Crazy Cruise

1942年3月14日公開 - Merrie Melodies - スポットギャグ

スタッフ
 Supervisor (uncredited) : Fred Avery, Robert Clampett
 Story: Michael Maltese
 Animation: Rod Scribner
 Narrator (uncredited) : Robert C. Bruce
 Voice Characterizations (uncredited) : Mel Blanc
 Music Direction: Carl W. Stalling

あらすじ
 スイスアルプス、中欧、エジプト、アフリカ……。
 世界の国々の知られれざる名(迷)所を克明に記録したショートギャグ集。

+ ギャグ(クリックで表示)
ギャグ
 アメリカ南部に広がるタバコ農園。
 綿花農園がワタツキゾウムシの虫害に悩まされているように、タバコ農園ではタバコムシの被害が甚大だ。
 この小さな虫は一体何を考えているのか。取材者が高性能マイクでコメントを求めると、タバコムシはただ一言
 「Sold to an American!」と叫ぶ。(※アメリカン・タバコ・カンパニーのCMフレーズ)

 フロリダを出てカリブ海を航海する船。
 当初は順調な航路を取っていたが、キューバにあるスロッピー・ジョーズの店で一杯引っ掛けてからというもの……。
 (※「Sloppy Joe's」はキューバに実在する酒場。1940年代から1950年代にかけてアメリカ人観光客で賑わった)

 スコッチウィスキー(遭難者の気つけ薬代わり)が入った樽を首に下げてアルプス山脈を往く山岳救助犬。
 後には水割り用の「炭酸水」の樽を運ぶ犬と、呑みすぎた時の「ブロモ(Bromo-Seltzer、胃酸薬)」の樽を運ぶ子犬が続く。

 多くのピラミッドがそびえるサハラ砂漠。
 なぜかニューヨーク万博(1939-1940年)の象徴であるトライロンとヘリスフィアまで混ざっている。

 エジプトの地で何百年も沈黙を守り続けてきたスフィンクスが
 「Monotonous, isn't it?(単調だよね?)」と口をきく。
 (※コメディアン、ジェリー・コロンナのキャッチフレーズ)

 アフリカの秘境に存在するというヴェロニカ湖(レイク)。
 その形は女優のヴェロニカ・レイク(1922-1973年)そっくり。

 原住民の子を人質に、ジャングルに住むとされる“世界一大きな人種”を捕らえんとする2人の探険家。
 彼らが森に姿を消すと、激しい喧騒音の後、先ほどの子供が一人で飛び出してきて「捕まえた!捕まえた!」と騒ぐ。
 だが実は「捕まえた」のは原住民の方で、探検家はポール・モール タバコの広告のように、巨大な原住民の指に摘まれているのだった。

 探検家の顔は、ワーナー漫画スタッフのフリッツ・フレレング(監督)とマイケル・マルティーズ(脚本家)の似顔絵で表されている





 以下の記述はラストシーンのネタバレを含みます





 無邪気にじゃれあう子ウサギたち。
 だがそこに突然、獰猛なタカ(当時の敵対国である日本人の戯画化)が襲い掛かってくる。
 子ウサギたちは慌てて茂みに逃げ込むと…、果敢にも対空砲でタカを撃墜するのだった。


 最後に子ウサギの一匹が画面に向き直ると、その正体はバッグス・バニーだったと分かる。
 バッグスは「Eh, tumbs up, Doc! Tumbs up!」と言って戦中生活を送る観客を励ます。
 バッグスの交差した耳が連合国の勝利を祈願する「Vサイン」に繋がって物語は幕を閉じる。

+ 備考(クリックで表示)
備考
  • 紀行映画をパロディ化したショートギャグ集。
    テックス・エイヴリー(1941年退社)が製作を開始し、ボブ・クランペットが完成させた作品の一つ。

+ 収録状況(クリックで表示)
収録状況
  • 米国
    • DVD「Looney Tunes Golden Collection Vol.4」






最終更新:2016年03月14日 02:42