リズ連邦とプラント帝国の戦争、第一次ギガントマキアは講和条約の締結によって幕を閉じた。
それから少なくとも次の大戦までの間は、世界は平和であった。月くらい離れた位置から見渡せば。
そう平和など表面的な話だ。人がいて武器がある以上、その裏側でドンパチやらないはずはないのだ。

リズとプラントは終戦によって仲良く肩を組み始めた訳ではない。
一触即発の距離で睨み合い、まれの衝突を実験事故と揉み消し、僻地で代理戦争を仕掛けるような、冷戦状態にあったのだ!


蜃気楼の命


熱砂を巻き上げ突き進む複数の影!
砂漠を走るのは、装甲車のような6体のアームヘッド・ザブートン!

「よし・・・お前たち・・・しっかりついてこい・・・」
先頭のザブートン一号、パイロットは青白い顔で脇腹を抱えている、不良隊長!
彼は砂漠の気候に適していないのだろうか?非常に具合が悪そうだ!

「今回のコングレント・ミッションはリズ・ユニオンのイノベーション兵器デベロップコンペティターへの妨害リテラシーですからね。
 我々の攻撃はあくまでイノベーターの仕業としてハレーションされプラントセグメントとの貢献は一切ないものとされるスキームです。
 まあ、基本的に大して複雑なタスクではありません。ASAP片付けましょう」
ザブートン二号、パイロットは高学歴隊員!
彼は御蓮国立東大学卒業生!本名は石北 櫂!彼はライフハックの過程で将来性を考え起業するアジェンダを達成すべく、
マジョリティな人脈をシェアするために、ある世界的グローバル企業の傭兵となり自ら戦場に身を置くのだ!

「オイオイ、さっきから砂が顔にかかってんだ!砂風呂で砂遊びなんてよォーよくないぜ?ア?オレのもかかってる?ハッハー悪いねごめんあそばせ!」
ザブートン三号、パイロットは面白黒人隊員!
彼は御蓮人でありながら、オモシロ黒人に憧れ日焼けサロンに通い詰めるもなかなか焼けないので、黒い顔料を塗りたくっている!

「あーっ!もう蒸れるッ!もういや!もう!喉乾いた!ちゅーっ・・・」
ザブートン四号、パイロットは乳飲隊員!
彼女の肢体は豊満であった!豊胸手術の資金集めに傭兵稼業をやっているのだ!彼女は戦いに勝つたび巨乳になっていく!

「・・・・・・帰りたい」
ザブートン五号、パイロットは花襟隊員!
彼女は実に無気力!しかし責められるものではない、彼女は身内の借金返済の為に戦場に駆り出されているのだ!

「カサカサ」
ザブートン六号、パイロットは五木隊員!
漆黒の特殊パイロットスーツに身を包んだ謎の人物!ヘルメットの額から非常に長いアンテナがしなる!


そんなプラント帝国側の傭兵団の進む方角にも、対面すべく迫るアームヘッドの一団あり!


砂の上を滑走するは、砂漠戦用に改造されたヴァントーズ・ヌーヴォ”サンドスリッパー”だ!

<FRIENDLY-FIRE01>:”未だ敵影は無い。そして私の敵は今後も現れないだろう”

<BURNED-CARE02>:”レーダーの使い方も知らねえのかァ?全く世話の焼ける!”

<CRYING-HORNET03>:”しかし妙だな。基地の防衛任務と聞いたが、これほど前に出すものか?”

<RICE-SEED04>:”言われた通りやってればいいのよ。生き残りさえすれば。ご飯にはありつける”

<OIL-BUYER05>:”ところでさあ、伝説の「砂塵を纏うパーフェクト要塞X」って知ってる?”

<HARD-HEAD06>:”素人共め!私語を慎め!けしからん!”


リズ連邦の傭兵団も前進!接触は時間の問題だ!

そう両陣営とも、リズ・プラント正規の、部隊でもパイロットでもアームヘッドでもなかった。
全て傭兵組織を経由したもの!つまりこの衝突を、例えばテロ組織同士の過激な牽制と誤魔化す事もそう難しくないのだ。
プラント帝国が、砂漠にあるリズ新兵器開発施設を妨害攻撃する為に傭兵を駆り出したのが真実か?
あるいはそれすら誤魔化しなのだろうか?
細かい理由はともかく、彼らの戦いは運命づけられ、彼らもそれを欲しているのだ!


「レーダー反応・・・そなえてくれ・・・」
不良隊長がうつむきながら呻く。

「先方とのアサインまでペンディング僅か。ライトタイプ・アームヘッドが6機ですね」
高学歴隊員のザブートン2が加速!

「ンナ?オイオイまだ心の準備ができてねえよ!心!ヨシ!戸締り!ヨシ!できたぞ!イヤッハー!」
ザブートン3が蛇行運転しながら敵へ迫る!

「ちゅーっ・・・え?もう出てきちゃったわけ?まあ、さっさと資金になってもらうわよ!」
乳飲隊員のザブートン4がウィリー爆走!

「はやく帰らなきゃ」
ザブートン5が停止し、右腕のロングメルトキャノンを発射!意外にも正確な狙撃!

「一カサ二カサ」
五木隊員は他の隊員のルートを逸れていく!


そして連邦勢は!

<CRYING-HORNET03>:”熱源感知!実弾、飛んでくるぞ!”
ヴァントーズ3のパイロットのヘルメットには、泣き顔の絵文字を刺すスズメバチのエンブレム!

<HARD-HEAD06>:”騒ぐな!・・・・・・ぐわーっ!!”
ヴァントーズ6がメルト弾を被弾!ホーンが小さくバリアーが薄いのだ!
装甲が発泡し溶けかける。この機体ではガラスコクピットにでも当たったら地獄絵図だろう。
ちなみにハードヘッドのヘルメットは四角く左右にボルトがねじ込まれている!

<BURNED-CARE02>:”なにやってっだジジィ!世話の焼けるジジィだぜ!”
ヴァントーズ2が、メルト弾発射方向に対し銃を構える!
それはショットガン風の武器だが、発射されたのはバズーカじみた大弾!
ちなみにバーンドケアのヘルメットにはマンガ調のヤケドした手が描かれている!

<FRIENDLY-FIRE01>:”現れたか、我が同胞が”
ヴァントーズ1が呟き、両手の銃を敵の方向とヴァントーズ4の方に構える!
ちなみにフレンドリーファイア青年のヘルメットには、円形レーダーの中心に緑点、その周囲に炎上する緑点というエンブレム!

<RICE-SEED04>:”ええ?このタイミングで裏切るの?でも敵にも銃口を?”
ヴァントーズ4は後退しヴァントーズ1の狙いを逸れつつ、二脚形態へ変形する!
ライスシードのエンブレムは、どんぶり大盛りご飯!

<OIL-BUYER05>:”あそうそう、テングってシヴァ漬けにするとおいしいよね”
ヴァントーズ5が言いながら隊列を離れていく!
オイルバイヤーのエンブレムは手足の生えた石油タンク!



「は、はやく帰らな・・・・・・きゃーっ!?」
花襟隊員の機体、その発している覚醒壁に、大粒の弾丸が衝突!
本来アームヘッドに対する実弾兵器はこうして威力を削がれるのだ!
だが大弾が炸裂!弾の移動速度に加え、内部から散弾を発射!
加速散弾は覚醒壁による反発を無理矢理突破!ザブートン5の装甲へねじ込まれる!

