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「こうやってデコレーションするのよ」
「へぇ~」
愛鳴藩国では定期的に孤児院でパーティーを開くことになっており、エル=ロン(20010)とカイエ(20005)2人はホスト側のメンバーとして料理を担当する事になったのだ。
今は料理をやったことが無い(ワイン作りならある)エルにカイエが味のれんを借りて今回のメインであるケーキの作り方を教えているところだった。
「あとは苺を丸く並べておけば完成よぉ」
「あ、苺はちょっと待って」
カイエにより見本となる見事なショートケーキが1つ出来上がろうとしているところでエルが止めた。
「なによぉ?」
「あのね……がやりたいんだけど」
「えぇっ!」
耳打ちした内容に驚愕するカイエ。
「それ本気で言ってるのぉ?」
「本気ですよ。テレビで見て一度やってみたかったんですよね。皆でやれば絶対楽しいですよ!」
「でも、もったいないじゃない」
「ダメ……ですか?」
反対しようとするカイエを少し潤んだ目で見上げるエル。
「う……」
子供の頼みごとに弱いのは愛鳴藩国の人達の弱点なのかもしれない。
そして子供のような目をして自分を見つめるエルに、心の中で「この目は卑怯よ」と呟きつつカイエは折れるしかなかった。

パーティー当日。
司会進行役のクロは会場へ向かう途中、パーティーの案内文の最後に『汚れてもいい格好で来る事』と書いてある事に気づいて首をかしげた。
ケーキパーティーなのに?
会場となる孤児院の一室に入ると部屋は透明なビニールシートに覆われていた。
「は?」
目が点になるクロ。
ちょうどそこへ子供達がやってきた。
誘導してきた赤星緑(20008)を見つけて小声で話しかける。
「この会場、どういうことですか~?」
「僕も知らないんだよぅ。説明も無いまま準備させられたんだよぅ」
謎はますます募るばかりだが、子供達も集まったのでしかたなくパーティーを開始することにした。
そして、ケーキワゴンが入ってきたところでクロの視界は閉ざされた。

いきなりの出来事にその場にいた一堂は呆然としていた。
クロの顔にはエルが投げたケーキ(?)が張り付いている。
「今日は予定を変更してケーキならぬパイ投げをやるよー!」
そう宣言するエルの隣ではカイエも紙のパイ皿を持ってパイを投げつけ、そのパイは不運にもハルキ(20011)に命中し顔の半分がパイまみれになった。
「なにするんですか~」
抗議をするハルキ。
一番最初に状況を理解し硬直から解けたのは緑で、さらに追加されたケーキワゴンの1つを確保し子供達に配り対エル戦線を展開。
しかし、配下の子供から裏切り者が出て至近距離からパイまみれにされる。
そして、泥沼のパイ投げ合戦が始まる。
エルは序盤こそ奇襲の勢いで押していたが「スゴクイィ!」と奇声をあげながら突如復活したクロの逆襲にあった。
カイエは冷静にパイを避けていたが、子供達に「よけるな~」と言われおとなしくパイを食らうことにした。
ハルキはのんびりが災いしてか子供たちの集中攻撃により、拭うそばからパイをぶつけられていた。
何かが吹っ切れたかのように奇声をあげるクロはメード服が汚れるのも構わず暴れていた。
そして、戦いは終わった。

第1次愛鳴藩国パイ投げ合戦リザルト
  • 戦闘結果:全員パイまみれにつき引き分け
  • 得たお宝:孤児院院長からの説教と子供たちの笑顔
  • コメント:怒られたけど楽しかった

(文章:エル=ロン)