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巡航クレープ屋台


○発案者:荒風ヒオ
 電子制御により大人数を相手にヒットアンドあうぇい。
 多弾クレープミサイルを発射できます。


船に見えるけどクレープ屋台(w

(画:赤星 緑)


お祭りSS

「クレープを売るだけぢゃない屋台の勇姿」

じゅん‐こう【巡航】
[名]スル1 船舶などがあちこちを回ること。「瀬戸内の島々を―する」「―船」

や‐たい【屋台・屋体】
1 道路・広場などで立ち売りの商売をするための台を設けた、屋根付きの小さな店。台車をつけたり、自動車を改造したりして移動できるものもいう。屋台店。床店(とこみせ)。
/*/

「はいクレープねー。じゃあそこで構えててねー。撃ち出すからー」
「あ、水あめですか。はいどうぞ・・・・・・とと、落ちそうになった」

空飛ぶ屋台がそこにあった。
何だそれはと思われるかもしれないが、まさにそうとしか表現できない物が浮いていた。

『巡航型屋台』

発案は本気だったのかどうかは今となっては知る由も無いが、「ああそれはおもしろい」というだけの理由で、愛鳴藩国は実現にうつしてしまった。
「犬の人は本当によくわからない」と、いう囁きも聞こえたかもしれない。

ただ、そういうよくわからないものを面白がるのは、どこの国の子供も一緒であった。
ちなみにメニューは、クレープと水あめ。要は甘いものだ。
おかげで、予想以上に繁盛している。

「いいことだ……。む。あのエプロンはなかなか……。玄霧さんのところか」
「三祭さーん、そろそろ次のポイントに移動……何見てますか」

アナログなラジコンのコントローラーのようなものをいじりながら外を見ていた三祭ノアに、移動を告げたのは荒風ヒオだ。
宰相秘書官の一人であり、藩国内では風紀委員的な立ち回りでも知られている。

「ああ、あそこの売り子さんが……いやなんでも」
「(にこり)エプロンハンターだったら粛清しますからね」
「……ハハハ。イヤダナァ。ソンナハズナイジャナイカ。あー、そういえば先ほどの迷子、どうしました」
「ああ、運営本部の方がいらしたので、預けましたよ」
「了解です。じゃあ動かしますか」

周辺に「動き出しますので注意してください」とアナウンス後、屋台はまた航行を開始した。

「あ、10時方向、子供の泣き声」
「……また迷子ですかね。迷子だったら拾っていきますか」

巡航型であることを利用して、頼まれていないが迷子対応までしていた。
どこの国に居ても、子供の笑顔を最優先で守ることだけは忘れない。

巡航型屋台は、また本来のコースから外れて子供の泣き声の方に舵を切るのであった。

文:三祭ノア



「なっこちゃんまつりにおける屋台の勇姿」

「みゃん!」「みゃん!!」威勢のいい鳴き声が大通りに響き渡る。(鳴き声?)
今日は「なっこちゃん祭」
斉藤奈津子逗留を記念して行われる愛鳴藩国のお祭りである。
さっきから大通りに響き渡るこの鳴き声はこのお祭りのもう一つの目玉である「巡航型屋台」の動力として働いている愛鳴藩国のマスコットキャラクター「みあきすクン」(一部ではUMAと囁かれている)達の掛け声である。
「巡航型屋台」とは先頭の山車(だし)に次々と屋台を連結させ愛鳴藩国中を練り歩くという無茶な代物であり
「みあきすクン」のいない他の藩国にはとてもお薦めできない代物だ。
屋台の周りには足場が組まれ移動する屋台を追いかけながら射的や金魚すくいなどをする羽目にはならない
(・・通常の場合は)
乗り降りの際も屋台と一緒に練り歩いてる「みあきすクン」に一声かければ乗り降りを手伝ってくれるので小さい子にも安心してご利用できます。
尚、ついつい長居しすぎて屋台ごと遠くに移動しすぎて今いる場所がわからなくなるそんな場合にも「みあきすクン」に声をかけていただければ「みあきすクン」があなたをリヤカーに乗せて任意の場所まで送ってくれます
迷子のことも「みあきすクン」にご相談していただければ彼ら(?)の独自のネットワークを介することでスムーズに解決することでしょう

