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(画:秋川 志保  赤星 緑 SVL ミリ グググ子 たまき合作)


んちゃちゃ~らちゃらっちゃ、んちゃちゃ~らちゃらっちゃ、ちゃーらちゃらちゃっちゃ、んちゃちゃらっちゃ!
軽快なテーマソング。
国営放送のアイキャッチ、そしてタイトルが現れた。

「『アイス! 特別番組』」
「愛鳴藩国 戦勝パレード『生きてるだけでまるもーけ。10時だよ全員集合!』」


会場を遠景から捉えたカメラがズームで寄る。
そしてカメラが切り替わり、マイクを持ちスーツにエプロンをつけた男が写った。

「はいっ!現場の岩清水です!現在、愛鳴藩国のメインストリートは戦勝パレードをともにお祝いしようとする国民たちであふれていますっ!」
「愛鳴藩国は『子供たちの笑顔を守る』ことを至上の目的として建国されました!」
「くぎゃ~と鳴く犬藩王様の施政の下、国民はその目的のために日々努力を続けて来ました」
「先日の会戦においては、戦火に見舞われた伏見藩国『冬の京』、ほねっこ男爵領に対し戦災復興支援を行いました」
「会戦、そしてそのまま復興支援へと派遣されていた部隊の勝利と活躍を称え、本日戦勝パレードが挙行されたのです」
「国民の喜びは大変なものです。ご老人から子供たちまで沿道は全国民が集まったかのような賑わいを見せております!」

愛鳴藩国ローカル「アイス」の記者が実況中継を行っていた。記者は背後に写る沿道の人々とともに興奮にほおを赤くし、弾むような声になっている。
街道の両脇にはパレードを祝おうとする人々が集まっていた。
みんなは色とりどりの紙ふぶきを撒く、わんわん帝國の紋章が入った旗と愛鳴藩国を象徴する桃色の旗を振っていた。
国民達は敬愛する人々へその労苦への感謝と敬慕を歓声に込める。

「このたび凱旋された皆さんが、小隊順でパレードを行っています!」
「私はそれぞれのパレードの様子と、寄せられる声をお伝えしていきたいと思います!」
「おかえりなさい!」
歓声がいっそう高まった。パレードの最前列が見えてきたのだ。
記者はレポートを続けながら、とうとう沿道の人々と一緒に手を振り始めた・・・


無量小路混成大隊 愛鳴中隊
第一小隊:ミリ小隊長 (「ミリちゃーんおかえりー」:同級生)
以下、歩兵
ライム (「ライムさんーお疲れ様ですー」:愛鳴学園生徒会関係者)
リョウ  (「無事でよかったのー。うんうん」:横丁のご隠居)
三祭ノア (「またアンタの歌を聞かせてくれー」:おっちゃん)
※上記に加えくぎゃーっと鳴く犬藩王、赤星 緑。
以下、I=D「トモエリバー」搭乗員
秋川 志保 (「あなたの絵が好きですー」:技族志望の学生)
エル=ロン (「える様ーおステキー」:旧じゃんく藩国国民)
グググ子 (「あいす食べにいくよー」:常連のおとこのこ)


第二小隊:九頭竜川小隊長 (「九頭ー!今晩飲むぞー!」:味のれん常連)
以下、歩兵
イチカ (「おねーちゃーん!だいじょぶだったー?」:歌ってもらったことのある子)
※上記に加えハルキ。


第三小隊:クロ小隊長※脱藩のため空席 (「バトルメイドになるの見たかったのに~!」:メイド仲間)
以下、歩兵
カイエ  (「姐さーン!お勤めご苦労さんでヤンした~!」:舎弟A)