「あっはは!もう、手を出すのが早すぎるからだわよ!もっと近くで撃ちゃいいのよ!」
乳飲隊員のザブートン4は、連装大砲とビッグキャノンを乱射しながら接近を図る!
正面に対する弾幕で、敵の大弾を接近する前に破裂させ散弾を封じる算段!

「ASAP!ビジネスは5分前行動ですから!いいね!」
高学歴隊員も同じく弾幕発射!
砂丘と蜃気楼を越え、明確に見えてきた敵性アームヘッドの影!


ヴァントーズ3も迫るザブートン2をロックオン!パワードショットガン発砲!
だが大弾は、乱雑な大砲弾幕の中で誤作動し四散!
<CRYING-HORNET03>:”既に対策を?妙だが!”
砂上滑走形態のヴァントーズ3が、サイドワインダーのごとき蛇行走行で弾幕域を避けつつ、ショットガン発射!
「なかなか育成された人材のようですが。コンフリクトする以上マイノリティにすぎません」
高学歴隊員のザブートン2も、タイヤホイールその他についた全包囲マシンガンを起動!大弾を迎撃する!
<CRYING-HORNET03>:”蜂のように舞い!”
ヴァントーズ3がザブートン2の顔面へ向けフラッシュボムを発射!迎撃された閃光弾が周囲を白く染める!
「リスクマネジメントは十全です」
高学歴隊員が強がりながらロングメルトキャノンを至近距離発射!
それを合図に飛び避けるヴァントーズ3!空中で二足歩行形態へ変形!
<CRYING-HORNET03>:”泣きっ面に刺す!”
ショットガンに添うブレードを展開!すれ違いざまにザブートン2の側面装甲を切り裂きショットガン発射!
衝撃を受けスリップ横転する高学歴隊員!
発射反動を受けながら流れるように着地するヴァントーズ3!


「ハッハッハー!ここはまるでヘブンの地獄だぜーッ!」
<RICE-SEED04>:”リズ連邦軍のデリバリーですよ~”
後続の機体も次々到着し、機体が走り回りすれ違い鉛弾が飛び交う乱戦が展開!

「オイオイオイ!シャレにもジョークにもならねえぜ!HOOOOOOOO!!」
面白黒人隊員のザブートン3は回転しつつ全砲門から闇雲に一斉掃射!
味方を顧みない行動だが、安定性がとにかく悪く結局当たらない!

<FRIENDLY-FIRE01>:”フレンドリーファイアとはこうするものだ・・・”
ヴァントーズ1が視界の隅のザブートン4に対し、見向きせずショットガン発射!
駆け抜けるザブートン4は気づかず回避!その向こうにヴァントーズ6!

<HARD-HEAD06>:”聴け!素人共!戦いというものは!・・・・・・ウワーッ!!”
ヴァントーズ6がパワードショットガン被弾!肩と脚の増加装甲が吹っ飛ぶ!

<BURNED-CARE02>:”おいガキ!敵味方も見分けられねえのかァ?ったく世話が焼ける!”
ヴァントーズ2がヴァントーズ1に接近し敵を示してあげようとするが、即座に足をかけられて転ぶ!

<FRIENDLY-FIRE01>:”私に言わせれば人類皆兄弟であり味方なのだ。敵など存在しない。故に私は無敵!”


「もーっ!どいつもこいつも骨無さそうね!カルシウムとってんのかしら!?」
乳飲隊員が巨乳を振り乱しながらザブートン4をドリフト!
方向転換と同時に加速直進!背を向けるヴァントーズ4にショットクロー攻撃!
<RICE-SEED04>:”それよりご飯をしっかり食べないと!”
振り返ったヴァントーズ4はブレードでクローを受け止める!
そのまま押されて滑るが、屈みこみ背部ユニットを向ける!
そこに並ぶのは連装油圧レーザーの銃口!至近距離レーザーがザブートン4の装甲を抉り取る!揺れる豊満!
「んもー!やってくれちゃって!アンタはちゃんと牛乳飲んでんのね!!!」
乳飲隊員がクロー射突!吹っ飛んだヴァントーズ4に向けメルトキャノン発射!
<RICE-SEED04>:”白飯ならちゃんと食べてるわ。こだわりが似てるのね、貴女とは”
ヴァントーズ4も肩と足のメルトキャノンを発射!高熱ガス弾同士が衝突し爆発!


「あ、帰ろ」
花襟隊員のザブートン5がバック走行しながら引き撃ち!
唸る砲弾が砂に突き刺さり激しい砂煙!ヴァントーズ3が飲み込まれる!
<CRYING-HORNET03>:”意外にも機体特性に見合った戦術か?しかし!”
反撃に出ようとしたヴァントーズ3!しかし周囲に異変!砂以外の煙に包み込まれる!
「インデプスなグローバル戦略のエグゼクティブにウィンウィンは成り立つのです。誠に恐縮ですが御逝去あそばしていただければと」
横転していた高学歴隊員のザブートン2が毒ガス噴射を起動!密閉性の低い機体では危険な上、万が一ハッチを開ければ中毒死!
<CRYING-HORNET03>:”なんと踏んだり蹴ったりか!”
狙撃されつつ毒ガスにまみれて跳ねまわるヴァントーズ3!

<BURNED-CARE02>:”なに蜂の巣になってんだッ!まったく世話の焼けるヤツばっかだ!”
ヴァントーズ2が毒ガスの中に突っ込みザブートン2を蹴り飛ばす!そしてショットガン追撃!
最早べこべこに凹んだ高学歴隊員機だったが、衝撃で起き上がることに成功した。
「マイノリティをコンサルするだけではマジョリティにスキルアップは成りえませんよ」
ザブートン2が破れかぶれにガスボマーを投擲!ヴァントーズ2、3がそれを空中迎撃!
四散するガス!ザブートン2の装甲は襤褸状態!高学歴隊員がガス死のピンチ!

「待っていろ・・・今行くぞ・・・」
法定速度くらいで突進してくるのは不良隊長のザブートン1!ザブートン2をガス域から弾き飛ばす!
しかし衝撃で不良隊長の体調不良が更に悪化!完全にうずくまり固まってしまった。

<FRIENDLY-FIRE01>:”皆、加勢するぞ。戦友だからな”
ヴァントーズ1が言いながら通りすがり、両勢力の機体にショットガンを撃っていく!
<HARD-HEAD06>:”フン。死を恐れ発狂でもしたか、無様な・・・・・・ぬわーッ!?”
ヴァントーズ6がザブートン3に轢かれる!そこへヴァントーズ1が無差別射!砕け散るガラス!
「よく止まってられるなこんな状況でよオ!マグロじゃなくても死ぬぜ!?」
面白黒人隊員がガスと弾丸を撒き散らしながら、ヴァントーズ3に迫る!
<CRYING-HORNET03>:”全くその通りだ!明日は我が身か、お前かだ”
パワードショットガンとビッグキャノンの砲弾が空中衝突!
散弾の中、ヴァントーズ3がザブートン3の上に着地!ショットガンを突きつける!
同時にザブートン3もキャノンとクローを上部に向ける!膠着状態か?
しかしヴァントーズ3は肩にショットガンを撃ちつつ跳躍!反撃を防ぎつつ、顔面にフラッシュボムを当てる!
「カアチャーーン!!」
目くらましを食らったザブートン3が暴走!ヴァントーズ2、6、ザブートン2を轢き飛ばす!
<CRYING-HORNET03>:”全て裏目に出て痛い目を見るなら。逃げるのも手かもしれんな”
ヴァントーズ3がザブートン3の背後に着地!背部についたサモラキャノンが反応!
迎撃を蛇行運転でかわしながら追いかけるヴァントーズ3!
「オイオイ!ケツを追うのは止めろオ!むずがゆくなるぜ」
ザブートンは正面突破に特化した機体であり、対アームヘッドでは背面が弱い!

