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第107話 進展


草木も眠る夜半過ぎ、明かりを最小限に留めた民家の一室で二人の少年少女が一つの机に向かい合うように座り、
机の上に広げた大小さまざまな部品と工具を弄りながら作業をしている。
その二人のうちの一人、青い髪と普通の人間には決してありえない位置に猫の耳をつけた少年レオン・DS・ゲーステは
弄っていた紅い石をコトリと机の上に置くと一つ大きな伸びをした。

尚、余談であるが彼は少年であるにも拘らず見事なまでにフリルのついたメイド服を着こなしていた。別に彼に女装癖があるとかそういった訳ではないが、
事情を説明すると長くなるので不慮の事故で彼はこれを着る事になってしまっていたとするのが適切だろう。
ついでに述べると線が細い全体像に幼いながらも整った顔立ち、くりっとした大きな瞳。
彼の容姿は女の子と言われても何一つ疑問を抱くことはない程である。
頭にピョコンと生えている猫耳のおかげで完璧なまでのかわいらしい猫耳メイドさん(僕っ子)となっている彼が
ちょっと慣れないスカートを履いて恥ずかしそうにもじもじとしている姿を想像するだけで筆者は何かに目覚めてsゲフン、ゲフン。余談終わり。

そんな彼の対面に座った少女プリシスから文字の書かれたメモ用紙を彼の前に差し出した。
『どう? なにかわかった?』
その文字を読んだレオンは、難しそうな顔をした後にその質問に対する答えをメモに書き彼女に返答する。
『それがこの石自体の機能は完全に停止しているみたいなんだ。
 プリシスの考えていた通りこの石が何らかの信号を出していた事は間違いないと思う。
 まだ、この石に紋章力に似た力の残滓が残っているしね。
 けど、それ以上の事は流石の僕にもわからない』
その内容を見てプリシスの顔がより深刻な顔つきになる。
更に続けてレオンは別のメモを彼女に見せた。
『これは僕の推測なんだけど、この石は首輪の装着者の死亡と共にその機能を停止するんじゃないかな?
 多分僕達みたいに首輪の解除をする人間の対策としてルシファーがその様に作ったんだと思う』
「そんな…」
思わず筆談をする事を忘れプリシスの口からそんな声が漏れてしまう。
だがこの少年、沖木島に生き残っている数少ない希望はこの石の解析が不可能だと結論付けたりはしなかった。
『だけど試してみる価値があることが二つある。
 一つは、この石は死んでから結構時間が経ってる人の物だ。だから死んで間もない状態の物ならもっと構造が判るはず。
 理想は1時間程度。これは残った紋章力の減衰率から逆算した数値ね。
 そしてもう一つは、こいつを起動させるキーの存在だ。稼動していたのだから起動させる方法も存在しているはず。
 だから、まだ絶望するには早いよ』
この様に書かれたメモを見せた少年の表情は年相応の物ではなく凛々しく頼もしいものであった。
(本当はもう一つ手段があるんだけど、それだけは最後の手段だから僕の中だけに秘めておこう)
それは生死を賭けた失敗の許されない危険な行為。
生体実験。
死んでしまった人間から回収した石で読み取れないのならば、生きている状態でそれを行う方法が一番手っ取り早い。
だが、レオンにそれをする程の勇気はなかった。
別に自分の物だったら仮に失敗してしまった場合でも失われるのは自分の命だけだ。
それこそ、命がけの戦いを少なからず潜り抜けてきた彼にしてみれば覚悟はできている。
真に恐れたことは解析という行為のため自分以外の誰かを使わなければならない事。
どれほどの成功率かもわからないものに誰かの命を使い、もし失敗して死なせてしまったら後悔と自責の念で押し潰されてしまうかもしれない。
だから彼は最後にして最も効率のいいこの方法を彼女に伏せたのだった。
メモの内容を読み終えたプリシスはそんなレオンに対し新たに文字を書いた紙を提示した。
『そうだね。まだ諦めるのは早いよね!
 もう少しで放送だし、ここで出来る事はこれ以上なさそうだからこれからどうするかレナ達と相談しよっか』
二人は机の上に広げたものを手早く片付けると、アルベルとレナのいる隣の部屋に向かった。