「いよいよ、我らが藩王様のご一行がいらっしゃいました!」
「藩王様~!おふくろさん~!」


くぎゃ~と鳴く犬歩兵大隊大隊長出仕
くぎゃ~と鳴く犬 (「こどもたちのこと頼みますー!」:多くの国民)
同大隊副官出仕
ハルキ (「ハルキさまー、のんびりが素敵ー!」:軍女性仕官)
赤星 緑 (「一緒にパープルヘ○ン作りましょー!):フ女子)
無量小路混成大隊 愛鳴中隊中隊付き吏族出仕
たまき (「おねーさま!おねーさま!!おねーさまぁー!!!」:政庁女子職員)
※上記に加えミリ。
(おまけ、「母なる犬」への声援 (「ニャー!ニャーンッ!」:三毛猫の親子))


「藩王さま~!藩王さま~!お疲れ様ですー!」
くぎゃ~と鳴く犬藩王は「母なる犬」と並び座席から柔らかに微笑み返し、みんなの歓声に応えた。
今回の戦勝は帝國の欺瞞であっても、国民が我々に与えてくれる気持ちは真実だ。
国民はおそらく背景を知った上で、それでもお祝いをしてくれるのだ。
みんな帰ってきたんだからいいことじゃないか、難しいことはあとで考えればいい。
国民がそう話しているかと思うと、思わず笑みが浮かび心強く思う。
だったら私がすべきことはひとつ。
「子供たちのために」
その思いを現実にするために全力を尽くすだけだ。


パレードの終点で、伴 新、SVL、キラ=カンナが待っていた。
「次はオレたちも一緒に戦います!」
「お疲れ様でした。皆さん」
「こちらへ。記念写真の準備が整っておりますわ」
今回の出陣には間に合わなかったが、かれらは愛鳴藩国のそれこそホープたちである。
「あなたたちも一緒に撮りましょう?」
たまきはここにいないクロを思いつつ、三人を誘った。
沿道の人々に見守られるなか記念写真を撮り終わると、既に式典の格式ばった空気は消え、人々は互いの知人の周りに集まりその無事を祝った。

色とりどりの紙ふぶきが舞い、互いを思う言葉が交わされた。
繋がる手、抱きしめる手、送り出す手、抱きとめる手。
それはかけがえのない一瞬だった。

三祭が歌を歌い始めた。どこかで聞いたはやり歌だった。

「愛が泣くときわたしはここにいる」
「あなたが泣くときわたしはここにいる」

はじめは一人が、そしてみんなで。続いて沿道の人々が唱和した。

「あなたのよろこびはわたしのよろこび」
「あなたのかなしみはわたしのかなしみ」

全ての歌い手は胸を張り、声を張る。

「わたしはここにいるあなたはここにいる」
「わたしは歩もうあなたと歩もう」
「よろこびもかなしみもともに刻もう」

歌声はあなたに届き、そしてわたしに届いた。ならばともに歌を歌おう。

「そして笑おうともに笑おう」
「愛を紡ごう愛を鳴こう」
「たかくたかくたからかに」
「とおくとおくはれやかに」
「われらはともに笑顔とともに」
「われらはともにあなたとともに」


岩清水記者も一緒に歌っていた。
「これがわれらの愛鳴藩国です。愛すべきホームです」
「子供たちは愛を受け、夢を育み、健やかに世界に羽ばたくべきものなのです」
「子供たちが苦しみ、食い物にされ、虐げられる時代などあってはならないのです」
「私たちはともに手を携えるあなたを待っています」
「『子供のため』の国という夢を、ともに夢見てくれるあなたを待っています」
「夢を夢で終わらせない歌を、ともに歌ってくれるあなたを待っています」
そしてカメラは切り替わりパレード会場の遠景に戻る。しかし歌声は変わらず続いていた。


「そして笑おうともに笑おう」
「愛を紡ごう愛を鳴こう」
「たかくたかくたからかに」
「とおくとおくはれやかに」
「われらはともに笑顔とともに」
「われらはともにあなたとともに」


その歌は長く繰り返され、高く空に遠く山野に遥か海のかなたに、いつまでも響いていた。

(文章:九頭竜川)
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