一方砂塵を挟んで別シーン!隊列を離れた二体がいる!
<OIL-BUYER05>:”よくコーヒーって名前でコーヒー牛乳売ってるよね”
油を売りながら逃げるヴァントーズ5!背後では謎の砂煙!
「カサ身カサ霊」
五木隊員のザブートン6は謎の黒く長い脚が生え高速で走る!何らかの調和能力か!?
<OIL-BUYER05>:”眠気はどこから来てどこへ行くのだろう”
ヴァントーズ5が反転しバック走行!そのままザブートン6へ向け連装油圧レーザーを連射!
「前途カサカサ」
ザブートン6は黒光虫のような機動力で光速の如しレーザーをかわす!そして跳躍!圧し掛かる!
<OIL-BUYER05>:”回らないスシカッパって見たことある?”
しかしヴァントーズ5も怪しく光る!ザブートン6の踏みつけが不発!装甲表面が油ぎっている謎!
「カサ果カサ縁」


その時、ザブートン各機に通信!
「一刻も早く秘密施設へ行け。辿り着きさえすれば一機でも構わない」
そしてヴァントーズにも通信!
「一刻も早く防衛対象へ行け。敵に間に合うならば一機でも構わない」


<CRYING-HORNET03>:”速いな、ヤツは。おしゃべりが過ぎる割に任務に忠実か”
ヴァントーズ3が敵の轍を追って開発施設がある座標へと向かう!
<RICE-SEED04>:”これで食っていくには大事なことよ。敵に先行された?”
ヴァントーズ4が合流!2機は砂上滑走形態になり加速!
<CRYING-HORNET03>:”あいにく取り逃がしてな。俺を責めるか?”
<RICE-SEED04>:”いえ?私も敵を連れてきててさ・・・”
背後から猛烈な砂煙!

「もーっ!!アタシとの戦いをほっぽり出して任務!任務とアタシとどっちが大事なの!」
乳飲隊員が巨乳を小刻みに震わせながら突進!
対してヴァントーズ4は転回しつつショットガン射!再び前を向く!
<RICE-SEED04>:”ちょっと話したら付いてきちゃったの”
<CRYING-HORNET03>:”追いつ追われつだが挟まれた形になるな”

一方彼らの前方の面白黒人隊員!
「行けば勝ちだって!?ワーオ、じゃあオレが先頭集団トップランナーで世界新記録金メダルだぜ!ハッハー!」
台詞の割に冷や汗をかいている!追手が増えたのに気付いた!

2機のヴァントーズは前後に交互にショットガンを撃ちながら滑走!
<CRYING-HORNET03>:”タイヤを狙え!”
<RICE-SEED04>:”的は大きいのにね!”
タイヤを狙った攻撃は大砲やマシンガンの弾幕によって切り抜けられる!
「生ぬるい牽制は止めなさい!さっさと決着つけんのよ!」
乳飲隊員のザブートン4は、迎撃でなくビッグキャノンとロングメルトキャノン砲撃!
2機のヴァントーズは隙間を開け退避!砲弾はザブートン3へ向かう!
「ホアアアアアアア!?」
面白黒人隊員が宙を舞う!足元に着弾し砂塵と共に打ちあがったのだ!
<CRYING-HORNET03>:”派手に飛んだな”
ヴァントーズ3は空中のザブートン3に狙いを定める!
<RICE-SEED04>:”足止めしてくれてどうも。お礼に望み通り決着をつけるわ”
ヴァントーズ4が転回しザブートン4に狙いを定める!
四重のショットガン銃声!

「アッ!オバアチャン!!おおマゴや、ひさしぶりだねえ・・・」
空中で被弾したザブートン3が空き缶のように激しく回転!

「ふん、何処を狙って・・・なに!?もーっ!」
ヴァントーズ4の放った大弾は半ば砂に埋もれながら接近!
砂中でザブートン4の覚醒壁に接触!散弾飛散!前タイヤを破裂させる!

<CRYING-HORNET03>:”俺も任務に忠実に当たるとするか”
<RICE-SEED04>:”そっちは任せるわ。私は後始末をする”

「やってくれるじゃないの大食いクイーン。でも!勝つのはアタシ!」
乳飲隊員が巨乳を振り乱しながらザブートン4をドリフト!目前には迫るヴァントーズ4!
一方ザブートン3は奇跡的に着地!
「ヒューッ!オレってば超クール!・・・ハーイ!マイハニー!オレを助けに来てくれたんだな!最高だぜマイエンジェル!」
面白黒人隊員からの通信!
「もーッそんなこと有り得るわけないでしょ!死ね!さっさとターゲット行きなさい!死ね!」
ザブートン4が大砲でザブートン3を吹っ飛ばす!
「アーまったくシャイなところもカワイーぜ、カンベンしてくれ!」
半ば横転しながら走る面白黒人隊員!目標に向かうヴァントーズ3を追う!

<CRYING-HORNET03>:”まだ生きているのかヤツは?一体どんな運が作用してるやら”
砂上を水切り石のように駆け抜けるヴァントーズ3!
「こんなところに開発ラボだって?暑さでよっぽど頭のイカれた物好き博士が住んでんだろーな!ナンセンスだゼ!!」
闇雲な一斉掃射を続けながら敵を追うザブートン3!


<CRYING-HORNET03>:”もうじき目標地点だが・・・・・・施設は?いや、あれは・・・・・・”
ヴァントーズ3が見る目標は濃い砂塵で覆われているようだった。
だが、違った。
それは舞う砂ではなく、砂が固まって出来た壁であった。次第に近づくほどにそう分かる。

「ワッツ?ありゃあ・・・・・・」
面白黒人隊員もターゲット施設の不自然な外見に気付く。
その全貌はさながら、半壊した旧世代のコロシアムだ。

ヴァントーズ3は、砂製円形闘技場の入口前に辿り着き反転停止!
追って来たザブートン3もブレーキをかける。
不思議な事に、双方とも既に攻撃の意思は無かった。

その時ザブートンに通信!
「目標座標に達したな。速やかに当該施設を破壊せよ」
そしてヴァントーズにも!
「目標座標に達したな。交戦中に当該施設を破壊せよ」


<CRYING-HORNET03>:”・・・何だと?防衛任務では無かったのか、しかしこの遺跡は?”
「オイオイ、マジかよ!こんなモンぶっ壊しちゃうのはバチアタリじゃねえの?流石に気が引けるゼ!」
面白黒人隊員は言いながら、ザブートンをコロシアム入口へと進めていく。
<CRYING-HORNET03>:”お前、何をするつもりだ?”
「ぶっ壊すのはオミヤゲに記念写真でも撮ってからでもいいと思ってヨ。オメエこそ何で止めねえんだ?」
<CRYING-HORNET03>:”俺もこのコロシアムを壊せと言われた。もう殺し合う必要もないらしい”
「ハハッちょうどいいや、観光ついでにピクニックとしゃれこもうじゃないの」
二機のアームヘッドは不可解な闘技場に入っていく。

