これまでのあらすじ
ツヴァイの最終調整中、アルカの適正の高さが融合現象の発生を招いてしまう。
が、"偶然"現れた襲撃者、雷電のオーバーンの乱入によりそれは阻止。
同調が切れ窮地に陥るアルカを救うべく生身でカタパルト射出されたレイルは、ツヴァイに乗り込み雷電のオーバーンを撃破した。


ストーリー:カウンター・アタック
第09話「家族レストレーション」


デベロッパー応接室。
眼つきの悪い黒髪の男、雷電のオーバーンは簡素なパイプ椅子に括り付けられていた。
「畜生!俺様を解放しやがれ!」
「やだぜ!どうせ暴れるぜ!」
「おのれ...!」


「しかし"俺様"とは、変な喋り方の奴だぜ...」
「お前に言われたくないわ!」
怒りのあまり拘束された事を忘れ立ち上がろうとして転倒!
「うぐわーっ!」
「だ、大丈夫ですか...?」
心配するアルカ!


騒いでる内に部屋の扉が開く。
「雷電とやらの様子はどうだ?」
雷電のオーバーンは部屋に入ってきたコーバンを睨みつける。
「....故郷の家族を置いて、こんな所で何してんだよ...クソジジイ」
「.....!オーバン....」


「えっ、コーバン部長。この人と知り合いなんですか?」
「...ああ、この男、オーバン・ガッポは...私の孫だ」
「えっ」「ぜぜぜ」
部屋の空気が停滞する。
「そ、それなら縄を解いてあげないと」


「...チューバン(コーバンの娘)は、元気にやってるか?」
「元気だと...?お前に押し付けられた電気屋の経営で休む暇すら無えよ」
「....そうか。今度、帰ってやらないとな」
「そうまでして、何がしたいんだよ?」


「...アルカ君。レーラビ君にも我々の目的を話しても良いかね?」
「....はい。」「ぜ?」
「デベロッパーは、基本は独立してアームヘッドの開発を行っているが、実際は"メッサー社"に所属する一部所だ」


「そのメッサー本社は今、アームヘッドの"全面廃止"を行おうとしている。」
「全面廃止...だと?」
「ああ、企業や軍の物だけでは無い。個人所有の物も含めてだ。」


「...本社の連中は"アームヘッドだけを停止させる装置"をいち早く世界中に設置する事でその計画を実現しようとしている。」


「その上で、非アームヘッドであり、アームヘッド以上の性能を持つ兵器..."シビルヘッド"を製造する。」
「......」
「シビルヘッドは、組織のバックアップが無ければ運用できない高価な代物だ。」


「私は、アームヘッドを"人と共にあるモノ"とするなら、シビルヘッドは"組織による支配そのもの"であると考えている。」
ここでコーバンは一度息を吸い込み、呼吸を落ち着ける。


「我々...アームヘッド・デベロッパーの目的は...その計画を阻止し、本社を乗っ取る事が目的なのだ。」
その話を聞きオーバンは不敵に笑う。
「....面白え。俺様にもそれをぶっ潰すのを手伝わせてくれよ」


「それと、アルカとレイルだったか、次はお前らにも勝つ!覚えてろよ」
「ぜぜ、望むところだぜ」「こ、怖いなあ...」


次回、第10話「逃避行ドーナッツ」に続く。


  • オーバン・ガッポ
最強のアームヘッドの開発を目指す若きメカニック兼パイロット。
コーバン・ガッポの孫でエリートの家系だが、"ダサい名前が気に入らない"らしく、戦場では「雷電のオーバーン」を名乗る。


  • チューバン・ガッポ
コーバンの娘であり、オーバンの母。
ガッポ村で夫と共に"コーバン電気店"を経営している。



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最終更新:2017年01月10日 15:30
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