不意に目が覚めた。
(とりあえず放送前に起こせと言っておいたのにまだ、それが来てないとなるとあれから1時間程度しか経ってないのか)
俺は体を起こすと寝る前まで泣いていたレナの様子を伺った。
漸くこの女は気持ちの整理が出来たのか泣き止んでくれている。
まだ俯いたまま、心ここにあらずと言った感じの表情だが泣きっ放しでいられるよりは幾分かましだ。
「よお、少しは落ち着いたのかよ?」
気が付くと俺はこの女に声をかけていた。べ、別にこの女が心配とかそんなんじゃねえぞ!
そ、そうだあれだ、俺の腕の治療をさせるんだった! さっきまでの様子じゃ出来ないからな! そういうことだ、勘違いするんじゃねえぞ!
「起きてたんですか?」
「あぁ、今な。それで大丈夫なのか?」
「もう大丈夫ですとは言える状態じゃないけど、きっとディアスなら今は立ち止まっている時じゃない。
 辛いだろうが今は歩みを止めるなって言うだろうから…」
そういう風に言ってはいるが今にも泣き出しそうな顔をしていやがる。
ま、まぁ、こいつが大丈夫ってんなら別に俺は傷の治療をさせるだけだ。無駄に気を使ってやる必要はないわけだからな。
「だったらよ、唐突で悪いが俺の傷もあのガキを治したみたいにパァってやってくれねえか? 
 一応ディアスの野郎にお前らの面倒を見てくれって頼まれてるからな。
 この傷じゃあ荒事になったら厳しいかも知れねえ」
「わかりました。傷口を見たいので上着を脱いでもらえますか?」
とりあえず言われた通りに上着を脱いだ俺は治療させるためにレナの方に歩み寄った。
「あっ、座っててください。私がそっちに行きますから!」
そう言うとレナは慌てて立ち上がると、何につまずいたのかわからねえがすっ転びやがった。
咄嗟に俺はこいつと地面との激突を防ぐべく受け止めた。まさにその時

「アルベルー! そろそろ放送があるから起k……!?」
見ようによっては上半身裸になった俺がこの女を無理やり抱き寄せたように見えなくもない体勢なわけで…。
場が固まっていたのはコンマ何秒に過ぎないと思われる。
そんな状況から俺を現実の世界に戻したのはヒュン!と鋭い何かが頬を掠めてからだった。
頬を掠めたものは何を隠そうプリシスが投げてきたマイナスドライバー。
あと少しずれていれば俺の顔に新しい穴が出来ていたに相違ない。
それにしてもこのガキさっきも俺が反応できないような速さで物を投げつけてきやがったな。きっといい外野手になれることだろう。
「なにしやがる! 俺は別にこの女、レナに何かしようとかだな!」
「うるさいうるさいうるさい。レナになにしようとしてんだー! 離れろー! このプリン頭っ! 悪人面―!!」
そう喚きながらプリシスが新たに工具箱からプラスドライバーを取り出そうとした所で漸くレナを受け止めたままの状態だったことに気付き俺はその場から飛び退いた。
レナの方もここでフリーズ状態からの復帰を果たしたのか慌てて声を上げる。
「ち、違うのよプリシス! 私が転びそうになったところをアルベルさんが受け止めてくれただけで!」
「へっ?」
間抜けな声を上げるとプリシスはプラスドライバーをふりかぶった体勢のまま停止した。
丁度その時である。何度聞いても胸糞の悪くなるあのクソ虫の声がどこからともなく聞こえてきた。