「で、オメーはなんでこの超古代ドンブリ解体作業をしなきゃいけねーと思う?」
面白黒人隊員が干からびたハンバーガーを齧りながら言う。
<CRYING-HORNET03>:”地下に何があるとも思えんし、リズが大事にしている気配もない。ただ壊せと言うのも・・・”
クラインホーネットも気付栄養ドリンクを呷る。

「マア正直オレにとっちゃドーデモいいんだよな!プラントの味方って訳じゃねえし、ブタクサ経由で来ただけだし」
<CRYING-HORNET03>:”お前もホグウィード社の傭兵なのか?”
「アア?オイオイ、マジかよ!ブタクサは自分の会社の商品を戦わして、どっちの国からも金をふんだくってるワケ?」
<CRYING-HORNET03>:”機体と人材を失ってもなお有り余る利益が出るということだ。よほど安い命だ、俺たちは”
「どおりでコイツもオメーのもしなびたポンコツなわけだ。トンでもねえクソ会社だぜ」
<CRYING-HORNET03>:”しかしホグウィード社の金儲けと、この遺跡破壊に何の関係があると思う?”
「ン?えっとオ!こうだ、エスパー石油王がブタクサに頼むのさ、ついでにあそこの油田を掘り当ててくれってナ・・・
 ・・・・・・オイ!黙るなよ!」

<CRYING-HORNET03>:”・・・・・・コア反応が7、いや8!速い!”

コロシアム中心で二機のアームヘッドが空を見上げる!


その頭上に現れたのは、セイントメシアに似た黒い悪魔的アームヘッド!

「遠藤です」
”このへんメシアくせえ”

イヴィレンデシアはコロシアム全体を見渡すようにする!

「オイオイオイ、まさかアイツは!」
その時、ヴァントーズとザブートンのモニタに同時に異変!
映像付きの通信が入る!ホグウィード社からだ!

「「作戦目標を追加だ。そこにいる純正コピーメシアを捕獲しろ。手段は選ばずとも良い。撃墜しても構わん。成功報酬は5倍は弾もう」」

画面に映っている同じ男!ホグウィード社の営業部長だ!しかしミリタリールックでテロリスト風の格好?
疑問を投げる前に通信終了!

「アアン?なんだ今のヤロ・・・いやムチャぶりな命令は?何が何だかサッパリだぜ!?」

<CRYING-HORNET03>:”コイツが新兵器?いや違うおかしい、開発施設など無いのだ、では無関係か?追加命令ということは”

「アイツ!噂の野良アムヘ『血吸いの翼(ブラッドサッカー)』だろ?ハッハーわかったぞ、ここはヤツのおうちなんだ!で、先にお邪魔しちゃったと」
<CRYING-HORNET03>:”ここを壊して呼び寄せるという企てだったというのか?そういうものだろうか・・・・・・”
「で!オメエはやるのかよ?ブラッドサッカーを倒せば5倍!まだ気づいてないようだぜ?逃げるんなら今だけどヨ!」
<CRYING-HORNET03>:”逃げたら報酬も0だ。動いても動かなくても、このまま見逃してくれるとは限らない”
「オイオイオイ、マジに知らねえんかよ?ヤツはコピーメシアだ!勝機も0に近いかもなんだぜ!オレは逃げるつもりだった!」
<CRYING-HORNET03>:”無謀な挑戦であることはホーン数からも明白だ。恐らく逃げきれぬのなら、せめて先手をかける”
「アアアー!ヘッ、分かったよ!一撃でやりゃあいいんだ、怖かなんかねえ、テメエなんざ怖くねえぞ!」

ヴァントーズとザブートンは上空のイヴィレンデシアに銃口を向ける!

”ん?下になんかいるな?おいそこの・・・ほぎゃああああああ!?”
話しかけようとした終世主が砲撃被弾!
パワードショットガンによって凹まされる装甲!そこに入り込むメルトキャノンの高熱ガス!
力なく落下するイヴィレンデシア。

<CRYING-HORNET03>:”やったか?”
「オイオイ!そのセリフは縁起が良くないぜ!こういう時は・・・」
二機の足元で爆発!
持ち直したイヴィレンデシアが血の刃を放ったのだ。
地面すれすれの低空飛行の後、二体を目前で見下ろす!
その顔が眉をひそめたように歪んでいるのを、傭兵二人は視認した。

<CRYING-HORNET03>:”やってない”
「やってな、イヤ、やっただろ!?・・・アッ、いや、やってません!撃ってませんよボクタチ!」

”ニンゲン。我々が兵器の身体である以上、まず敵と見なし攻撃するのは護身としては正しい判断かもしれん。・・・・・・しかしだな!!”
理不尽に対しキレる終世主の第1コア!

「・・・・・・か、カアチャーーーン!!!」

血刃の雨に襲われ傭兵たちは逃げ惑う!


(休憩時間)


一方、その遥か後ろでは!

「帰りたーい♪帰りたーい♪あったかおうち・・・」
後退し続け、いつしか狙撃も止めていた、花襟隊員のザブートン5!
邪魔者もいなくなり、すっかり帰れると上機嫌である。
しかしこのまま逃げおおせても、借金の呪縛からは逃れられないのだ。

そんな彼女が自らの後ろで起こる異変に気づくはずはない。
少し離れた砂地!僅かに盛り上がった砂丘が移動していた。
それは動きを止めると引っ込み、ただの平地に戻った。
だがそれでは終わらない。次第に凹んでいき、すり鉢状の穴へと変わる!

「ぼくもかえーろ♪おうちへかえ・・・!?」
背筋に違和感!ザブートン5の後輪が下がっているのに気付く!
後退を止めるも、機体は後ろ向きに下へ、どこまでも滑り落ちていく!


砂塵を挟んで別の戦況!
<BURNED-CARE02>:”ああクソ!どいつもこいつも世話の焼けるヤツしかいやしねえ!”
中破したヴァントーズ2はより重症のヴァントーズ6をかばいながら、
大破してなお動き続けるザブートン2と裏切りのヴァントーズ1を相手取っている。
そして不良隊長のザブートン1は中の人がダウンしており無傷放置!

<HARD-HEAD06>:”フン!生意気な若造め!貴様の助けが無くとも、ひぎゃーっ!!”
ヴァントーズ6が更に被弾!もはや動くことも叶わない!
「この期に及んでフレンドリーファイアとは。もう御社に将来性はありません」

<FRIENDLY-FIRE01>:”・・・フレンドリーファイアが愚かだと?私の敵になりたいか?その資格があるのか?”
ヴァントーズ1がザブートン2に銃口を突きつける!
「ハイ!国家資格やTOIEEなどの高資格を取りたいという高い意識を持っています!」
ザブートン2のガスがヴァントーズ1を包む!


