人類復興の要となった汎政府連合首脳部は、アイサ大陸中心部に築かれた「ネオ・プラントシティ」に存在する。
 大破局後のヘヴンには国家と呼べるものが生まれることはなく、各地に散った人々がかつての都市圏を再建して住まう自治都市があるのみ。
 各自治都市群は、市民の代表によって組まれる自治委員会が民主的な運営を以って治め、法策の制定と実行を担っていた。
 汎政府連合は元々、アイサ大陸中央部に興った複数の自治都市に連なる各管理委員会が集い、意見交換や合同協議を繰り返す最中に強固な結び付きを得て、より高度且つ綿密な統治運営能力を備えた政治機構として、新たに誕生した経緯を持つ。
 汎政府連合は、人類文明の再興と発展、世界の平和と秩序維持を目的とした各自治都市間の調停・協力推進機関である。
 自治都市中心の社会システムを肯定し、各都市の連携を促して幇助することへ第一義を置いてきた。
 技術と資源の平等な分配を以って人類全体の安定化に努め、恒常的な平安を追い求める。

 ただしその政策は必ずしも即日的に効果が現れるものではない。
 住人の密集度や都市圏の文明レベル、食料自給率や傷病の発生リスクなど、複合的な統計から多角的にデータを割り出し、必要な地域に必要なだけの供給を行うのだが、当然それには時間がかかる。
 情報は流動的で、けっして画一的に安定しているものではないからだ。
 このタイムラグを指し「技術と資源を一極集中させ、自らの懐を豊かにするべく、他への分配比率に意図的な調整を課している」と悪し様な風評をぶつける者も中には存在する。
 彼等の多くは未来への不安と現状への不満を火種にし、汎政府連合を諸悪の根源と定めることで、自らを正当化して反社会的な武力蜂起、所謂テロ活動を実行した。
 この理性を欠いた兇気の牙は、汎政府連合直轄地のみならず、汎連合に協力的な姿勢を見せる地方自治都市にまで及ぶ。

 都市固有の防衛戦力は保安部隊が当てられるも、彼等の装備は基本的に軽犯罪の抑制を目的として揃えられている為、アームヘッドを用いたテロ活動には殆ど対処能力を持たない。
 これを打倒・鎮圧するべく自治都市が求めるものこそ、アームヘッドを駆る傭兵だった。
 テロ活動による被害を最小に収めるため、外部戦力である傭兵達は雇われ、暴虐非道のテロリストを撃退する。
 傭兵の需要は年々高まり、特に名の売れた腕利きは、遥か遠方からも依頼が舞い込んでくるほどだ。


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最終更新:2016年10月13日 20:56