この場にいた各々が、ルシファーによる放送の内容に聞き入りそれぞれの仲間や、この場で出会った者たちの名前を聞きその人物に対して思いを馳せる。
レナは未だ知らされていなかったチサトの死と、改めて突きつけられるディアスの死という事実にその目から涙が流れ落ちてしまう。
レオンはまた放送までの間なにも出来なかったことに血が出るほど強く拳を握り自分の無力さを嘆いた。
先の戦いを思い出し、この島で散っていったもの達の為にも必ず皆と共にルシファーを倒すことを誓うプリシス。
アルベルはミラージュ、アリューゼ、ディアスの名を聞き、分けも判らない怒りを覚えた。
それぞれの思いを嘲笑うように放送は進む。
続けて読み上げられた禁止エリアの場所、そして支給品が置かれるという場所を何とか頭に入れたところで辺りは静寂を取り戻した。

最初に動いたのは思考と体がほぼ直結しているアルベル。
感じていたやり場のない怒りを唯々発散させたくて壁を思いっきり殴りつける。
安普請な殴られた壁はアルベルの拳の形に凹み、その大きさがアルベルの怒りの大きさを表現していた。
「あのクソ虫が! 次会ったらマジでブチ殺してやる!」
その音と声で他の3人も思考の中から現実の世界に引き戻される。
「どうしようか? まだ時間はあるけど直にここは禁止エリアだよ?」
誰となく聞いたプリシスの問いに答えたのは自他共に認める頭脳労働担当のレオンだ。
「そうだね…。まず今の放送で読み取れたことは鎌石村と平瀬村に人が多くいることだね」
「そうなの?」
まだ瞳に残る涙を拭いながらレナがレオンの発言に対して考察の根拠を求める。
「うん。今回の放送で人口密度が少なくなったからって禁止エリアの数を一気に増やしたでしょ?
 それって、僕達参加者が遭遇する機会を増やそうって事になる。
 その上で配るはずだった支給品を配置したのが鎌石村と平瀬村近くの施設の中。
 あいつはご褒美だって言ってたけどこれは参加者を一箇所に集める為の餌。
当然餌を撒くなら近くに獲物がいなければ意味がないからね」
「チッ、あのクソ虫が考え付きそうなことだぜ」
アルベルは一度対峙した時に見下した目でこちらを見ていたルシファーの顔を思い出し悪態をついた。
「じゃさ、どっちの村に行く? 正直距離的には大差ないよ?」
一見D-5からC-4は通行止めに見えるが、先のアルベルとレオンのやり取りのおかげで
禁止エリアに入っても30秒余裕があることを知っていたプリシスはそれを踏まえた上で次の目的地をレオンに聞いた。
「先ずは、鷹野神社に行こうと思う。人が多く集まってると言っても、僕達みたいに平瀬村、鎌石村以外に人がいる可能性はあるしね。
 それに、人がいると仮定するとその人は待ち伏せをしているんじゃなくて、戦うことが出来ない人が身を潜めているからだと思うし」
「何でそう思うんだ?」
「待ち伏せをしている側の思考をしてみるんだ。獲物を待っている時に
 他所の施設に支給品っていう魅力的な物が置かれたら何にもない鷹野神社に陣取りたいと思う?
 獲物が寄ってくるとは思えないのにそこに留まる意味なんて無いよ。
 逆に戦う力のない人だったら禁止エリアになってもいなく、この暗闇の中安全に夜を過ごせる建物ってのは他にほとんど無いからね。
 潜伏先に選ぶなら結構いいロケーションじゃないかな?」
なるほど、と他の3人はレオンの考えに頷くしかなかった。
「んじゃ、のんびりしている時間は無いよね! 私達を除いて生きている人は18人。
 力をあわせることが出来る人はどんどん減ってきているから急ごう!」
壁に突き刺したままのマイナスドライバーを回収しながら皆を促すと、それぞれ自分の手荷物をまとめ出発の準備を開始した。

移動自体はとてもスムーズだった。
レオンの推測が当たっているならこの辺りに人は残っていないことになるので、
夜間なのにも関わらずかなりのハイペースで移動した。
結果放送から一時間程度で一行は鷹野神社に到着することが出来たのだった。

「おい、ガキ。中々の読みじゃねえか。足跡が二種類ある。
 今いるかまではわかんねえが誰かがここに来たことはあるみたいだぜ」
こういった戦場における観察眼はアルベルに一日の長がある。
敷地に入るや否やアルベルは目ざとく2つの異なる足跡があることを発見したのだった。
それを聞いた他の3人は気持ちを引き締めるとお互いの死角を補うように別々の方向を注意しながら鷹野神社の社内に入っていった。