そんな風に泥仕合を続ける彼らが、周囲で蠢く砂の膨らみに気づくはずがない!

ザブートン1の足元の砂地が、次第に沈んでいく。
「あ゙ぁーーん?あんだあ゙?これはあ?テメーコラー・・・・・・」
本来の性格に戻りながら砂中に引きずり込まれていく不良隊長!

<HARD-HEAD06>:”所詮、傭兵稼業なんぞはな、ひええええ!?”
ヴァントーズ6の横たわる地面がすり鉢に変形!
流砂の発生にしては不自然だ。渦潮の様に回り中心へ誘う!
<BURNED-CARE02>:”おいジジィ!掴まれジジィ!世話の焼けるジジィ!”
ヴァントーズ2がショットガン腕を伸ばし6号機を助けようとする!
そこへヴァントーズ1がフレンドリーファイア!2号機も砂渦に落下!

<HARD-HEAD06>:”けしからんぞ!若造を道連れに死ぬなぞは!まったく!”
ヴァントーズ6は半身を砂に埋められながら、2号機を渦の外へ押し出そうとする!
<BURNED-CARE02>:”おいジジィ!勝手に世話を焼くんじゃねえジジィ!頼んでねえんだよ!”
2号機がすり鉢を脱すると同時!砂中から巨大な牙が飛び出し、ヴァントーズ6を挟み込んで消える!

<BURNED-CARE02>:”世話の焼けるジジィだったぜ”
ヴァントーズ2が窪みの中心を見下ろしながら、非情にもショットガン連射!
だが砂中の存在は応えず!やがて首を失ったヴァントーズ6の残骸を宙に放り捨てる!

<FRIENDLY-FIRE01>:”どんどん仲間が増えてくな”
ヴァントーズ1が言いながら、ザブートン2の頭上に飛び乗り踏みつける!
その周辺には迫りつつある複数の砂の渦が!

「ミニマム的RSVPをシェア!いいね!」
混乱した高学歴隊員が大砲を発射!着弾地点の砂から巨大な二本の牙が飛び出す!
果たしてどのような怪物が潜んでいるのだろうか?
四つの渦が一点に、高学歴隊員の真下に集まり、更に複雑で速い流砂を生み出す!

敵機に登ったヴァントーズ1が遂にショットガンを構える!その標的はヴァントーズ2!
射撃!射撃!2番機はステップ回避!先程までいた地点に牙が飛び出し渦が生成!
<BURNED-CARE02>:”おい!勝手に世話を焼くなって!”
しかし実際は彼を囮にしようと撃っていたのは明白だ!窪みが分散し2番機にも迫る!
再びのフレンドリーファイア!ヴァントーズ2は垂直に跳躍!
目下から腕のように動くハサミが地面を突き破ってくる!2番機はその牙を踏みつけ更なる跳躍!
だが、砂中の存在も上へ向かって推進!宙に浮きあがりその全貌が露呈する!

ヴァントーズ2を捕えた怪物が着地!
それは例えるならアリジゴクのような様相をした機械の怪物であった。
牙でヴァントーズを口元に引き寄せ、針のような口吻で装甲を貫徹しフレームを麻痺させる!
更に後部についた巨大スクリューのような撹拌機を回転!地面に突き刺し砂を液状化!
そのまま後ろ向きに砂へ潜ろうとする!
<BURNED-CARE02>:”クソ!お前は何のお世話だよ!”
ヴァントーズ2は麻痺状態に陥りながらも、アリジゴクの頭や胴体へ向けショットガンを乱射!
覚醒壁の類は無し!少なくともアームヘッドよりはダメージが通る!倒せる!
拘束を脱したヴァントーズ2が、伸ばされた牙を踏みつけ跳躍!

だが彼は背後上空から近づく存在に気付いていない!
それは二つの回転翼が付いた空飛ぶアリジゴクか?いや違う!
別の巨大な輸送存在がアリジゴクを空輸してきているのだ!

ヴァントーズ2が空中で身をひねるとそこには、高速回転するローターブレード!

<BURNED-CARE02>:”ウワーーーーッ!!”
空中で派手に解体されるヴァントーズ2番機!対しローターは全く勢いを失っていない!

一方で複数のアリジゴクの牙に挟み込まれたザブートン2!
「ギャアー!圧迫面接!ギャアーッ!!」
高学歴隊員の機体は砂に沈みながらも縦横に引きちぎられ、やがて見えなくなった。

唯一残ったヴァントーズ1は!
「ギジジジーッ!」
砂中から加速し飛びかかるアリジゴク!
ヴァントーズは一切の躊躇いなく懐へ潜り込む!腹部でゼロ距離ショットガン!
<FRIENDLY-FIRE01>:”やはり敵ではなく的か”
アリジゴクの残骸を蹴飛ばす!地面から飛び出す牙をブレードで弾く!
足元に砂渦!更に飛び上がった別個体が頭上で大口を開く!
<FRIENDLY-FIRE01>:”ホイヤー!”
上下の敵にブレードを刺しつつメルトキャノン発射!
機能停止した無人機が崩れる中で、ヴァントーズ1が見上げる!
着地したのは、先程追加アリジゴクを投下してきた巨大輸送機だ!
その姿は巨大な案山子めいて変形している。
フレンドリーファイア青年が見上げる先は、アンテナ付き頭部コクピット!これが司令機だ!

「ホグウィード社のアリンコ。我々の邪魔は出来ませんよ」
輸送機が安定脚を振り上げる!それは巨大な刃だ!容赦なくヴァントーズ1の両腕を刎ねる!

<FRIENDLY-FIRE01>:”面白い・・・”
ヴァントーズは挑戦的にメルトキャノンとフラッシュボムを乱射!

その周囲に集まっていく幾つもの砂の渦・・・・・・。


一方また別の戦況!
いや戦況ではないか?弾切れになったヴァントーズ4とザブートン4が停止!
双方とも足やタイヤを破損し動くこともままならない。

二機の周囲を高速で流れていく砂!

<RICE-SEED04>:”お次は何かしら?”
「何って・・・・・・ヒィッ!?」
突如砂から飛び出した巨大な牙がザブートンを抱え込む!
メキメキメキ!全身を軋ませながらゆっくりと砂中に沈められる機体!

<RICE-SEED04>:”降りなさい!早く!”
「ナンなのよ!もーーッ!!」
乳飲隊員がヴァントーズへと飛び移る!間一髪で真っ二つにされるザブートン!

動く砂丘は蜃気楼の向こうへ消えていく。
そして二人の頭上を、異形の輸送機が陰らせ、砂塵の彼方に通り過ぎていく。
怪物の群れは向かっているのだ、謎のコロシアム遺跡へと!


(休憩時間)


そして砂の円形闘技場!

中のグラウンドでは、ヴァントーズとザブートンが死のマラソンめいて周回!
背後には鎌を振り回し追い立てるイヴィレンデシア!

