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第143話 不慣れなプリキュア STYLISH WOMAN



木漏れ日の差し込む森林の中を、心地よい冷たさを乗せた風が木の葉と戯れて通り抜けていく。
早朝の散歩にはおあつらえ向きの環境だ。
しかし今のフェイト・ラインゴッドにはそんな事に身を委ねる余裕はなかった。
無論それには大小様々な訳があるが、現状最大の理由としてはこの一点。
いくら死体とは言え、そして中身が知り合いであるブレア・ランドベルドであるとは言え、
妙齢の女性が素っ裸ですぐ側にいる事にあった。

「どうした? 先程から挙動が不審なようだが?」

不審者王が声を向ける。
あなたにだけは言われたくない、と条件反射で答えそうになるがそこはグッと堪えてフェイトは言う。

「いえ、その、話を聞きたいのは山々なんですけど……その前にですね……」
「他に優先する事があるというのか?」
「優先って程じゃないんです。ただ、ブレアさんに何か着てもらいたいなと思いまして」
「私? ああ……別に私は気にしないけど」
「つか俺達が目のやり場に困るんだって」

ブレアと共に広すぎる背中に背負われているチェスターもフェイトの意見に頷き、賛同の意を示した。
年頃の青年二人。美人の裸が視界に入るとなればやはりどうしても目がそちらに行ってしまい、気もそぞろになりがちだ。
これからブレアが語るのは確実にこれまでの盤面をひっくり返す程に重大な情報だと思われるのだ。可能な限り話し合いには集中したい。

「なるほど、やはり人間文化にとって衣装とは重要な要素なのだな。これは迂闊だった」

うんうんと大きく頷いている不審者王。
妙な納得の仕方をしているが、目のやり場に困るって言っただろ、と突っ込みたい気持ちをグッと堪えてチェスターは言う。

「だけどよ、こんな森の中じゃ服なんかありっこねえよな」
「それは……そうだね。探すにしたって時間も無いし……」

仕方ないか。そう続けようとしたフェイトだったが、チェスターのデイパックからはみ出している『ある物』を目にした時、視線と共に言葉を止めた。

「チェスター…………それ、何?」
「それって…………おい、なんだこれ……?」

『それ』は、黒い布だった。
しかしただの布ではない。
見えている部分はごく一部ではあるのだが――――。



我々は……この布切れに見覚えがある!
このヒラヒラの衣装を知っている!
一瞬の内にフェイトとチェスターの目を釘付けにしたこの黒い悪魔を!



もしかしたら、気付かなければ彼等は今より少しだけ幸せだったのかもしれない。
だが爽やかなはずの朝日は無情なる現実を突き付けている。二人共、既にその存在を目撃してしまっている。
フェイトは無言で、恐る恐るとその布地を引っ張り出す。
一ミリ足りとも予想に反する事のない形状をもって、それはフェイトの手の上で広がった。
どう見てもそれは目の前の不審者王がお気に召して決して脱ごうとしないあの衣装。破壊力抜群のあの凶器。
ゴクリ、と喉を鳴らしたのは果たしてどちらの青年であったか。

「チェスター……それって……」
「……ああ」
「あれだよね……?」
「……ああ」
「……君にはそんな趣味が?」
「……ああ…………い、いや違う! 知らない! 知らないぞ俺は! 何でこんなもんが入ってるんだ!? さっきまでは絶対に無かったぞ!」

渦巻く疑問と駆け抜ける混乱。
突如出現した異変に二人は困惑を隠せない。
この衣装の正体が何なのか。賢明な読者諸君の中には感付いた人もいるかもしれない。
チェスター達には一つの誤解がある。実のところ、その衣装――――というよりアイテムそれ自体はいきなり現れたものではないのだ。
それは紛う事無く支給品の一つだった。何話か前からチェスターのデイパックに入っており、状態表にもしっかりと記載されていたある道具だった。
そう、それこそは、どの様な武器にも変化するという万能アイテム『レーザーウェポン』なのだ!

何、どうしてレーザーウェポンが防具、というか限りなく防具に近いけど実質防御力なんか布の服よりも低いただのコスプレ衣装だけど
敢えて分類するならギリギリ何とかすんでのところで防具のカテゴリに収まるだろうと思われる魔改造アイテムに変化したのか、だって?

説明しよう。
例えば、だ。例えばマリアの得意武器であるフェイズガンがどこかその辺に置かれているところを未開惑星の住人達が見たとする。
ではこの人達はその時フェイズガンを武器だと思うだろうか? 未知の道具を武器だと思う事が出来るだろうか?
答えは否。彼等にはそう思う事は決して出来ない。
彼等の知識ではフェイズガンを武器だと認識する事は不可能であり、
この場合は仮に彼等がレーザーウェポンを手にする事があったとしても、
誰一人としてレーザーウェポンをフェイズガンに変化させられる者はいないだろう。
彼等の中ではフェイズガンとは武器と思われてないのだから、それは当然の話だ。
しかし、一旦そのフェイズガンが火を噴く場面を見たとすればどうなるか。一転してそれは武器だと見なされる事となる。
こうなった場合は彼等がレーザーウェポンをフェイズガンに変化させても何ら不思議ではないと言えるだろう。
そう、全ては認識なのだ。その物の用途を決めるのは、偏に個人の認識にかかっているという事なのだ。
そしてチェスターは認めてしまっていた。
不審者王キュアプラムスがその身に纏う着衣に現実逃避もしたくなるほどの多大なる精神的ダメージを受けた事によって、
その衣装は精神攻撃、破壊も可能な絶大なる凶器! 心の奥底ではそうと認識してしまっていた。
だからこそレーザーウェポンは魔法少女コスチュームへと変貌を遂げてしまったのだ! その認識が、この変化へと繋がったのだ!