大して広くも無いこの社内の捜索は10分もかからなかった。
結局ここに身を潜めてるような人物はおらず、無駄足に終わったかに思われたのだが…。

「どうやら入れ違いになっちまったみたいだな」
燭台の上の蝋燭の燃えカスを眺めながら呟くアルベル。
「じゃあ、急いで後を追えば会えるかもだね!」
「阿呆が。どこに行ったかもわからねえ相手をどうやって追うつもりだ?」
そう言いきった刹那、またもアルベルの目の前を高速で紅い物体が横切った。
アルベルの辛辣なツッコミに対して反撃の意味を込めてプリシスが首輪の制御用結晶を投げつけたのだ。
「このガキ! あぶねえじゃねえかっ! つうか人に物投げるのをやめやがれ!」
「うるさいうるさいうるさい。そもそも何でレナの事はレナって呼ぶのに私の事はガキなのよ! 
 私とレナは一つしか歳が違わないんだからちゃんとレディとして扱いなさいよ!」
そんな二人のやり取りを他所にレナはプリシスの投げつけた宝玉が淡い光を放っている事を発見した。

「ねぇ、あれ…」
それに気付いたアルベルとプリシスは言い合いを止め、結晶体を注視する。
衝撃を与える事が起動のキーなのではないかと思い、慌てて結晶体を拾い上げ紋章力の流れを読み取ろうとするレオン。
しかし、レオンは意図した結果を得るには至らなかった。
氷川村で弄っていた時となんら変わらず、むしろそこから感じられる力は弱まっている。
加えて、先ほどまで発していた淡い光もなくなっていた。
結晶体に変化があったのになんら情報を得る事が出来ず落胆するレオンとプリシスを尻目に、
アルベルは丁度結晶体が転がった近くにある水晶玉の様な物が設置してある台座が気になって調べていた。
その台座には丁度レオンが持っている石と同じぐらいの形をした窪みが見て取れたからだ。
「なぁ、その石貸してみろよ。なんかこれ嵌まりそうじゃね?」
そう言ってレオンから結晶体を受け取るとアルベルは窪みに嵌め込んでみた。
するとどうであろうか、カチリという音と共に見事にその窪みにジャストフィットしたではないか。
だが、待てど暮らせどそれ以上の変化は見て取れない。
「なんだ、期待して損した…。もうここには何にもなさそうだし次に行かない? アルベル、さっさとそれ回収して行くわよ」
興味をなくしたプリシスは出口の方に振り返り歩み始めた。
「ああ、っと。 ? くっ! ?? このっ! !? と、取れねぇ…」
「はぁ?」「ええっ?」「うそ?」
三者三様の反応を見せ台座に集まるプリシス、レオン、レナ。

三人が近寄る頃にはアルベルはガッチリと石を掴み、台座に足をかけて踏ん張っているところだった。
顔が真っ赤になるまで力をこめているのにビクともしない。
「ちょっとアルベル! 貴重な結晶体をどうしてくれんのよ!」
その様子を見てアルベルがふざけているわけではない事に気付き、続けて次を入手できるか定かではない結晶体が回収不能の事態に陥った事を責めた。
「うるせえ! もうこいつからわかる事は無かったんじゃないのかよ!? なら別にいいじゃねえか!」
「開き直る気!? 信じらんない!」
またも言い合いを始めた二人にオロオロするばかりのレナ。
だが、レオンだけは違った。台座に設置されている水晶玉になにやら文字の様な物が浮かび上がっている。
「待ってよ二人とも。この水晶玉に何か書いてるよ?」
レオンの発見した水晶玉の些細な変化に一同は視線を集める。
「エクスペルやネーデで使われている文字じゃない…。レオン読める?」
「…。駄目だ。地球に行ってから銀河連邦に登録されている文明の言語は一通り見てきたけどそのどれにもこんな形態の物は無かったよ。
 こういう未知の言語の解読は僕の専門外だ。どちらかと言うと古文書解読に近いと思うよ」
「古文書かぁ、キースさんがいれば頼めたけど…」
プリシスが実家の直ぐ近くに住む古文書解読の第一人者である知人の名を挙げるが、この場にいない人間の力を借りる事は先ず不可能であろう。
他に心当たりがある人物はいないだろうかとしばし3人が押し黙った末
「エルネストさん…」
レナがふと仲間の名前を呟いた。
「そうか! 確かあの人は考古学者だ! 未知の言語の解読も出来るかもしれない!」
「じゃあ早く探さなくちゃ! 今だって危険な目にあっているのかもしれない」
「でもどこに…」
エルネスト? なにそれ? 食えんの? 状態だったアルベルはこの会話に完全に入れずただ台座を凝視するしかなかった。
しかし、そのおかげで彼は新たにこの台座には、別の箇所に窪みが4箇所あることに気付いた。