「オワーッ!?ゴメン!ゴメンってば!もうしません!モー申しません!」
<CRYING-HORNET03>:”いったい何周しただろうか・・・”

彼らはイヴィレンデシアのスピードに対して、逃げながら撃つことも止まって狙う事も出来ずにいた。
かといって終世主も攻撃の精度が低く、逃げる彼らに対しまともにダメージを与えていない。ここでも泥仕合だ。

<CRYING-HORNET03>:”こうなれば!”
ヴァントーズはザブートンを盾にする位置へ移動しつつ、陰で転回しショットガンを構える!
その目前には大鎌を振り落そうとするイヴィレンデシア!血刃と銃弾が同時に飛び交う!
ヴァントーズは二足形態に変形しつつ跳ねて回避!液圧の剣が、コロシアムの観客席を破壊!
イヴィレンデシアは大弾を蹴りで弾く!散弾機構が始動し、コロシアムの観客席を破壊!

「「あ」」

三者に訪れる、はしゃぎすぎて他所の家の塀を壊してしまった時の静寂!

「アー・・・・・・オレは見てただけだからな!」
面白黒人隊員がこっそり後退!

”・・・で!これは一体なんなんだ~?お前らなら知ってるんだろニンゲン!”
唐突に質問を投げるイヴィレンデシア第2コア!

「ンナ?ここはオメーのマイホームじゃなかったのか?オイオイ、じゃあ何で来たんだよ?」
<CRYING-HORNET03>:”俺たちはこのコロシアムを破壊するように言われている。お前は関係ないのか?ブラッドサッカー?”

”ワレワレなぁ~、なんとなく救世主臭を嗅ぎつけてきたんだよなあー、いなかったけど”

<CRYING-HORNET03>:”セイントメシア?何年も前の話になるが、こういう砂漠でも戦っていたという噂も聞いたがな”

いつの間にか会話している野良ファントムとサンシタ傭兵!

”今は居ないという訳か。ならばもう此処に用は無い”
イヴィレンデシアが背を向け上昇しようとする。
「じゃ!報酬5倍は諦めてさっさとブッ壊して帰るゼ!」
ザブートンが大砲をコロシアムへ向ける。

<CRYING-HORNET03>:”・・・・・・む?何だ!?”
その時ヴァントーズ3が異変に気付く!すぐ横を通り過ぎる、緩やかな砂の膨らみ!
「オオアッ!?オイなんだ!何が起こってやがる!?」
背後に傾くザブートン!面白黒人隊員が見渡すと、円形広場の各所ですり鉢状の穴が作られ始めている!

一方、上昇したイヴィレンデシアは、コロシアムの壁の向こうに謎の飛行体を見る!
それは待っていたように全身の武器を一斉掃射!終世主は直撃を受け墜落!

”ぐっ・・・・・・何者だ!”
イヴィレンデシア、そしてヴァントーズとザブートンが上空の影を見上げる!

「エンデシアにホグ社のアリンコ共!よくも貴重な資料に傷をつけてくれましたね!」
ヘリと虫と案山子を混ぜたような奇怪な機械から女声!

「ギジジジジィ」
広場で渦巻く複数の砂渦からも、アリジゴクのような機械怪物が顔を覗かせ、3機を取り囲む!

「このコロシアムは融合したアームヘッド、つまり復活したバイオニクルが作り上げたものである可能性が高いのです!
 つまり当時の技術をもって現代に新築され、劣化の少ない状態で調査することが出来る大変重要な研究材料だったのです!
 それをあなた方は!何の考えもなく取り壊そうとしましたね!排除させてもらいます!セツザ様に代わって!!」

そうこれらの機械はセツザ・グウィンガムの一派が造りだしたレックスマシンだ!
砂漠の潜行捜査が可能で複数機連携による妨害排除も出来るアリジゴク無人機・レックスアントヘルと、
それらを輸送し上空から統率・援護する成虫型有人機・レックスヒーザーズ!

3体のアームヘッドの足元に同時に砂渦!そして一斉に飛び出す大顎!
「オー・マイ・パスタ!こいつはマジでキツいジョークだぜ!助けてママ!」
ザブートンがロケットスタートで牙を回避!だが発進した先にも巣が口を開ける!ドリフト回避!その先にも巣!

イヴィレンデシアは再び上昇をかけ強襲を回避しようとする。だが目下のアリジゴクは突如加速跳躍!その脚を挟み込み引きずり下ろそうとする!
ヴァントーズは牙攻撃をブレードで弾きつつジャンプ!向かう先はイヴィレンデシアに取り付くアリジゴク!
レックスアントヘルの腹部が爆ぜる!ヴァントーズが刃を刺しながらのゼロ距離ショットガンを浴びせたのだ。解放される終世主!

<CRYING-HORNET03>:”先程の攻撃は悪かった、済まない・・・ところでもしなんだが、気が向いたら空のヤツを墜としてくれると助かるんだが・・・”
”フン、言われずともこうなっては戦わずに去る事は出来ん。それに奴が謝ることは無いだろうからな”
第一コアの冷たい声!見下ろす司令機へ向け飛翔するイヴィレンデシア!
<CRYING-HORNET03>:”頼んだぞ、ブラッドサッカー!”
ヴァントーズが移動する渦を避けながら砂上を滑走!

「ワオ・・・ワーオ!ウワーアーオ!!」
逃げ惑う面白黒人隊員!渦の上を通り、飛び出すアントヘルの頭を轢きながら、リズム良くバウンド!
<CRYING-HORNET03>:”この狭い中では不利だな、外に出るぞ!”
ヴァントーズは砂渦をショットガンで牽制しつつコロシアム出口を目指す!
一方ザブートンは前進全身マシンガン!目前の砂から大口を開けたアリジゴクが急襲!
「マァなんて可愛らしいツラしていやがる!フッ飛ばしてやる!」
ビッグキャノンの一射がおぞましく蠢く口内に放り込まれる!アントヘルの首から火が噴き爆発!
「ハッハッハー!結構効くじゃねーか!演出の割に大したことネエな!」
笑う面白黒人隊員の側方で更に砂が渦巻く!別個体!

レックスアントヘルが砂に埋めていた尾部を持ち上げる!その先の撹拌機が逆回転!
砂塵の竜巻が巻き起こりザブートンを吹き飛ばす!
「ノオオオオオオウ!?」
吹っ飛んだ先は別の巣だ!目の前には砂をかき混ぜるミキサーとガチガチ鳴る牙!
「ワッ!ワーッ!ワアーッ!」
アントヘルに引きずり込まれながら、闇雲に連装大砲を撃ちまくる面白黒人隊員!
「ギッ!ギジッ!ギジーッ!」
激しい砲撃に悲鳴を上げるレックスアントヘル!ザブートンを頭まで埋めたところで機能停止!

「ハア、ハア、ミイラになった将来に思いを馳せちまったぜ」
<CRYING-HORNET03>:”何を砂風呂に浸かってる?倒せるからってそんな余裕は無いぞ”

上空には黒い翼を翻し舞うイヴィレンデシア!
レックスヒーザーズの放った誘導コルダックミサイルや高熱レーザー、その他砲撃に追い立てられている!
”なぁ~、ワレワレこのまま逃げないかあー?”
”何を言うか!このような雑魚など簡単に落として・・・”
やる気のない第2コアと律儀な第1コア!左右の翼がバランスを崩しつつ避ける!
大鎌を振りかざして接近をかける!だがヒーザーズも浮遊形態から巡航形態に変形し加速!
ヘリのような輸送機がアームヘッドと格闘戦をやるのか?やるのだ!
ブレード状安定脚や運搬能力を兼ねたクロー、そして回転翼そのものがミキサー刃めいた武器!
すれ違いざまに吸血鎌とブレードが交錯!直後に終世主を襲うプロペラ斬撃!
”ヌアーッ!”
一方ヒーザーズのパイロットは別モニタに注視!格闘戦をオートに任せていたのか!?
「マリーアはそっち!ジャネットはあっち!マサコはこっち!」
地上のアリジゴク群に指示を出しているのだ!およそ似つかわしくない愛称!