そんな事を知る由もない二人は慌てふためくしかなかった。
慌てふためく二人を訝しんだ不審者王が振り向くのは至極当然の結果。
更なる衣装に気付いた不審者王のその後の行動。
不審者王を主導にあれよあれよと事態は進み、迎える羽目になった一つの帰結――――。






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  ヽニ二丶::::::::::::フ-‐>、:::::::::::::::::::::::::::::::;: -r'iへ!__,ゝ___ノ::::::::::::::::::!
      } へ:::::ハ___)_ハ ` ̄フー--r'´ ̄7____j  {⌒ー---r、____:::::::l
      `ー-/ ̄`ヽ、(___r'⌒)/  レ‐‐'´::::::::`ー'´ ̄ ̄`ヽ!/‐、}`ヽト、
        /      \:::::::::::::`':::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::(_r‐、ゝ\
       /        ヽ::::::/--、_::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::ハヽー‐'`!
     /          !/ / r‐、「 ̄にー-!:::::::::::::::::::::::::::::::ハ ヽ____)
     /          /` ̄`ー`ー--'`)___,rト、:::::::::::::::::::::::::/ `ー'´
   ハ         /             l `ー-----‐''7
 /ヽヽ      /                 !         /
´:::::::::ゝニヽ、  /                l        ,'
´:::::::::::::ヽニニY                  l      ,'



究極生命体(アルティメット・シイング)2体目! キュア・レナスの誕生だッーっ!!!!!




【D-05/朝】


【フェイト・ラインゴッド】[MP残量:75%]
[状態:左足火傷+打撲(少し無理をした為に悪化。歩くにも支障あり)。クロード・アシュトンに対する憎しみ]
[装備:鉄パイプ-R1@SO3]
[道具:ストライクアクスの欠片@TOP(?)、ソフィアのメモ、首輪×1、荷物一式]
[行動方針:仲間と合流を目指しつつ、脱出方法を考える]
[思考1:ブレアに話を聞く……はずなんだけど]
[思考2:ルシファーのいる場所とこの島を繋ぐリンクを探す]
[思考3:確証が得られるまで推論は極力口に出さない]
[思考4:主催側の内部に潜入するか、このままの方針で行くか……]
[備考1:参加者のブレアは偽物ではないかと考えています(あくまで予測)]
[備考2:ソフィアの傷は全身に渡っています。応急手当にはしばらく時間を取られるかもしれません]


【チェスター・バークライト】[MP残量:30%]
[状態:クロードに対する憎悪、肉体的・精神的疲労(中程度)、腹部に当身による痛み]
[装備:光弓シルヴァン・ボウ(矢×???本)@VP、パラライチェック@SO2]
[道具:アーチェのホウキ@TOP、チサトのメモ、荷物一式]
[行動方針:力の無い者を守る(子供最優先)]
[思考0:もうこれわかんねぇな]
[思考1:この次は必ずクロードを殺す]
[思考2:アシュトンも、もう許せねえ]
[思考3:使えそうな矢を拾い集める]
[思考4:レザードを警戒]
[備考1:チサトのメモにはまだ目を通してません]
[備考2:クレスに対して感じていた蟠(わだかま)りは無くなりました]
[備考3:矢は何本かは回収したかもしれません]


【ソフィア・エスティード】[MP残量:0%]
[状態:気絶中。全身に『レイ』による傷(応急手当中)。ドラゴンオーブを護れなかった事に対するショック。疲労大]
[装備:クラップロッド、フェアリィリング@SO2、アクアリング@SO3、ミュリンの指輪のネックレス@VP2]
[道具:魔剣グラム@VP、レザードのメモ、荷物一式]
[行動方針:ルシファーを打倒。そのためにも仲間を集める]
[思考1:クロード、アシュトンを倒す]
[思考2:平瀬村へマリアを探しに行く]
[思考3:マリアと合流後、鎌石村に向かいブラムス、レザードと合流。ただしレザードは警戒。ドラゴンオーブは返してほしい]
[思考4:ブレアに会って、事の詳細を聞きたい]
[備考1:ルーファスの遺言からドラゴンオーブが重要なものだと考えています]


【ブラムス】[MP残量:90%]
[状態:キュアブラムスに華麗に変身。本人はこの上なく真剣にコスプレを敢行中]
[装備:波平のヅラ@現実世界(何故か損傷一つ無い)、トライエンプレム@SOシリーズ、魔法少女コスチューム@沖木島(右肩付近の布が弾け飛んだ)]
[道具:バブルローション入りイチジク浣腸(ちょっと中身が漏れた)@現実世界+SO2、和式の棺桶、袈裟(あちこちが焼け焦げている)、仏像の仮面@沖木島、荷物一式×2]
[行動方針:自らの居城に帰る(成功率が高ければ手段は問わない)]
[思考1:ブレアから話を聞く]
[思考2:敵対的な参加者は容赦なく殺す]
[思考3:直射日光下での戦闘は出来れば避ける]
[思考4:フレイ、レナスを倒した者と戦ってみたい(夜間限定)]
[思考5:次の放送までにF-04にてチーム中年と合流]


【ブレア・ランドベルド@レナス・ヴァルキュリア】
[状態:キュアレナスに華麗に変身]
[装備:レーザーウェポン(魔法少女コスチュームに変化中)@SO3]
[道具:なし]
[行動方針:プロジェクトの妨害]
[思考1:レナスの死体を介して、ゲートの存在を知らせる]
[備考1:ドラゴンオーブ以外のプログラムにも何らかの仕掛けを施しています。現在二個発動中]
[備考2:他にも参加者を脱出させる方法を考えている、もしくは用意している可能性があります]


【現在位置:D-05東部】


【残り15人+α】





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