「なぁ、この穴他に4つあるぞ。これ埋めれば何か起きるんじゃね?」
そう言われて台座に備わっている穴を眺めながら考えを巡らせるレオン。
(今、やるべき事…。
エルネストさんとの合流。でもどこに?
台座の穴を埋めてみる価値もあるか?
それに首輪を外す為に死んで間もない結晶体の入手か起動キーの解明も必須…。
そして、どんどん減っていく参加者…)
「皆聞いて!」
一同が自分に注目したのを確認した後に口を開いた。
「エルネストさんとの合流を優先しよう! 
 僕の推測が正しければ鎌石村か平瀬村にいるはずなんだ! だから二手に分かれよう!」
そう言いながら
『それと共にこの台座の窪みも気になる。何か大きな意味があるのかもしれない。
 だから結晶体を後4つ。それと首輪の解除をするために死んで直ぐの結晶体も欲しい、
 もしくは結晶体の再起動を行うキーの入手。
 これを全部やるには纏まって行動していては駄目だ。
 これらを一つでも多く探して理想は次の放送、無理ならその次の放送までにここに再集合』
と書かれたメモを掲げてみせる。
「でもそれって…」
「うん、戦力的には不安になる。だけど刻一刻と人数は減っていっているんだ…。
 悠長なこと言ってらんないよ。ここは勝負に出るところだ」
「俺は特に異論はないが、どういう風に分ける気だ? 
 こんなところでウダウダやってる時間も惜しいだろ。さっさと決めようぜ」
早速4人はどうすればベストのチーム分けになるか話し合いを開始した。

4人の話し合いはすんなり決まったのだが、そこには何故かちょっと涙目なレオンがいた。
「ねぇ、ちょっとプリシス」
アルベルとレナに気付かれないようにそっとプリシスに耳打ちをするレオン。
「どうしてもこのチーム分けなの?」
レオンの抗議の内容はたった今パーティー内会議にて決定したチーム分けの件についてだ。
その話し合いの末レオンはアルベルと、プリシスはレナと組んで行動する事になっている。
「そうだけど何か?」
何を今更そんな事聞いてんの? と言いたげな表情をしながらレオンの問いに答るプリシス。
「だって、あのアルベルって人の僕を見る目が時々尋常じゃないんだよ?
 もしかしたら僕食べられちゃうかもしれないよ?(性的な意味で)」
「何言ってんの? あれだって普通の人間なんだからレオンを食べたりしないって(食欲を満たす的な意味で)」
「本当に大丈夫かな?」
(僕の言わんとしてること通じてるのかな?)
「大丈夫だって! それに二手に分かれる事を決めたのはレオンじゃん。
 戦力の分配を均等にするなら、接近戦が出来る私とアルベルは別チームにしなければならないし、
 腕っ節は悔しいけどアルベルの方が強い。
 そうなると私に組ませるなら多少でも格闘術の心得があるレナの方が適役じゃん」
「ううっ、それは判るんだけど…」
「うるさいうるさいうるさい。レオンも男なんだから一度決まった事にウダウダ言わない!」