「なっこちゃん祭」の最中、斉藤奈津子は「巡航型屋台」の先頭の山車(だし)に乗っていただくことになっていた
「はあっ、はあっ」期待と興奮で息を弾ませながら荒風ヒオは走っていた。
お祭り用に光量を抑えた中
なっこちゃんの浴衣姿が幻想的に映えるだろうその瞬間を一刻も早くこの眼に焼き付けたかった この愛鳴藩国でなっこちゃんが好きなことに於いて誰にも負ける気はなかった(必ず勝てる確信はなかったけど)
なっこちゃんが愛鳴に来たときアレもコレも言いたかったことが全て真っ白に吹っ飛んだ
その中からようやく拾い集め、言えた言葉もなっこちゃんラブの気持ちの半分も伝えられなかった
思い余りなっこちゃんの寝顔をじーと見つめたこともある(さすがにそれ以上はヤバイと理性が働いた)
でも今夜のなっこちゃんは穴があくほど見てもどこからも文句は言われない!一気に連結された屋台を追い抜き山車(だし)をも追い越して後ろを振り向いた!そして山車(だし)の上にいるだろうなっこちゃんの姿を探す
するとそこには・・
「フハハハハッ!我こそは紫にして水晶!・・ん?どうしたんだヒオさん?そんなとこでコケて?」伴 新がいた。
「・・ちょっ~と!待つですの!」即座に立ち直る荒風ヒオ!
「伴さん!そこで何やっているんですの!」厳しい口調で伴 新に詰問する
「・・?山車(だし)の上に立っているんだが?」何を当然のことをというように答える伴 新
「違います!そこにはなっこちゃんが立っているはずです!」
「・・ああ」ようやく思い当たったらしい
「なっこちゃんなら・・」
「なっこちゃんは?」
「逃げた」
「・・え?」
「よく考えれば山車(だし)の上に乗せて練り歩くというのは愛鳴藩国中にさらし者にするようなものなんだよな・・
かなり本気で逃げてるらしく「みあきすクン」のネットワークをもってしてもまだ見つからない」
立ち尽くす荒風ヒオを置いて「巡航型屋台」は進んでいく
「おっ、キラさん、そっちは?痕跡はダミーだった?わかった連絡しとく」
伴 新の話し声も遠くなっていく
「もしもーし、カイエさん、あれ?連絡がつかない?」
周囲の喧騒すら静かになって荒風ヒオは立ち尽くしていた
我を取り戻しなっこちゃん捜索チームに加わるのはその数十分後である
その夜の裏側では「みあきすクン」達と大立ち回りするなっこちゃん
英吏の写真を餌に罠を仕掛けるも写真だけ取って逃げるなっこちゃん
あわや暴走しかけるも(そんなにイヤなのか?)伴 新の精霊手ッポイものを喰らい気絶するなっこちゃん
山車(だし)の上に乗ってあのはにかむように微笑みながら手を振ってくれるまでに我々は沢山のなっこちゃんを見ることが出来ました(笑)

文:伴奏者



「ある戦場の風景」

ソラに豪声が轟く。
愛鳴藩国を南北に貫く街道。通称桜街道にスターティンググリッドに勢ぞろいした各「屋台」がアイドリングとはいえ、秘めた禍々しい猛りを秘めた重低音をあたりに響かせている。
Y1GRAND PRIX。
愛鳴藩国で日々国民達にひと時の安らぎを与える屋台達が、今日はその隠された牙をむき出しにしナンバー1の座を賭け存分に闘うのだ。
屋台。
それは小さな移動店舗であり、その機動性を生かし様々なシーンで登場。
その持てるスペックを存分に発揮し、様々な娯楽を提供するものたちである。
今日はこちらの縁日。明日はあちらのイベント。はてさて次の日は遠く離れた地でのフェスティバルへと縦横無尽に走りまくる彼ら。
愛鳴藩国では「走り屋」とは高機動「屋台」を駆る人々のことを指していた。

そして今日。
藩国に取って待ち望んでいたお客様。
悪魔にして天使。
人にして猫(犬でないのが少々残念だが)。
斉藤奈津子嬢の歓迎のお祭に、走り屋は集った。
自らの洒落と酔狂により、深く広い歓迎の意を伝えるために!
つらい日々の続く人々に対し、憂悶を晴らす一陣の風を届けるために!