その地上ではヴァントーズとザブートンが闘技場を脱したところだ。
「逃げたはイイがよ!砂の上なのは同じだ!どーすんのよ!」
<CRYING-HORNET03>:”こうするさ”
ヴァントーズのショットガンがコロシアム入口上方を破壊し封鎖!
「アア・・・・・・ヤツら行儀良く入口から並んで出てくるってワケ・・・」
<CRYING-HORNET03>:”連中の目的が遺跡の保持なら、入口の下以外は避けるだろう”
「アア・・・・・・けどもうボロボロだぜ?オレだったら無傷新品で欲しいけどネ」
<CRYING-HORNET03>:”これ以上遺跡を壊す度胸が無ければ来ないだろう”
「アア、ヤツらにそういう知能があればネ」

二体の周囲の地面が破裂!飛び出すレックスアントヘルの大顎!
普通に砂中深くを掘ってきたのだ!更に迫る砂渦!外側に居た群れが合流!
「ハハ・・・ここはまるでヘブンの地獄だぜ・・・・・・」
<CRYING-HORNET03>:”ずいぶん元気無くなってきたじゃないか?”
ヴァントーズがジャンプし大顎回避!その着地点は遺跡の破損片だ!
「ア!オメエ足場を!こっちの足は車輪なのに!」
再び死へのマラソンを開始するザブートン!数を増した砂渦がそれを追う!
<CRYING-HORNET03>:”景気づけに少し遊んでてやってくれ”
ヴァントーズのショットガンは更にコロシアムへ火を噴く!
遺跡破壊任務の遂行だけではない!残骸を積み上げ、外壁上への階段を作っているのだ!
傭兵はコロシアム上に登りつつ、空中のレックスヒーザーズへの射撃も試みる!

「あああっ!?信じられません!信じられませんよあなた方の浅はかさは!これ以上壊そうとするなんて!」
ヒーザーズが標的をヴァントーズへと変更!ホーミング弾を放ちつつ接近をかける!
”背中がガラ空きだ!!”
その後ろに続いて吸血鎌を構えるイヴィレンデシア!真っ二つに裂くチャンス!
だが気づかぬ地上!複数のレックスアントヘルが撹拌機を空に向けている!
終世主の攻撃直前!下方から凄まじいピンポイント砂嵐が巻き起こり奇襲!
”ぎゃあーっ!”
枯葉の様に吹き散らされるイヴィレンデシア!

<CRYING-HORNET03>:”チィッ!”
ヴァントーズは迫るレックスヒーザーズを正面にショットガン連射!
だがそれらは誘導コルダックに迎撃される。敵の弾が多い!容赦なく命中!
ひるんだヴァントーズにヒーザーズがすれ違う!肩装甲とバックパックがローターブレードに巻き上げられる!
外壁から落下する傭兵機!ヒーザーズはそれを目下に転回し、終世主へ!

「ヤツらのほうがチームワーク抜群ってどーなのよ」
呟きながら逃げる面白黒人隊員!その頭上にヴァントーズ落下!
<CRYING-HORNET03>:”こっちも悪くは無いようだ”
ザブートンを踏み台にして再び瓦礫の上へ退避!迫る砂渦へ大弾を放り込む!
装甲車もドリフトし方向転換!残骸階段を登ってアリジゴクを逃れる!

その時空中では、落下するイヴィレンデシアが各種砲撃による追撃を受けていた。
ヒーザーズは確実に仕留めるべく加速接近!だが待っていた終世主は目を見開く!
振るわれた大鎌はヒーザーズの前部コクピットを狙っていた!だが可変機構の一部が働き操縦席が回避!
イヴィレンデシアの攻撃は致命傷にならず!クローによって抱え込まれ、安定脚ブレードで叩き落とされる!
”ぐへえー!”
熱砂に突っ込み地に墜ちた終世主!


(休憩時間)


安全地帯からの射撃に対し、レックスアントヘルの群れは尾を持ち上げる!
砂竜巻で砲弾を跳ね返しつつ、傭兵らの足場の安定を奪っているのだ!
だが反転した砲撃は次々にコロシアムを傷つける!
「ああ!なんて浅はかなAIなのかしら!アッごめんなさいセツザ様」
上空のレックスヒーザーズは傭兵共にも止めを刺すべく飛来!

ヴァントーズとザブートンは再び砂漠へ落とされ待ち受ける渦中へ!
「オイオイやべえぞ!そろそろ補正が切れてきたのか!?オレの調和!?」
大顎の圧力でザブートンのタイヤが破裂!だがそのアントヘルの顔面も破裂!
<CRYING-HORNET03>:”こんな地獄の底で、補正など誰にもかかりはしないさ”
「ヒューッ!やってくれるぜ相棒!コンビ補正がかかれば生き残れるもんだよな」
<CRYING-HORNET03>:”今ので右腕が弾切れだ。運も尽きたか”
「そういうのやめろよ!オレの死亡フラグになりそう」
話ながら沈む二機の頭上に、成虫司令機の影!

「愚かしきアリンコ共!美しき遺跡も壊す事しか出来ない!無様な吸い殻にでもなりなさい!」
ヒーザーズは一斉掃射で蜂の巣にすべく全銃口を目下へ!
<CRYING-HORNET03>:”待て!この遺跡はアームヘッドが造ったと言ったな?”
「そうよ復活したバイオニクルが造った!それをあなた方が壊した!」
<CRYING-HORNET03>:”フフ・・・実はこの機体は曰くつきのアームコアでな・・・そう伝説の・・・・・・”
「伝説の?」
<CRYING-HORNET03>:”伝説の・・・「砂塵を纏うパーフェクト要塞X」が使っていたというコアが・・・”
「あっそう、なんかそんな感じの名前だったかしら?で?新しい遺跡を建てられるっていうの?」
<CRYING-HORNET03>:”善処する!うおおおおお・・・・・・”

「アー・・・・・・ひっでえハッタリだ」

その時、三者の頭上をよぎる黒い影!

”これで我々との戦いに集中できるだろう?”
言い放ったのはイヴィレンデシア!無防備なヒーザーズの触覚アンテナを斬り飛ばしたのだ!
これにより複数のアントヘルと相互に通った、詳しい周囲情報網や細かい指示を封じられる!
「フゥ!ブラッドサッカー、やるじゃん!」
「クッ!エンデシア、貴様まだ!」
低空飛行のヒーザーズが振り返ろうとする!
すかさずヴァントーズとザブートンが砲撃!左回転翼を破損させる!
「小癪な真似を!」
だがレックスヒーザーズには尾先のタービン翼も残されている!
そこからの突風で加速しつつ、地上の二機を砂渦に押し付ける!