「あの二人なにを話しているんだろう?」
二人の様子に気付いたレナが呟く。
「おい」
そんな彼女に用があるのかアルベルがいつもどおりの不機嫌顔で話しかける。
「選別だ。持ってけ」
そうぶっきらぼうに言いながら護身刀“竜穿”を差し出す。
「これは…」
レナにも見覚えがあった。この島に来て直ぐディアスと出会った時に彼が持っていた短刀だ。
「これぐらいのサイズの刀なら剣術の素人でも十分護身用に使いこなせるはずだ。お前にはおあつらえ向きの武器だ」
ディアスがその強い思いと共にオペラを貫いた短刀。
レナはディアスの見せた意地とオペラから託された願いを思い出しながら、強くこの短刀の柄を握り締めた。
「ただし貸すだけだ。俺の仲m、ゲフンゲフン! 
知り合いというかむかつく奴というか、とにかくその剣の本来の持ち主は俺の世界の人間なんだ。
そいつの親父も使っていたっつう業物で、せめて墓代わりにその剣を持ち替えt、違う!
俺の世界では値打ちもんなんだよ! だから必ず返せよ! いいな!」
顔を赤くしながら言いたい事を言い終えたのか、
もう用はないと言わんばかりにそっぽを向くとレオンとプリシスの方に向かって声をかけた。
「おら! 準備はいいのかよガキ共!」
「ガキって言うな!」「ううっ、はい…」
プリシスとレオンは異なった返答をしながらも準備は出来ていたのか、直ぐにこちらに寄ってきた。

「よしっ! それじゃあしゅっぱーつ! 行こっ、レナ」
「ええ、よろしくねプリシス」
拳を高々と突き上げ、いの一番に神社内から飛び出したプリシスとそれに続いて出ていったレナに
ガキの使いじゃねえんだぞ、わかってんのか?と思いながら見送った後レオンの方に振り返るアルベル。
「おら、俺らも行くぞ」
声をかけられたレオンの方は若干怯えた様子で、アルベルを見上げながら、
「うん…。よろしくね。アルベルお兄ちゃん…」
と力なく返した。
(お兄ちゃん…)
彼の中でその響きが数度反芻した後に、アルベルの中で電流が流れた(気がした)
むしろ彼の中で何かが芽生えたと表現した方が良いのだろうか。
それも無理からぬ事で、何せショタっ子猫耳メイドに若干涙目の表情で上目遣いに名前にお兄ちゃん付きで呼ばれてしまっては
その筋の人はおろか、普通の至って健全な筆者の様にノーマルな人間でも何かに目覚めてしまう事は請け合いである。

そんなレオンの一言にうろたえた様に一歩後ずさりをし、顔を赤くするアルベル。
(お兄ちゃんとはまた強烈な…。寝ている時も十分だったが起きている時もカワイイじゃnゲフンゲフン!
落ち着け俺! こんなガキがカワイイだと? 冗談じゃねえ! そうだ! こういう時は素数を数えるんだ! 4…6…8…9…10)
完全に動揺しきったアルベルは素数ではない方の数字を脳内でカウントしていた。
そんなアルベルの様子を見ながらレオンは
(本当に大丈夫かな…?)
と、この先に待ち受けるであろう困難と身の危険(いろんな意味で)を思い、大きくため息をついたのであった。
頑張れレオン君! 君達の戦いはこれからだ!!



【G-06/深夜】
【アルベル・ノックス】[MP残量:90%]
[状態:左手首に深い切り傷(レナに治癒の紋章術をかけてもらいました。しばらく安静にすれば完全に回復します)、
左肩に咬み傷(レナに治癒の紋章術をかけてもらいました。しばらく安静にすれば完全に回復します)、
左の奥歯が一本欠けている。疲労小]
[装備:セイクリッドティア@SO2]
[道具:木材×2、咎人の剣“神を斬獲せし者”@VP、ゲームボーイ+ス○ースイ○ベーダー@現実世界、????×0~1、
鉄パイプ@SO3、????(アリューゼの持ち物、確認済み)、荷物一式×7(一つのバックに纏めてます)]
[行動方針:ルシファーの野郎をぶちのめす! 方法…はこのガキ共が何とかするだろ!]
[思考1:レオンと共にひとまず行動。次の、ないしその次の放送までに鷹野神社に戻る]
[思考2:レオンの掲示した物(結晶体*4、死んで間もない人物の結晶体*1、結晶体の起動キー)を探す]
[思考3:エルネストを探す]
[思考4:レオンキュンハァハァ…はっ! 俺は一体なにを]
[思考5:龍を背負った男(アシュトン)を警戒]
[現在位置:鷹野神社内部]
※木材は本体1.5m程の細い物です。耐久力は低く、負荷がかかる技などを使うと折れます。

