幼い日のことを思い出した。実の父から救い出されたの日のことを。救ってくれたのはあの人、そう”アイリーン・サニーレタス”。

『セリア、大丈夫か?ちょっとぼうっとしているようだったけど』
翔が私に声をかける。
『少し、昔のことを思い出していたの』
『のんきなものだな、訳のわからない連中に追われているっていうのに』
翔が呆れたように言った。
『おい、おいでなすったぞ。お嬢、行くぞ!セリア、しっかり捕まってろよ』
緑色のアームヘッド、ブリュメールのカスタムタイプだ。

 お嬢と呼ばれているアームヘッド、メシアエンブリオは何度も敵を引き離すことに成功した、だがそのたびに真後ろにそいつが現れ、まるで、”瞬間移動”しているかのようだった。
『訳のわからない移動力だな?調和か?』
応答を試みても返事はない。いったいなぜこちらを追っているのかさえ謎だ。

 また敵が瞬間移動する。エンブリオはその瞬間に振り向き、敵の持つ槍を落とすべく手を払う。しかし敵は自ら武器を捨てエンブリオの首を締める。そのままアームキルに持ち込もうとする。
『敵は相当の手練だな』
エンブリオもアームキルの姿勢にはいる。その時だった、赤いアームヘッドが現れた。いつの間に、コア反応を感じる隙もなかった。リズに雇われていたときに見たスルトに似た機体だった。見えたのは一瞬だったが、赤いアームヘッドは緑のアームヘッドの首を剣で切り落とそうとした。しかし緑のアームヘッドは赤いアームヘッドの後ろに瞬間移動した。

『二対一とは、少し分が悪い。しかし我々特異点教団は君たちを常に狙っている。覚えておくといい』
敵のパイロットが初めて喋った。男の声だった。
『さらばだ、ネクサス・イレギュラー』

 ブリュメールが去ったあと、赤いアームヘッドのパイロットが機体から降りて姿をあらわした。
『クズ野郎さん・・・』
私は思わず口走ってしまった。クズ野郎ってどういうことなのか。自分でも分からない。
『初対面なのにひどい言いようだな、化物』
金髪の男は言った。
『エルはやっぱすごいわねー、ディエゴも見たでしょ。パパの活躍』
赤ん坊を連れた女性が赤いアームヘッドから降りてきた。

 男はエルドラド、女性はポーリー、二人の息子(エルドラドは認めてない)はディエゴというらしい。
『あんたらも追われていたってのか?特異点教団とかいう連中に』
翔がいう。
『そういうことね、まあなぜ追われているのか、それはわかんないけど』
『どうしてたすけてくれたの?』
『それはね、この子が言ったの』
ポーリーはメモ帳を差し出す。
【未来の特異点を救え】と書いてある。
『この子、文字が書けるのよ、すごいでしょう』
そう言ってるうちにディエゴがペンを持ちだした。彼はこう書いた。

【アイリーン・サニーレタスに会え】





属性:アームヘッド・ベーシック
時代:現代(特定時期不明)

登場セリア・オルコット、神崎翔、エルドラド・ラスター、ポーリー・パトリシア・白樺、ディエゴ・パトリック・ラスター、ヒレー・ダッカー

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最終更新:2011年11月17日 22:51