: どーじん+どーじん♀+ミトラの聖水@VP+荷物一式*3(照明用ランタンの油はヴォックスの分のみ)]
[行動方針:参加者を殺し、エルネストを生き残らせる]
[思考1:銃がほしい]
[思考2:銃を持っていた赤毛の女を見つけて奪い取る。]
[思考3:一先ず次の目的地は平瀬村]


【ヴォックス@SO3 死亡】
※遺体は首と左手首と右腕の肘から下が切断されて近くに転がってます。

【残り48人】




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最終更新:2007年10月21日 23:58