イヴィレンデシアは迫るローターブレードを避ける!片翼を失って傾き精彩を欠いた攻撃だ!
足を噛まれたヴァントーズがエルボーハンマーの連打!アントヘルの頭がみるみる歪み停止!
だが別の牙が脚部装甲を破壊!ヴァントーズの股下に頭!それもザブートンのショットクローに貫かれる!
<CRYING-HORNET03>:”お前・・・・・・”
「オッケー礼は要らねえゼ!ささやかに借りを返しただけだ!」
<CRYING-HORNET03>:”・・・・・・死ぬなよ”
「・・・だーから!おめえオレを死なそうとしてんだろ!?」
大顎の奇襲によってザブートンの左腕クローが破損!ビッグキャノンで反撃を考えるも弾切れ!
砂に連装大砲とサモラキャノンを突っ込み連射!アントヘルの一体を仕留めると同時に弾切れ!
全身マシンガンも今まで無駄弾を撃ちすぎた。ガスは効かない。残るはリロードの遅い右腕のロングメルトキャノン。
<CRYING-HORNET03>:”さて、どうする?遺跡破壊だけでも無理矢理やっておくか?”
ヴァントーズも左腕ショットガンだけが頼りだ。砂の渦は減っているが、中に何匹潜っているか見当もつかない。
強い日差しの中、砂に吸い込まれながらの、無限に続いているようなもぐら叩き。
消耗戦は終わりを告げようとしていた。いや、状況を打開して終わりにさせる必要があるのだ!

二機から離れた地点で尾を天に掲げるレックスアントヘルの姿あり!終世主を砂嵐で襲うつもりだ!
「ハハハ!オレはまだ死んじゃネエ!相手はこっちだろ!」
面白黒人隊員が長砲狙撃!不意を突かれたアリジゴクが腹部を射抜かれ爆散!
同時に飛び出した別の牙がザブートンのタイヤを破壊!だがヴァントーズが敵の尾を切断!
「チィィ・・・・・・!」
ヒーザーズのパイロットは完全自立となった手下機の失敗が増していることに苦心する。
いや敵がアントヘルの弱点に気付き無力化している。本来なら砂に隠す尾の撹拌機が無ければ、渦も嵐も作れない。
だが総戦力ではまだ勝っている!手早くエンデシアを墜とし、地上の傭兵にも自ら引導を渡す!

”これで終いだ!”
イヴィレンデシアが全身の刃を赤く滲ませながら突進!
ヒーザーズの弾幕を身をひるがえしかわす!避ける!しかしホーミングコルダックは全弾命中!
苦痛に歪む終世主だが肉薄成功!振り下ろした大鎌が回転翼と鍔迫り合い!
一瞬揚力が半減したヒーザーズだが、圧倒的ローター回転力によって巻き上げられる鎌!
隙のできたエンデシアは腹部クローにより捕縛される!固定状態で撃ちこまれる誘導弾!全弾命中!
”グルルルル・・・・・・”
だが終世主は死なず!その眼を緑色の光がよぎった!
その時レックスヒーザーズに異変!急激に重力が増したように高度低下!

<CRYING-HORNET03>:”蜂のように舞い!”
コロシアム外壁から跳び立つヴァントーズ!左腕の銃口をヒーザーズへ!
その下ではザブートンもロングメルトキャノンを頭上へ向けていた!
<CRYING-HORNET03>:”泣きっ面に刺す!”
二体のアームヘッドの砲撃が、レックスヒーザーズの右回転翼と尾部エンジンをそれぞれ破壊!
「そッそんなッ!セツザ様ーーーッ!!」
浮力を失ったレックスヒーザーズを、イヴィレンデシアが巴投げめいて放り込む!
その行先は半壊したコロシアム遺跡!成虫司令機が墜落し更なる破壊を生む!


「ハッハッハー!やったぜ兄弟!オレたちの大勝利だ!」
笑う面白黒人隊員の背後に迫る砂山!
<CRYING-HORNET03>:”まだだ”
着地したヴァントーズがショットガン射!レックスアントヘルの頭を潰す!

「ヒューッ危なかったぜ!ありがとよ兄弟!ブラッドサッカーもな!」
ザブートンが右腕を振る。しかしそれを見下ろす終世主の眼はどこか冷たい。

”言われた通り落としたぞ。空の邪魔は無くなったので帰るからな”
言い残し浮上する傷だらけのイヴィレンデシア。その目下には依然として迫る砂渦!
終世主は、地に落ちた大鎌に群がるアントヘルを切り裂いて奪い返すと、本当に何処かへ帰ってしまった。


<CRYING-HORNET03>:”・・・・・・まあ、俺たちの戦いはこれからだ”
「アー・・・・・・こういうのって大体クイーンを倒したら終わりなんだけどナ・・・」
新たに飛び出すアリジゴクの牙が、ザブートンのタイヤを全破壊!
「正直どうだよ!これ以上戦う気、あるか?」
<CRYING-HORNET03>:”・・・・・・さらさら、ないな”
面白黒人隊員がザブートンから脱出!ヴァントーズの右肩に掴まりぶら下がる!
そして傭兵機が最後のショットガンを、ザブートンの腹部に向けて放つ!
小爆発と共に漏れ出す毒ガス!小刻みに震えだす無人ザブートン!
二人を乗せたヴァントーズは、それを置いて砂上滑走!
数機のアントヘルは未だザブートンに気を取られ噛みつく!

ガス爆発を背に、迫る渦から逃げていくヴァントーズ!


・・・・・・不毛な砂漠を逃げ続けてしばらく。モニタに現れる映像付き通信。

『純正コピーメシアは取り逃したか。目標の司令機は撃墜。まあ、ボーナスは無しだ』

ホグウィード社営業部長がそれだけ言い残し消える!
目標の司令機?遺跡ではなくアレをおびき寄せたかったのか?

「ハハハ・・・・・・オレ、この仕事やめてハンバーガー屋のバイトでもやろうかナ・・・・・・」
脇から見ていた面白黒人隊員が、空虚に笑う。

「ああ、そのほうがいい・・・俺も今ので、泣きっ面に刺された気分だ」
クラインホーネットが依頼情報をモニタから消した。


砂上に浮かぶもう一機のヴァントーズ。
「もーっ、狭いわね」
「その胸のせいでしょ?もういいんじゃない、邪魔ならさ」
中には糒を食べるライスシードと、巨乳をガラスに押し付ける乳飲隊員。

そこへ滑り通りかかる負傷ヴァントーズ。そのコクピットにも二人の姿。
「ハァーイ、お嬢さんたち!エンストしたのかい?良ければ乗ってく?」
軽快に声をかける面白黒人隊員!乗れる訳がない!
「押して運んでいくが、俺たちの行先は基地じゃなく宛てない旅だ。どうする?」
クラインホーネットも半ばヤケ気味にナンパか!
「・・・私はご飯にありつければいいや」
「もーっ!断ったら置いてくつもり?サイテーよ!」


二機のヴァントーズは背を支え合いながら、陽炎揺らめく地平線へと向かっていく。


その後ろで、静かに膨らむ砂山に気付くことなく。



END


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最終更新:2015年06月03日 22:32