彼もしくは彼女は思った。
『過去のために未来や今を犠牲にすべきではない』
未来の為に今を犠牲にすべきではないし、今のために未来を犠牲にすべきではないと、そういった紅い目を今も覚えている。
犠牲にするなら過去だ、そう過去の特異点は言ったのだ。そして自らを犠牲にした。
あらゆる時代を経て、ここに来た。この基本となる世界で見極めなくてはならない。避けていたものは何か、自分で忌み嫌っていたかつての名前。自分で名付けたはずなのにいつしか捨てた。理由は覚えていない。向き合う時が来たのだ。エクジコウと。
最終更新:2012年03月29日 20:34