これまでのあらすじ
家出少年パイロットのアルカと取得物イソーローのレイル。
彼らの元に謎の着信が...
ストーリー:カウンター・アタック
第3話「追手レーリレイ」
着信。
「はい、アルカ・クライアですけど...あ、はい。解りました...レーラビくん、レーリレイっていう人から...」
「ぜぜ...レーリレイ....!」
『3日と21時間14分振りだな、レイルレーラビ。』
冷徹さを感じさせる男の声。
「お前たちとはもう縁を切った筈だぜ...一体何の用だぜ」
『...これが最終通告だ。我々の所へ戻って来いレイルレーラビ。』
「.....せっかくだが断るぜ」
『そうか、ただの人間に飼い慣らされ目的すら忘れたか...ならばーーー』
通話が切れた。
レイルは複雑な面持ちで何か考えているようだ。
「レーラビくん、どうかしたの?」
「...ちょっと行ってくるぜ」
パジャマ姿だったレイルは急いで着替えを済ませて家から出ようとする。
「何か、あったんだね...僕も...」
「駄目だぜ!」
いつになく声を荒げるレイル。
「...っ!ごめ...ん」
「.....本当に済まないぜ、恩人を巻き込む訳にはいかないんだぜ....」
一人部屋に残されたアルカ。
「レーラビくん...」
ーーーーー
レイルはレーリレイに指定された場所に到着した。
滅多に人が立ち入らない廃工場だ。締め切られているため日中でも暗い。
「...わざわざ来てやったぜ」
返事はない。
突然天井から金属音!
「!?」
天井に張り付いていた黄色い作業用アームヘッドが腕部のドリルを回転させながら落下してくる!!
それにいち早く気づいたレイルはバックステップ回避!
レイルは着地を行いつつ、飛来する破砕コンクリート片を右手の袖から出ている紅い刃物で弾く!
その後、落下してきた機体"レーヴェC"が立ち上がり、頭部センサーの赤い光がこちらを照らす。
「...!」
レーヴェCに向かって走り出すレイル!
振り下ろされた迎撃右腕部ドリルをジャンプで回避し、その右腕を足場にして機体を走って登る!
機体の胴体正面に跳び乗ったレイルは、紅い刃物をコクピット開閉部に差し込む。
そして空いた隙間から力任せにこじ開ける!
コクピットの中にはパイロット...ではなく、操縦桿に無人操作用の"カセット"が差し込まれていただけだった。
「...ファントム(無人アームヘッド)ぜ!?」
そして、そのままカセットを引き抜きレーヴェCの機能を停止させる。
「ふん、《その人間を殺されたくなければ、指定された場所まで来い...》まさか本当に言われた通りに行動するとは、流石は"選別漏れの失敗作"だな」
赤紫の髪の男が、作業用の昇降足場に乗って降りてくる。
「レーリレイ...俺を騙したのぜ」
赤紫の髪の男...レーリレイは、手首を鎖で縛られたアルカを人質にしていた。
「...アルカ!」
次回、第4話「追手レーリレイ②」に続く。
デベロッパー初のアームヘッド、レーヴェを作業用に改装した機体。
比較的低コストで一般に出回っている。
既存の有人アームヘッドを無人化する為の、簡易型ファントム導入デバイス。
御蓮の旧式ゲームハード"ファミリープロセッサー"と同じパーツを流用している為、何故か互換性がある。
最終更新:2017年01月15日 18:46