「仏契義理だぜ!ベイベ~」 (by及川ミッチー)

てなものである。
かくして愛鳴藩国市街は屋台達のための闘技場となったのだ~!
(BGM:T○クエア)


「はっやー…」
斉藤奈津子嬢(他人行儀なので以下、なっこちゃん)はメインスタンド(!)前を最高時速で駆け抜けていく屋台を右から左に見送った。
「これだけ早いと、やり過ごすわけにはいきませんよね~」
あきらかに某ムード歌謡に悪影響を受けたと思われるコメントをもらしつつ、バトルを見守った。
なっこちゃんをエスコートするのは愛鳴藩国の摂政九頭竜川である。
その大役に内心「ズッキンドッキン」していたのは内緒である。
「でもこれじゃ屋台に注文できませんよね。えーとクレープとか食べたかったんですけど…」
残念そうななっこちゃんの言葉を聴くと、九頭竜川は心配要りませんよと、訳知り顔に首を振り、こう答えた。
「大丈夫です。ヘアピンカーブでは皆スピードを落としますから~」
「?!」
なっこちゃん、困惑顔である。
屋台は皆レース中なのに。
「では一度やって見せましょうか?」
九頭竜川はヘアピンカーブまで彼女をいざなった。
ちょうどよいところに「焼き鳥」の屋台がやってくる。
やおら九頭竜川は走り出した。
屋台がヘアピンに差し掛かる!急ブレーキ!
その後輪から煙を発しつつ焼き鳥の屋台はヘアピンにあわせフロントをインに食い込ませる。
九頭竜川ダッシュ!
スピードを落とした屋台に併走!
お金を屋台に投げつけ彼は叫んだ!

「じゅんけい10!!」

次の瞬間、屋台から白い紙袋が中を飛んだ。
九頭竜川がつかむと、果たして中にはホッカホカの純鳥の焼き鳥だった。
「ほらね(ニッコリ)」
いかにも得意げな顔だ。
なっこちゃんはちょっとムッとした。
…負けるかー
なっこちゃんは無言で前に進み出る。
実況に耳を傾ける。
集中。
にょきっとヒゲが出てきた。
彼女の狙いは程なくはっきりとした。
「巡航型クレープ屋台」
その名前を聞いたとき、その瞳が一層きらめいたのだ。
「うにゃ~……」
獲物を狙う肉食獣の体勢で、クレープ屋台の減速を待つ。
トップをあらそう巡航型クレープ屋台がコースの向こうに見えてきた。
2番手と激しいデットヒートを繰り広げている。
その船形の車体に似合わずハイスペックの走りを見せていた。
ブリーキング!5速から2速に落とし、前輪への加重をグリップ力に代え、最速でコーナーに侵入する。
時は今!
なっこちゃんが駆け出した!
その伸びやかな体躯を生かし大きなストライドで屋台に走り寄る。
お金を投げ込む。
そして叫んだ!
「チョコバナナ!フルーツパッションデリシャスグレートひとっ(ガチ!)あいたー!!」

ああ、なんてことでしょう。なっこちゃんは長ったらしいそのクレープの名前を言い切ったのにも係わらず、最後の最後で舌を噛んでしまったのでした。
そして思わず足を止めたなっこちゃんに、後続の屋台が突っ込んできたのでしたー
「英吏さぁーーーんっ!」
(キラーン)

注意一秒、怪我一生。
横断歩道、右見て左見てまた右見て。なおかつ上下を見たらなお安全。
甘いものには棘がある、ということで皆様ひとつよろしく。


文:九頭竜川