運命樹を繋げ - しんにくやよんごうてん

『もうすぐ、お前に特異点が会いに来る』
髭面の男はいった。
『よくやってくれたのようだな、ヒレー』
黒髪の女は額に包帯を巻きながら言った。
『アイリーン、お前は本当に全て思い通りに行くと思っているのか？』
その言葉に女は男を見る。
『ああ、全てうまく行くさ、お前の家族みたいにな』
『平行世界では幸せですよって言われて俺が俺達が満足すると思うのか？うまく行ってると俺達を救ってると思っているのか？』
男は言葉を強めて言った。女は包帯を弄るのをやめ、男を見た。
『それはわからない、でもそんなことがわかってしまうのは損だね。昔のあなたはかわいそうだった』
『今だってそうは変わらない、このセカイはまるでままごとだ、都合の悪いことは起こらない』
そうなってるから。
『そうでもない、昔のヘブンよりマシにするために頑張ってるだけだ』
『ケントを救うためか？』
男が聞く。

• • • ケント、この世界では悲劇を少なくしてきたつもりだそれがただの自分の満足でないとの自信はない。そもそも昔の世界は変わらないのだから、このことに意味があるのかそれはさっぱりわからない。でもこれを始めたのは自分なのだ、それは覚えている。

最後の特異点制御がある時点で発動し私は運命樹を見た。シンギュラリティの形を見て、それからほぼすべてを失った。だからどういう意図でこの能力が起きたのかわかっていない。ネクストエイジの終わり、特異点と代替特異点のせめぎあい、それをほとんどゼロに抹消した。そして未来に解決の手を委ねたのだ。

レイライン保護並行世界、レイラインの行使によって行われなかった世界、そこに答えがあるらしい。