【プリシス・F・ノイマン】[MP残量:100%]
[状態:アシュトンがゲームに乗った事に対するショック]
[装備:マグナムパンチ@SO2、セブンスレイ〔単発・光+星属性〕〔25〕〔100/100〕@SO2]
[道具:ドレメラ工具セット@SO3、????←本人確認済み、
解体した首輪の部品(爆薬を消費。結晶体は鷹野神社の台座に嵌まっています)、
無人君制御用端末@SO2?、荷物一式]
[行動方針:惨劇を生まないために、情報を集め首輪を解除。ルシファーを打倒]
[思考1:レナと共にひとまず行動。次の、ないしその次の放送までに鷹野神社に戻る]
[思考2:レオンの掲示した物(結晶体*4、結晶体の起動キー)を探す]
[思考3:自分達の仲間(エルネスト優先)、ヴァルキリーを探す]
[思考4:アシュトンを説得したい]
[現在位置:鷹野神社敷地内]


【レオン・D・S・ゲーステ】[MP残量:100%]
[状態:左腕にやや違和感(だいぶ慣れてきた)]
[装備:メイド服(スフレ4Pver)@SO3、幻衣ミラージュ・ローブ(ローブが血まみれの為上からメイド服を着用)]
[道具:どーじん、小型ドライバーセット、ボールペン、裏に考察の書かれた地図、????×2、荷物一式]
[行動方針:これ以上の犠牲者を防ぐ為、早急に首輪を解除。その後ルシファーを倒す]
[思考1:アルベルと共にひとまず行動。次の、ないしその次の放送までに鷹野神社に戻る]
[思考2:結晶体*4、死んで間もない人の結晶体*1、結晶体の起動キーを探す]
[思考3:死んで間もない人の結晶体を入手したら可能な限り調査する]
[思考4:信頼できる・できそうな仲間(エルネスト優先)
やルシファーのことを知っていそうな二人の男女(フェイト、マリア)を探し、協力を頼む]
[思考5:服着替えたい…]
[思考6:アルベルお兄ちゃん…、その、目が…怖いです]
[備考1:プリシスと首輪解析の作業をして確定した点
① 盗聴器が首輪に付随している事。
② 結晶体が首輪の機能のコントロールを行っている事
③ 首輪の持ち主が死ぬと結晶体の機能が停止する事
まだ確証がもてない考察
① 能力制限について(62話の考察)
② 死んで間もない人間の結晶体が首輪解析に使えるかどうか]
[現在位置:鷹野神社内部]

【レナ・ランフォード】[MP残量:40%]
[状態:仲間達の死に対する悲しみ(ただし、仲間達のためにも立ち止まったりはしないという意思はある)、
精神的疲労大]
[装備:護身刀“竜穿”@SO3]
[道具:荷物一式、魔眼のピアス(左耳用)]
[行動方針:多くの人と協力しこの島から脱出をする。打倒ルシファー]
[思考1:プリシスと共にひとまず行動。次の、ないしその次の放送までに鷹野神社に戻る]
[思考2:レオンの掲示した物(結晶体*4、結晶体の起動キー)を探す]
[思考3:自分達の仲間(エルネスト優先)を探す]
[思考4:アシュトンを説得したい]
[思考5:エルネストに会ったらピアス(魔眼のピアス)を渡し、何があったかを話す]
[現在位置:鷹野神社敷地内]

【残り22人+α?】




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