ストーリー:カウンター・アタック
第18話「不良ダークサイド⑤」


ーーー
採石場。
殿様先輩、重爆撃機先輩、翻訳先輩と配下の不良達は褌一丁という凄まじい格好で正座させられていた。
「...様々な脅威が迫ってるというのに何故お主らはこう無軌道な不良行為を...」
竹刀を持ち説教する忍者先輩。
「...お主らはたるんでいるでござる」


「お言葉ですが忍者先輩、私の身体は一切たるんでなどおりません」
ここぞとばかりに筋肉をアピールする重爆撃機先輩!
「ええい今は筋肉の話はしておらぬでござる!」「おおぅ!」
竹刀尻殴打!
「おおすごい筋肉だぜ...」


「...どうして君は俺の目を手で隠すのだぜ?」
「...レーラビくんはああいうの真似しちゃ駄目だよ?」
「しないぜ」
そんなアルカとレイルをよそに、忍者先輩による厳しい研修はなおも続く!


「殿様先輩、主犯のお主は特に反省する必要があるでござる」
竹刀尻殴打の構え!
「嫌でおじゃる!どうせ叩かれるのならそこの洋物娘がいいでおじゃる!」
「...アルカ殿は男でござるよ?」
「はあ?そんな事知ってるでおじゃるよ?」


(成る程...幼女先輩が殿様先輩の行動に注意しておけと言っていたのはそういう事だったのでござるな)
何かを察した忍者先輩は殿様先輩以外の不良を解放した。
「余はどうなるのでおじゃるか?」


忍者先輩の目が無慈悲に光る!
「お主は忍者の里へ連れて行くでござる」「エッ」
殿様先輩は忍者先輩の呼び出した弥生に褌一丁のまま掴まれ、何処かへ連れていかれた。
「たっ助け...」


ーーーーー


九姫市付近に存在する小さな研究所の一室。
機材とコードが散乱する埃っぽい部屋に、小判を頭に乗せ、衛生マスクを着けた子供のような容姿の男....コーバン・ガッポが招かれていた。
「...アシヤ博士、いい加減部屋の整理ぐらいできんのかね?」


「何?これで整理できてたつもりだったんじゃが...」
機材とコードの山から白髪髭面の老人が出てくる。
彼はアシヤ博士、アームヘッドデバイスの研究者である。
「そうか、それならこれ以上は言わないが...あれはもう完成したのか?」


「それならもう完成しておる、それより例の物は用意したのかのう?」
「ああ、作成依頼の為とは言え手に入れるのには骨が折れたよ」
そう言ってコーバンは懐から"真・セイギマン序章"と書かれた古い記憶媒体を取り出す。
「だが本当に序章だけで良かったのか?君と私の仲だ、その続編も...」


「いや、残念じゃが真・セイギマンは序章しか出ておらんのじゃ...」
「そ、そうなのか...」
「良かったらワシと一緒に観ないかの?最近は孫娘も外で遊ぶようになってのう」
「む、いいだろう久々に観るか...」


ーーーーー


真セイギマンが敵の脊髄を引き抜く映像!過激!
「お、おいアシヤ博士!これ本当にセイギマンなのか!?」
柄にもなく狼狽するコーバン!
「ほっほっほ、その反応が見たかったのじゃ...」
ほくそ笑むアシヤ博士...試されていた...。


次回、第19話「調和レゾナンス」に続く。


  • 忍者先輩(にんじゃせんぱい)
本名は手裏剣蔵(たうらけんぞう)。
御蓮、九姫市のかぐや中学に所属する不良忍者。
不良アームヘッド「弥生忍改」に搭乗し、先輩レジスタンスとして悪こそ正義と知った先輩と戦っていたがそのうち忍者先輩と呼ばれるようになった。


  • アシヤ博士
本名は芦屋 東(あしやあずま)
アームヘッドと人間の関係の研究を行っている科学者。
コーバンの学生時代からの友人であり、彼の過去を知る数少ない人物。
また、自らの作品にその意匠を取り入れる程の特撮マニアである。



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最終更新:2017年01月10日 15:43
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